うらひろの日記

その場で思ったこと、好きなもの、書いてみます。

流星のロックマン始めました

お世話様です。

 

先日部屋の整理をしておりまして、ニンテンドーDSを発見しました。

せっかくなので何かゲームを始めようと思い、ブックオフで購入してきました。

 

流星のロックマン

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何故ここで『流星』なのかと言うと、DSと一緒に見つけ出して久々に起動したのですが1.2は完全クリアしてたものの、3のみシナリオクリアで終了してしまっており(難易度が高かったのもあるかな…)、悔しいので完全クリアしようと思い、さすがに途中からは難しいと感じたため1からプレイすることにしました。

とは言うものの出来るだけ過去データは消したくないので、セーブデータが一つしか保存できない1だけ中古で購入してきた所存です。

 

中古ゲームの醍醐味として、過去データはどんなものなのかを最初覗いてみたのですが…

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アバンだけ見て、セーブしたところで終わってました。

当時『流星』特に1は『ロックマンエグゼ』が大人気作であったことからも、どうも人気に関しては伸び悩んでおり、中古ショップでも500円前後で多く出回っている印象です。

買ったはいいけど、プレイするモチベーションは無かったのかな…と切ない思いになりました。

 

現在2体目のボスであるキグナス・ウイングを倒したところまで進めましたが、全体的に難易度は低めに作られているというのが発売当時からの印象です。

前シリーズ『エグゼ』から大きな変化を図り、戦闘画面が全体図のドット絵から主観のポリゴンのものに変わり、前後の移動を廃止。

↓Before

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↓After

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その結果、自分から敵に距離を詰められなくなったことへの対処として、相手の懐に飛び込んで攻撃を加えるウォーロックアタック」、回避不能な攻撃を防ぐシールドの採用など、ロックマン単体で出来るアクションの幅が広がりました。

アクションが増えた分、やることも増えて戦略性が高くなったように見えますが、実際はそこまで難しくもなく、慣れてしまえばどうということは無いという難易度です。

『エグゼ』シリーズを切り抜けてきた猛者からしたら、少々物足りないと感じるかもしれませんね…。

 

ストーリー面に関してはアバンからものすっごく重い展開で、今になって見てみるとかなり刺さるものがあります。

また「ブラザーバンド」の設定は現代におけるSNSによく似ていて、かつてのゲームの世界に現実が近づきつつあるんだな…と強く実感させられます。

 

このゲームをプレイしていたのは確か中学生くらいの頃でしたが、今になってどのような感想を抱くか、出来る限りレポートしながらシリーズ完走していきたいと思います。

 

短いですがここまでです。

それでは。

 

ウルトラマントリガー「繁殖する侵略」

ウルトラマントリガー』

第8話「繁殖する侵略」

(監督:田口清隆 脚本:小柳啓伍

とうとうイグニスの不法侵入にリアクションを示さなくなるGUTS-SELECTの面々。

慣れというものは恐ろしいのです。


「さすが僕の相棒アキトだね!」

「は?いつから俺がお前の相棒になった」

前回同様、ウルトラあるあるを共有していたケンゴとハルキの大声に挟まれビクッとしながらも、淡々とウルトラメダルを解析しゼットのタイプチェンジキーを作成するアキト君がツンデレ属性を発揮しヒロインレースに参加しようとしていた頃、昨晩突如発生したシステム障害によって街はパニック状態となっており、更に世界各国のTPU支部(初の言及だと思いますが今後絡んでくるのでしょうか)もサイバー攻撃を受け、なんとナースデッセイ号のシステムまでコントロールを奪われてしまう!


"ダダ"と自ら名乗るコンピューターウイルスのような謎の来訪者からナースデッセイ号を守るため、前半はGUTS-SELECTのメンバー総動員でシステムの独立を図り対処するドタバタを描くという趣きで、話の中身というよりは、キャラの動きとアナログとデジタルのギャップによって生じる可笑しさを引き出してきます。

前回は冒頭から『Z』による番組ジャックを敢行していましたが、田口監督得意のパニックにおけるプロフェッショナルの立ち回りをテンポ良く展開し、色々と影の薄くなりがちなGUTS- SELECTに見せ場を用意したのはさすがの手腕で、これまで筋トレマニアという「個性」を与えられながらそれが活きることなく置き物と化していたテッシン隊員の

「こいつの操舵は、パイロットの俺に任せてとけ!!」

と叫ぶシーンは特に光った部分かと思われます。


GUTS-SELECTが総力を上げダダに対処するも、ナースキャノンの発射システムが乗っ取られてしまい地上に向け発射!!される直前にテッシン隊員の筋肉が船を傾け何とか空砲に終わり、シズマ財団の行き過ぎた科学が地球文明を崩壊させるところを筋肉が救った!!

ダダがナースキャノン2発目の充填を始めたため、ケンゴとハルキは直接システムシャットダウンに向かい、ヒマリ隊員はアキトの組んだプログラムによってファルコンの操縦によるウイルス撃退…とは名ばかりの鬼畜レトロゲームの攻略を任される羽目になり、田口監督の遊び心が出ると同時にヒマリ隊員のスキルと可愛げアピールにも繋がり、今回のゲーム描写を見てヒマリ隊員の操縦時の性格は、Eスポーツ辺りのイメージも汲んでいたりもするのかと少し思ったのですが果たして。


ダダの妨害をかわしながら自慢の筋肉で何とか操舵するテッシン、鬼畜ゲーに困惑しつつも意外な腕前を見せるヒマリ、邪魔してるようで何だかんだ手伝ってくれるイグニス、各種ケーブルの処理を担当するマルゥル…の中で隊長だけが無表情で何もしないというのはギャグだとしてもやり過ぎだと思われるのですが、ともあれGUTS-SELECTの団結によってナースデッセイ号のコントロールを奪いきれないダダは、今度はキングジョーを乗っ取りナースデッセイ号を落とそうとペダニウム弾頭弾で街を蹂躙。

「世界侵略には、俺たちが邪魔だと気付いたらしい!」

相手の事前分析は欠けていたもののこれ以上ない理不尽な悪意に、2人の英雄が神器を構えブートアップ!

「未来を築く、希望の光!!」

「宇宙拳法、秘伝の神業!!」


『アルファエッジのテーマ』をバックに並び立ったマルチトリガーと師匠三倍盛りことゼットアルファエッジは果敢にキングジョーに立ち向かい、『Z』にてありそうで無かった特空機が敵に回るという展開がベタながら目を引きます。

機械の扱いを熟知しているということからか、ダダの操るキングジョーはセパレートモードからタンクモードまで使用し、現行主人公の苦戦属性に引きずられてしまうのか?と思いましたが、そういえばゼットさんも割と苦戦が多かった印象です。


「真っ赤に燃える、勇気の力!!」

「勝利を掴む、剛力の光!!」

田口後光まで背負い始めて大暴れのキングジョーに対し、「鉄が鍛えた身体に勝てるワケないだろ」とラーメンの絆を得たゼットリガーはパワータイプとベータスマッシュの筋肉四倍盛りで、最強モードだ!からのゼットファイッ!!

…と思いきや2人まとめてビルに叩きつけられ、筋肉の壁、電撃に敗退する。

同じ頃、ヒマリ隊員が鬼畜ゲーをクリアしナースデッセイ号のメインシステムを奪い返されたことでナースデッセイ号のブレインであることを見抜いたのか、ダダが研究室に現れ窮地を迎えたアキトの前でユナがユザレに覚醒し、ダダを撃退!

アキトのヒロインゲージが急上昇!!(おい

研究室と指令室を往復していたユナが、ユザレとなってアキトの危機を救うという流れは、これまでのシールド要員と比べとても自然で良かったところ。


「変幻自在、神秘の光」

筋肉の敗北したところをヨウコ先輩に見られたら腕立て伏せ100000万回だ…とゼットは平成三倍盛りのガンマフューチャーに、トリガーはマルチタイプにブートアップ!し光線バトルに持ち込もうとするも、戦場に姿を現したダダ(今回の個体は"PDO-3A"と呼称)の伝家の宝刀・サイコキネシス自動車アタックver.Tで動きを封じられ、ついに2人はピコンピコン。


「闇を飲み込め!黄金の嵐!!」

「天空を駆ける、高速の光!!」

唐突にキングジョーと同化しようとしたダダが作った隙を見逃さず、地球を守るのはウルトラマンだけではないという言うかのごとく発射されたナースキャノンで同化は阻止され、2話連続登場の主役三倍盛り・デルタライズクローとスカイトリガーにブートアップ!した2人は高速空中戦を展開し、やっと攻略法が分かった!

ゼットの最強形態であるデルタライズクローと並び戦いを優位に進めるスカイタイプはこれまででも特に印象的な活躍が多く、「そうか!」と思ったらハサミを叩きつけただけ、海上でサタンデロスに敗北していた、先輩と一緒にビルに叩きつけられるなどパワータイプと今回一切出番の無かったカルミラさんがだんだん可哀想になってきました。

「ごめんなキングジョー…また直してやるからな!」

レッドキング、グルジオライデンとの出会いによって生じた壁を父の言葉、そして仲間と共に乗り越えたハルキはキングジョーに一旦の別れを宣言し、三度マルチタイプにチェンジしたトリガーと並びW光線で爆☆散


「何から何まで、ありがとうございました!」

「お礼を言うのはこっちです!僕にも最高の相棒がいて、最高のチームがいるって気付かせてもらいました!!」

バラバラになったキングジョーをひとまとめにし終えたラーメンの使徒2人は互いに感謝の弁を述べ、ケンゴの隣にはヒロイン候補のアキトが、そして元の次元への帰り方に悩むハルキの手に「俺様が次元を切り裂けば、どうとでもなる」と相変わらず便利キャラ過ぎて色々台無しな魔剣さんが今更現れ、ウルトラマンの重圧に囚われていたように見えたケンゴは自分が1人で戦っているのではないと改めて気付く。

「そんな皆のためにも、ウルトラマンとして頑張っていきたいと思います!!」

前作の「リクくん先輩、俺が力を貸すって言ったじゃないっすか!」に比べややインパクトに欠けますが、"ウルトラマンの一員"としての第一歩を踏み出したハルキと違って、ケンゴがウルトラマンと共に戦う仲間の存在を強く実感するのは対照的ともいえ、前作の終わり方には少し思うところがあったのでここをどう広げたうえで畳んでくるのかすごく楽しみです。


ゼットに変身(ガッツスパークレンスはレンタルしたまま)し、自身の手のひらサイズに圧縮しながらも重そうにする小ネタを挟み、光の戦士・ナツカワハルキは元の次元へと帰還。

礼儀正しくお辞儀とZ字飛行を見せたゼットさんが去り、一息着いたケンゴは

「アキト、お腹空いた…ラーメン食べに行く?」

「…あぁ」

「え…ほんとに?行くの!?」

スキル:ラーメンマニアを覚醒させ、無事、新たなラーメンの使徒を誕生させていた。


そんなアキトが豚骨醤油のマシマシラーメンを食べ終え研究室に戻ったところにもう一人、自らの覚醒に勘づいている者がいたーーー

「私の意識が途切れる瞬間、ダダを吹き飛ばしたのを覚えてる!…ねぇ何であんなことできるの?私って何なの!?」

ニンニクマシマシの影響で…でなく秘密に迫られたことで言葉に詰まったアキトに、ユナが激しく詰め寄り、

「"ユザレ"って…何なのよ?」

思わぬところで、遂に自身の秘密に気付いたユナの問い掛けで、つづく。

 

 

『Z』客演回の後半エピソードであり、ガッツスパークレンスを用いたゼットの変身バンクを全パターン撮り直すという田口監督が非常に気合の入った演出を見せてくれました。

逆に言えばハルキとゼットの出番はそれくらいで終わっており、基本はGUTS-SELECTのメンバーの活躍が描かれ、ケンゴがその仲間の存在を改めて大事に感じるという『Z』において復活した防衛隊要素を続投させ活かした形にし、本作の特徴を押し出す方向性のエピソードとなりました。

暑苦しい新旧主人公2人に挟まれるヒマリ隊員や、意外と正確な射撃の腕前を持つテッシン隊員などの細かい描写もキャラの掘り下げに貢献し、逆に良いところだけ持ってくために地蔵と化していた隊長がものすごく失策で、今回の残念なポイントです。


また、客演回において本筋における大きな動きを仕込むのは昨年同様で、今までで一番まともな仕事をしたユザレの存在に気付くユナという爆弾を最後に投下。

「本筋に絡まなそうな回において、重要な情報を提示する」という手法は『ルパンレンジャーVSパトレンジャー』などでもよく見られたものですが、ケンゴやアキトがユナ本人にユザレのことを隠す、みたいなシチュエーションを期待していた身としては早めの真相公開でやや拍子抜け。

というものの、これからは自身の中のユザレと向き合っていくことで、シズマユナというキャラクターに芯が通ることを期待したいと思います。


今回特筆すべきは、遂にニュージェネ作品において『ウルトラマンパワード』の怪獣が採用されたことで、一応スーツが現存しているパワードダダがほぼ原典通りの描写で令和の世に復活。

スマホやPCの画面に特有の模様を映し出し、突如真後ろや横に登場するなど怪奇性の強い部分と、やや理解に困る行動と自動車を浮遊させてファンネル代わりにぶつけるというギャグのような使われ方で、キャラとしてはなかなか面白い存在でした。

しかし個人的に、原典では目的がしっかりとしていた(喋ることが出来た)のに対し、今回の個体はアキトが行動を推測していたのみで、悪役というよりはちょっとした舞台装置(もしくはファンサービス以上のものにはならない何か)としての側面が強まり過ぎたとも感じられ、サブタイがカッコ良すぎたこともあってやや名前負け感は拭いきれませんでした。

まあ現役の作品にほぼ原典通りで再登場し、ソフビ人形まで発売されたという時点でもはや勝利とも言える状況なので、悪い判断では無かったと思います。

 

 

そんなところで次回、ジャーク会長再登場。

ウルトラマントリガー「インター・ユニバース」

ウルトラマントリガー』

第7話「インター・ユニバース」

(監督:田口清隆 脚本:小柳啓伍

宇宙空間、そこに現れた海賊宇宙人バロッサ星人(4代目)は巨大ロボ・キングジョーストレイジカスタムを抱え、宇宙用ツールを付けられたロボット・宇宙セブンガーとウルトラマンゼット・デルタライズクロー!!

恐らく意図的に『Z』1話を再現した状況にて、ブルトンを発動させた4代目によってゼットと彼に同化する青年・ナツカワハルキは異次元に飛ばされ、その飛ばされる間にあった諸々でゼットライザーを壊されメダルを奪われてしまう。

そしてここで流れ出すウルトラマントリガー』のOPの場違い感が凄まじく、開始2分程で番組ジャックに成功(笑)


激しいいざこざの末キングジョーはケンゴたちのいる時空に辿り着き、GUTS-SELECTは動く気配の無い巨大ロボットを調査することに。

明らかに地球の技術が施されているキングジョーに感心しながら、前回のサタンデロスに触れているのは細かいところで、本作はこれまでの描写を見ると細かく物語を組んでるように見えるのですが、上手く噛み合ってないのが惜しいところです。

側面に通用口を見つけたことで侵入に成功したケンゴアキトユナの3人がそこで出会ったのは、不審な宇宙人ではなく…

「自分は!地球防衛軍対怪獣特殊空挺機甲隊ストレイジの元パイロット、ナツカワハルキです!!」

暑苦しい地球人だった。

冒頭で「ゼットさんが帰ってきた!」というシーンを入れたかったのは分かりますし、前作を見てない人にもどんなものなのかというのを見せたい目的は理解できますが、正体が明らかになっているキングジョーを巡るクロスオーバーがあまり活きておらず、アキトが少々機械オタクっぽいところを見せる以上の面白さは残念ながら発生しませんでした。

冒頭のやりとり自体は面白かったので、もう少し上手く転がしてほしかったところ。


"こちらの地球"にはストレイジという組織が存在しなければ、キングジョーのような巨大ロボットも開発されていないために疑いを掛けられるハルキであったが、今日もあっさりナースデッセイに侵入してきたイグニスが別次元から来た地球人であると説明。

説明役を奪われ、マルゥル隊員の存在意義も揺らいできたところで色々と理解不能な状況を見かねたケンゴが

「ちょっと情報量多すぎますね」

と植物学者流の心理カウンセリングを行おうとしたところ、ハルキが何かに勘づいたためにアキトがフォローを入れ3人はその場を離脱。


「何で僕がウルトラマンって分かったんですか?」

「あ!やっぱりウルトラマンだったんですね」

「え?ちょ…当てずっぽうで言ったんですか?」

「何となく感じたんですよ、俺もウルトラマンなんで」

「「え??」」

アキトの研究室に拉致られたハルキはケンゴからウルトラマンの気配を感じ取り、色々ややこしくなってきたのでヒーローズゲートが開き、ケンゴだけでなくアキトまで光の扉にご招待。

そこに待っていたのは、ハルキと共に宇宙の平和を守るために戦うウルトラマンだった!

「ナイスチューミーチュー

 私は、ウルトラマンゼット」

相変わらずポンコツであったが、以前よりも落ち着いているように見えるゼットさんはキングジョーを奪ったバロッサ星人の追撃中(その説明はケンゴたちに何故かしておらず、冒頭の流れがまたも悪く出てしまったところ)、ゼットライザーを破壊されメダルを奪われたことで変身できないというウルトラやばい状態にいることを告白。

語る相手が変わったことでハルキがゼットの横に立つのが感慨深く、また2人で1人ともいえるハルキとゼットが向き合うのがケンゴとアキトの2人というのもそれぞれの関係性が映し出されてて良い場面でした。

「僕たちも手伝います!同じ…ウルトラマンですから!!」

かつてハルキがリク君先輩に向けたような言葉をケンゴは返し、ハルキとゼットのウルトラお辞儀を受けたアキトはゼットライザーを修復することに。


そんなウルトラ会話をイグニスがゴクジョー聴診器で盗聴していた頃、同じくこの次元に迷い込んでいたバロッサ星人とその舎弟で今回地球語を喋れない4代目の口代わりでもある海賊雛怪獣ベビーザンドリアス・ケダミャー(相変わらずバロッサの言語設定はテキトー)はキングジョー周辺で何かを探しており、その様子を見つめる闇の3巨人は掛け合いで愛嬌を稼いでいたが、ドジっ子属性が足されたヒュドラムに対しそこまで個性の出ないカルミラさんは今後の活躍を期待。

闇の巨人たちがワチャワチャやっていたその頃、4代目の前にイグニスが出現し、海賊とトレジャーハンターの安いプライド合戦は互いのお宝自慢に発展していた。

何だかんだあって4代目からウルトラメダルを奪ったイグニスはお得意の逃走を図るも、キングジョーを運ぶために探していたジュランの種を見つけた4代目は巨大化し、逃げるイグニスをペシャンコにすべく追撃に走る。


「あの…ハルキさん、ウルトラマンにとって、一番大変なことって何ですか?」

「うーん…色々ありましたけど、大変とは思ってないっすよ」

ゼットライザーを修復中のアキトを挟んでウルトラトークを始めるケンゴはさすがに無神経が過ぎると思いますが、光になれなかったアキトの苦悩に隠れていたものの、不穏な夢のこともあり、実はケンゴの方でも共感してもらえない(というか出来ない)ウルトラマンの力に戸惑いと孤独を感じており、だからこそウルトラマンであることを認識してくれているアキトと同じウルトラマンであるハルキに対しては、逆に心置きなく接することができるのかもしれません(アキトからしたら迷惑な話ですが)。

そこでハルキはケンゴを介してアキトからナースデッセイ号の武装について説明を聞き、「いいかハルキ、未知の場所に飛び込んだら最初にやることはそこの軍事レベルを測ることが、ウルトラ大事なんでございますよ」とゼットさんから教育を受けていた可能性が。

…冗談はさておき、前作において取り上げられたプロフェッショナルに関連するシーンなので、違和感なく見ることは出来ました。

「すごいっすねアキト君!ケンゴ君とトリガーさんの強い味方だ…」

仲間を信頼するケンゴと、そんな彼にツンケンしながらもしっかり支援するアキトの姿に微笑むハルキでしたが、変身アイテムを破損したことで4代目の巨大化に臨場できず。

GUTS-SELECTが出撃し、ケンゴは現場に向かいブートアップ!でマルチトリガーにノールック変身。


例の如くいつものように4代目に苦戦するトリガーがやや酔うカメラワークで描かれ、4代目のお宝の一つ"コダイゴンジアザーの鯛"(『ウルトラマンメビウス』登場)に噛みつかれた上に鈍器ラッシュを喰らい早くもピンチになっていた頃、アキトによってゼットさんの力が込められたハイパーキーが完成し、ガッツスパークレンスと共にそれを受け取ったハルキは説明を全て聞く前に光の扉にアクセス。

「ゼットさん!アキト君がこれ作ってくれました!!」

インナースペースでゼットさんキーをブートアップ!したハルキは、ガッツスパークレンスを天に掲げ変身…とはならず光線発射(笑)

「ちょっとぉ…え、それ使い方聞いてないの?」

リク君先輩ヘルプ。

こんなところヨウコ先輩に見られたら腕立て伏せ10000回だ…と不安になるハルキだったが、ウルトラ超感覚でガッツスパークレンスの使い方を感じ取ったゼットさんのアドバイスで変身モードに移行。

2人の力合わせ その先へ進め

前作の大きな掴みであった変身大喜利を存分に堪能したところで、戦いを終わらせるべく立ち上がった最後の勇者の名が、異世界に轟く!!

それじゃあ改めまして…

 ご唱和ください!我の名を!

 ウルトラマンゼェット!!」

ウルトラマンゼェェェット!!」


ついにグングンバンクを用意されたゼットオリジナルが4代目に先制攻撃を仕掛けトリガーに噛み付いた鯛を取り除くも、今度は自分が噛まれて藻搔き始め、やはりポンコツか…!!

ウルトラマンは助け合いでしょ、とハンドスラッシュで鯛の機能を停止させたトリガーは前回まで頑なに行われなかった変身状態での会話を行い、恐らく会話が聞こえているのは2人だけだと思われますが、ここは田口監督が見やすさを重視した結果でしょうか。

ゼットリガーはご唱和主題歌をバックにバタバタ戦闘を展開し、途中で魔剣ベリアロクさんが「急に別次元行くんじゃねぇ!探しただろうが」自身の因子に眠るお父さんパワーを発揮し駆けつけ、サークルアームズを持ったトリガーとWソードマンコンビを組み最光Wクローインパクトで4代目をマキシマムブートアップ!!

なおこの際マルチトリガーがパワークローを使っており、サークルアームズは3タイプ×3形態でまだいくつかパターンを残しているので、今後もどのように使われるのか楽しみな部分です。


「ケンゴ君、いいっすね。アキト君みたいな、頼もしい相棒がいて」

安心と信頼のZ字帰還を見せつけた後、ハルキはイグニスから助けられた礼としてウルトラメダルを受け取り、これからキングジョーをどうするかは…

ウルトラマンになった後って、めっちゃお腹空きません?」

「めっちゃ分かりますそれ、お腹空いた…あ、ラーメンでも食べに行きます!?」

全ては、ラーメンの絆を育んでからだ!

でつづく。

 

 

人気作となった前作『ウルトラマンZ』から主人公コンビと、声の出演でヨウコ先輩こと松田リマ氏が出演。

昨年は『シン・ウルトラマン』制作の影響からかニュージェネ恒例の劇場版が制作されず、前作ウルトラマンのタイガとゼットの共演も『ウルトラギャラクシーファイト』まで待つという状況でした。

今後の現役作品の共演に関して不透明な中、昨年のリク君先輩が登場したのと同じタイミングでの登場となり、前作最終回で宇宙に旅立ったことから予想できたものではありますが思ったより早いハルキとゼットの帰還となりました。

演出は前作でメイン監督を務めた田口監督であり、冒頭から一気に『Z』に寄せてしまおうという意識は強く、それがストーリー展開においてやや足を引っ張ることに。

その脚本面では前作で一切登板の無かった小柳啓伍氏が担当。

キャラ同士の掛け合いは面白くこれといった失策は無かったものの、やはりキングジョー絡みの謎掛けはあまり面白くならなかったのが惜しかったところです。


大人気の前作、主人公コンビ客演、メイン監督登板といった本気の布陣で臨んだ今回はやはり勢いが凄まじく、まあこのレベルの活躍は先輩になった時の劇場版ではなかなか見られないなというお得感を覚えるとともに、『トリガー』という作品を評価する際にどうも扱いに困ってしまう(最終的に『Z』前後編が一番面白かったという評価になったら寂しい)ところで、まあ昨年の『魔進戦隊キラメイジャー』での登板を見るに田口監督は前後編で見せ場を変えてくるという印象も持っているので、次回は『トリガー』として面白くしてくれることを期待。


ところで相変わらず無視されがちな魔剣さんですが、ハルキがしっかりリアクションしてるのに対しゼットさんの反応はほとんど無く、この辺も色々と相変わらずな模様。

まあこの魔剣、粉々になってもその後復活したり何でもありなのでハルキとゼットからしたらスーパースターマンみたいな認識になってるのかもしれません(世代がバレる)。

 

 

次回、

Sンダース「俺たちの何をいただくって?」

Kンイチカ「…筋肉ユニットだよ」

ウルトラマントリガー「1時間の悪魔」

ウルトラマントリガー』

第6話「1時間の悪魔」

(監督:武居正能 脚本:根元歳三

苦戦属性を引きずり過ぎたことでついに開幕からピコンピコンで始まったマルチトリガーは夕焼けの街で無機質に暴れるロボット怪獣に完敗。

トリガーからケンゴに戻ったところにも容赦なく攻撃を仕掛けようとするロボットでしたが、活動を急停止しケンゴは何とか命拾い。


「悪魔が降りてきたのは、3日前だった」

3日前、無人島に宇宙から降りてきたロボット怪獣にGUTS-SELECTとトリガーが挑むもその強力なパワーになす術もなく、トリガー各タイプが3日に分け、毎回敗北しているという衝撃の展開。

とある星にて防衛用に製作された兵器ギガデロスを改造して作ったと思われるロボット怪獣は、強力なエネルギーを行使するため1日に1時間しか行動出来ず、1時間というタイムリミットが逆に23時間後の悪夢を引き立たせるというのは面白い展開でしたが、何故か大怪我しているケンゴに誰も突っ込まないなどウルトラマンの正体をどう隠すかを上手くストーリーに落とし込めてないのは残念な部分。


「1時間の悪魔…サタンデロス」

名前を付ける以外に未だ対策の図れないGUTS-SELECTの職場の雰囲気が悪化してきた頃、再度不法侵入してきた不審者イグニスが指令室に登場し、惑星破壊神サタンデロス対策への協力を申し出る。

「その顔の紋章、間違いねぇ!お前、リシュリア星人だろ?マジかよ…まさか生き残りがいたとはな…」

「生き残り?」

「うん…リシュリア星は100年前、何者かに滅ぼされたんだ」

「え…ひょっとして、イグニスの星もアイツに…?」

「いいや、他人の星を勝手に踏み荒らすやつらが気に入らないだけさ…」

筋肉ホールドで身柄拘束に来たテッシン隊員の身動きを封じるために能力を発動した際、顔に出現した紋章からマルゥルがイグニスの正体を特定し設定説明。

選択の余地は無いとイグニスの誘いに責任は全て私が取ると隊長が乗り、ここにトレジャーハンターと防衛隊の異種混合チームが完成する。


サタンデロスの厄介な部分は、簡単には破れないうえすぐに回復してしまうバリアシステムにあり、ナースキャノンで一点を狙って亀裂を生じさせ、そこに飛び込んで直接装甲を狙えば勝機が見えるという作戦となり、その飛び込み担当として超人的な身体能力を持つイグニスが自ら名乗り出る。

急に早口になった隊長の指示でキャノンの出力調整、ファルコンの戦闘シミュレート、現場警戒にGUTS-SELECTの面々が割り振られ、怪獣対策を主軸に据えた防衛隊の活躍を全面に押し出す回としてテンポ良く進んでいきます。

しかしさっきまで腕を吊っていたケンゴまで現場担当であり、怪我人を現場に配置するな。


「でも、地球人のお前がなんであんな力を?」

イグニスはガゾート出現の際にケンゴがトリガーに変身した姿を目撃していたことから、いざという時はお前の力が必要だと協力を申し出ており、火星で光を手にした経験を語り出すケンゴの回想で力強く壁に叩きつけられるカルミラさんはやはり強烈。

そして回想で改めて見ても横から見る「ウルトラマントリガー!」と叫んでる姿が間抜け過ぎて、イグニスに変身する姿を見せるためとはいえもう少し上手く演出できなかったのかとは思うところ。


イグニスがケンゴから巨人になる方法をさりげなく聴取したりする中、サタンデロス起動前に全ての準備は整い、GUTS-SELECTは作戦開始し、それと同時に頭の包帯を取りキャップを被るケンゴがすごく男前で、芝居と演出で主人公力を上げてきているのは地味ながら好印象。

「ヤツが動き出す前に叩く!ナースキャノン発射!!」

捨て身の出力マシマシナースキャノンによって破壊されたバリアの亀裂に、ファルコンの機首に乗ったイグニスが飛び込み、爆弾でサタンデロスのバリア装置を破壊!

「これが宇宙一のトレジャーハンターの、腕前ってな!!」

無敵だったサタンデロスに攻撃が直接通るようになり、隊長はナースキャノンをもう一発発射して一気に畳み掛けようとするも、横から飛び込んできた斬撃によってナースデッセイ号は機関部を損傷。

「やはりお前の仕業か。相変わらず悪趣味な野郎だ…」

「せっかくです、もう少し楽しみましょう…フッ!」

サタンデロス事件の首謀者であり、イグニスの因縁の相手でもあるヒュドラムは場をかき乱し、ケンゴはマルチトリガーにブートアップ!


サタンデロスを地上のユナとファルコンが足止めしてる間にトリガーとヒュドラムの激しい戦闘が展開され、闇の巨人の登場によって見応えのあるスピーディーなアクションを展開できるのは、本作の特徴が出て面白かったです。

「ほぉ〜この間より動きがいいですね。しかし残念です!せっかくの力を、人間なんかのために使うなんて。昔のあなたの方が、エレガントでしたねぇ

ケンゴが夢で見た闇の巨人に関して、何か知ってそうなヒュドラムですが、このセリフが"ケンゴに向けられたもの"なのか"トリガーに向けられたもの"なのかが不明瞭なのが相変わらず不穏で、更に苦戦するトリガーに地上から声を掛けたユナがヒュドラムに目を付けられ、攻撃の直前にシールド要員ユザレが発動。

「エクセレント!順調に目覚めつつあるようですねぇ!!」

それすらも思惑通りというように見えるヒュドラムの目的と底知れなさがますます魅力的になり、謎の引っ張り方に関しては、非常に巧みで目を見張るものがあるのが本作の長所。

またその際、瓦礫と化した街において自分のいる所だけが無事だったことに違和感を覚えるユナを描くのも細かいところ。


ヒュドラムの狡猾さに、怒りが頂点に達したケンゴは俊敏キーをブートアップ!しスカイタイプでソードを使い、主題歌インストで怒涛の高速ラッシュ(田口監督の好きそうな主観カメラ)をヒュドラムに叩き込み、ヒュドラムが怯んだ隙を突いてスカイアローでサタンデロスの足を串刺しにし、動きを封じる。

そこに損傷しながらもエネルギーをチャージしたナースキャノンとファルコンのバルカンが叩き込まれ、GUTS-SELECTの活躍によってサタンデロスを爆砕!

「テメェ!調子に乗ってんじゃねぇぞ〜!!」

急に物凄く沸点の低くなったヒュドラムに、スカイトリガーは振り向きざまランバルト光弾を叩きつけ、打たれ弱かったのか派手に爆発するヒュドラム(笑)

この爆発の場面は坂本監督の好きそうなオープンセットでの大爆発で、武居演出では珍しいものだったと思います。


「地球人を代表して感謝しよう。ありがとう、イグニス!」

苦闘を乗り越えたナースデッセイ号内では、隊長がすごく爽やかにイグニスに感謝を述べ、これからもその知識を活かして協力しないか、仕事は山程あるけどな!と新メンバー勧誘の姿勢を見せていたが、

「いやー悪いが、正義の味方ってのは性に合わないんでね。まあでも、当分地球にはいるつもりなんで、また遊びに来るかもな」

トレジャーハンターは仕事になんか縛られないのだよというスタンスを見せ、去り際ケンゴに

「頑張れよ、ウルトラマントリガー」

と言い残しナースデッセイから立ち去るイグニスはユナにウインクを見せ、すぐさまユナの前に入って庇おうとするアキトが相変わらずなのですが、多分それじゃ好感度ゲージは上がらない。

「やっぱり、油断ならないやつ…」

 


船を降りたイグニスは一転、夜の街にてシリアスな態度で過去を思い出していたーーー

「おや?1人食べ残してしまったようですね…フハハハハハ!!まあ、いいでしょう!3000万年ぶりの食事はすっかり堪能しました!食べ過ぎは、身体に良くありませんからね…」

「おい…どこへ行くんだよ…?戦え…戦えよ…!俺と戦えぇぇぇぇぇ!!!」

まあ多分というか、おおよその予想通りヒュドラムはピンピンしてそうな空気を出しており、先程は急にブチギレてご都合感の出る退場となったところでしたが、因縁のあるイグニスの回想によってリシュリア星を全滅させた過去が掘り返され、またその行動を"食事"と呼んでいるのがカルミラとダーゴンより100年早く目覚めていることと絡んで非常に意味深で、ヒュドラ(もしくはその中に潜む何か?)が本作の縦軸の手綱を握っていると言っても過言ではありません。

「今の俺じゃ敵わない…だが、あの力なら…!!」

イグニスがそう呟く側でケンゴの姿が重なり、巨人の力の行く先はどうなるのか…?で、つづく。

 

 

サブパイロットで登板した武居監督が『R/B』以来の3本撮りを敢行し、終わってみれば主にケンゴとアキト、イグニスを中心としてキャラクターの掘り下げに尽力した3本となりました。

特に今回はこれまでに比べGUTS-SELECTの面々の活躍が大きく取り上げられ、玩具販促の都合にやや苦慮しながらもキャラクターを魅力的に描こうという動きは見られました。

しかし前回同様、個別で見れば個性的なキャラクターも横の繋がりは極端に少なく、例えばケンゴが怪我して指令室に出てきた際に駆け寄りながらも声を掛けず、アキトとナースデッセイの調整をして絡みがあったにも関わらずその後はナースキャノンの発射台にしかなってないテッシン隊員や、全員か映されてる時もただ後ほでスカして突っ立ってるだけで、ファルコン出撃の時だけ異常なハイテンションに変わるヒマリ隊員、「情報提供するだけの着ぐるみ隊員」以上の存在感を発揮しないマルゥルなど、メインの現地部隊との絡みもほとんど無く、キャラ同士のぶつけ合いすら発生させてもらえないでキャラを引き出せないのは、最近見たものだと『レッドアイズ』というドラマを思い出します。

今回に関しても各々のスタンドプレー感が強く、チームとしての一体感が薄いのは考えもので(そういうコンセプトだと言われたらそれまで)、それぞれの分野におけるエキスパートチームがどのようにしてチームアップしていくのか、という部分は本作では見られないかもしれません。

 


反面、ケンゴとアキトの関係に続き、イグニスとヒュドラムの関係性がより魅力的になったのは好材料で、それに絡む演出も見応えがあったのは面白かったところ。

特に田口監督が見せるような主観カメラでの高速ソードラッシュ、坂本監督得意の派手なオープンセット爆発を見せるなど、武居監督が他の監督の良いとこ取りを実施。

前作『Z』第24話の感想にて、坂本監督と田口監督をお互いを高め合う関係と評したのですが、『オーブ』以降本編監督として抜けることなくシリーズに参加してる武居監督にも大きな進歩が見られ、時にやらかしはするものの、大きな安定感を見せつける監督として今後も注目していきたいと思え、脚本の根元さんとの親和性も相まって楽しめる3本でした。

お二人の再登板が今から楽しみです。

 

 

そして次回、ポンコツ戦士の帰還!

ウルトラマントリガー「アキトの約束」

ウルトラマントリガー』

第5話「アキトの約束」

(監督:武居正能 脚本:根元歳三

「どうしたんだよアキト!よせって!いつもの冷静さはどうしたんだよ!?」

「邪魔をするな!あいつは…あいつは俺の手で!!」

地球人類の前に初めて現れた始まりの怪獣・破壊暴竜デスドラゴが6年の歳月を経て再び姿を現し(火星育ちのケンゴだけいまいちピンときてないのは細かい描写)、撃退に出撃するGUTS-SELECTですが、アキトだけはどうも様子がおかしく、避難誘導そっちのけで地上からの発砲!で応戦。

状況を見かねたケンゴはマルチトリガーにブートアップ!して戦うも、デスドラゴの硬いボディにまたも苦戦を強いられ、挙句しゃしゃり出てきたアキトを庇ったことでダメージを負うも、マルチスペシウムで何とかデスドラゴ撤退に持ってくことに成功。


現場では避難が終わっていなかったにも関わらず怪獣を引きつけるような行動を取り、フォローに入ったファルコンを墜落させる遠因を作ったアキトは隊長から、ウルトラ名物・謹慎の刑を食らっていた。

だ、大丈夫アキト!3日間というだけでだいぶ優しい部類だぞ!!

「ユナ、アキトはどうしてあの怪獣を、あそこまで?」

明らかに冷静さを失っていたアキトに何があったのか、ユナはケンゴに6年前のデスドラゴ襲来の映像を見せ、そこに映っていたガッツウイングには父のシズマ会長が乗っていたこと、そのガッツウイングはシズマ財団が政府の名を借り作り上げていたこと(邪悪)から話を始め…

超古代文明の遺跡から、怪獣や闇の巨人たちの存在に気付いたお父様は、世間に対策を働きかけた。けど、相手にされなくて…」

そりゃそうだ。

そんなジャーク会長の人類に対する警告への数少ない共感者であり科学者でもあったアキトの両親は、少年期から天才と呼ばれていたアキトと共に世界を守るために全力全開!でジャーク会長に協力していたが、デスドラゴの襲撃によりアキトを遺し生命を絶たれていた。

 

 

※注意

ここから少し意地の悪い与太話が出てくるので、そういうのが苦手な人は「大丈夫かな…」くらいのところまで飛ばすことをオススメします。

 

 

えー順番を整理すると

①ジャーク会長が超古代の遺跡を発見し、人類に迫る危機を察知

②世間に働きかけるも白い目で見られる

③共感してくれたヒジリ夫妻の協力で兵器開発

④実際に怪獣出現

⑤迎撃に出たことで秘密裏に兵器開発したことがバレるのと引換に、人類に自分の説の信憑性をもたらす

⑥ヒジリ夫妻は怪獣襲撃で亡くなる

という流れだと思われるのですが、ヒジリ夫妻がいいように利用された挙句、始末されたように見えなくもない気がしてきました。

ユナの語りだけということもあってこの回想ではヒジリ夫妻側のリアクションはほとんど語られておらず、あくまで会長目線の一方的な情報の押し付けになってることで、実は会長に関する何か重要な情報を握った両親が、怪獣襲撃にかこつけ生命を落とすよう仕向けた可能性も出てきました。

更に少年期から天才だったアキトを両親の死後家族として迎え、同年代の女の子である娘と接触させその心の氷解も図り、ユナと光の巨人の話を引き合いに出してガッツスパークレンスを作らせ、期待させたところでケンゴをGUTS-SELECTに迎えアキトの闇の部分を広げているという流れが非常に鮮やかで、やはり、闇の巨人以上に邪悪さが際立っている。

少し真面目な話をすると、政府の名を借りて兵器開発を行えたことからも会長は政治的な立ち回りは冴えており、アキトをただ家族として迎えるのでなく頭脳として上手く誘導する姿はその延長線上にある有能さと、自らの手を汚してでも世界を守ろうとするストイックな姿勢を際立てようという目論見があるのかもしれません。

しかしその目的はケンゴの夢に出てくる闇の戦士に繋がっているような気もしてきており、会長の言動と行動の何でも知ってる感は苦手な要素ですが、そのゴール地点は不穏ながらかなり気がかりで面白いところ。

 

 

「大丈夫かな…アキト」

「心配無い…だって、私と約束したんだから」

謹慎の刑を受けシズマ家にやってきた時と同じように塞いでいたアキトの前に現れたのはユナ…ではなくパトロール中という名目で様子を見に来たケンゴ。

俺はユナを待ってたんだ!俺の家で…お前じゃない!!

しかし普段から好感度ポイントの選択肢を間違いまくってた影響から、側に寄り添ってくれるのが怪しいスマイル転校生しかおらず、挙句、男から雑に花を渡されてしまうアキト。

「…ふざけているのか?」

日頃の行いの影響です。

 


「あいつは必ず倒す。そのためなら俺は…!」

「本当にそれでいいの?アキトは、何のためにGUTS-SELECTにいるの!?怪獣に勝つことが…怪獣を倒すことが、本当にアキトの…」

「ウザいんだよぉ!!」

アキトに差し出された白いバラの花言葉は"約束"であり、ユナとアキトの約束に掛けて植物学者らしい場面を用意されたものの、むしろ逆効果となってしまったケンゴは珍しく声を荒らげてアキトに迫ったところ、胸ぐらを掴まれやや怯みながらもすぐに口を引き締めアキトを見つめ返すのがカッコ良く、短いシーンながら、マナカケンゴというキャラクターを掘り下げられてて良かったです。

思い返してみると、サブタイトルを見るに前回今回でそれぞれケンゴとアキトの掘り下げが行われるというように感じたのですが、前回は頼りにならないと思いながらもケンゴのことを信頼して捨て身の行動に移るアキト、に対し今回はアキトの過去を知り、奮起を促すためにあえて真正面から向かっていくケンゴという姿が印象的に描かれ、それぞれの掘り下げにおいて対極に位置する者のリアクションで、そのキャラクター性を引き出すといった形に見えるのが興味深い点。

前回はアキトの捨て身の姿が"トリガーに向けられたもの"だったこともあり上手くいってるというようには見えませんでしたが、いざとなったらアキトにも掴みかかるケンゴは主人公としても引き立っており、先程までの流れから一転、急にこの2人の関係性に引き込まれてしまいました。


ケンゴとアキトが一触即発状態になってた頃、地下に逃げたデスドラゴがカルミラによってパワーアップさせられ三度街に出現。

相手しながらご丁寧にデスドラゴの強化を叫んで説明してくれる指令室から連絡を受けたケンゴは、バラをアキトに押し付け現場に向かい、地上から援護しているユナに加勢しようとした中、謹慎を破りアキトも臨場。

しかしそこにダーゴンが何の脈絡も無く出現し(一応、前回ユザレの件を聞いてるので目的はハッキリしてるものの、エピソード単位では何の布石も無かった)、ユザレの発動を狙いユナをストーキングする!


「忘れたの!?ユナとの約束を!!」

親の仇であるデスドラゴと守りたい存在であるユナを付け狙うダーゴンの板挟みとなり身動きの取れなくなるアキトであったが、ユナに重なったケンゴの言葉が彼を突き動かす。

「分かった…怪獣は任せた!ケンゴ!!」

「うん…ユナは任せた!!」

かつて両親を亡くし塞ぎ込んでいた自分を立ち上がらせてくれたユナ、そんな彼女の好感度ポイントを得て一発逆転を目指し、アキトはユナのもとに走り、ケンゴはデスドラゴに向き直りマルチトリガーにブートアップ!

「これは俺がユナを守るために作ったんだ!俺がこの手で、光の巨人に……お前じゃない!!」

「光の巨人になる=ユナのために戦う」でしか無かった(巨人になることでしかユナを守れないと思っていた)アキトは、光となったケンゴのネガ的存在であり、笑顔のためにどこまでも戦えるケンゴに対し、ユナとの現状の関係に変化を見出そうとしないなど"諦めの境地"に到達してしまっているのが悲しいのですが、半ばその諦めに陥れたように見えてしまうケンゴがアキトに"人間として出来ること"を教えるのは王道で分かりやすかった反面、やや上から目線で、更にだいぶ割り切りが早かったことも手伝って劇的さを大きく欠いてしまったなぁという印象を受けました。


ストーカーダーゴンから逃げるユナはビルの地下に隠れて撒こうとするも、人間大にサイズ変更したダーゴンがあっさりユナを発見。

ユナのもとに急ぐアキトは、ユナにかつて掛けられた言葉を思い出す。

「アキト君、お父様が言ってた。頑張れば誰だって、光になれるんだって。一緒に頑張ろう、アキト君」

う、うーん…この局面においてもユナの言葉がシズマ会長の受け売りであり、情報をもたらし大事な場面でユザレを発動するだけの入れ物にしかなってないのが、ぶつかることでお互いを引き立てあっていたケンゴとアキトに比べ本当に残念なキャラ造形。

「私、絶対にこの世界を守ってみせる!!」

おかげで直後のこのセリフも出所が不明なことも相まって非常に空虚で、シズマユナというキャラクターの軸として全く機能しません。


「勇気ある者には、手を抜かぬのが礼儀。お相手いたそう」

追い詰められながらも果敢に銃を向けてくるユナに対し、なんだか面倒くさそうな性癖を発揮しつつあるダーゴンが迫り、そこに主役は遅れてやってくる!とアキトが見参。

ユナがエレキング電撃砲をブートアップ!した直後、アキトはガマクジラキーをブートアップ!し水流波を浴びせ、少年漫画によくありそうな「水は電気をよく通す!」の逆版を行いダーゴンにダメージを与えるもかすり傷程度。

やむなく掴みかかるアキトだが、筋トレとヒロインへの好感度が足りない影響でダーゴンにあっさり吹き飛ばされてしまう。

このままじゃバッドエンドまっしぐらだ…と絶望したアキトに迫るダーゴンの前にシールド発動したユザレ…ではなくユナが立ちはだかり、なんとダーゴンをビンタ。

「私たちは、人間は、あなたたちなんかに負けない!絶対に!!」

人間からスーツの宇宙人に直接ビンタという展開には良くも悪くも驚かせられましたが、先述の通りユナというキャラクターに何の信念も感じ取ることが出来ないので、セリフに力が全くこもってないのがもったいないところです。

「ふ、ふんっ!その意気や良し!今日のところは見逃してやろう!だがな、次は無いと思え…!!」

そして思わぬ反撃に大きく動揺したダーゴンは捨て台詞を残して退散し、あれ?レアEDルートをまさかのユナが切り拓いちゃった!?


闇の巨人の1人が新たな道を踏み出そうとしていた頃、スカイタイプにブートアップ!したトリガーは空中からアローでの射撃を仕掛けるも、パワーアップしたデスドラゴの電撃攻撃に苦しめられ墜落。

サークルアームズをソードにして盾のように使うのは戦闘スタイルに幅が出て面白かったです。

電撃を受けながらまたも唐突に「そうだ!」と閃いたトリガーは電撃を弾き飛ばし(剣で吸収した?)、マキシマムブートアップ!!アローストライクでデスドラゴを一閃し、今日も何だかよく分からない勝利を収め、こういう時のリアクションこそGUTS-SELECTの人たちにやらせればいいのに…。

(ちなみにファルコンはほとんど活躍せず今回2度目の墜落であっさりフェードアウト)


またも命令違反を犯したアキトは隊長から謹慎3日間追加と、何だかんだの気遣いから出てくる思いやりの言葉を言い渡され、合計6日間の謹慎で済んだうえに職場復帰しやすい雰囲気を作ってくれてかなり優しいぞ隊長。

そしてこんな時でも、リアクションの全く見られないヒマリテッシンマルゥルは本当に仕事仲間としてふさわしいのか疑問のまま、交流を深めたケンゴアキトユナを映し、花瓶に活けられた白いバラを最後に、つづく。

 

 

サブタイトルの通りアキトの過去が明かされることになった回ですが、先述した通り前回ほとんどバックボーンが明かされなかったケンゴにも芯の強い属性が付加され、2人してキャラクターが肉付けされていくのが作劇として気持ち良かったです。

しかし一方で、未だ黒幕疑惑の晴れない会長、その会長の受け売りしか話さずユザレの入れ物でしかないユナ、横の繋がりが皆無なせいで個性があるようで全く活きてないGUTS-SELECTの面々、導入こそ主軸ながら途中からトリガーと一緒に蚊帳の外に放り込まれるデスドラゴなど、消化すべき要素が多い本作の短所が多く顔を出してしまった回でもあります。

言ってしまえば前半は良かったものの、後半で大きく横に逸れたといったところでしょうか。

キャラが立ってきたと思ったケンゴも、結局も軸の定まらないユナに出番を取られちゃうし…。

まあユナに関してはまさかのダーゴンルート開拓の可能性が出来たので、そこでキャラクターとして完成されてくることも期待できますが、闇の巨人に二度個別で襲われたことからも、本人の心境の変化に期待したいところです。

 


今回リアルタイムで見た時はあまり心の動かない回でしたが、改めて見直すと詰め詰めだった1〜3話を上手く処理しているようにも見え、アクションや特撮方面でもあまり違和感なくパイロットを再現しようという映像の作り方が素晴らしく、作品の雰囲気を大事にしつつ、ローテ監督として現状のウルトラシリーズを支えている武居監督の長所を見た気分です。

逆に自分自身は、作品に対してあまりバイアスをかけないで見ようという姿勢を取っているつもりだったのですが、少し時間が経って見ると全く違った感想を抱いたので、何だかんだバイアスというか悪い目で見ようという考えを持ってしまっていたことに気付き、深く反省しております。

作品は楽しく見ていきたいですね。

 

 

次回、1時間、戦えますか?

ウルトラマントリガー「笑顔のために」

ウルトラマントリガー』

第4話「笑顔のために」

(監督:武居正能 脚本:根元歳三

「ユナ…違う、君はユザレ!?」

「ケンゴ、あなたは…光であり…」

相変わらず肝心なところを言わないユザレと自身が闇の巨人の一味に加わり超古代文明を蹂躙するという不穏な夢に悩まされるケンゴ(勤務中に居眠り)は、超古代の遺跡が発見されたということでユナアキトと臨場したのですが、その遺跡がほぼケンゴの見た夢と同じ状態で残っており、初っ端から脱力。

映像的に分かりやすさを重視したのでしょうが、闇の巨人が大暴れしてるのにあんな巨大な塔がそのまま現存し、3000万年もの間発見されなかったというのも不自然過ぎます。

最近よく見つかるという話もあったので、何か力が働いて見えなかったという可能性も考えられますが。


現場では出土品の管理も行われており、そこで謎の光を放つカプセルのようなものを見つけたケンゴですがクセのある調査員がそれを横取り。

都合良く調査員を怪しいと断じたユナは、IDを提示するか身ぐるみ全部置いていくかの2択を迫るも、

「持ってないんだよな〜俺、顔パスだから…

自虐か?自虐ネタなのか???

その正体は不審者ことトレジャーハンター・イグニスであり、古い出土品にはゴクジョーが多いという理由から調査員に紛れてみたもののあっさりバレて隊員たちに囲まれたのでそのまま逃走。

その後出土品は全てナースデッセイ号に搬入されアキトによる分析が始まり、冒頭の夢もありトリガーに繋がる超古代文明のことを気にするケンゴもそこに同席し、超古代の石版を前にしばしの説明タイム。


「トリガーの光を手にする前から、ユザレの夢を見ていた…あれは一体…?」

3000万年前の地球にて繁栄していた超古代文明は闇の3巨人によって滅ぼされ、そこを巫女ユザレが光の巨人トリガーと共に封印したと石版には記されているとのことですが、夢の中で闇に染まるケンゴの手、文明は滅びたにも関わらず巫女はどこから出現したのかという点も踏まえて全てが真実では無さそうで、今後ひっくり返す展開はありそうな予感。

「感心ばかりしてないでお前もしっかりしろ。世界中の皆を笑顔にしたいなんて、デカイ口叩きやがって…ったく、何でお前なんかが光に…」

「皆を笑顔にかぁ、いいねぇ」

そこに不法侵入のプロ・イグニスが出現し、ガッツスパークレンスの元になった青銅の神器を持ち去って何故か指令室に凸する。

取り押さえて尋問してやろうと筋肉担当テッシン隊員が掴みかかるもあっさり玉砕して存在意義が本格的に危ぶまれてきたのに対し、隊長が少ない挙動ながら研ぎ澄まされた戦闘術でイグニスから神器を取り戻し銃を突きつけ、順調にイケメンポイントを稼いできてます。


もはやわざと見つかって両手を上げるのが快感なのでは…という疑問がイグニスに生じてきたところで街の地下から怪獣が出現し、その怪獣・古代地底獣オカグビラグビラが過去に出てきていたことからテッシン隊員が命名、役に立った!)はイグニスがくすねていたカプセルのエネルギーに引きつけられて移動しており、ナースデッセイから地上に逃げたイグニスはそのカプセルを持っていたことからオカグビラに襲われる羽目に。

「イグニスー!頑張れー!!スマイルスマイル!!」

「スマイルゥ!?…出来るかバカぁ!!」

怪獣撃退に出撃したファルコンのアンカー引き上げの反動で吹っ飛ぶまでのイグニスがコミカルに描かれキャラの幅は広がったのは良かったのですが、吹っ飛んで「星になる」まではさすがにやり過ぎだったのでは。


飛んでいった反動でイグニスが落としていったカプセル(いつの間に発信機と呼ばれているのですが、何の発信機なのかは不明)をアキトが探している間にケンゴはマルチトリガーにブートアップ!し、登場ついでにアッパーカットで先制攻撃(笑)

しかしオカグビラの張り手攻撃と地底移動からのドリルアタックに今日もトリガーは苦戦し、地上でブーを垂れるアキトは都合良く積まれた瓦礫の中に発信機を見つけ掴もうと手を伸ばし、同じ頃避難誘導を行っていた(毎回これをやらされるエキスパートチームって…)ユナも都合良く転んで泣き出す女の子を抱き抱えていた。

「笑顔に…皆を、笑顔に…!!」

意外や意外、敵を空中に高く舞い上げ大ジャンプして追撃するというダイナミックなアクションを見せるオカグビラにトリガーはますます追い詰められるも、ユナのもとで泣いている少女を見て奮起、更にアキトが手にした発信機でオカグビラを引きつけている姿に何かを思いついたケンゴは剛リキーをブートアップ!してパワートリガーにチェンジ。

アキトが引きつけたオカグビラに何をするのかと思いきやいきなりロデオ、投げつけからの凶器パワークローをマキシマムブートアップ!!してハサミなのに頭から叩きつけてまさかの撲殺。


………え?

一応アキトとケンゴの行動を見るに、アキトは避難誘導が終わっている場所にオカグビラを引きつけた後に何か行動を起こそうとしていた形跡が無いので、トリガー=ケンゴなら対処してくれるだろうという信頼のもと、とりあえず遠くまでオカグビラを連れていこうとしていたと考えられるのですが、まずケンゴを奮起させたのはアキトからの信頼ではなく"泣いていた少女の笑顔を取り戻す"であって、ここに来て2人のバディ要素を急に取り上げたことで初見では理解が追いつきませんでした。

おまけにユナにカッコいいところを見せたかったからか、ユナの前を通り過ぎて発信機を掲げるアキトもひたすら間抜けですし、それで何かを思いついたようなケンゴもその後の挙動は筋肉頼りになるなど、脳は筋肉だから筋肉は脳だみたいな展開に。

あくまで推測ですが、アキトの「何でお前なんかが光に…」発言から見るに今回脚本の根元さんは"ケンゴとアキトの信頼"を軸にシナリオを作っていたところ、現場ベースで色々と改変が加えられてしまったとも考えられます。

サブタイトルこそ「笑顔のために」ですが、主人公のスマイルに対する掘り下げは最後に少しセリフはあったもののほとんど行われなかったので、どっちが悪いとは言いきれませんが。

「頑張らなくっちゃ、皆の笑顔のために…」


そして海底ではドロンジョ一味…ではなく3巨人がまたも会議を行なっており、ユナを襲えばユザレを引き出せるという情報を共有。

トリガーの話を出された途端、癇癪を起こすカルミラに鼻を鳴らすダーゴン…とこちらも波風が立ってきたようでキャラ同士の掛け合いが面白くなりそうなのは好材料というところで、つづく。

 

 

パイロットを終え2人目に登板したのは、前作で作品の雰囲気に沿った演出を多く手掛けた『オーブ』以降のニュージェネ常連こと武居監督。

詰め詰めだったパイロット3話に比べ、見せるべき要素がそこまで多くなかったことからスッキリ見やすくまとまってはいましたが、節々に漏れているご都合主義があまりにも悪目立ち。

究極はユナの前で転んで泣き出し抱き抱えられる女の子の存在で、トリガーがオカグビラを倒したあとには泣き止んでユナに「やったね」と微笑む姿が用意された人形感が全く人間味を感じられずもはやホラーの領域でした。

他にもまともに見てない調査員(イグニス)を簡単に怪しいと言い出すユナ、怪獣が出現したと言うのに呑気にお宝を確認しようとするイグニス(わざわざ声に出して視聴者に説明)、出土品が何の発信機か分からないまま発信機と呼ばれ続けるなど場面が不自然かつ説明不足なので、カットしたシーンが多かったのではという疑問が生じます。

その一方で、1〜3話ほど緊迫した空気もなく、キャラクターに崩しを入れてきたのは今後面白くなる可能性もあるので、その辺りはまだまだ期待値高めで見ていきたいと思います。

 

 

次回、総集編連チャン…はすいません、スキップして次々々回、今度はアキト掘り下げか。

ウルトラマントリガー「超古代の光と闇」

ウルトラマントリガー』

第3話「超古代の光と闇」

(監督:坂本浩一 脚本:ハヤシナオキ)

「あっ、それはルルイエ。僕が火星で育てた新種なんだ」

花の戦士ケンゴは今日も植物に水をやり、それを笑顔で応援するユナはそんなケンゴの教育係を命じられ、ヒロインポイントを稼ぐきっかけを掴もうとしていたナースデッセイ内での日常。

「でもいつか素敵な花を咲かせて、見た人皆を笑顔にする!予定なんだけど…」

「できる!」

そんな主人公とヒロインの様子を、気が安まらぬ様子で窺うアキトが美味しい(笑)


地球のマスコミは火星から地球にやってきた巨人・トリガーの存在について報道し、TPUもトリガーに関しては未だ監視対象であるというスタンスから隊長はそれに従うも、隊員たちからは不満タラタラ…とあなたたち、会長の言葉信じすぎでは?

そしてその会長の言葉を簡単に鵜呑みにしない隊長、やはり何か思うところはあるのでしょうか。


同じ頃、教育係と行動を共にすることになったケンゴは下校するユナとアキト(2人とも高校に通ってる)に付き纏う全身真っ黒な怪しいスマイル野郎と化し、色んな意味でカオスなパーティとなってきており、着替えを取りに若者トリオは一旦シズマ邸に向かうことに。

「アキトがまだ小さかった頃、この家に来たの。だから…きょうだいみたいなものかな?」

「…だな」

幼馴染と一つ屋根の下に暮らすも、ある意味当然ともいえる距離感になってしまったアキトが残念ポイントを稼ぎつつ、やや諦めに近いリアクションを取ってしまうのも、切ない。


「いいねぇ、ゴクジョーだ…」

支度が整ったユナでしたが、前回ナースデッセイ号を見上げていた怪しい男がユナの部屋に不法侵入しており、突如現れた不審者に殴りかかるポンコツ男子2人…

しばらく、監督得意の生身戦闘をお楽しみください。

役者の演技が現時点では拙いことと見せ方もどうも単調なので、この場面はどうも、見てて恥ずかしったです…。

どうでもいいことですが、アキトよりケンゴの方が喧嘩慣れしてそうな動きに見えます。

「全てのゴクジョーは俺に盗まれるために存在する。また来るぜ」

アキトのパンチを一発食らい、顔に不気味な紋章が浮かび上がったことから異星人と判明した不審者が、ユナの手前はっきりと言えないアキトに対し不敵に言い残したこのセリフ回しはカッコよかったですが、主人公の存在感が損なわれつつあって、どうも締まりが悪い。


ユナが異星人に狙われたことから、不審者の正体は石版に記されている3体の闇の巨人の一人ではないかと会長とアキトが推測を立てながら、スムーズにカルミラとダーゴンの存在を視聴者に説明し、この辺りは前回までに比べて上手く流れを組めていたと思います。

「この石版の全てが解読できれば、答えは出るのか…」

「ユナに…真実を伝えなくていいんですか?」

「時が来れば、私が話す」

「分かりました。ユナは必ず俺が守ります!」

ヒジリ隊員、上手く洗脳されていますが、多分会長は守る方は期待してないゾ。


翌朝「こんな時に学校行かなくても…」(本当だよ…)という中、例の巨人(人間大)がトリオの目の前に現れ、アキトがブートアップ!ゼットン火炎弾を放つもあっさりユナが連れ去られてしまう。

「さあ、"エタニティ・コア"のもとへ案内してもらいましょうか?ユザレ」

誘拐されヒロインゲージの高まりを期待するユナに第1話から巨人勢が見せている超古代語(本当にそういう名称)以外に現代語もちゃんと話せるインテリ巨人ならぬ俊敏策士ヒュドラムはその目的を語り、刃を突きつける。

まだ覚醒を見せていないという意味深な発言をヒュドラムが叩き出したタイミングで、突然飛んでくる衝撃波!

その正体はGPSで後を追ってきてブートアップ!したアキト…ではなく先程の不審者!!

アキトー!アキトーー!!

そういうところだぞーーー!!!


「久しぶりだな、ヒュドラム。俺のこと覚えてるか?」

「ふーむ…はて、どこのどなたです?」

「よーく分かった…お前にとってはその程度ってことかぁ!!」

どうやらヒュドラムと浅からぬ因縁を抱える不審者は、呆れと怒りが入り交じったような叫びとともに顔の紋章を出現させ、リシュリア星人と呼ばれる異星人と判明。

今回は演技も撮り方もややキッツイものがあるのですが、この場面は素直にカッコ良くてやはり経験豊富な役者の安定感が光ります。


「エクセレント!思い出しましたよ!!…ん?客人のようですね」

湧いてきたぜ…となったヒュドラムですが俊敏移動でその場を去り、そこに遅れてやってきたアキトとケンゴは案の定先程の不審者がユナを連れ去ったと勘違いし、アキトによる容赦ない発砲!

しかし不審者でも自分を守ってくれたことから、ユナはその銃弾の前に立ち、突如覚醒して弾丸を止めるシールド要員ユザレ(笑)

「渡してはいけない…闇の巨人に……"エタニティ・コア"を…」

放たれた銃弾の前に緊張感ゼロで飛び出し、設定説明のために雑に覚醒させられるユナも大概ですが、「ユナは必ず俺が守ります!!」と言っておきながら覚醒シールドのきっかけになってしまうアキトがあまりにも哀れ。

その様子を見ていたヒュドラムがユナの身に危険が迫ればユザレ覚醒を促せるということを知るのですが、その場面を見せたいがためにアキトの行動をあまりにも軽率に描き過ぎですし、それに対するケンゴの反応も「君は夢の中の…」というもので、ユナにも軽率に発砲したアキトにも向けられておらず、普段から叫ぶ「スマイル!スマイル!」にこういう部分から肉付けできないのもなかなかに致命的。


ヒュドラムによって電磁波の中に潜む大量のクリッターが融合、変形闇怪獣ガゾートが出現させられ、それに対するマルゥル(GUTS-SELECT内のマスコット兼怪獣情報屋担当)の

「でっかいのが来るってことだよ!」というセリフは面白い一方、ファルコン出撃の命令で「喜んで(クール)と言ってしまうヒマリ隊員で色々台無しに。

闇の巨人によって操られる怪獣は目が充血し、発するエネルギーも巨人と同じものになるということが判明し、ガゾートは空中から街を破壊していたところ、今日も大口開いて叫びながらファルコンを操縦するヒマリ隊員によって地上に下され、ガウォーク形態に変形したファルコンとしばらく交戦。

「本当のスピードを見せてやれ!」

もはや本作の特徴とも言える「映像だけ迫真」をファルコンが発揮し始めたところで、気絶したユナに上着を掛けてもう満足したのか、ケンゴにすごく爽やかに青いハイパーキー(会長と話してた時に生成されていた)を渡すアキトー!アキトーー!!

そういうところだぞーーー!!!

一方、ケンゴはマルチトリガーにブートアップ!する様子を不審者にごく普通に目撃されており、あ、やっぱ叫んでるところって周りから普通に見えてるのか(笑)


何だか以前より四角くなって見えるガゾートの光弾攻撃と飛行能力に対処するため、アキトから託された俊敏キーをケンゴはブートアップ!

「天空を翔ける、高速の光!!」

細身な紫カラーのスカイタイプにチェンジしたトリガーはガゾートとの激しい空中戦を展開し、しゃしゃり出てきたファルコンも庇うことでポイントを稼ぎ、テンションの上がったタツミ隊長のハートもしっかりキャッチ!

肩を並べ空を舞うトリガーとファルコンの映像はストレートに決まりました。

トリガーはランバルト光弾で再びガゾートを地上に落とし、更に空中からスカイアローのマキシマムブートアップ!!アローストライクでガゾートを爆砕する!


今回も気持ち良く勝てた…と思ったのも束の間、夕陽を浴びていた背中に突き刺さった一閃により今度はトリガーが地上に叩き落とされる!

「エクセレント!懐かしいですねぇ…トリガー」

ガゾートとの戦いの直後なうえ、闇の巨人のイメージが頭に浮かび頭痛を発症しカラータイマーをピコンピコンさせながらも迫力の空中戦を繰り広げるトリガーと、まさに俊敏策士といった働きでカルミラダーゴンとは一味違う恐ろしさを見せるヒュドラムの戦いは映像も相まって見応えがありました。


本当のスピードって何だよ、あいつテキトーなこと言いやがって…と初陣で敗北寸前のスカイトリガーでしたが、そこに夕陽を背負いナースデッセイ号が浮上、そのまま規格外のナースキャノンを発射しヒュドラムを吹き飛ばす!

たじろぐ会長を前にデスクでドヤ顔する隊長が素敵です(笑)

「エクセレントじゃねぇなぁ!!俺はお楽しみを邪魔されるのが、宇宙一嫌いなんだよぉ!!!」

他の2人には無いキャラの振り幅を発揮し激昂するヒュドラムでしたが、これ以上暴れないようにとカルミラとダーゴンが回収していき、ヒュドラムを精一杯押さえつけるダーゴンさんの好感度が上がってしまい、巨人勢はやはり互いの掛け合いで油が乗っていきそうな雰囲気はあります。


結果的に命拾いとなり毎度の通りよろよろ歩くケンゴの前に存在を忘れかけられていた不審者が三度登場し、ユナを守ってくれたことに一応お礼を言うケンゴはちょっと主人公らしくて良かった点。

ケンゴが名乗ったことから不審者もトレジャーハンター・イグニスという名を2人に告げ、ゴクジョーを奪いにまた姿を現すことを約束する…。

ウルトラマントリガー…その力、ゴクジョーだな」


「ユナは超古代文明の謎を解く、重要な鍵となる存在なんだ」

「どうかこのことは、ユナには黙っていてほしい。抱えている運命の重さを、受け止められるかどうか…」

闇の巨人の目的がユナ=ユザレの握る"エタニティ・コア"の秘密であることを知った会長は、ユナのことをケンゴとアキトに任せ、しばらく基地を離れることに。

コレクションアイテムのハイパー"キー"という単語に合わせユナの存在を引き立て、更にケンゴの正体が最初から何人かに知れてるな…と思っていたところで「ユナがユザレであることを、主人公たちが本人に隠す」という逆転の発想は面白く、今後の楽しみとなりました。

ケンゴの正体が知られるか、ユナに宿った思念体・ユザレが出てくるのが早いか…先が見えないので気になりますね。


一方、地上からは締め出されたのか、どこぞの海底で反省会を行う3巨人は未だ興奮するヒュドラムを鎮め、各々の目的を語り出し、今後の活動に関して視聴者に情報共有、でつづく。

「いよいよ、我が好敵手と決着を着ける時か!」

「エクセレント…まあ、私は2人より100年早起きして、待ってましたけどね」

「3000万年前、成しえなかった悲願を今…

 "エタニティ・コア"を、闇の手に!!」

 

 

パイロット担当の坂本監督が担当する1〜3話にウルトラマンの初期3タイプを登場させるという初の試みとなりましたが、案の定散らかった要素を処理しきれなかった感の否めない構成となりました。

エピソード自体はカルミラたちの目的が明確になり、イグニスの登場でキャラ描写にもアクセントを付け、前回までは影の薄かったユナを中心に据える展開になり、やっとエンジンがかかってきたという印象ですが、相変わらずGUTS-SELECT内のキャラ描写が面白くなく、肝心のケンゴも細かい動作の不足で主人公力が大きく削ぎ落とされているので、早めの改善を期待したいところです。

所々で面白い部分はあったものの、細かい描写に引っかかりが生まれ全体的には惜しいエピソードとなりました。


一方で、闇の巨人の中では最後に登場しながら100年前に既に目覚めていた、ユナとユザレの関係に真っ先に迫っている、イグニスとの因縁、慇懃無礼な態度からの逆上といったヒュドラムの描写に関しては目を見張るものがあり、俊敏策士という肩書きの通り内外において優秀な立ち回りを見せる姿は今後も楽しみな部分です。


今回ドラマパートでは単調な演出が目立った坂本監督ですが、特撮パートにおいてスカイタイプとヒュドラムのワイヤーを駆使した空中戦はさすがの迫力で、詰め詰めな販促スケジュールの中で、ひとまずヒーローをカッコ良く撮ろうという監督の長所が出て良い判断になったと思います。

ストーリー運びとキャラ描写が演出に追いついていないのは引き続き難点ですが、セリフ回しが面白いのと、イグニスやヒュドラムも加わりキャラ描写も今後もっと深められていくと思われるので、その辺りは純粋に楽しみです。

 

 

次回、ケンゴは"主人公"になれるか。