うらひろの日記

その場で思ったこと、好きなもの、書いてみます。

勇気と知恵で 大きな夢で

キャッシュレス決済で回せる「スマートガシャ」を初めて回したのですが、色々トラブルが発生して改善が待たれる今日この頃。

しかしそこにいた人たちに妙な連帯感が発生し、助けてもいただいたので、人の善意にこの場を借りて感謝を申し上げたいです。

 

さて本日は、ハイテク機械と人の心がテーマのこちらの作品です。

※本文はあくまで劇中設定の羅列ではなく個人の感想を書いてるものであり、ネタバレや不快感を覚える内容もあるかもしれませんので、事前にご了承ください。

 

 

メタルヒーロー勝手にまとめ

第9作目

レスキューポリス第1作目

特警ウインスペクター(1990〜1991)

特警ウインスペクターとは、平和を愛し、友情を信じ、人々の生命を守るため犯罪に立ち向かう"警視庁特別救急警察隊"のことである」

 

あらすじ:

1999年。科学の発達に伴うハイテク犯罪に対処するべく、正木俊介は捜査と救急活動を同時に行う特警ウインスペクターを結成した。

 

登場人物:

特警ウインスペクター

香川竜馬/ファイヤー

今作の主人公でありウインスペクターの隊長。

凄まじい身体能力と鋭い観察眼、強靭な精神力を持っており23歳という若さで警視正という圧倒的な社会的地位を有している。

にも関わらず人当たりが良く、子どもにも優しいなど完璧過ぎてもはや怖いレベルの超人。

パジャマのセンスだけは異次元。

 

ウォルター

空からのサポートを行う緑のロボット。

真面目な性格で、女子人気が高い。

ディスライダーで空を飛ぶことができる。

 

バイクル

陸でのサポートを行う黄色のロボット。

ひょうきんな性格で名古屋弁を話す。

お腹のタイヤで走行でき、また背中のバイスピアは武器としての他に専用バイクウインチェイサーのハンドルにもなる。

 

藤野純子

ウインスペクターの情報捜査官。

射撃の名手でよく犯罪者の手から拳銃だけを撃ち抜いている…と思いきや竜馬さんでもよく見る光景なので個性は薄め。

 

小山久子

正木お気にの秘密捜査官。

普段は喫茶店「チャコ」を弟の良太と切り盛りしているが、正木の呼びかけにより現場まで向かう。

「敵を欺くには味方から」らしいが、特に正体を隠すメリットは無かった。

 

野々山真一

ウインスペクターのメカニック。

全身黄色のつなぎでウォルターとバイクルを修理してる場面が多い。

演じるは現在もスーツアクターとして活躍している大林勝。

 

香川優子

竜馬さんの妹。公害によって枯れた花を咲かせる実験を行なっている。

ヒロイン力は高いものの、ルックスが…(失礼)

 

正木俊介

ウインスペクターの発起人であり本部長。

隊員たちのことを強く信頼しており、自身も犯罪を根絶することに使命を燃やしている。

しかし交渉や取り調べにおいてはポカが多い。

 

ポイント:

90年代メタルヒーローシリーズのトップバッターでありレスキューポリス3部作の第1作目でもある今作が目指したものは、特撮ヒーローと刑事ドラマの融合でした。

当時の作品としてはシリーズ通しての敵組織がいない、怪人を倒して終わりじゃないという面が実に挑戦的な内容だと思います。

 

レスキューポリス最大の特徴は、やはりレスキューシーンです。エピソードのクライマックスにレスキューを持ってくることが多く、それは今作の特徴であると同時に巨大な制約であることも意味しております。

レスキューの内容自体はヒロイックで、限界時間を超えてなおも救助に向かう竜馬さんの姿はとても格好良いです。しかし毎度毎度雑に廃工場が倒壊したり、ガソリンの詰まった缶が転がるなどレスキューシーンのためのお膳立てが露骨過ぎた気がします。

また、敵は世界征服を狙う秘密組織でもなければ、宇宙からの侵略者でもなく、犯罪者とはいえ人間が相手となっているので逮捕が前提となります。

手から手榴弾が湧いて出たりと、現実世界の犯罪者とはだいぶ乖離しておりますが、警察官が人間を消し炭にできるワケもなく、爽快感に欠けた結末が多いのも難しかった点(同じく警察をテーマに据えた「特捜戦隊デカレンジャー」はその場で裁判を行い死刑執行するかどうかを決めている描写があり、今作と同じにはならず)。

この点に関してはレスキューポリス最終作「エクシードラフト」でいつか語りたいと思います。

 

キャラクターに関してはレギュラーにロボ2体を加えただけの少なめ設定。

各キャラのバックボーンや掘り下げはちょくちょく入るので、特に誰が不遇みたいなことはありません。

強いて言えば射撃担当の純子さんは竜馬さんも正木も人並み外れた射撃スキルを持っているため、その設定が活きていなかったなぁくらい。

あとメカニックの野々山だけは個別エピソードがありませんでしたが、本部に常駐しておりウォルターバイクルと絡みがあるという点だけでキャラはしっかり立ってます。

 

今作はなんといっても竜馬さん。

23歳という若さにして警視正であり、スポーツ万能かつ5ヶ国語も話せるというスーパーエリート。

捜査と救急活動においてもシビアかつスピーディであり、任務において私情を見せることはほとんどありません。

それでいて心優しく心身共に強いという、正にファイヤーになるべくしてなった男です。

そのファイヤーなのですが、超人の竜馬さんですら5分しか装着できない悪魔のシステム。

日々改良を施されており改善傾向に向かってはいるのですが、スーパーエリートが死にかけるシーンもしばしば挿入されます。

それを受けてか次回作「ソルブレイン」でのソリッドスーツはややグレードが下げられてるような印象があり、ある意味リアル。

「西暦1999年…今の日本は科学技術の発達で生活は豊かになった。でも人の心まで豊かになったろうか?不毛の土地を平気で作り出して、科学を逆用して、大勢の犠牲者を出すようになった凶悪な犯罪が増えてる…許せない…!」

 

もちろんウォルターとバイクルも魅力的です。

人工知能を搭載した機械というものが注目されてきた時代だったからなのでしょうか、人間の善意、そして悪意に触れ時には怒り、涙を流し、失恋もするロボット2体。

今まで東映特撮に限らず「心を持った人工生命体」は多く登場しているのですが、それが人間の心に触れ学ぶという展開はほとんど無かった(少なくとも今作のように主題にされていなかった)と思います。

"人工知能を搭載したロボット警察官"だとアニメ作品になりますが今作から4年後に製作される「勇者警察ジェイデッカー」でも似た空気を感じます(あちらはアニメらしいアプローチでもう少し自由度が高かったと記憶してますが)。

それ以外にも、銃を乱射する犯罪者たちから生身の竜馬さんや純子さんを身を挺して庇う場面も多くあり、正義のために立ち向かうロボットという面を強調できていたのは秀逸でした。

「ロボットは嘘をつかない!!」

 

おすすめエピソード:

第31話「哀しみの最強ロボ」

第32話「警視庁を占拠せよ」

(監督:三ツ村鐵治 脚本:杉村升

月並みかもしれませんがやはりこの2話です。

強敵ロボ出現、最強武器ギガストリーマー登場、警視庁ジャックと盛り沢山な前後編ですが、最も注目したい点は、暴走したブライアンとの戦いに発展することで今作唯一とも言えるファイヤーの本格戦闘が見られること。

ファイヤーはどんな状況でも人々を救助するための強化服であり(だからこそオーバースペックが詰まってる)第一に5分以上の活動は危険なため、これまで直接戦闘はありませんでした。

そのためこのエピソードは鉄と鉄のぶつかり合いといった趣きで、ギガストリーマーを使う理由も発生するので、やはり盛り上がります。

「エネルギーチャージ!発射!!」

 

5段階評価:

☆☆☆☆☆ 5/5

"ヒーローとは何か"

90年代東映特撮においてはこのテーマが下地にあると思われ、特にメタルヒーローシリーズは戦隊と違ってフォーマットが固定されていなかったので、アプローチが特殊でした。

今作の翌年に製作される「鳥人戦隊ジェットマン」は、これまでの戦隊シリーズの裏を突く(いわゆる「お約束」に疑問を呈する)ことでヒーロー性を炙り出した作品だと思うのですが、今作以降のメタルヒーローシリーズは定型が無い分より自由にヒーロー性を描写しております。

時にそれは、人間にはどうしようもできない。

戦う力はあっても全てを守れるとは限らない。

ヒーローとて人間であり、全能の神ではない。

戦隊シリーズがどんな絶望があっても正義の勝利に終わる物語が多い「正」の作品なら、今作を始めとするメタルヒーローシリーズは対照的に「負」を背負った作品なのだと考えられます。

しかし、ヒーロー性に対する一途な試行錯誤が10年の時を経て平成仮面ライダーシリーズに繋がると思われるので、90年代は「温故知新」の時代であったのだと強く実感します。

そういった側面からも、視聴機会があれば今作は是非見てほしい作品です。

 

以上、特警ウインスペクターまとめでした。

 

「貴様を必ず、極刑にしてやる!!!」

ーーーーー正木俊介

f:id:urahiro003:20200624190955j:image