うらひろの日記

その場で思ったこと、好きなもの、書いてみます。

地球は我が家さ

仕事において、言われたことを噛み砕いて理解することと自分の思ったことを上手く伝えることは繋がっているなと感じます。

ビジネスにおいてもプライベートにおいても、コミュニケーション能力は大事にしたいものです。

 

本日はそんなコミュニケーションの大切さを説いた作品です。

※本文はあくまで劇中設定の羅列ではなく個人の感想を書いてるものであり、ネタバレや不快感を覚える内容もあるかもしれませんので、事前にご了承ください。

 

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スーパー戦隊勝手にまとめ

第40作目

動物戦隊ジュウオウジャー(2016〜2017)

「多くの命が生きる星地球、1人のニンゲンと4人のジューマンが出会い、一つの群れが生まれた…地球を守るために!!」

 

登場人物:

ジュウオウジャー

風切大和/ジュウオウイーグル

今作の主人公で動物学者。

生き物は全部どこかで誰かと繋がっている、を信条に皆を率いるリーダー的存在。

温厚で面倒見が良く、やや倫理観の違うジューマンに振り回されるような常識人。

しかし自分のトラウマを刺激される出来事には敏感で、突っ走りがちな面も持ってる。

バドのジューマンパワーを分けてもらったことで遠くを見ることができる視力を持っている。

「ニンゲンだって…動物だぁぁぁ!!!」

 

セラ/ジュウオウシャーク

サメのジューマン。弟がいる。

負けず嫌いかつ男勝りな女の子で、特にレオに対しては男女の枠を越えたライバル意識を持ってる。

サメのように耳が良く、よくレオの横では耳を塞いでる場面も。

「やられっ放しは耐えらんないのよっ!!」

 

レオ/ジュウオウライオン

ライオンのジューマン。

大家族の長男であり、ガキ大将気質。

裏表が無く口より先に手が出るタイプだが、自分に対する意見は例え悪口であろうと、正面から受け止めようとするなど器の大きさも見せる。

声が大きく、それが状況の打開策になることも。

「これが、男の美学ってもんだ」

 

タスク/ジュウオウエレファント

ゾウのジューマン。寡黙な父がいる。

本を読むことが好きで、真面目で堅物な青年。

思ったことをすぐに口に出してしまうが、どんな物事にも真剣に取り掛かろうとする姿勢を見せる。

ニンゲン界に来たことでこれまで自分が触れなかったジューランドの歴史に興味を抱くことになる。

優れた嗅覚を持っているため、強烈な匂いを嗅がされることもあり若干不遇。

「僕と君も、繋がったんだろ?」

 

アム/ジュウオウタイガー

トラのジューマン。シングルマザーの一人っ子。

計算高く抜け目の無い性格で、他人任せな言動や行動が目立つ。

安易に人の心に踏み込むようなことはしないため、本人曰く他人と適正な距離を取ってるとのこと。

大和の家族に対する態度に違和感を感じている。

味覚が優れており、食べたものの素材などを言い当てることができる。

「同じ世界にいるのに?いつでも会いに行けるのに?たった2人の親子でしょ?」

 

門藤操/ジュウオウザワールド

ジニスによって3人のジューマンパワーを注入され、当初は敵として大和たちの前に現れた。

根暗で引っ込み思案な「イケてない」キャラであるが、大切な誰かを思う気持ちは強く、その期待に応えるために自分を高める努力を欠かさない一途さを持っている。

優柔不断な面も持っているため脳内(妄想)で3人のジューマンから意見を聞くことも多い。

サイのジューマンパワーによって触覚が発達しており、触ったものを爆弾だと見抜くこともできる。

「サイの意見を採用した」

 

ジュウオウジャー周辺人物

森真理

大和の叔父であり、ジューマンたちの居候先であるアトリエの主。

芸術家でありよく動物のコスプレをしているが、根は常識人でジューマン4人の少しズレた部分にツッコミを入れることも。

大和に対しては大人として接し、多くを語ることはないが大きな影響を与えている存在。

「芸術家にとっちゃ、自分の信じるものが真実だ」

 

ラリー

ゴリラのジューマン。ニンゲンを研究していたがそのニンゲンによって心身ともに深い傷を負う。

そのため当初は大和の接触も拒絶していたが、彼の思いに触れジューマンパワーを託す。

以降は本来の大らかで陽気な性格を取り戻し、ジュウオウジャーの協力者として行動する。

「これはとってもハッピーなプレゼント交換さ」

 

バド/ジュウオウバード

トリのジューマンであり、過去大和を救ったことのある鳥男。寡黙かつ多くを語らない無頼感。

ジューランドに繋がる王者の資格の最後の一つを持っており、文字通り最後のキーマン。

大和のピンチには必ず駆けつけており、王者の資格を目覚めさせジュウオウバードに変身する。

「きっとこいつが、お前を守ってくれる…」

 

ケタス/初代ジュウオウホエール

ジューランドの歴史から葬られていた存在。

かつて大王者の資格によってキューブホエールを目覚めさせ、破壊神を封じたことのある勇者であり初代ジュウオウジャー

大王者の資格を通して自分の意志とジューマンパワーを大和に託す。

 

風切和歌子

大和の母。大和が子どもの時に病気で亡くなっている。人は必ず誰かと繋がっていることを大和に教えた。

 

風切景幸

大和の父であり、休みなく働く医者。

大和との間に解消しがたい溝がある。

バドとも浅からぬ関係がある模様…。

 

デスガリアン

ジニス

デスガリアンのボスで、星に住む生き物をあらゆる手段で絶滅させるブラッドゲームを行う。

これまでも多くの星を蹂躙してきた。

見た目は卵のような下半身をしており、常に座った状態。

どんな状況でも怯まない余裕、敵と同技術の戦士ザワールドを作り出すことができるなど謎の技術を持っており底が知れない。

「次の遊び場が、記念すべき100コ目の星になるのだから…」

 

アザルド

単細胞で力任せなチームを率いるリーダー。

倒されても復活する不死身の身体を持っている。

細かいことは気にせず、クバルと協力することにも抵抗は無い様子。

身体をキューブのようなものが覆っているが…。

「気分?別に、いつもの通り爽快だ!」

 

クバル

ずる賢く搦手の多いチームのリーダー。

口調こそ丁寧だが、常に他者を見下し傷付けることに抵抗を感じていない狡猾な性格。

後にジニスによって滅ぼされた星の出身であることが判明する。

「私とあなたに、仲間の繋がりなんて無いのですから」

 

ナリア

ブラッドゲームの進行人。

ジニスに忠誠を誓っており、彼の細胞を抽出したメダルによってプレイヤーをコンティニュー(巨大化)させる役割も担う。

「ジニス様の細胞から抽出したエネルギーです。無駄遣いせぬよう励みなさい」

 

その他

バングレイ

宇宙から巨大な獲物を倒すために地球へやってきた巨獣ハンター。獲物が見つかるまでは暇つぶしとして、大和に嫌がらせを繰り返していた。

右手で相手の頭に触れることによって、その者の記憶から意思を持った人物を実体化することができる。クバルと裏で共謀することになり…。

「俺の嫌いなタイプだわ、バリバリ虐めたくなる」

 

ポイント:

スーパー戦隊シリーズ40作目の本作は動物モチーフ、地球に生きる命を守る、繋がりという形で絆を描くなどいわゆる王道作品と呼べるものです。

また異種族が集まってチームになることを「群れ」と表現するなど、シンプルかつ秀逸なアイデアが多く見られました。

本作を手掛けたのは東映の宇都宮孝明プロデューサー。担当作品には「侍戦隊シンケンジャー」「海賊戦隊ゴーカイジャー」「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー(長いので以降はルパパト呼びにします)」などがあるのですが、いずれの作品も"誰かと向き合うことで、自分に無い別の何かを感じ取る"、"誰かと手を取り合うことで今までの自分から脱皮する"というテーマを内包してるように感じています。

集団ヒーローの戦隊シリーズにおいてはこの上なく大事なメッセージをメイン視聴者層である子どもたちに説いているのだと私は思います。

メインライターは香村純子氏。「炎神戦隊ゴーオンジャー」でデビューして以降サブとして戦隊に参加し「仮面ライダーウィザード」にて初めて東映特撮のメインを務めた(きだつよし氏と連名)方が満を持して戦隊初メイン。

細かな人物描写と、マクロとミクロ双方を意識したストーリー展開を見せ、持ち味を存分に発揮しておりました。

細かいやりとりだけでなく、盛り上がりどころでバシッと決まり印象にも残るセリフを書けるという点でも東映特撮においては無くてはならない存在だと感じております。

「大和、僕たちはもう帰れないからここにいるわけじゃない。僕たちの意志で、ここにいるんだ」

 

本作のテーマは「繋がり」「コミュニケーション」「個性への理解」といった部分になり、多種多様なアプローチでそれらの重要性を炙り出します。

優等生の大和はひたすら歩み寄りの姿勢を、独自の美学を持ち良くも悪くも正直に自分をぶつけるレオ、相手の心を読めるが故にあえて踏み込まないようにするアム等々…。

特に追加戦士の操はそのテーマを体現する存在といっても過言では無く、これまで友だちがいなかった経緯からジニスの言葉に安らぎを感じてしまい、ザワールドになってしまうのですが、大和たちと出会い、それぞれの心に触れることによって彼は物語の中で大きく"変身"を遂げます。

それは実際に操のように引っ込み思案な性格でも、変わろうと思えば変わることはできるという強いメッセージであり、そのために必要なのは変わりたいという心意気だけでなく誰かと出会い触れることで得られる"繋がり"なのだと本作は言いたいのかもしれません。

「昔の俺とは……レベルが違うんだよぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

 

また本作はジュウオウジャーと敵側との因縁構築が特に明確な作品です。

繋がりを信じる大和と自分しか信じていないバングレイ、ジニスの影に怯えながらも仲間と共に乗り越えることができた操と恐怖に負け他者を危険に晒したクバル、解けた封印に決着をつけようとするジューマン4人など。

最終的にジニスも「群れ」を体現するような存在だったのですが、そこに宿る意思はジュウオウジャーと真逆のものであり、彼らが倒すべき最後の敵に相応しいキャラとなりました。

 

演出勢は

パイロットと夏映画を担当した柴崎貴之監督

・サブパイロットで本作最多演出の加藤弘之監督

・ゴリラ、ザワールド変身回など重要回を任された中澤祥次郎監督

・ゴーストコラボ回やVS映画を担当した竹本昇監督

・中盤から本格参加の次世代エース杉原輝昭監督

以上5人体制でしたが、柴崎監督が「宇宙戦隊キュウレンジャー」中澤監督が「仮面ライダーエグゼイド」の立ち上がりにそれぞれ参加し、竹本監督もVS映画に参加したことで離脱となったので、なんと最後10話は加藤監督と杉原監督の2人体制。

まるで80年代のような演出ローテが見られた貴重な作品です笑

内容としては監督の出入りが少なかったため全体的に安定した演出が見られました。

役者への信頼も強く、センシティブなシーンも次々と映し出し味のある演出が多いです。

特に最多の16本を担当した加藤監督はゴーカイジャー客演回、ワイルドトウサイドデカキング登場回、年末商戦回、最終回と中澤監督が抜けた以降の重要回を多く演出しており、もはや後半は加藤監督が作り上げたといっても良いレベル。

王道をしっかりと格好良く見せる好演出でした。

その中で27話から本編を任されるようになった杉原監督はやや踏み外し気味でしたが、終盤において度肝を抜く映像を作り出し、後の「ルパパト」「仮面ライダーゼロワン」においての大活躍の片鱗が見られるのも面白いところ。

 

ビジュアルとしては動物とキューブがモチーフであり、シンプルかつ大胆なフォルムは戦隊史の中でも極めて異質。

変身アイテムはルービックキューブ、武器や巨大ロボにはブロック玩具のような意匠が詰まっていたりと遊び心の多い玩具展開でした。

その分敵側のデザインは細かく描かれており、対照的な存在であることを上手く表現できています。

個人的にクバルのリレー形式で光ってる口元が好きです。

 

極めて真面目に一つの作品として成立本作ですが、放送途中でスーパー戦隊シリーズ通算2000話という節目を迎えます。

そこで登場するのが先代の記念作「海賊戦隊ゴーカイジャー」のなんと全員。

このエピソードは宇宙海賊(製作スタッフのメタファー?)にとって"スーパー戦隊とは何か?"が提示されており、それを受けたジュウオウジャーは歴史の一員であることを実感するという話です。

また海賊たちより(製作順的に)後に出た戦隊に対するアプローチも描かれていて見どころ満載。

宇都宮P×香村脚本×加藤監督が節目として愛の深い回を製作されました。

凄まじいのはその回をただのコラボでは終わらせずに、本編のキーアイテム「大王者の資格」登場そしてジュウオウホエール初変身に繋げて、直後の回のために布石を置いてます。

本編を円滑に進めるために記念回を踏み台にするという恐ろしいことをやってのけています。

(この言い方は語弊があるかもしれませんが、あくまで、記念のお祭り回でも本編と関連して展開するという柔軟さに敬意を表してます。)

「地球にはお前みたいなバカが39組いた、ってことだ」

 

 

 

さて、ここからは特に本編に踏み込んだ内容になるのですが、ここだけはどうしても伝えたい部分なので、強いネタバレを避けたいと思うのでしたら飛ばしていただいて結構です。

 

 

 

 

本作の主人公大和は自分の信じる"繋がり"をもって他者と接しており、それが誰かを変えるきっかけにもなります。

そのバックボーンとして幼少期に亡くなった母、和歌子の最期の言葉があり、それが大和を支えているのですが、同時にそれは大和にとって乗り越えられないトラウマにもなっています。

仕事を理由に和歌子の臨終に立ち会えなかった父、景幸の存在です。

和歌子は最期を迎える際、大和に"繋がり"の大事さを伝えました。しかしその場に家族であり切っても切り離せない"繋がり"があるはずの景幸はやって来なかった。

「お前なんか父さんじゃない!!」

母のことを最も愛していたはずの父を信じられなくなった幼少期の大和は、それでも母の言葉を、そしてかつて自分を助けてくれた鳥男の存在を芯に大人になっていきます。

 

4人のジューマンに出会い、操に出会い、鳥男であるバドとも再会する大和。

その中心にいる人物として周りに大きく影響を与えていくのですが、アムとの会話において"家族"に対する複雑な感情を表に出します。

シリーズでは珍しく、ジューマンの4人については家族関係が明確に語られており、それぞれ円満な形であることも判明しているのですが、大和だけ自分からは両親のことを語ろうとしません。

そもそも住まいが実家ではなく、真理夫のアトリエに居候してることからも家族関係に関してはある程度推察できるようになってました。

 

そこで大和がその問題にどう向き合うのかですが、42話でクバルが作り出したジニスのコピーによって大怪我を負った操。彼を病院に運ぶことになるのですが、そこから最も近い病院では景幸が医師として勤めていた。

医師としては信用がある父に助けを求める大和。

景幸も背中を向けながら強く頷く。

その後、ジュウオウジャーはクバルとの激戦に挑むのですが操を欠いた状況で危機に陥ります。

そこに恐怖とかつての自分を乗り越えたい、変わりたいと願う操が仲間のために立ち上がり、勝利を納めます。

前述のとおりクバルと操は対比関係であり、どちらもジニスの恐怖にさらされた経歴があるもの同士なのですが、かたやクバルはジニスを一度裏切るものの、敵わないと知るや命乞いしながら地球人を全滅させようとします。

操も同様にジニスへの恐怖心を内に秘めていたのですが仲間たちとの出会い、衝突や和解を繰り返してくことで彼は強くなり、恐怖を乗り越えることができました。

そして操の成長は、大和にも変化のきっかけを与えます。

元を辿れば当初は敵として現れた操にコミュニケーションを図ったのは大和からであり、それをきっかけとしてジュウオウジャーそれぞれのメンバーと通じ合ってきた操なのですが、一皮剥けた彼の役割はその元である大和を救うことに繋がるのです。

 

大和が父と再会した場面を目撃したアムは、感じていた違和感に確信を覚えます。

人に対して踏み込んだ話をしないアムですが、ついに大和の家族関係を聞き出すのです。

以前に1人親の一人っ子であることを話していたため、自分にとっては母親しか家族がいないアム。

母を亡くしている大和にとって同じくたった一人の家族である景幸への歩み寄りをさりげなく促すのですが、そう簡単にはいきません。

そんな時、景幸が勤める病院の近くで災害が発生し、景幸が窮地に陥ります。

それでも大和は景幸と向き合うことを拒み、デスガリアンとの戦いに向かおうとするのですが…

「二度と会えなくなってもいいの!?それを私たちの前で選ぶの!?」

声を荒らげる場面が全くといっていいほど無かったアムの叫びが大和を突き動かします。

ジューマン4人は11話でバドの持ってる王者の資格を前にしても、ジューランドに帰ることはなく大和を助けることを選んだ(帰れるのに帰らなかった)のですが、今回の大和は目前の大義を優先してるフリをして景幸との接触を避けています。

アムにとっては、自分たちと違ってすぐに会いに行けるのに、それを拒み家族という唯一の"繋がり"を自ら断とうとしてる大和を見逃すわけにはいきませんし、本作のテーマとして親子でありながら"繋がっていない"大和と景幸の関係をそのままにしておくわけにはいきません。

イーグルになって病院に駆けつける大和。そこにバドも姿を現し、景幸とバドが旧知の関係であることを知ります。

なんと、かつて自分の危機を何度も救ってくれたバドは、過去にニンゲンによって傷付けられていたところを景幸によって治療を受けており、そしてそのタイミングは和歌子の臨終の時でした。

これまで母の言葉を芯に生きてきた大和がそこに父が来なかった本当の理由を知り、自分が"繋がり"の大切さを実感するきっかけになったバドが父によって助けられていたという運命の"繋がり"を知ることになります。

その後大和はアザルドとの戦いに向かうのですが、真実を飲み込めきれず、叫ぶことしかできません。

 

場面は変わり、大和は和歌子の墓前で景幸と会います。再び向き合う父子。

この場ですぐに仲直りなのではなく、少し言い合いがあるのが本作の手堅い部分です。

過去を知り、母の言葉が父から来ていたものであり自分を守っていたものであったと知った大和。

妻の理解を得られていたとし、息子に対して向き合おうとしなかった景幸。

お互いがあの時の想いを分かち合い、和歌子を介することでしか"繋がっていなかった"(と思い込んでいた)父子はバドを介することで"間接的に繋がり"、そして向き合うことで真に"家族としての繋がり"を取り戻すことになりました。

 

この場面に関して「終盤まで引っ張った割にあっさり解決して拍子抜け」という意見をお見かけしたのですが、確かに確執の深い2人があっさり仲直りしてしまったと思われても仕方ない面はあると思います。

おまけにこの展開は戦うことと直接関係していないため、蚊帳の外感も少しあります。

しかしこの2人はただの親子喧嘩ではなく、和歌子というかたや自分を理解してくれる妻、かたや側にいてくれる母だった存在の死が絡んでおり、大切な人を亡くした悲しみを背負っております。

そこで和歌子が最期に"繋がり"の大切さを説いたにも関わらず、それを裏切った(ように見えた)父を大和は許せなかったのでしょう。

景幸も妻が自分を分かってくれていることに甘え、大和が妻の死に何を思うかまで考えが回らず、結果疎遠になっております(これまでの描写を見るに、大和とは会うたび説教しかしてなさそう)。

なので2人の確執は憎しみからではなく、和歌子との"繋がり"が切れてしまったことに起因します。

ですが和歌子と"繋がっていた"2人には共通する想いが秘められており、修復可能であったことは示唆されています。

景幸はバドの告白をきっかけとして息子に歩み寄ろうとしてましたし(ただし心配してても言ってることは説教臭い)、大和は父と久しぶりに再会し、操の成長を見たことで自分が大人になりきれてないことを実感しておりました。

これまでの人物描写によって人間性を構築したことで、この2人なら、向き合って話すことですぐに"繋がり"を取り戻せるのだと、これまでの物語の積み重ねで強く説いているのです。

前述した本作のテーマである「繋がり」「コミュニケーション」「個人への理解」がこのエピソードに詰まっております。

自分を変えたい、友達を増やしたい、仲直りしたい…すぐには難しいことでも一歩踏み出せれば目の前の景色を変えられるかもしれません。

 

自分の想いが誰かを動かし、ひいてはそれが自分に返ってくる。

本作の父子関係修復問題は、自分の信念を貫いたことで得たものから本当に大事なものを与えられるという因果応報であり、作品テーマを守り抜いた大和というキャラクターが得たご褒美なのではないかと私は思うのです。

長くなりましたがこの件に関しては以上です。

 

 

おすすめエピソード:

第5話「ジャングルの王者」

第6話「ワイルドなプレゼント」

(監督:中澤祥次郎 脚本:香村純子)

ジュウオウゴリラとジュウオウワイルド登場回。

ラリーと大和の会話に本作特有の「優しさ」が見られる前後編です。

「いいのか?王者の資格を持った者が、この星をなめられたままで」

第30話「伝説の巨獣」

第31話「巨獣立つ時」

(監督:竹本昇 脚本:香村純子)

本作ロボの扱いにそこまでこだわりは無さげ(新メカは出てきてすぐ仲間入りしてる)なのですが、それを逆手に取ったような回。

初めて浮上した難題に対して、物語の原点を改めて問い質す前後編です。

また挿入歌「ジュウオウfight!」は名曲。

「キューブホエールが守れなくて…この星が守れるかぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

第41話「最初で最後のチャンス」

第42話「この星の行方」

(監督:加藤弘之 脚本:香村純子)

たびたび記載してる操の脱皮回。

クバル決死の作戦から転落、大和の父登場など終盤に向けた布石も散りばめられており、年末商戦ロボ活躍の前後編です。

「俺に…怯えてる資格は無い!!!!!!」

 

見事に前後編ばかりとなりました笑

正直本作は各話それなりに大事な要素が詰まっているので、出来れば全話見てほしいところです。

 

5段階評価

☆☆☆☆☆ 5/5

なんでこんなに長い感想になったのかというと、私が見たスーパー戦隊シリーズの中で、3本の指に入る作品だからです笑

本作から学べることは単なる綺麗事ではなく、時には現実的なメッセージも含まれていることがとてもツボにハマってます。

個人が抱えるメッセージ性というものは時に暴走しがちで、全体の流れを見失ってしまう危険性があるのですが、作品を貫く一本の芯がとても強く、横道に逸れないシリーズ構成が見られたのもポイントが高いです。

他にもゴーカイジャー仮面ライダーゴーストとのコラボがあったりと記念作らしく華やかな部分もあります。

 

現実に少し悩みを抱えている、少し自分を変えたいと思ってる方に"変身"のきっかけを与える作品になるのではないかと思います。

興味があったら、是非ご覧ください。

 

以上、とっても長くなりましたが「ジュウオウジャー」感想でした。

 

「この星を、なめるなよ!!」

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