うらひろの日記

その場で思ったこと、好きなもの、書いてみます。

仮面ライダー×スーパー戦隊 Wヒーロー夏祭り2022 行ってきました

ウルサマです。

嘘です、お世話様です。

 

ウルサマ2部に向けてパワーを溜めている男は一味違うスパイスを補給したく、5日から開催されているとあるイベントに行ってきました。

その名も、

 

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仮面ライダー×スーパー戦隊

Wヒーロー夏祭り2022

 

東京ドームシティプリズムホールにて、夏休み期間に2週間程度行われる仮面ライダースーパー戦隊のイベントに、今年も行って参りました。

昨年は歴代仮面ライダーが集結するスーパーステージと、歴代レッドが並ぶ展示の数々に心を踊らされたものです。

↓(参考)昨年の記事

urahiro003.hatenablog.com

 

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昨年同様、完全入替制仮面ライダースーパーステージが行われた後に、展示ゾーンに行く形式での開催となりました。

ステージの内容に関してはネタバレを考慮して細かくは書きませんが、昨年よりはスケールダウンしたかなぁとは感じました。

それでも昨年叶わなかった、現役ライダーのフォームチェンジやサブライダーの登場があって、見応えがあったのは確かです。

そして『バトルファミリア』でも思ったことなのですが、リバイとバイスはやはりレックスゲノムが一番カッコいいですね!

 

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もちろん、展示の方もいっぱい写真を撮ってきたので、順路ごとに振り返っていきましょう!

 

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まずは会場の入場口。

昨年と変わり西口からの入場となりました。

年末年始のウルトラヒーローズEXPOのステージと、同じ感じになりましたね。


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ステージの入場口手前では、アカレンジャー仮面ライダー1号(これは桜島1号?)がお出迎えをしてくれてました。

1号さん、渋くてカッコいい。

 

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ステージが終わると玩具の展示コーナーがありました。

新ライダー・ギーツの玩具はスタイリッシュで良さそうですね。リボルブチェンジフィギュアもちょっと気になります。

そしてドンオニタイジンとトラドラゴンジンの超大合体・トラドラオニタイジンの迫力。

玩具展示コーナーの前には有料のヒーロー写真館(バイスプテラゲノムに跨って撮れる)と、今回3年ぶりに復活した縁日コーナーがありました。

 


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縁日コーナーを抜けると、壁一面に巨大なドンオニタイジンの顔が出現します!

オープニングでもビルの窓から覗いてるシーンがあるので、それが再現されてて面白いですね。

 

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ドンオニタイジンに続いてスーパー戦隊展示コーナーに突入。

昨年展示されていなかった、魔進戦隊キラメイジャー機界戦隊ゼンカイジャーが全員集結です!(ツーカイザーは、ゼンカイジャーじゃないから…)

 

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ゼンカイジャーの面々は撮影用スーツみたいですね。推しはジュランおじちゃんです。

 

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スーパー戦隊コーナーの終わりにはドンモモタロウ仮面ライダーリバイ&バイスが並び立っていました!

ここで仮面ライダーコーナーにバトンタッチです。

 

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その仮面ライダーコーナーパッと見でめちゃくちゃ目を引きます。

 

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まずは『セイバー』より

仮面ライダークロスセイバー

恐らく撮影用スーツなのかと思われますが、近くで見るとすごい迫力。

刃王剣十聖刃もアップ用みたいなので、マジマジと見てしまいました。


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仮面ライダーブレイズ タテガミ氷獣戦記

こちらも見応えたっぷりです。

『セイバー』のライダーはデザインが魅力的で良いですね。


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仮面ライダーエスパーダ ゴールデンアランジー

俺の賢人君もいました。

が、単独で撮ったのはこの一枚だけなのに後で気付きました…すまぬ…。

 

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続いては『オーズ復活のコアメダル」から仮面ライダーオーズ タジャドルコンボエタニティ(&古代王)

これも撮影用みたいなので、すごくピカピカでした。これを浅井さんが着てたのかな…(恍惚)

 

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仮面ライダーバースX(&ゴーダ)

10年越しに登場したバースの強化フォームも展示されていました。

鮮やかな色彩で割と好きなデザインだったりします。

 

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仮面ライダーコーナーの次には歴代ライダーの巨大パネルが広がってました!

細かく確認はしていませんが、恐らくサブを含めて全部のライダーがいるっぽいです。

もはや戦隊に匹敵する数ですね…。

 

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その真向かいには同じようにスーパー戦隊・集結巨大パネルが!

いやー凄まじい数です(笑)

番外戦士は基本いないみたいですが、黒騎士やステイシーザーがいたりと細かい縛りは無い模様。

 

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せっかくなので、ターボレンジャーファイブマンの前でポーズしてきました。

去年はレッドごとに並んでたから、去年やっとけば良かった……!!

 

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巨大パネルを抜けた先には巨大なやぐらがありました。

何のためのやぐらかと言うと、ここでは仮面ライダースーパーステージに次ぐもう一つの目玉イベント、ドンブラザーズ・ダンスグリーティングなる催しが開かれるのです。


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筆者は12:20の回で入場したため、タームCの回で参加してきました。

コロナ禍以前は会場の端にミニステージみたいなものがあって、そこでヒーローが2人組で登場するプチショーがありましたが、ちょっとでも元の形に戻そうとする運営側の努力が窺えます。

しかも、やぐらを組んでドンブラザーズと一緒に踊ろうという考えは実にクリティカルで、正直スーパーステージより楽しめたかもしれません(失言)。


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毎年恒例ステージの前説もこなす、ちりがみ博士のMCで進行しました。

前説でスタンプラリーの宣伝を行なったり、今回の夏祭りにはかなり気合いを入れているようで、池袋の某イベントにも強い対抗意識を示していました。

「ウル○マには、負けねぇからな」

声に出して言っちゃダメです。

 

そんなこんなしてるうちに、1回目の登場時間がやって参りました。

 

 

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ドンモモタロウが扇子ではなく「祭」と書かれた団扇を持って登場!

 

「祭りだ!祭りだぁぁぁ!!」


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続けてお供たちも登場!

BGMとして「俺こそオンリーワン」が流れています。


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撮影ポジションの都合から、雉野の写真が多めです(笑)

この時点ではイヌさんが全然撮れてません…。


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他メンバーとも積極的に絡んでて、意外とあざとい雉野さん。

CMなどで存在は知っていましたが、スーツのキジブラザーは初めてお目にかかりました。


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「行くぞ! お供たち!!」

 

ドンモモタロウがポーズを決め、バックに流れている曲もそろそろサビに近付いてきました!

 

そこのけ俺が行くぜ

いちかばちか勝負だ

 


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今はGo!(Go!) Go!(Go!)

どんなもんだ やっつけろ


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ア・バ・ター・チェ・ン・ジ!


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Go!(Go!) どんなときもDon't cry

心は輝きながら


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悲しみを退治してゆく


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絶対に!


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俺こそOnly one!!


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ドンドンドンブラザーズ

ドンドンドンブラゴーイング

ドンドンドンブラザーズ


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ドンドンドンドンドンドンドン


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Yeah!

 


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「わーはっはっは!!!」


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「笑え!笑えー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

何なんだこれは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最ッッッッッ高じゃないか!!!!!

 

 

 

 

普段だったらシアターGロッソでしか見られないであろう、JAE本職の方々によるドンブラダンスが間近で見られ、しかも撮影可能と来た。

ちりがみ博士が気合い入れてると言っていた通り、ものすごい企画です。

 

この後も色々あったのですが、撮れ高が多すぎて今回の記事には納まりません。

というわけで、Wヒーロー夏祭りとしては初の、次回につづく!!

 

 

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というお話。

ウルトラマンデッカー「破壊獣覚醒」

ウルトラマンデッカー

第4話「破壊獣覚醒」

(監督:辻本貴則 脚本:中野貴雄

ディーフラッシャー、キャンセルできる。

怪獣が出現し、逃げ遅れた人々をビルから救出しつつ宇宙人と交戦するという何だかよく分からない状況でシミュレーション訓練を行っていた若者トリオ。

「結果が全てだ、シミュレーションでなければお前は死んでいた」

宇宙人を深追いしたカナタがフォーメーションを崩し、怪獣の前にわざわざ顔を出したことからミッション失敗になるのですが、訓練じゃなかったらウルトラマンに変身して助かるうえに、そのまま戦いに持ってこれる作品のセオリーを逆手に取った興味深いシーン。

作品をメタ的に捉えがちな中野脚本が早速スパイスを加えてきて、根元さんとは違う味付けを発揮してきております。


「ぶっちゃけ、これからどうするつもりよ?

人間を超える力を持ってしまって」

訓練でのディーフラッシャー発動未遂をチクチク指摘し、どこかのキカイノイドじみた口調になったハネジローのヒロイン力がめきめき上昇するも、昭和気質のアナログ人間の前にはそんな正論など通用するはずもなく、

「じいちゃんが言ってた、人間最後は気合いで決まるって」

直後開かれたブリーフィングにてスフィア合成獣の説明があり、元々そういう役割として生まれた感は否めませんが、さすがに副隊長が説明係としての出番が多すぎて同じような導入が続いてしまうのは、これから少し不安な要素。

「我々も、手をこまねいているワケではありません」

現在の戦力では強力なスフィア合成獣に対処できないことから、前回言及のあったファルコンとホークの合体メカ・ガッツグリフォンの運用開始が明言され、それを自慢げに語るアサカゲさんがめちゃくちゃ面白いのですが、駐車場で偉い人の男の子心をくすぐれば合体メカは作れる!

「俺、合体メカ好きだったんだよぉ……やっぱ合体はロマンだよなぁ!」

アサカゲさんの意外な男の子心に案の定シンパシーを示すカナタ、君は一体いくつなんだ。

それともあれか、この世界線では『コ○・バトラーV』とか『ガイ○ング』とか『○イオージャ』とかがつい15年くらい前に放送されていたのか。

「オモチャじゃないんだぞ、真面目にやれ」

異次元からGフォースの青木がカナタに手招きしてきておりますが、そんなカナタを宥めるリュウモンさんの口元が微妙に笑ってるように見え、男の子の抱える、強い夢に魅せられて。


男の子共が自分の夢をスパークさせていた頃、温泉地として知られるユノハナ町に謎の巨大カプセルが出現し、スフィアが影響してか出なくなった温泉を掘削ドリルで発掘していた際に現れたと堀内正美氏演じる町長が語り、怪獣(スフィア)の出現が市井にどのような影響を与えているのか、という視点が盛り込まれるのは手堅い流れ。

地球上の物質ではないと目されるカプセルは一定間隔で波長を繰り返し放出しており、そんな折キリノの口からユノハナ町には阿賀大明神の降臨伝説があることが語られ、温泉地にも足を運んでいたことから意外とスピリチュアルな面を持っているなキリノ

地層を調べた結果、カプセルはおよそ1300年前に地球に降下したものと考えられ、そんなこんなしてる内にカプセルから破壊獣モンスアーガーが出現し、火炎放射でユノハナ町を焼き払い始めたためファルコンとホークが出撃。

「ガッツファルコン、左右から挟み撃ちだ!」

そういうコミュニケーションは前回から取っといてください。

「イチかバチか、やってみないと分からないじゃないか!」

「希望的観測じゃダメなんだよ!」

しかしモンスアーガーの硬い表皮にはファルコンとホークそれぞれの攻撃じゃ歯が立たず、グリフォンに合体すればと言い出すカナタをハネジローは制止し、バディものらしさは出てきた一方、キリノリュウモンの影が若干薄くなってしまうのは、場面を分けた弊害として今後の不安要素です。


カナタとハネジローが言い合いをしている中、副隊長がカプセルの波長を解析し終え、それは町内放送となってスピーカーに流れる。

「全宇宙の皆さん、こんにちは。こちらはメラニー遊星です。 皆さんは、勝手に宇宙に進出してくる不愉快な文明に、悩まされていませんか? そんな時には、この破壊獣・モンスアーガーシリーズ! きれいさっぱり、邪魔な文明を根絶してくれます!」

原典の『ダイナ』においても明らかに人為的な手を加えられたと考えられるモンスアーガーは、侵略兵器というよりは人類の宇宙進出を面白く思わない何者かによって仕掛けられていた時限爆弾のようなものとなり、事務的ながら物騒なアナウンスを流すカプセルは「侵略や破壊行為がビジネスの延長にある」という風刺的な描写となり、何とも中野脚本。

「怪獣の通信販売かよ……ふざけるなぁ!」

頭に血の昇ったカナタはモンスアーガーに奇襲をかけるも火炎攻撃のダメージを受け、デッカーに変身し航行不能になったファルコンを抱えるシリーズノルマを達成するついで、炎上した箇所を湧き出た温泉で消火。

「すごい…我が町のお湯が、お役に立ったぁぁぁ!!」

おまけにデッカー変身をキリノリュウモンに隠すため、ハネジローの行ったカナタモノマネ(チャラ男成分マシマシ)に首を傾げたり、カプセルのアナウンスを叩いて止めたりとデッカーのリアクションが挟まれ、緊張感が端に追いやられてしまってます。


デッカーは火炎を避け組みかかるも、硬い表皮とメラニー筋肉を纏ったモンスアーガーにパワー負けし、今日もあっさりダウン。

安定の地面ゴロゴロを達成して何かに目覚めたデッカーは細マッチョストロングにチェンジし、自慢のウルトラ手刀で神経の集中している頭頂部を狙うも外付けバリアの出現でスタンになってしまい、火炎シュートで本日2回目のダウンを取られる。

「シミュレーションの結果、勝率が0.01%上昇。この作戦を選択」

登場2話目にしてピンチ属性の加速が止まらない細マッチョストロングがカラータイマーをピコンピコンさせていた頃、消耗したホークのエネルギーで最善の打開策を検討したハネジローは、データが不足しているはずのファルコンとホークの合体を進めるべく、デッカーに通信で水脈を刺激するよう指示し、それをキリノリュウモンに傍受されるという最大のガックリシーン。

先程わざわざテンポを崩すという弊害がある中で、カナタのモノマネをするというギャグを挟んでまで正体を隠すための対処をしていたというのに、ここでキリノリュウモンに通信を聞かれていたら本末転倒です。

おまけに、さっきまで地面をのたうち回っていたデッカーの前からモンスアーガーが消失し、ゆっくりじっくりと水脈を刺激するシーンも描かれるので、緊張感が地球に張られたバリアを通り越して宇宙に放り出されてしまいました。


ともあれ、デッカーの細マッチョファイヤーによって復活した間欠泉で舞い上がった無人のファルコンに、無茶を承知でハネジローのホークがドッキングアプローチを仕掛ける!

グリフォン・フォーメーション!」

接近さえすれば遠隔操作が可能という設定が布石となり、2つの翼は鷲獅子の名を冠する新たな翼へと転生!

「合体が、成功した!」

指令室でめちゃくちゃ嬉しそうなアサカゲさんが相変わらず腹筋に悪いのですが、グリフォンの参戦によってモンスアーガーの頭頂部の弱点は破壊され……なんてことはなく、何となく発動したデッカー炎の踵落としで弱点は破壊され、ひびの入った頭頂部をグリフォンビームで一閃してKOというフィニッシュに唖然。

「ハネジロー、ロンズデラ何とかがどんなに硬かろうが、やっぱり最後は気合いだっただろ?」

戦いを終え、ハネジローに勝ち誇るカナタであったが…このシーンをやりたいがために、フィニッシュをグリフォンに譲ったのか……。

その判断自体は別にいいのですが、カナタの「気合い」とハネジローの「分析」の双方を際立たせ(たうえでシンクロさせ)るのならば、ギャグシーンを挟むのではなくデッカーの奮闘を描くべきでしたし、グリフォンの登場もキリノリュウモンを無理やり巻き込んでの合体で、作劇的に本当に見せたいポイントが不明瞭で、そんな状況で迫力の映像!みたいなノリで技を決められても、何に乗っかれば良いのか判断に困るだけです。

結果的にデッカーのおかげで温泉は復活し、"ウルトラマンを救った温泉"という写真を手に入れたウッキウキの町長の前で、温泉より仕事だと帰っていくリュウモンさんに泣きつくカナタとキリノで、つづく。

 

 

パイロット版を終え、こだわりの特撮で魅せる辻本監督と《ニュージェネ》シリーズの誇る妖刀使い・中野貴雄脚本によるなかなか尖ったサブパイロット。

ファルコンとホークの合体イベントをカナタとハネジローのコンビ力アップに繋げたまでは良かったですが、詰め込み不足なオチと、これといって目新しい要素が無いうえにクドさが際立った特撮部分、カイザキを中心として単調で工夫の足りないカメラワークが目立つドラマパートなど、正直期待の割に微妙な回でした。

途中、森を切り拓いて…みたいな話があったので、メラニー遊星と絡めてよくある文明批判に繋げる狙いはあったのかもですが、情報を全然整理できていないのでカットされて正解かなと(笑)

同じ座組ということで魔の『Z』第5話がチラついた今回ですが、まあ最初ということなのか辻本監督も抑えめな印象だったので、総合的な評価は様子見といったところです。

男の子心をくすぐられまくってるアサカゲさんは、すごい面白いんですけどね!!

 

次回、画面が暗すぎる。

ウルトラマンデッカー「出動!GUTS-SELECT」

ウルトラマンデッカー

第3話「出動!GUTS-SELECT」

(監督:武居正能 脚本:根元歳三

GUTS-SELECTに入隊したカナタたち3人は、HANE2の操縦する新型機・ガッツホークとの連携が基本となるファルコンのパイロットを決めるべく、TPU技術局のアサカゲユウイチロウの協力のもとシミュレーション飛行訓練を受けており、見どころは単身で怪獣に突っ込み、即座に撃墜されるリュウモンさん。

「よろしくな、HANE2君…さん?」

3人がそれぞれ違う方法でシミュレーションをしくじる様子が挟まれる中、カイザキ副隊長が情報を整理するという名目でスフィアについての設定確認が行われ、物語を動かす3人の脇で年長組がしっかりと頭を使って状況を整理する流れが実に手堅い。

1年前地球に出現した5体のスフィア=キングスフィアは、小さな個体スフィアソルジャーと共に粒子状となって地球を塞ぐバリアとなっており、最初に出現したスフィアザウルスか地中に根を張りエネルギーを吸収しようとしていたことが判明。

8年ぶりの地球怪獣、そして新たなウルトラマンの出現との関連も否定できず、スフィアの存在がますます混迷を極めていき、恐らく前作から地球に眠ってる例の謎エネルギーを絡めてくるのだと思われますが、邪悪遺伝子の思し召しが宇宙にまで伝わった可能性も否定できない。


その頃若者トリオは海底超会議…ではなく屋上の残念反省会でHANE2と連携が取れなかった惨状を見つめ直しており、何故か遠慮した動きを見せるカナタに対しキリノが煎餅ナンパの件を引き合いに出してきて、やはり、根に持っていた。

アナログ人間だもんね〜カナタ」

1話の感想にて冗談半分で書いたカナタの昭和気質が公式設定となる中、キリノだけでなくリュウモンさんも意外とカナタを知ってることが前回噛み合わなかった"一年間の積み重ね"を感じさせて良かった点で、「AIの考えてることなんか分からん日々のスキンシップが大切なのにだいたい一年前スフィアにボコボコにされたのは人間が機械に甘えたからだろうが教えはどうなってんだ教えは(以下自主規制)」とHANE2のパーソナル部分に関心が移ったカナタたちは、とりあえず煎餅とお茶で接待。

元々宇宙開発用としてホークと共に開発されたHANE2の出自にキリノが同調を示すのは、早速本作の積み重ねが活きている場面であり、ちょっとしたコメントで好感度をメキメキと上げていきます。

「その情報は、既にデータバンクに存在しています」

何だか不穏な一言を呟いたり、口を滑らせてデッカーの名を漏らしてしまうカナタなどバタバタしながらも、HANE2に呼びかけるという形でカナタたちの心情が少しずつ掘り下げられるのですが、リュウモンさんの入隊理由に関しては少々あっさりし過ぎ(前回激怒した程の熱量を感じられない)なので、今後が期待だと考えて良い要素でしょうか。


「今のままでは、ファルコンとホークの合体は無理かと……本当に大丈夫なんでしょうか?」

「上層部にも言われました、新人部隊なんて上手くいくのかと……訓練期間も短いですしね」

「では、何故彼らを?」

アサカゲが意外と語気を荒らげ、あえて難度を高く設定した訓練に苦慮するカナタたちを余所に、年長組からカナタたちの経験不足を指摘するのは丁寧な話運び。

シリーズお約束の主人公がいきなり入隊するという流れに対し、そこだけで終わらせずに入隊後も荒削りな新人という面をアピールしつつ、それをトリオにすることで互いに切磋琢磨する様子がキャラクターの掘り下げになるのが本当に手堅い部分。

「今、目の前にある問題だけではなく、未来のことも想定し、備えていくべきだと思ったんです。 そのためにも、若い人材を育てておくべきだと……今度の戦いが、いつまで続くか分からないですから

訓練校校長を務めていたムラホシ隊長の若者への期待と、今後の組織体制の変化を図っての人事であることが判明し、第1話冒頭から抱えていた危機感を背景として抜かりなく隊長の掘り下げも進めていきます。

それはともかくとして、TPU内部でも少数派だと思われる軍備強化路線を穏やかに語る隊長がすごく怖いのですが、それを良い話風にまとめられているのは、恐らく先を見据えたホスピタリティの精度。

かつての隊長であったT.S氏の更迭は、隊員内で話題となっていた「名字でしか呼ばれない」「まともに発言させてもらえない」「発言されても無視される」というホスピタリティ不足から来るH.N元隊員(そういえばムラホシ隊長と一緒でメガネ民ですね…)の内部告発の影響であると噂されていますが、この世界の隊長に必要なのはスマイルでも筋肉でも邪悪遺伝子でもなく、敬語とホスピタリティ。

頑張れムラホシ!あとはジャーク会長を倒せば君が王だ!!(え


ヘトヘトになりながらも訓練に励むカナタたちであったが古代怪獣ゴモラが街へと出現し、迎撃のためシミュレーションで最も結果の良かったカナタがファルコンのパイロットとなって出撃することに。

「超振動波に気をつけて」

副隊長の口からさらっとトンデモ事項がもたらされ、初出動のコクピットの中で緊張気味のカナタに隊長がありがたい一言、

「君が夢見る未来は、何だ?」

じゃなかった。

「いいことを教えてあげましょう。ガッツファルコンは元々無人機、人が搭乗することを考えて設計されていませんからね……乗り心地は最ッ悪です」

「……って隊長! それのどこがいいことなんですか!?」

前回ファルコンに乗り込んだ隊長のお茶目が炸裂するも、カナタは少しばかりの笑みを漏らして肩の力を抜き、やはり職場内のコミュニケーションは大事だ!

「大丈夫、あなたたちならきっと出来ます!」

「「はい!!」」

「ふぅ…ありがとうございます、ガッツファルコン、発進します!!」

地上任務に当たるキリノリュウモンも含めて鼓舞を受けた若者たちは、隊長のホスピタリティを胸に、新生GUTS-SELECTはここに初出動を果たし、カナタのガッツファルコンはHANE2の駆るガッツホークと共に空へと飛び立つ!


地上班が注意を引きつけつつ、ファルコンとホークの連携アタックで尻尾切っちゃおう作戦を展開するGUTS-SELECTは文字通り首尾よく作戦を進めるが、地上班の危なっかしさは前作同様、見ていて微妙な場面。

このままゴモラを大人しくさせられると思ったのも束の間、そこに一年間影を潜めていたスフィアの尖兵が姿を現し、ゴモラと同化を図る!

「融合した…?」

スフィア合成獣、といったところですか…」

古代合成獣スフィアゴモラはますます強力になった超振動波を放ち、そこから引き起こされる電波障害でファルコンの制御が不安定になったカナタはHANE2にだけ回線を繋ぎ、ファルコンの同時操縦を依頼し…

「これから起きることは、絶対に内緒にしてくれよな!」

「ウルトラディメンション!」

 

え?


先程データベースに個人情報を入れまくってたHANE2に、形勢が少し悪くなったからとあっさり正体をバラしてしまってて、ここまで丁寧だったのに、カナタがウルトラマンになる(ならざるをえない)瞬間がばっちり決まらず。

カナタの性格を考えれば、一年前に自分があと一歩早く対応出来ていれば地球が封じられずに済んだと思っていたりで、スフィアが出現した時点でウルトラマン案件に切り替えるのも頷けるのですが、だとしたらその"一歩"を描いてほしかったところ。

また今回、HANE2とフォーメーションを組むための訓練からのスタートだったと思うのですが、訓練の様子は描かれたものの、そのコンビネーションが磨かれたシーンがほとんど差し込まれなかったため、変身をあっさりバラす程の信頼関係は全く構築されていません。

サポートAIとはいえカナタがウルトラマンである事実を提示する葛藤が「スフィアへの対応」と「HANE2への信頼」の綱引きにしようとしてどっちつかずになってしまいました。

その結果、カナタの定まらない心情に合わせて出てくるディーフラッシャー=Dさん(中の人)のポンコツっぷりも急加速することとなり、丁寧な反面、肝心なところで粗が目立ってしまう点は『Z』に近づいてきてます。


ともあれカナタはフラッシュして先制のヤクザキックを叩き込むが、強靭な肉体を持つスフィアゴモラに顔面膝蹴りをもらい今日も今日とてのたうち回るデッカーだったが、避難の完了していない病院を庇いながら戦うことで更に苦戦し、スフィア振動波からの再生尻尾撃でまたも地面にダウン。

「力が…力が、足りねぇ……!!」

日々の筋トレ不足を嘆くカナタであったが、そこに目を覚ましたポンコツ(二代目)が新たなカードを提供する!

「またきた!」

(カナタ、このカードを使えば、筋肉が強化されるでございます)

「こいつで、力が……?」

(そうだ。真っ赤に燃える勇気の力で、ウルトラ燃えていくぜぇ!!)

「……よし! うわぁぁぁぁぁ!!すげぇぇぇ!! 身体の底から力が、力が弾けてぇぇぇ!!!」

Dさん提供のストロングカードを掴んだカナタの全身を筋肉の炎が包み込み、ストロングパワーが!全身に溜まってきただろぉ!!!!!

 

「弾けろストロォング!!

 デッカァァァァァ!!!」


近年の筋肉モリモリ系とは一線を画す、グラディエーターの鎧じみた外装を纏うデッカー・ストロングタイプはスフィアゴモラとガッチリ組み合い、パンチラッシュをかけた後に尻尾を掴んでジャイアントスイングかます豪胆っぷりを見せつけ、これからの時代は細マッチョだ!

反撃のスフィア振動波すらも拳で受け止め、ナースキャノンで隙が生じた(前作消えがちだったGUTS-SELECTが地味ながら活躍して良かった)ところで、細マッチョデッカーは炎の必殺拳・ドルネイドブレイカーを食らわせ、スフィアゴモラを空中で爆砕。

かくして新生GUTS-SELECTは初出動でデッカーと共に勝利を収め、ナース指令室でアサカゲが隊長に握手を求める(意外と表情豊か)のですが、HANE2の件も含めて描写不足だったので、唐突過ぎて変な笑いが止まりません。

まあアサカゲさんに関しては今回は顔見せに近い扱いなので、今後の掘り下げに期待したいところです。


「無事に帰還できたことが最大の成果ですよ。まずは休息を取ってください」

「よーし、じゃあ英気を養うために…ご飯でもいきますか!」

ホスピタリティ溢れる職場にT.Sさんが情報部で涙を流している中、HANE2にウルトラマンである口止めをするカナタ…ってうーん……データベースに保存されたっぽいので今後の展開で何かありそうですが、現状ではあまり面白くない正体バレの処理。

ついで呼びづらいから別の名前付けようぜとなり、原典通りハネジローと名付けられるHANE2は書き手としても大変ありがたい改変で、こんなところにもホスピタリティの伝染を感じ取れてしまいます(笑)

いざゆけ! 反シズマ同盟!!(待て)

「カナタぁ、お前さ、操縦荒くね?」

敬語だと調子狂うからタメ口でいいぞと言ったカナタに対し、いきなり崩しまくった口調になったハネジローと少し距離が縮んだところで、つづく。

 

 

『R/B』以来4年ぶりにメインを担当することになった武居監督でしたが、持ち味のドラマパートの見せ方が功を奏し、キャラクターの魅力を引き出せた良いパイロット3話となりました。

前作は販促スケジュールの影響でキャラクターの心情描写が不足して付いていけない展開がほとんどでしたが、その反省を活かしてかほぼ同じようなメンバー構成でもそれぞれの立場が明確になり、スッと物語に入りやすくなっていたのは良かったです。

本作を見てるとキャラクターを立てる行為は出来事を自分で語らせるのではなく、やはり他のキャラクターとの細かいやりとりにあるのだなと。


ドラマパートが丁寧な反面、ここ3話に共通して言えるのですが、いきなりカードが目の前に現れる、身体が炎に包まれるなど玩具販促に関わるイベント消化が少し投げやりな点は気になります。

初メインライターの根元さんは『エピソードZ』を見る限り納得度の高い展開は用意できているようなのですが、情報のまとめ方に少し難があるような気もするので、期待半分不安半分で見守っていきたいです。


肝心の特撮パートは前作パイロットに比べれば控えめな印象ですが、第1話のスフィアソルジャーを蹴散らす場面など印象的な部分もいくつかあったので、これから多くの監督が入って、更なるスパイスを加えてくれることを期待したいと思います。

 

 

次回、駐車場で博士の男の子心案件。

今年もウルサマ!〜ウルトラヒーローズEXPO2022 サマーフェスティバル〜写真レポート① 初回2日間の結果やいかに

皆さんどうも、ウルサマです。

あ、いや、お世話様です。

 

もう既に何の記事になろうとしているのかバレバレがですが、今年もこの季節がやって参りました。

 

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ウルトラヒーローズEXPO2022

サマーフェスティバル

略して「ウルサマ」!!


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ウルトラマンフェスティバルからウルサマに転生した池袋サンシャインシティでの夏休み目玉イベント、新ヒーロー・ウルトラマンデッカーが毎日登場するという触れ込みの通り、今年は『デッカー』メインの展示とバトルステージが展開されています。

↓参考:昨年のウルサマの様子。

urahiro003.hatenablog.com

urahiro003.hatenablog.com

 

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会場は大きく分けて展示コーナー・ステージ・ウルトラマンデパートの昨年と同じ構成。

ステージは全5回で、それぞれ完全入替制の入場方式も昨年と同様です。

昨年成し遂げられなかったウルサマ初日凸を敢行すべく、現時点でのイベントの様子をまとめつつレポートを残していきたいと思います。

 

ウルトラマンデパートで買い漁ろう!

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さて今回のウルサマですが、『ウルトラギャラクシーファイト』のサウンドトラックCDが先行発売されるということで、ウルトラマンデパートの方からお邪魔しました。

展示コーナーと同時にオープンだったのですが、多くのお客さんが流れ込んできてものすごい勢いでして、初日の昼にも関わらずCDが即完売だったとのことです(筆者は買えました、ありがとうございました)。

 

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デパートの入場について、いつでも入場できるわけでなく事前にデジタル整理券を発行する必要があるという手続は昨年同様ですが、その手法に変化がありました。

今回は上の画像にあるQRコードから、LINEアプリを通して整理券を発行します。

細かい手順は画像にある通りなので省きますが、LINEアプリの位置情報取得を事前に許可しておかないと「会場から遠すぎる」という旨のメッセージでエラーが出るので、これから行こうとする方は注意が必要です。

また位置情報の話から当然なのですが、ウルサマ会場近くでないと整理券は取得できないので、数日参加される方も、その都度会場付近でQRコードを読んで整理券を取得してください。

 

スタッフの方に色々聞き、デパートの方で買い物を済ませた筆者は、とうとう展示コーナーに足を運びました。

ここからはイベントに華やかさを持たせる展示を写真に収めてきたので、いくつか見せていこうと思います。

 

②迫力とこだわりの展示に酔いしれろ!

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入ったらすぐにデッカーの巨大パネルがお出迎えしてくれます。

会場入口では入場特典として限定ディメンションカード、そしてぱっちんブレス(勢いよく手に当てるとひとりでに巻き付いてくれるブレス)をもらえました。

全23種か、なるほど(意味深)。


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デッカーパネルの次スペースではメガロゾーア(第一形態)が待ち構えていました。

GUTS-SELECT系の展示が置いてある場所にいきなり鎮座していたので、意外性があって良かったです。

近付いてみるとかなりの迫力。


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続いて会場の中心に位置する場所では、今年の主役ウルトラマンデッカーとその先輩ウルトラマントリガーが光線ポーズで並んでいました!

ピカピカなデッカーを近くで見ることが出来て、お子さんとかも嬉しいだろうなぁと思う展示です。


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昨年同様、巨大なジオラマニュージェネレーションヒーローズが配置されて展示されていました。

場所によってはジオラマの中に入って撮影できたり、怪獣に向かって光線を撃ってるように写真を撮れるスペースもありました。

昨年以上に子ども目線での展示が増えたような印象を感じますね。


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各ヒーローをアップにして撮りました。

個人的にはオーブの背中から横顔を見せるタイガの写真が気に入ってます。

ジオラマには手を触れない範囲であれば近付けるので、あらゆる視点からウルトラマンを撮影できるのも楽しみの一つです。

バラバやモンスアーガー、メツオーガといった珍しい怪獣も一緒でお得感があります。


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そして今回展示の目玉、巨大ゴモラが姿を現しました。

いやぁ、本当に大きいんです(語彙力)。

すぐ脇にはガヴァドンの描かれた土管があり、遊び心も溢れてますね。

 

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巨大ゴモラ像の先にある門を潜ったら広いスペースに出ました。

ん? 謎の通り道があるな……。

ま、まあ先にこのゾーンに展示されているものに触れましょう。

 

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今年のウルトラといえばこれ、大ヒット上映中『シン・ウルトラマン』の展示スペースです。


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恒例の掌に乗れる展示、今回はウルトラマン(リピア)さんが担当となりました。

劇中で浅見さんが乗っていたので、お姉様方はスーツ姿でこの腕に乗るといいでしょう。

原作再現、私の好きな言葉です。


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リピアさんの立像。

あちこちに展示されている印象がありますが、筆者は今回初対面です。

大ヒット映画の登場キャラがウルサマに並んでるのはどこか新鮮さを感じます。

他にも神永のスーツなんかが飾られていたのですが、ガラスケースに筆者が写り込んでしまっているので、また今度の機会に…すみません。

 

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TDG25周年枠で、巨大ファイブキングティガ・ダイナ・ガイアが並んでました。

ライブステージでの活躍が印象深い巨大ファイブキングが常駐されているのも新鮮です。

更に今回の公式アンバサダーであるつるの剛士さん所有の撮影小道具も展示されていました。

 

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他にも、これから発売される玩具が飾られてました。

ウルトラアクションフィギュアのセブン、なんとアイスラッガーを外して持たせられるみたいなので発売が楽しみです。

 

いくつか抜粋しましたが、展示に関してはこんなところです。

自分の写真から魅力が伝わるかどうかは分かりませんが、是非一度足を運んでいただいて、実際に見ていただくことをオススメします。

さて、お次はステージ……ではなく、あの催しについて触れていきます。

 

③皆で撮ろう!ウルトラショット!!

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……ウルトラショットとは

展示ではなく動いてる本物のウルトラマンと写真撮影が出来るブースのことである。

そこに登場するウルトラマンは日程ごとに異なっており、昨年同様完全入替制によってスケジュール調整が必須である中、自身の推しトラマンとツーショットを撮るべく、多くの猛者たちが会場を訪れた(ほとんど個人の見解です)。

 

ウルトライベントの醍醐味であり、昨年も非常に楽しませていただきましたウルトラショットを今回も紹介させていただきます。

昨年は2日前に公式Twitterで公開されていたショットのスケジュールですが、直近のイベントに合わせて1部の分が事前に公開されました。

早い段階で追いチケットができるのと、画像で登場スケジュールをすぐに把握できるのでウルサマもこの方式になったのは嬉しいですね。

 

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ショットの形式は昨年同様、先程の広いスペースにあるキャットウォークを通ってヒーローがウルトラショットに向かいます。

変更点としては、通路の高さが下がり来場者との距離が縮まったことと、通路の途中に撮影用の背景(地球がバック)が追加されたことですね。

ウルサマのこの形式は好評だった印象なので、アップデートして続けてもらえるのは感謝です。

 

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通路の端の方ではこちらも昨年同様、マグマ星人とお姉さんのステージが展開されています。

このステージの途中にウルトラマンが歩いてくるので、「いつ来るか油断ならない」という緊張感もウルサマならではと言えるでしょう。

 

それでは早速、初日である7/23(土)のショットから振り返っていこうと思うのですが……前述の通り初日はデパートから向かったので、ショットにはあまりリソースを割くことはできず。

若干あっさり気味ですが、2022年のウルサマにて初めて出会ったウルトラマンは……

 

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ウルトラマンガイア!!

地球を背負うに相応しい光の巨人が、キャットウォークを歩く最初のウルトラマンとなりました。

 

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力強くかつどこか風格を漂わせるガイアさんはそのままショットの方に向かっていきました。

 

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ちょうどぱっちんブレスがアグルだったので、ツーショットをいただきました。

仁王立ちポーズがサマになりますね!ウルサマだけに

ありがとうございました!

 

引き続き、キャットウォークに登場したのはガイアと入れ替わりでショットを担当していた最新ヒーローさんです!


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ウルトラマンデッカー!

フラッシュタイプ!!

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シンプルながら良い動きを見せていただきました。

時間の都合でショット自体は出来ませんでしたが、登場回数多めだと思われるのでこれからの出会いに期待しておきます。

その時はよろしくお願いします!

 

7/24(日)

早速2日連続の参戦となった今年のウルサマですが、昼過ぎに別の用事があって出かけるので、午前中にささっと行ってしまおうと考えたのが事の発端。

場合によってはステージをスキップしなければならなかったのですが、結局午後の用事は潰れてしまったので、思う存分ウルサマを堪能してきた次第であります。

ということで、割と本気で撮りたかった2日目登場のウルトラマンとは……

 

 

 

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ウルトラマンネクサス

アンファンス!!


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他シリーズとは一線を画すハイコンセプトウルトラマンの筆頭で、昨年のウルサマで何回か登場するもタイミングが合わず、ショット出来てなかったネクサスさんが2日目にして早速の光臨。

ギャラクシーファイト』でも意外な登場を見せたネクサス、あわよくばジュネッスの登場を期待していましたが、もう何でも良かったんです(投げやり)。

この回のウルトラショット一番乗りでヒーローショットをいただきました。

 

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続いてノルマのツーショットも敢行。

手と脚が一緒に出ちゃって変なポーズになってしまいましたが、エボルトラスターがキレイに写ってて結果オーライ、と言いたい。

ありがとうございました!

 

続いて、次のショットに現れるヒーローを撮るために通路前へ移動。

昨日の経験から、良いと思われる位置を確保して待っておりました。

そこに現れたウルトラマンは……

 

 

 

 

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ウルトラマンエックス!!

ウルサマ2021、EXPO2022、ニュージェネワールドとここ一年での遭遇率が高めのサイバーウルトラマンとまたも出会うことができました。


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全身で来場者との出会いを喜んでくれてます。


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立ち姿がキレイですね…。

背景と相まってすごく美しいエックスさんです。

ここから3カウントに合わせてポーズを見せてくれました。


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まずはファイティングポーズ!


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ガッツポーズ!からの……


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ザナディウム光線!!

地味に初めてカメラに収めました。


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最後はまたも力強くファイティングポーズを決めてくれました。

すごくキレが良くて、どこで切り取ってもポーズが決まってます。


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この立ち姿!!

セクシー過ぎませんか?

いいんですかエックスさん。


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去り際までお手振りを忘れないゴクジョーのサービス精神を発揮してのお別れとなりました。

ショットは残念ながら予算の都合で諦めました…良いエックスさんだったのに……また出会いがあると信じています。

その時はよろしくお願いします!!


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そのまま待ってたらショット終わりのネクサスさんとまたお会いできました。


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初めて見たかもしれないネクサスさんのお手振り。

ウッルトラマーン!ネクサスソーセエッジィ!


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これまた珍しいガッツポーズを多用していました。

3カウントでポーズも見せていただきましょう!


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まずはファイティングポーズ!

ネクサスといえばやっぱこれですね。


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続いてパーティクル・フェザー!

ネクサスの牽制技として、強い存在感のある技だと勝手に思ってます。


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とどめにクロスレイ・シュトローム!!

ネクサスの基本技を一通り見せていただきました。


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地球を背負うネクサス…何か良いですね。


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去り際に大きく手を振ってくれました。

ネクサスの新しい面を見ることができた気分です。

改めて、ありがとうございました!!

 

④迫力のライブステージに恐れおののけ!?

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最後はイベントの本旨といえるライブステージ。

『NEW GENERATION THE LIVE ウルトラマンデッカー編』として今回も制作されており、デッカーの戦いを見ることができます。

今回はなんと、土日祝日をメインとしてカナタかリュウモン・キリノペアのどちらかがステージに登場するというサービスがあります。

筆者は初日2日間参戦し、しっかり二組ずつ会ってきました。

ちなみに24日のステージは席がすごく良くて、目の前にキリノ役の村山優香さんがやってきて手を振り返していただけました(心臓麻痺)。

 

ステージの内容に関してはまだイベントも始まったばっかなので、ネタバレを避ける都合で細かく書けませんが、1部の内容に関しては、お子さんを連れてる方は要注意とだけは言っておきます。

それと演出に関して、昨年に比べて従来の形に戻ったような感覚を受け、良くも悪くもヒーロー悪役と距離が縮まったようにも感じました。

忘れかけていたウルトラマンとの距離を再度感じてみたいという方は、是非足を運んでみてほしいと思います。

 

⑤ひとまずのまとめ

昨年ウルフェスから転生したウルサマ、今年も華々しくスタートを切ったように思います。

個人的には色々事情があって、さすがに今年は15回参加はできないので、1部の参加はひとまずここで打ち止めにするために早めの記事投稿とさせていただきました。

 

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またご覧のように、会場の外でもサンシャインシティ内でキャンペーンを行なっており、イベント前後でも楽しめるものがいっぱい揃ってます。

レストランフェアのステッカーは、デッカーだけでなくプリキュアも選べるので、おかわりも迷いなくできますね!

 

………まあ、結局何が言いたいのかということですが、是非、ウルサマに参加してきてほしいです。

ウルトラマンデパートで買い物してほしいです!

迫力の展示を堪能してきてほしいです!

ウルトラショットを体験してほしいです!

ステージに興奮してほしいです!

 

夏休み、何をするか決まってないそこの方!

夏はウルサマに行こう!!

 

 

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「待っているぞ…」

ウルトラマンデッカー「決意のカナタ」

ウルトラマンデッカー』

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第2話「決意のカナタ」

(監督:武居正能 脚本:根元歳三

謎の生命体スフィアが地球を襲撃してバリアを張り巡らせてから一年が経過し、地球が落ち着きを取り戻しつつある中で、カナタ・キリノリュウモンはTPU訓練校の同志として共に汗を流していた。

射撃訓練や柔道の稽古の様子が、ナレーション付きのダイジェストとして流されるのですが、元々訓練生であったキリノリュウモンの方がカナタより腕が立つと描写されており、説明無しにキャラクターのスキルを表現できており、そのカナタの行動原理も、火星に向かい一年間連絡の途絶えた両親に紐付けられているのも手堅い場面。

「あの時、不思議な声が聞こえて……いよいよヒーローとして、世に出る時が来たんです

日曜朝からノイズが入ってしまいました。

内なる声に導かれてデッカーの力を宿したDカード(「デッカード」と書こうとしましたが某勇者刑事と被るので自重)を手にしたカナタだが、初めて光になったあの日以来、光のナックルことディーフラッシャーは現れず、誰もいない体育館で、カナタは夜な夜な闇の稽古を繰り返していた。

「本当に、何で俺なんだよ…」


きっと筋力が足りないだけだ!と筋トレに勤しむカナタであったが、そこに飛び込んでくるGUTS-SELECT入隊候補の話題。

「俺たちって、GUTS-SELECTに入れんのか?」

は?

いや、確かに行動原理としては、家族を含め大事な人を守りたいという想いから訓練生になったカナタですが、いくらなんでも能天気すぎるというか、訓練校をトレーニング施設としてしか考えてなかった感。

後の展開を見るに、キリノリュウモンに対して目標を定めてないという前フリではあるのですが、キリノの言う通り一年間訓練に励んだ男の発言とは思えず、昭和の男っぷりが物語にまで伝染してしまいました。

話題はGUTS-SELECTに入隊する訓練生が決まったという流れに変わり、訓練生某が盗み聞きしたという信憑性低めの情報でありながら、そこに自分の名前が無かったことでますます気を沈めるキリノ、そして拳を握るリュウモンさん。

……前掲の成績表ではトップに君臨していたリュウモンさんが候補に入ってないのは不自然なのですが、性格に問題があると判断されたのでしょうか。

それともあれか、リーダー的立ち位置にありながら、ホスピタリティが足りてないのか。


そんな折、主役トリオは3人一班体制で訓練校最後の行軍訓練に臨むこととなったが、

「足、引っ張んなよ」

リュウモン班長の無愛想な一言が炸裂し、班内のホスピタリティ警報がガンガン鳴り響いている中での険しい山道にて、謎の地震に遭ったカナタは左脚を負傷してしまう。

同じ頃、ムラホシ校長の旧知の仲である怪獣学の権威・カイザキサワ(前回から登場してましたがスキップしてました)がナースデッセイの調整を行なっていた。

「本当に、また来ると思いますか?スフィアが…」

ネオマキシマエンジン(過去作繋がりの固有名詞をさらっと出していくスタイル)の調整が遅れている中、一年間鳴りを潜めていたスフィアの再登場に懐疑的になるカイザキに、その可能性を否定できないと校長は「いいから手を動かせ一年間何してたんだ」とキツいお叱りを与えていた(嘘)。

「あのウルトラマンも、現れるでしょうか?」

「さあ……彼とも仲良くなれるといいんですけどね」


「分かってる、無理はしないって……でももう少し、どこまでできるか試してみたいんだ」

カナタの負傷により、行軍訓練を完了できないと判断したリュウモン班長は本部にリタイアの無線を飛ばそうとし、それに反発し歩を進めようとするカナタであったがリュウモンに肩を掴まれーーー

「分かっていない、失敗は許されない」

「…どうして?」

「絶対にGUTS-SELECTに入りたいからだ! それに相応しい人間だと証明しなければならない! 俺はそのためにここにいる!!

 ……お前は何故ここにいる?」

「俺だって…!」

「お前のような考え方で、戦えると思っているのか!? GUTS-SELECTの一員として、やっていける自信があるというのか!!」

「今やれることを限界までやりもしないで、失敗だからって途中で辞めて! お前こそ本当に戦えんのかよ!?」

リュウモンさん基準では成績下位の落ちこぼれ2人のフォローによるストレスが頂点に達し、殴り合い寸前の空気になるカナタリュウモン。

第1話から見せていた意見の違いからも計算された場面での衝突だと思われるのですが、今回のリュウモン班長の発言だけでは「何故そこまでしてGUTS-SELECTに入隊したいのか?」という目的が不明瞭("証明"という言葉を使っているため、誰かを見返したいみたいな野望はありそうですが)であるだけでなく、対峙しているのがついさっきまで入隊できることを知りもしなかったカナタなのでどうにもその対峙が弱く、またそれが共に訓練を続けてきた"一年間"という蓄積の下に生まれたものでもないので、話の流れと衝突は自然なものの、その内容の突き詰め方にバグが発生しているように感じます。


リュウモン君の言ってることは正しいと思う。でも、カナタの気持ちも分かる。……リュウモン君、もう少し3人で頑張ってみない?」

一触即発のカナタとリュウモンを見かねたキリノが割って入り、訓練中もリュウモンのペースに付いてこられなかったカナタのフォローを入れるなど、高まってきたのはヒロインではなく、お母さん属性。

「私、ずっと宇宙開発の仕事がしたいと思ってた。 けど、スフィアのせいで出来なくなっちゃって……。

 今は、宇宙に行って先輩たちや大勢の人を助けたい! また皆が普通に夢を追いかけられるような世界に戻したい!

 本当に出来るかどうかなんて分からない……けど、自信があるからいるんじゃないよ?

 やらなきゃいけないって思うから、やらずにはいられないからやるんだよ!」

スフィアによってバリアが張られ、物理的にも精神的にも閉鎖された状況の地球において"目的"の先に"夢"があるとキリノが明確にし、現時点でGUTS-SELECT入隊がゴールのリュウモン、目的すら存在しないカナタと比較することで、トリオの中ではメンタル面でキリノが一歩前に出てるとアピール。

代償としてカナタの能天気っぷりが少々加速してしまいましたが、主人公とクールキャラの間(における衝突と和解)のワンクッションとなる面を見出し、しっかりと存在意義を示せたのは前作の反省が活かせて良かったです。

まあまあな長台詞と、役者さんの拙い演技で長引いているようにも見えましたが、まあ愛嬌ということで。


キリノの説得にリュウモンさんから手を離すカナタだったが、すかさず先程の地震の原因であった怪獣が訓練場近くの山間部に出現!

1年ぶり(地球怪獣限定だと8年ぶり?)に出現した怪獣・破壊暴竜デスドラゴは何かを威嚇するように住宅地を進撃し、前作との繋がりでカイザキが怪獣の行動を分析しているのは本作の手堅い部分。

つくづく前作は、原典とほぼ関係ないうえに事前の描写が不足していたメトロン星人の子ども(着ぐるみ)にこういった場面を任せていたというのが、本当に歪だったなと。

「私がファルコンで出ます。……大丈夫、腕は鈍ってませんよ」

新GUTS-SELECTの制服(オレンジとグレー基調で前作とほぼ別物)に袖を通した校長改めムラホシ新隊長は、まずは自分がお手本を見せようとホスピタリティを発揮し、有人操縦に切り替わったガッツファルコンで出撃!

ムラホシファルコンは華麗なる飛行で対デスドラゴ戦のノルマ「片方の角を落とす」(角が折れると大人しくなるという新設定付き)を達成するがそれでもデスドラゴは沈静化せず、退避命令を出していたにも関わらず地上で避難誘導に当たっていたカナタたちを庇って撃墜されてしまう。

本作初の有人飛行をブランクがありながらもタスクをこなし、地上のカナタたちを庇っての墜落とすることで隊長の株を下げることなく、ファルコンを自然に退場させるのは見事でした。

パイロットがいることでファルコンの飛行にもしっかりとドラマが乗り、『トリガー』にて復活したシリーズの特色である"防衛チームの戦闘機"ですが、リモート操縦という新たな試みを挑んだ結果、作劇に諸々の不具合が発生してほとんど良いところ無しで終わったファルコンに割り切ってコクピットを設け、従来と同じ操縦形式に戻したことであっさりと作劇が安定してしまったのは喜ぶべきなのかどうか。


ファルコンの撃墜を目の当たりにしたカナタは自らの手を見つめ、キリノの言葉を思い出し走り出す。

「やるしかねぇ……今、やるしかねぇんだぁぁぁ!!!」

負傷した左脚を引きずりながらもカナタはデスドラゴの下に辿り着き、光を掴むためにその手を伸ばす!

「もう一度、力を貸してくれ!!」

「ちゃんとギリギリまで頑張って、俺たちの気持ちがグッと出来上がってからじゃないと……ウルトラマンにはなれないんでございますよ」

眠りこけていたディーフラッシャーが1年ぶりにカナタの前に現れ、ディメンションしたカナタは再びデッカーに変身するも、ウルトラマンになっても治らなかった左脚の影響で先制のタックルをもろに食らってしまう。

苦戦スピードがトリガー先輩を上回っていたデッカーはいきなりピンチを迎えるが、そこに赤き戦闘機・ガッツホークが闖入しデスドラゴの残ったもう一つの角を破壊。

それを機に態勢を立て直そうとするが、ケガの影響で結局地面をゴロゴロする羽目に陥る。

「このままでは、やばみを感じます」

1年ぶりの起床で寝ぼけていたデッカー(中の人)はやっと目を覚まし、ピンチを知り慌ててホルダーに仕込んでいた怪獣カード3枚をカナタの前に晒す。

(アスミカナタ…だっけ?怪獣カードを使いなさい)

「怪獣カード?」

(デスドラゴに有効なのは、パワー自慢のミクラスだ。ミクラスを使うのでございます)

ミクラスを、使え?」

(そう、ミクラス。一番左のやつ…ってそれじゃない、俺から見て一番左、お前から見て右の茶色いやつでございますよ)

「……分かった!」

中の人からの内なる声に導かれたカナタはしっかりとミクラスカードをディメンションして召喚………ここで間違えてアギラを召喚しないかと、ヒヤヒヤしてたことを白状いたします!

デッカーと肩を並べ、デスドラゴに掴みかかったデッカーの背中をミクラスは文字通り後押しし、今度こそ態勢を整えたデッカーは必殺光線でデスドラゴを爆殺し、辛くも勝利を収める。

ミクラスの行動が、カナタの背中を押したキリノの言葉と掛けられている意図は理解できるのですが、ミクラスキリノは同格扱いで本当に良かったのか(笑)


ウルトラマンになっても、ケガは治んねぇか…」

地上に戻りリュウモンさんとまた睨み合うカナタであったが……少ししてその場に駆けつけたムラホシ隊長が目撃したのは、退避命令を無視し、避難民を介助・手当するリュウモン以下3人の訓練生の姿であった。

「総員退避と言ったはずです。カナタ君、君には一年前、"命を大切に"とお願いしましたよね?」

「はい、でも自分たちの今やるべきことはこれだって、3人で決めました!」

眼鏡を外し、重々しく語り掛ける隊長であったが、リュウモン・キリノ・カナタ、3人の若者の決意に満ちた顔を目の当たりにし、再び眼鏡を掛けて厳しく、そして優しく声を掛ける。

「処分は追って知らせます。これからは指示に従い、無茶な行動はしないように。……GUTS-SELECTの一員として

数日後、ネオマキシマを搭載し終えたナースデッセイの指令室に隊服を纏ったムラホシ・カイザキ・リュウモン・キリノ・カナタの5人、そして無人戦闘機ガッツホークを操縦していた人工知能・HANE2(エイチエーエヌイーツー)が集う。

「この6人が、新生GUTS-SELECTです」

「俺たちが…GUTS-SELECT!」

「一緒に頑張りましょう。大切なものを、守るために」

「「「ラジャ!!!」」」

若き3人が声を揃えたところで、つづく。

 

 

過去作において「勇敢な行動を見せた一般人がこれまでの経歴関係無しに、即座に防衛隊に入隊する」という、現代の視点で見ればツッコミどころが際立つ設定に説得力を与えるために、第2話にしてスフィア初登場から1年経過した世界を舞台に展開した割と斬新なエピソード。

常識的な視点で見れば納得度は高い展開ながら、一年間スフィアはおろか怪獣すら出現しない・ナースデッセイの調整に時間がかかり過ぎている・訓練校のカナタが目的を把握していない・カナタとリュウモンの衝突に一年間の蓄積が伴ってるように見えないなど、経過した時間に対してもろもろのリアクションが1週間程度のリアリティしか感じられなかったのは残念な部分。

ナースデッセイの調整遅れに関してはある意味リアルな描写とも言えますが、他世界のウルトラマンの力を解析してその変身アイテムを作ったり、アブ戦士の超エネルギーを利用してバトルモード発動させてる世界線の延長上にあるので、リアリティラインの揺らぎがあまりにも大きく、飲み込み辛さを感じます。


一方、サブタイトルからカナタの心情を掘り下げるようで、結果としてはキリノがその決意を表明するのは面白いひっくり返しで、前作でユザレという台風の目にいながら、雨風のせいで避けられ中心地に常に放置されてたユナの反省が活きていて良かった点。

カナタの知能が少し下がったものの、リュウモンさんのGUTS-SELECT入隊の先にある目的(野望)も気になるので、描かれるかは分からないながら楽しみにしたい部分です。

しかしあまりにも早い決意表明だったので、今後キリノにちゃんとした出番が用意されてるのかは心配になってきます(笑)

デバン・ダ・イチカ!!


一年間のインターバルに関しては短所が目立ちましたが、作品の納得度を引き上げようと挑戦する姿勢は評価でき、また前作で失敗に終わった若者トリオの再構築にも前向きな姿勢が感じられたため、これらの試みが良い方向に作用してくれればと、今後も楽しみにしたいと思います。

 

 

次回、燃えろ!俺の筋肉!!

 

※トップ画は先日参加したデッカー撮影会の様子。ウルサマ楽しみ。

ウルトラマンデッカー「襲来の日」

ウルトラマンデッカー』

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第1話「襲来の日」

(監督:武居正能 脚本:根元歳三

「地球に平和が訪れ7年、宇宙開発は飛躍的に発展しました。まさに、ネオフロンティア時代真っ盛り!」

前作でジャーク会長が設立したTPUは火星の第2コロニー建設を進めるため、TPU訓練校の宇宙対策科を宇宙に派遣。

地球の内外から怪獣の出現が止まったことにより、かつての精鋭チーム・GUTS-SELECTはその軍備を縮小されており、ファルコンのみならずナースデッセイまで無人飛行となっていたというのは設定を上手く拾っており、納得度の高い展開。

「前に向かって進むのはいいことです。でもそのためにも、足下をしっかりしておかないと……都合良く私たちを助けてくれる存在が、また現れてくれるとも限らないですし

TPUの方針が宇宙開発に傾き過ぎていることに対し、訓練校校長のムラホシタイジが不穏な一言を漏らしていたそんな時代、昭和の香りが色濃く漂う地球の煎餅屋にて、暑苦しい青年の声が響いていた。

アスミカナタ!明日を見る、彼方まで!」

見るからに老舗な煎餅屋が「宇宙煎餅」というトレンドに乗っかった商品を売り出しているという節操の無さが妙なリアリティ(笑)


「火星かぁ…母ちゃんと父ちゃん楽しんでっかな…」

カナタだけでなく煎餅屋の客からも火星の往来について触れられることで、宇宙開発が世界観単位でしっかり機能していることを強調している話運びが手堅く、そこで火星行きのスペースシャトルが飛び立つ姿を決意の目で見つめる女訓練校生・キリノイチカとカナタは遭遇。

「今日は皆さんで警備のお手伝いだそうで、ご苦労様です!」

「あ、ありがとうございます」

キリノ初対面から既に煙たそうな対応を取られるカナタだったが、昭和気質が染みついている男にはそんな微妙な距離感など感じ取れるはずも無く、任務中にも関わらず自慢の宇宙煎餅を押し付けようとし、好感度を上げようとして逆にハラスメントの疑いを持たれやすいタイプだった。

「堅いねぇ〜ウチの煎餅より堅いや!」

両親が火星に旅行してるから、宇宙関係の仕事してる人には親近感湧くよ!と厄介なナンパ師みたいになってきたカナタにしつこく絡まれていたキリノだったが、訓練生の集合時間を告げにリュウモンソウマが現れそれを口実にナンパ師を撒くことに成功し、現時点での好感度レースはリュウモンさんの一人勝ちです!!


しかし厄介者を撒いたのも束の間、火星の市街地が未確認飛行物体に襲撃を受け、地球においても世界各国主要部の上空に巨大な飛行物体が同時に出現し、街に攻撃を開始する!

「君も早くシェルターに! 急いで!」

カナタを一瞥した際に害虫でも見るような目をしていたリュウモンさんが、非常時にそのカナタに対してもしっかりと避難誘導を促し、更に訓練生の中でもリーダー的ポジションにいることから使命感の強さを先に示す形に。

困った面が先立ったカナタも避難中に倒れている人を抱き起こし、瓦礫に埋まった女性を誰よりも早く見つけ迷わず助け出そうとするなど最低限善良さの押し出しが図られており、避難誘導中のリュウモンさんとキリノが注意しつつも女性を助けるために力を合わせて3人の関係性(腐れ縁)を物語の中で作り上げるなど、前作『トリガー』ではスキップされがちだった人間描写が開始10分程度にして早速効果を発揮しています。

反面、駐車場に置かれている瓦礫の山はかなり不自然(人を隠す気満々というか)で、小道具に関する予算の配分は未だ厳しい部分なのかなと感じてしまいます。


「あとは俺たちに任せて、君はシェルターに行くんだ!」

「こんな状況で、俺だけ逃げるわけにはいかないだろ!!」

言葉の端々に何となく優しさの見えるリュウモンさんとカナタとの衝突への布石もしっかりと用意され、それを前線に立ちライフルを乱射していたムラホシ校長が目撃していたところで、飛行物体は地上に精強融合獣スフィアザウルスを召喚し、7年の空白を経てついに怪獣が地球に再臨!

四足歩行ではあるものの、前脚だけが異常に大きい特異なフォルムが面白いデザインのスフィアザウルスは、デフォルトで持っている電波障害機能を発生させ(通信機器が使用不能になるという伏線あり)、無人飛行のファルコンとナースデッセイが、一切の抵抗もなく墜落する姿は印象的に決まりました。

過去のウルトラシリーズでも前作登場の防衛隊や軍を、第1話登場の新怪獣に敗北させて新ヒーローの存在を印象付けるという手法が用いられていたようですが、「怪獣が現れないことで起きた軍縮により、ファルコンやナースには操縦士がいない」という設定が容易に前作メンバーの株を落とさず、旧GUTS-SELECTの敗北を描くことが出来たのは秀逸な流れ。


ザウルスのみならず、街を襲っている小型物体も人間を取り込み始めたため校長はリュウモンたちを撤退させようとするが、カナタは自分が引き付けると主人公属性を発揮させ、ライフルを拾い特攻!

「いきなり人ん家来てデカい顔しやがって! 地球人なめんじゃねぇぞぉぉ!!」

地球人ならライフルぐらい簡単に扱えるぜ!!

冗談はさておき、実家の煎餅屋で働き、宇宙に対してほんのり憧れのようなものを感じさせるカナタが、地球を「人ん家(自分の家)」と呼んで守ろうとする姿はヒロイックで、「用意しているセリフに対して作品内での描写が、その説得力を引き上げる」という良い例を見た気がします。

しかし抵抗虚しく、カナタは飛行物体に身体を取り込まれてしまう……って後ろで並んでる3人がすごく間抜けなんですが、ここまでは割と気をつけてたのにどうしてこうなった。


「俺は、死んじゃうのか…? あれ……ここは、どこだっけ…? 俺……"俺"って何だ…何だじゃない! 俺は、俺だ!! 

 俺は、アスミカナタだぁぁ!!!

身体を取り込まれたカナタは、何者かに精神を侵食されそうになるもすぐに自身を取り戻し、その名を叫んだと同時に宇宙のような空間が転送され、左胸に光を宿した謎の巨人と邂逅。

「声…?……デッカー? あんたの声なのか? 俺の身体を……あんたの力…?」

カナタには聞こえているような声でも、視聴者には断片的にもたらされる情報が話の内容的にも只事ではなく、不穏な雰囲気を漂わせながらもカナタは巨人の力を宿したナックル型のアイテムを手にし、新たなる光の名を叫ぶ!!

「輝け……輝け……

 輝け! フラッシュ!!

 デッカー!!!

カナタを取り込んだ飛行物体を突き破り、ウルトラマンデッカー・フラッシュタイプが地球の大地に降臨する!!


変わり果てた自身の姿に驚きながらも、ザウルスの繰り出した飛行物体ミサイル(ザウルスは小隊長みたいなイメージでしょうか)を迫力の空中戦で蹴散らし、ザウルスに先制の右ストレートを叩き込んだデッカーだったが、巨大な前脚に案の定手こずって踏み潰されてしまいそうになり、7年前の先輩ウルトラマンから、苦戦属性はしっかり受け継がれたようです。

それでも機転を効かせて態勢を立て直し、ザウルスの角を折って優位に立ったデッカーは必殺セルジェンド光線でさっくりザウルスを爆砕。

勝利も束の間、最初に出現した巨大物体が何やら地球を緑の膜で覆っていることに気付いたデッカーは宇宙(成層圏辺り?)まで飛び、それを止めようと手を伸ばすも僅かに届かずシールドに阻まれ、変身解除しながら地球へと降下してしまうといういきなりの敗北展開。

変身が解けたカナタはナックルを持ったまま大の字で道端に倒れており(直後ナックルは消失)、保護にやってきたキリノリュウモンさんとの間で一悶着あるのですが、校長の制止でその場はお開きとなり、この場面キリノの目つき(特にカナタに向いてる時)が異様に悪いのですが、煎餅ナンパの件が相当後を引いているのでしょうか。


「私の名前はムラホシタイジ、TPU訓練校の校長です。 もし君に意志があるのなら、いつでも連絡してください」

「意志?」

「大切なものを、守る意志です」

"スフィア"と名付けられた飛行物体の影響でTPUの戦力は壊滅同然、更に地球を覆うバリアが展開されたことで宇宙への往来はおろか連絡を取ることも出来なくなってしまい、地球は宇宙の孤島と化してしまった。

世界観に関する情報共有においてニュース映像を流すのは便利だなと思いつつ、両親が火星旅行中だということも重なり、思い詰めた表情になるカナタであったが、

「カナタ、俺なら心配ない。

 お前はお前の信じる道を行け」

隠れヒロイン・祖父アスミダイシロウの後押しも加わり、明日を見る男は決意を固めーーーーーーー

 

「しゃあぁぁぁ!いっちょ頑張りますか!!」

TPU訓練校に、キリノリュウモンと肩を並べた新人訓練生の名前が響き渡る!

「TPU訓練校・怪獣対策課!

 アスミカナタ!!

 よろしくお願いしまーすッ!!」

 

 

新たに始まった2022年の新作TVシリーズ、《ニュージェネ》としては『ギンガ』→『ギンガS』以来の正当続編として制作された本作ですが、『トリガー』から受け継がれた設定を残しつつ、時間の経過によって変化(弱体化)した面を自然に表現できたのは良かった点。

そして第1話を見た段階ではまだ判断しきれませんが、事前のインタビューでもあった通り本作は人間ドラマを重視するというコンセプトで制作されており、カナタ・キリノリュウモンのトリオとしての関係性を構築し、初回から各登場人物のポジションを明確に出来たのは、武居監督の手腕が光りました。

キャラクターとしては前述の通り、クール系でありながら常識的な口調と、訓練生たちの中でリーダーシップを取る使命感を持ったリュウモンさんの好感度が現時点で単独走でして、ここにカナタとキリノがしっかり入って来られるかも楽しみにしたいと思います。


校長の怪しい態度、デッカーの活躍が比較的少ない、カナタの厄介属性が不安だったりと不穏かつ不満な部分が無いこともありませんが、色々とネガティブな部分が目立ちそうなストーリーに反して、最後主人公が明るく自分の名を叫ぶのがすごく好きなシーンで、今後に期待を持てる良い第1話でした。

影山ヒロノブ氏の歌うED「カナタトオク」が爽やかなメロディラインで、土曜日の朝に相応しいのも好印象。

 

 

次回、同僚に対する悪口をナレーションで言い出すカナタが早速最低なのですが、

「マナカ隊員なら、"スマイルスマイル!"って言うんじゃないか?」

果たして、ムラホシ校長はGUTS-SELECT隊長の必須スキル"ホスピタリティ"を身につけることはできるのか!?

 

ウルトラマントリガー エピソードZ 感想

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ウルトラマントリガー』

『エピソードZ』

(監督:武居正能 脚本:根元歳三

ウルトラマントリガー=マナカケンゴが、エタニティコアに飛び込みその暴走を鎮めた日(別名:「ロボタック海に死す」事件)から2年ーーーーー

未だ収まらない怪獣出現に対し、新たに科学者畑出身のトキオカリュウイチを隊長に据えたGUTS-SELECTはトリガー無しで怪獣を撤退に追い込む程の実力を身につけており、TVシリーズでは結成直後であったことから連携が微妙だったものの、2年間戦っていたため怪獣に対して堂々と立ち向かえる適応能力と実力を持っていたというのは、GUTS-SELECTのエキスパート性を引き出せていて掴みから好印象。

1人だけ一際大きい銃火器を構えて地上から応戦する理系出身のトキオカ隊長代理(演:中村優一)もなかなかのインパクトで、もうこの時点でTVシリーズ3話分くらいの面白さ(笑)


「怪獣を投げ倒す腕っ節!正に、男の中の漢!!」

超古代のエキスパートであり、青銅のスパークレンスを発見した功績もあるトキオカを中心としてえらくチームワークの上がっているGUTS-SELECTですが、やはりあれか、足りてなかったのはホスピタリティか。

そんな新生GUTS-SELECTに、ジャーク会長から世界各国の超古代遺跡に謎の連中が不法侵入しているという情報を告げられ、担当者から説明があると情報局に異動となったタツミ前隊長が一同の前に現れる。

……前隊長、ナースデッセイから高みの見物だった立場から現場に出向させられてて明らかに左遷なのですが、やはりあれか、ホスピタリティ不足と待遇への不満でヒマリ隊員辺りから内部告発食らった感じか。

もしくは地球の危機を訳分からん闇の巨人から守ったチームの隊長なのに、健康診断の結果が悪いという理由だけで社内表彰を受けられないことを知ったため、水面下でジャーク会長に対する蜂起を考えていたものの失敗に終わり、辛うじて情報局に縋りついたみたいな経緯でもあるのでしょうか(テッシンだけやたら距離が近いのも実はギリギリまで仲間だったけど、直前に会長側に寝返ったという負い目があるからかも)。

「ある遺跡への侵入者を捕らえた。自分たちのことを"ライラー"と名乗っている」

左遷されたことでストレスからも解き放たれた影響か笑顔が眩しいタツミさんは、捕らえた不審者の尋問から「光の復活」という単語を引き出しており、ここ2年間で安定したエタニティコアに飛び込んだトリガーの帰還が近づいていることをユナたちは知る。


「最近、ユザレの記憶が…薄れてきているような気がする」

コアの動静が安定しているのにケンゴは何故帰ってこないのか…そんなことを考えているユナのもとに苦しそうに助けを求めるケンゴの幻影が姿を現し、TVシリーズでユザレを目撃したケンゴとちょっとした入れ替わりが発生。

このままではケンゴが完全にコアの一部と化してしまうと邪悪遺伝子が察知し、GUTS-SELECTはトリガー帰還を促すため、以前から光の復活対策を講じていたライラーの使徒タツミ前隊長の手で拷も…尋問中)とやむなく共同戦線を組むことに。

ユナ=ユザレとの握手会に参加させてもらうことを条件に、協力を快諾したライラーの男は推しとの出会いに尊さを隠せずその場で跪いてしまい、恐るべし、邪悪遺伝子の思し召し。


「我らの光を救う方法は一つ……神器を使うのです」

「超古代のスパークレンスを?」

「あれは星々の光を集め、増幅させる神器。その光をコアの内部に送り……ウルトラマントリガーに力を与えるのです」

古代スパークレンスの詳細については過去に飛んだケンゴしか聞いていないため、アキトたちからしたら信用ならないライラーの口から出た情報という点だけでも胡散臭い話でしかないのですが、圧の強いゲストキャラが視聴者しか知らない本編の設定を拾ったうえで、ケンゴが戻れるかどうかの切羽詰まった状況において繰り出されるというのが大変気持ち良く、また会話シーンにおいてもテッシンやヒマリのちょっとした表情の変化などで緊張感を後押しできる画作りが最低限存在し(武居監督以外の回では皆無と言っても良い要素)、何でこれをTVシリーズで出来なかったのかと思うくらいよく出来てるシーン。


GUTS-SELECTはトリガーが復活できるだけのエネルギーを人工衛星を使って古代スパに照射作戦を展開し、ライラーがその光を遺跡の祭壇に集める儀式を執り行う場に立ち会うユナ。

「マナカ隊員なら、"スマイルスマイル!"って言うんじゃないか?」

「そうですよ! 君なら大丈夫。笑顔で迎え入れてあげよう、ケンゴ君のことを」

「………ハイ!」

超古代での儀式の様子がフラッシュバックしたことに不安を覚えつつも、新旧隊長のホスピタリティに触れたユナは力強く頷き、やはり本編でもこういう、ちょっとした人間らしさをもう少し見せて欲しかったところです。

ユナが覚悟完了したとほぼ同時にコアの波形が乱れたことで作戦開始となり、ライラーの謎メダル儀式(この後登場する先輩戦士に合わせた形でしょーか)によって寝苦しそうにしてたトリガーに太陽エネルギーが注がれ、復活の時は近付く。

「いい加減……目を覚ましなさい!

 マナカケンゴォォォォォォ!!!」

ここでそれを捻じ込んできたか(笑)

ユナの前で上半身裸はさすがにまずかったのか、コアから解放されたケンゴはしっかり隊員服に袖を通していたもののすぐさま意識を失ってしまい、抱き止めたユナは彼の腰にトリガーのハイパーキーが無いことに気付く。


ナースデッセイで目を覚ましたケンゴはGUTS-SELECTの仲間たちによる祝福を受け、いきなり現れた見知らぬ男(トキオカ)の出現に(え、誰この人…? そういえば皆もやたら喋るし友好的だし、なんか違う世界線に迷い込んだ……??)みたいなリアクションになるのが絶妙(笑)

2年の月日が経ち、人事異動が行われれば、組織はこうも変わるものなのです。

その夜、1人研究室の石板を見つめていたケンゴのもとにトキオカが現れ、トリガーとして地球を守った功績を讃えていた。

「"自分が光の化身だ"って知って、正直驚きました。でも…僕の中には光があって、闇もあって……ただの人間だって気付いたんです! だから、人間として出来ることをやろうって」

「偉いな……でも、どうして光は、人になることを望んだんだろうね?」

「……え?」

「何故、赤ん坊としてこの世に生まれ、人として生きることを選んだんだろうなぁ………ケンゴ君、君はもし、このままトリガーになれなかったとして、一人の人間として……どうやって生きていくつもりだい?」

最終回では消化不良どころか、大きくのしかかり過ぎて窒息寸前だった「光であり闇であり人である」ケンゴのアイデンティティの根底が揺さぶられ、柔らかな態度でケンゴと笑い合ってたトキオカが、突如顔つきと声色を重くしてねっとり語りかけてくるのも実に好演で、本作前半を彷彿とさせる謎が後を引く作劇。


時同じくして、TPU特別拘禁室にぶち込まれていたライラー男が仲間の助けを借りて脱獄を図り……手枷は自慢の筋肉で破壊しました!

まんまと重要参考人に逃げられ、取り押さえに向かうも返り討ちに遭ったタツミさんの社内地位と給料と健康診断の結果がますます心配になる中、ライラー筋肉マンは第4話で登場した古代発信機を使い、冒頭で撤退に追い込まれたパゴスを再び地上に召喚させる(序盤でライラーが使用していたと言及あり)。

地上から迎撃に向かったケンゴはいつものクセで腰に手を当てるも、戦闘の場において物理的(ハイパーキーが無い)にも精神的(トキオカの言葉が突き刺さっている)にも戦う力が失われていることを改めて突きつけられてしまう。

ナースデッセイ側ともすぐさま連携が取れず、歯噛みするケンゴたちのもとに、満月を背に浮かび上がる「Z」の文字!

ウルトラマンゼット!?」

「ハルキさん!!」

そういえば知らされてなかったユナが少し驚いていることをよそに、師匠三倍盛りにチェンジしたゼットさんは、ベリアロクの戦闘放棄をいともせずパゴス相手にほぼ完封勝利を上げ、爆破をバックにポーズを決めるアルファエッジが実にヒロイックで、昨年諸々の事情で劇場版制作の無かった『Z』に華を持たせる目的もあるとはいえ劇場版まで乗っ取り始めてきました。


変身を解きGUTS-SELECTに合流したハルキはこの世界に再びやってきた目的が、『Z』世界の黒幕・寄生生物セレブロが逃げ出したことにあると告げる。

「色んな星の生物に寄生して、恐怖を植え付け、次々と兵器を作らせ自滅させる……"文明自滅ゲーム"って言う嫌なゲームをするやつなんです」

改めて聞くと病的なまでに悪趣味(おまけに遂行のためには手段を選ばない)セレブロの快楽が説明的ながらも端的に共有され、ゲーマーとしての側面があったっぽいヒマリ隊員のリアクションがあったのは良かった点。

宇宙を探索中にベリアロクが感じた気配が古代発信機である可能性が高いことから、セレブロとライラー間に談合の疑いを深めたGUTS-SELECTはハルキに協力を申し出る。

しかしコアから分離した際に、光の力まで分散してしまいトリガーに変身できなくなったケンゴは失われたハイパーキー捜索に向かうことになり、セレブロよりも後輩戦士への気遣いを優先したハルキもそれに協力することに。


翌日、捜索に向かった地点には脱獄ライラー筋肉マンが待ち伏せしており、セレブロに寄生され筋肉の加護を受けたライラー男はマルチハイパーキーを持って逃走。

森の中での肉弾戦の末、闇の稽古を経たことで我が物にした筋肉の違いを見せつけたハルキがキーを取り返し、妨害に出現したガゾートと一当たりするためケンゴは割とあっさりブートアップ!

更なる解析で残りのキーの位置も発覚し、ファルコンとトキオカの協力を得てガゾートの腹の中からスカイキーを入手してブートアップ!

キー収集に関してはあっさり具合がまあまあ拍子抜けで、少し忙しなくし過ぎてしまった印象。

ガゾートを撃退したスカイトリガーが新たに出現した2体の怪獣に苦戦していた(2年ぶり)頃、最後の1つのキーを遊園地のお化け屋敷にてユナとアキトが捜索し、ひたすら怯えるアキトという今回の劇場版唯一と言っていいギャグシーンが全力投球で放り込まれ、後の展開を見るに子ども向け作品としての体裁を保つために、全体のバランスを取りに行った感が拭えないシーン(笑)

どうでもいい話ですが、怯えて叫んで気絶までするアキトの振れ幅に対し、「あくまで任務として捜索してるだけですけど」みたいなドライなスタンスで行動する(アキトに対しても目線が冷ややかな)ユナが相変わらず人間味の薄さを発揮しており、こういう場面において「この人物ならどこまで崩せるだろうか」というチャレンジングすら行われていないようにも見えTVシリーズ後半の軸でありながら、キャラクターの肉付けに失敗したユナのキャラ強度の低さを改めて実感します。


トリガーの苦戦を見てハルキはゼットに変身して加勢し、アキトとユナからキーを受け取ったケンゴはパワータイプにブートアップ! 2対2となった怪獣とウルトラマンは並んで睨み合い、鳴り響くゴーング!!


ウルトラマンZ

ベータスマッシュ

ウルトラマントリガー

パワータイプ

VS

凶暴宇宙鮫ゲネガーグ

破壊暴竜デスドラゴ


……筋肉三倍盛りの代名詞といえる残虐レッドファイッ!が展開され、ここに来て深刻なまでの劇場版ジャックが執り行われる。


取っ組み合いの末、友情パパワーの筋肉Wビームアタックでフィニッシュを飾った光の残虐コンビであったが、突如苦しみ出す筋肉ゼット。

「うわぁ!……あぁぁぁぁぁ!!」

「どうしたハルキ!?」

「……ふふ………ハハハハハハ!!………キエテ……カレカレータ…!!」

「お前はセレブロ!?」

何と、ライラー男に取り憑いていたセレブロの本当の狙いはケンゴに無く、単身追跡してきたハルキの身体を気絶させている間に乗っ取ることであった!

表向きはゼットが苦しんでいるように見えるのですが、インナースペースでは割とピンピンして喋っているゼットさんが何だかシュールで、ポンコツ具合に拍車がかかってます。

悪の波動に拒否反応を覚えたのか、メダルの力が解除されオリジナル形態に戻ったゼットさん改めゼレブロは左眼が赤に染まっており、寄生生物としてのセレブロの特性と充血のような痛々しさを上手く表現力しており、秀逸なアイデア


結成後即解散の運びとなった光の残虐コンビの一番手ゼレブロにこれが真の残虐レッドファイッ!とマウントを取られ、全く反撃できずにピコンピコンしてしまうパワートリガー。

更にトリガーを守ってゼレブロを迎撃したトキオカがゼレブリウム光線で吹き飛ばされてしまい、完全敗北したケンゴは変身解除した先で同じく変身を解いたハルブロに変身アイテム一式を目の前で回収されてしまう(ケンゴの手がギリギリ届かないような位置にスパークレンスとキーを置くセレブロが大変嫌らしく、ゲームを楽しむ悪性宇宙人としての描写は正直『Z』本編を超えてる)。

そのままライラー部下に串刺しの刑に処されそうになり、絶体絶命の危機に陥ったケンゴだったが、そこに頼れる男が颯爽と駆けつけてきた!

「優雅じゃないねぇ! ハントは華麗に上品にやらないと」

リシュリア星人のトレジャーハンター・イグニスがタイミング良くこちらの世界に顔を出し、ライラーは撤退。

そして奪われたトリガーの光に似た反応が遺跡の祭壇にて検知され、向かったケンゴたちの前ではユナが見たフラッシュバックと同様の儀式が執り行われようとしていた。


「お前がセレブロか! 一体何をするつもりだ?」

「ゲームさ!!……それに少し、彼らの手伝いをね」

ハルブロと手を結んだ張本人、ライラーの衣装に身を包んだ指導者とは、先程木端微塵に吹き飛ばされたはずのトキオカリュウイチであった!

ある程度の目的を達成したうえ、話の場において邪魔だと判断したためかハルブロは変身してナースデッセイに迫り(「やべぇ…!」と判断したら指示無しでもすぐさま持ち場に着くナース組が良い動き)、イグニスがブートアップ!して対処。

「あなたは………ザビル!!」

「思い出してもらえたようですね、ユザレ」

かつて地球星警護団の科学者、つまりユザレの仲間として活動していたトキオカ=ザビルの正体がユナの記憶から明らかになり、ユ、ユザレ!? ちゃんと仲間いたの!!!???

「ユザレぇ!お前えらい変わったなぁ、強いだけやのうて、めっちゃええ仲間に囲まれとるやん」

明らかに誇り高き青い畜生の発言と矛盾しているのですが、何だろう、繋がってるようで実はうっすら分岐してるのかTVシリーズルート。


「でも、どうして? あなたは闇に対抗するために神器を使い、光を手に入れようとしていたはず…」

「だが、間に合わなかった……」

3000万年前における闇の3バカとの戦い(同じく武居監督回の第11.12話)で地球星警護団が満身創痍だったことは見て取ることはできましたが、ここに来てユザレはメンバー最後の一人では無かったのは、色々な意味で衝撃。

恐らく過去編の出来事はユザレの記憶に基づく再現といった意味合いも強そうですが、そう考えるとその記憶からザビルが一切抹消されているのはものすごく酷い話であり、そんなやつの遺伝子を継いだユナはまあ、あんな娘に育つはずだと妙な納得感(笑)

「我々をあれほど苦しめた相手を、光となったトリガーがいとも簡単に封印した」

何だか細かい記憶違いが発生してるっぽいですが(3バカを封印したのはユザレが暴走させたエタニティコアの一端であり、見事巻き添えを食らったトリガーは宇宙にポイ捨てしただけ)、まあ確かに側から見れば突如現れた光の巨人バンザーイになってしまわなくもない状況で、人として戦いながらも多くの同胞を喪ったことで無力感に取り憑かれたザビルは自分の研究していた"光"に、自ら神になってしまえば良いとその思想を捻じ曲げてしまうことに。

そしてザビルは、いずれ闇の3バカが復活することを予見して石版に情報を記し、3000万年の時を越えてジャーク会長に接触


「彼を懐柔することで、歯車は動き出した!」

おおーっと!

ここに来て会長の株が大暴落だぁぁぁぁぁ!!!!!

TVシリーズ序盤明らかに光の化身となり得ないアキトを上手く言いくるめて利用していたという前科はあるものの、いきなり他次元から邪悪遺伝子によって呼び寄せられ、巫女の運命を背負ってると宣う地雷女に騙され結婚し、妻が遺した愛すべき娘にもユザレと同じ運命を背負わせることを覚悟していた姿に多少の悲壮感を覚えることはできた会長でしたが、その行動が全てザビルの掌中のシナリオでしかなく、本人不在の場面で一人の道化だったことが明かされる衝撃の展開。

また、トキオカ(ザビル)はアキトにとっては先生だったということが冒頭で触れられてましたが、それを考えるとシズマがアキトを引き受けることすらも計算通りだったのだと思われ、古代発信機をライラーが使いこなせていたことと合わせて、8年前のデスドラゴ出現に関しても何かきな臭い雰囲気を感じ取ることができます。

本編感想や簡易まとめでも散々触れましたが、この『エピソードZ』においては3000万年前を始まりとし、物語を動かしていた人物たちの行動理念がほぼ黒幕の思い通りに進んでしまっており、トリガーを引いていたのはずっと影に隠れていた外様だったと奇跡の逆転現象!!

本作、どうも捻ろう捻ろうとし過ぎて回転数の限界で真っ二つに千切れたみたいな最終回を迎えていたのですが、今回の劇場版によって分かれた身体の間にコアファイターが挟まり、最終的に合体完了したから良くね?みたいなすごい着地を迎えることに(笑)


ジャーク会長を手中に収めたザビルは現代に復活したトリガーに闇の巨人を倒させ、コアを安定させたうえで光を奪う計画を円滑に進めるため、しれっと別次元のセレブロ接触してゼットとハルキがGUTS-SELECTを再び訪れるよう仕向けており、3000万年の時を越えた執念によって天井知らずの有能っぷりを発揮。

ところで「気の遠くなるような年月を過ごし」とザビルは語っていましたが、今現在のその身体はザビル本人なのか、それともユザレのように遺伝子を受け継いだ現代人(トキオカ本人?)を乗っ取った結果なのか。

いずれにせよ超古代人の底知れなさをひしひしと感じるような案件で、恐るべし、地球星警護団遺伝子の思し召し。

「人間が光となり、自らの力でこの地球を守れるようにならなければァッ! 意味が無いのだ……ユザレ、やっとお見せできます……人が、光となる瞬間を…!!」

「こんなことユザレは望んでないッ!! トキオカさん、あなたもこの地球を平和に、皆を笑顔にしたかったんじゃないんですか!?

「うあぁぁぁぁぁぁぁ!!!………そのために人を捨て、私は光となるのだ!!」

もはやケンゴたちの知ってるトキオカではなくなったザビルが半ば発狂状態で自身の目的を語り、目を見開き大口で溜めながらセリフを吐く中村優一氏が見事な怪演を見せつけてきます。


祭壇に張られたバリアの影響で手を出せずにいるケンゴたちの前で儀式は遂に執り行われ、しれっとライラーの使徒4名ほど人柱とされているのですが、これは正解なんだろうか(笑)

「ルルイエ・ク・ライラー……希望と、光…!!」

ケンゴのスパークレンスとハイパーキーから奪った光を集めた神器をザビルは天にかざし、緩くマッチアップしてたトリダーとゼレブロのもとに舞い降りた眩い程の光は巨人の姿と変わり、影を継ぐ者・イーヴィルトリガーがここに降臨する。

『ティガ』のイーヴィルティガ登場を下地にしつつ、3000万年前はユザレの仲間だった科学者を変身者とすることで、以前別記事で疑問点に挙げた超古代というオカルトとハイパーキーという超科学の相性の悪さを見事に緩和しており、作品の内外で非常に良い立ち回りを見せていて、書くことが多いぞザビル!!(笑)


「違う、光じゃない……トリガーとは何か違う!!」

「これが…私の身体……! ふはは……ははははははは!!!」

イーヴィルトリガーはゼレブロと2対1で即座にトリダーに襲い掛かり、シルエットだけ見たら完全悪役なトリダーが単身正義の味方として戦ってるのは面白い逆転構造。

イグニスのピンチを救うためナースデッセイはバトルモードを起動(非常時にはテッシン隊員が変形の権限を握ってるっぽい)してマキシマナースキャノンをお見舞いするもイーヴィルにあっさりガードされ、それどころか尻尾を掴まれ掟破りのジャイアントスイングを食らい、ガッツファルコン諸共撃墜されてしまい、イーヴィルトリガーの強大さとバトルナース遂に撃墜という衝撃度がなかなかの迫力で描かれました。


次々倒れていく仲間たちの危機に居ても立ってもいられず、祭壇バリアに強引に飛び込み突破を図るケンゴであったが簡単にはバリアを破れない。

そこに飛び込んできたのは、黒幕の道化の道化であり、お化け屋敷の件で情けない面ばかり見せていたアキト!

主人公と真ヒロインによるラブラブ天驚拳が炸裂したことでバリアは破られ、奪われたトリガーの光はケンゴのもとへと戻り、この流れで完全に蚊帳の外なユナはさすがに哀れ。

まあギャグシーンで崩せるうえに、ケンゴの相棒としても描写を積み重ねてるアキトとはやはりキャラ強度の度合いが桁違いだと判断せざるを得ません。

アキトからスパークレンスを受け取ったケンゴはマルチキーをブートアップ!

ウルトラマントリガー!!!」

未来を築く希望の光はイーヴィルとゼレブロに踊りかかり、ここに光と闇の巨人によるタッグマッチが始まる!!


その頃、撃墜された中で何とか脱出しながらも自分たちの戦艦でありホームだったナースデッセイを失ったテッシンヒマリマルゥルの3人は絶望に膝をついてしまっていた。しかしーーー

「何をしている!」

「………隊長…?」

再びGUTS-SELECTの隊服に袖を通したタツミ前隊長が、情報局で身につけたホスピタリティを引っ提げ3人に発破をかける!

「立ち向かう意志を失わない限り、人間は……人間は決して負けない!!」

予想できた展開ではありましたが、やはりこの場面で隊服を纏い隊員たちに喝を入れるタツミ隊長は凄まじくカッコ良く、我々はやはり現場で戦ってなんぼだ!と銃火器を携えケンゴたちのサポートに向かい、上空でぬくぬくしていたメンバーが若者たちが臨んでいた地上援護に走るのが熱い。

しかしスーツの都合で大きな銃を持てないからか、ハイパーガンを二丁拳銃で持ってるマルゥルに何だかリアルな恐怖を覚えてしまったのはここだけの話。


ヒートアップした光と闇のタッグマッチは市街地戦にまで発展し、何故か街に大きく聳える岩山に叩きつけられるトリダーだったが、叩きつけた当のゼレブロはまたも苦しみ出す。

「やめろぉ…!! お前なんかに、負けるかぁぁぁ!!!」

セレブロに取り憑かれながらも要所要所で抵抗を見せていたハルキの意志が段々と表面化し始め、イーヴィルをトリダーが引きつけている間にケンゴはハルキの心に呼びかける。

「しっかりしてくださいハルキさん!! ハルキさんにも大切な人が、仲間がいるんですよね!? その人たちのことを思い出してください!! ハルキさん!!!」

「ハルキィ…! 頑張れぇ!!!」

「うぅ……チェェストォォォ!!!」

ポンコツ感が否めないながらも、ここ一番でハルキと共に戦うゼットさんが声を掛けるのが相変わらず手堅く、異世界で出会った新たな仲間の呼びかけでセレブロを追い出すことに成功したハルキは師匠ゼットにチェンジし、どこぞに行ってた魔剣さんとも合流してイーヴィルに挑む!


「私は光! 私が全人類を導くウルトラマンだッ!!」

ウルトラマンの力は、誰かを支配するためのものでもなく、導くためのものでもない!!」

セレブロが戦線離脱し3対1となったことで押され気味になってきたイーヴィルは徐々に感情を暴走させていき、その眼から光が失われたことでイーヴィルサンダーが炸裂し大地に倒れ込む三大巨人。

「ひかり……ヒカリ……光よぉぉぉぉぉ!!」

時同じくして唯一逃げ延びたライラー男(セレブロが抜けた際のリアクションを見ると、元からライラーなのか無関係なのかがスタッフの方でも統一しきれてない感)をセレブロが再び依代にし、キープしていた怪獣メダルを発動して殲滅機甲獣デストルドスに姿を変え、トリダーと師匠ゼットに襲いかかる!

苦戦属性持ちも三倍盛りになったことでまたも形成不利となるトリガーであったが、そこに駆けつけた仲間たちの声がケンゴを再び立ち上がらせることに!

「お前が皆を笑顔にしたいと言うのなら、俺は……俺たちがお前を笑顔にしてやる!!」

2年前、巫女の運命を辿らないことを選んだユナに対して、自らコアに飛び込んだケンゴの行動はハッキリ言って不誠実そのものなのですが、今度はお前もしっかり戻ってこいとこの2年間の想いをアキトは叫び、主人公と真ヒロインを独占せんばかりの勢いだ!!

「お願い…力を貸して! ケンゴを……笑顔にしたいの!!」

更にユナは再びエタニティコアにアクセスし、コアの力をケンゴに託すべく薄れていくユザレの力を振り絞る。


「何故、トリガーは僕を人の形で生み出したのか……どんな強い光でも、一人じゃ輝けないんだ!! 誰かが側にいてくれないと…! だから!僕は人間として生まれた!! ウルトラマンになれるだけの……ただの人間なんだぁぁぁぁぁ!!!」


例えウルトラマンになれなくても、ケンゴには仲間たちがいる。

TVシリーズ後半では薄れ気味だった"マナカケンゴとしてのアイデンティティ"にメスを入れてきてそれ自体は良いのですが、本作視聴前提で組まれた最終回での最期はやはり不満を覚えてしまう点で、最終回と後日談とで別々の結論を用意してしまうのは作品の方向性(独自性)を好きなタイミングで転換できることに繋がるのであまりよろしくない手段。

しかし本作、ここでとても評価できるのは、作品としての結論を『トリガー』の名を冠するエピソードで遂げられたことかなと。

直近だと『タイガ』が後の『ウルトラギャラクシーファイト』にてキャラクターの長所を引き出されて救済されかけている途上ですが、肝心のTVシリーズが一番お荷物になっている(ヒロユキなんていなかったのでは?状態)現状があまり面白くなく、本作を見るまで『トリガー』にもそういった不安を抱えていたので、そこをクリア出来たのは作劇に関しても一歩進んだのではと思います。


ウルトラマンに変身してるだけのマナカケンゴと自己肯定力を高めたのと呼応するかのように、ユナが送ったコアのエネルギーを受け取ったトリガーはグリッターエタニティを発動し、TVシリーズでは散々な扱いだった最強形態が神々しく見参(挿入歌としての「明日見る者たち」も実に良い味を出してます)。

トリニティのエタニティゼラデスで致命傷を受けたデストルドスは、続いて主役三倍盛りのデルタライズクローにチェンジしたゼットとトリダーのダブル必殺で爆散し、追い詰められたイーヴィルは暴走した闇の力で更なる巨大化を遂げ、これは自分でもびっくりだ!!

トリニティ、トリダー、デルタゼットの最強トリオは平成ウルトラ伝統の巨大空中戦に突入し、3人が飛び立つと同時に流れ出す主題歌「Trigger」が文句無しの熱さ。

巨大化してからはほぼ良いとこ無しのイーヴィルをトリニティ必殺のトリプル最強光線でさっくり撃破し、市街地戦が長かった反動で決着は少しあっさり気味。

しかし力尽き消滅する寸前、仲間に囲まれたケンゴとユナを見て、かつての自分とユザレを思い出し笑顔を取り戻すザビルは余計なセリフが無かったことも相まって良いシーンでした。

短いシーンに色々詰まっていて与太をこじつけたくなりますが長くなるので割愛、とりあえず、ホスピタリティは大切にしよう。

「さよなら、ユザレ……」

薄れていく自身の遺伝子に別れを告げるユナも、良い場面でした。


ヒマリに捕らえられ真空パック入りさせられたセレブロ(ゲームの件、伏線だった)を抱えたハルキ、そして新たにトレジャーハントの旅に向かったイグニスと別れ、改めて自己を確立したケンゴのお帰りパーティーを催すGUTS-SELECT…ってナースデッセイもう直ったの?

 

「僕はマナカケンゴーーー僕は光で闇、ウルトラマンで人間、これからもここで生きていく……僕を笑顔にしてくれる皆と一緒に」

 

信じよう奇跡を 僕らずっと守っていこう

君に咲いた笑顔を


重苦しく進んだストーリーとは裏腹に、ケンゴが明るいモノローグで物語を締めくくり、パーティーの楽しそうな様子が流れるエンドクレジットがひたすら爽やかで、紆余曲折あった『トリガー』においてはこの上ないエンディング。

TVシリーズの諸々の要素を穴埋めしにかかった補完的な側面の強い完結編ではあったのですが、前述の通りそれが『トリガー』の名を冠する本作において実現したことが大きな意味を持っており、作品自体を最終的には嫌いになれず完結させられたのは、最後まで追いかけた身として嬉しいの一言。

まああまりに出来が良すぎて「これは『トリガー』なのか…?」と飲み込みづらかったのも事実ですが^^;

 


少し時間が空いたことで上手くまとめられずにかなりの長文となってしまいましたが、ひとまず『トリガー』を完結まで見つめて良かったと思わせてくれたスタッフに感謝しています。

本当にありがとうございました。

メインスタッフが同じの『デッカー』も設定的には好みに合いそうな気がするので、楽しみにしています。

 


ちなみに今回の劇場版で株を大きく落とされたジャーク会長ですが、パーティー中ヒマリ隊員の肩にガッツリ手を回して踊っていたことで最低ポイントも大きく稼いでしまい、スキャンダルには気をつけろ!!

 

 

締めがこれでいいのかは置いといて、ひとまず『トリガー』終了となります。

色々ありましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。