うらひろの日記

その場で思ったこと、好きなもの、書いてみます。

ウルトラマンZ「戦士の心得」

ウルトラマンZ』

第2話「戦士の心得」

(監督:田口清隆 脚本:吹原幸太)

「俺とハルキのウルトラ熱い戦いは、こうして始まったんだ!!」

開幕からナレーションで前回の説明をするゼットでスタート。

 

「ゲネガーグが目覚まし時計になった?」

前回ゲネガーグが地球に降り立ったことにより、地球に潜んでいた怪獣たちの動きが活発になったとのこと。

ウルトラマンガイア』でのコッヴを思い出す設定です。

半永久的発電システムがテスト運用されることになってニュースを見たストレイジの発明担当オオタユカは、もっとすごい発明をしてやると意気込み、今後何か発明品を出すと思われますが、それは合法なものなのでしょうか。

ハルキの体を心配して話しかけるヘビクラショウタ隊長

しかしハルキに背中を向けた際、怪しい表情を見せています。

今回全編に渡って怪しい立ち回りを見せているのですが、露骨過ぎるので何か一捻りあることを期待したいです。

 

「戦士に二言は無い」

ハルキの先輩ナカシマヨウコ隊員は整備班隊員から交際を申し込まれ、腕相撲で勝負。

男相手にも一切動じないヨウコ先輩は軽く整備班隊員を捻り潰します。

日々の筋トレの成果でしょうか。

さらに年下ムリなのよね〜と追い打ち攻撃。

いわゆる"枯れ専"であることも堂々宣言(既に隊員内で知られている)するのですが、その状況でなぜ交際を申し込んだ年下隊員。

それだけヨウコ先輩が魅力的なのかもしれませんし、好みの逆方向から攻略するというハードモードを挑むことが男の証明だ!と思っている可能性もゼロではありませんが。

 

怪獣出現によりセブンガー発進。

「ハルキ!今日お前の出番だな?10分で出すぞ!」

整備班リーダー、バコさん登場。

今回の出番はここくらいだったので、次回からの活躍に期待。

怪獣出現から発進シークエンスを描くと同時にストレイジが怪獣災害に対処する部隊であり、セブンガーがその特空機1号であることも説明。

テロップも交え、ビジュアル的な押し出しが分かりやすく良いシーンです。

さらに前回はメインキャストしか隊員が登場していなかったのですが、セブンガーの発進に多くの隊員が絡んでおり、ハルキやヨウコ先輩のオンオフを描くと同時に数名単位の組織ではないことを映像で見せていて、恐らくここは田口監督の意向だと思われるのですが、やはり秀逸。

 

姿の見えない透明怪獣ネロンガに苦戦するハルキセブンガー。

ハルキはゼットに変身しようとするがゼットライザーが起動せず、ハルンガー完敗。

なんとか無事に帰投してきたハルキを励ますヨウコ先輩はやたらにボディタッチを仕掛けるのですが、なるほどそういう行動が多くの年下隊員たちを勘違いさせているわけですね。

周りのリアクションを見るに告白→腕相撲の流れは何度もあったっぽいので、整備班の中でヨウコファンクラブでもあったりするのでしょうか。

……ストレイジは歴代でもかなり体育会系寄りの集団に見えるので、年上好きの男が多くても不思議ではありません(※プロ野球選手が年上女性と結婚することが多いという勝手なイメージから来る偏見です)。

 

廊下を歩いていたハルキの横から急に出てくる光の扉。ゼットが接触を図ろうとしてます。

得体の知れない扉に恐る恐る入るハルキ。

「よう、ナツカワハルキ…だっけ」

「ちょっと、さっきは何で出てきてくれなかったの?」

「ちゃんとギリギリまで頑張って、俺たちの気持ちがグッと出来上がってからじゃないと…ウルトラマンにはなれないんでございますよ」

露骨な『ガイア』ネタをぶち込んできました(笑)

今回目覚ましゲネガーグといい筋肉といい『ガイア』要素が詰まっていたのですが、脚本家の吹原さんが好きだったりしたのでしょうか。

この時点ではハルキにまだ詳しく自己紹介してなかったゼットは、"M78星雲・光の国"の"宇宙警備隊"メンバーであり、宇宙に散った悪の因子"ビルスプリンター"の調査をしていたところにゲネガーグが光の国からウルトラメダルの力を引き出す機械を飲み込み逃亡。

師匠の"ウルトラマンゼロ"と共に追っていたところゼロが四次元空間に吸い込まれてしまったため、ゲネガーグが飲み込んだウルトラメダルを取り返すために一人で地球にやってきたとのことです。

固有名詞は多いのですが、"光の国"、"ウルトラマンゼロ"など馴染みの多いものもあるのですんなり入ってくる設定説明です。

似たようなものだと「ウルトラマンジード」も説明は丁寧でしたが、"カレラン分子"や"幼年期放射"などイマイチピンとこない固有名詞が多く、分かりづらかった印象でした。

 

この場面では未だ言葉遣いに違和感があったり、大体5000歳くらいで超年上だったとハルキがタメ語使ってたことを謝ってそれを気持ち悪く感じたり、腰のゼットホルダーが目立ち過ぎることに対して「地球人には見えない」と教えたり、と丁寧すぎるレベルでツッコミどころを潰していくゼット。

先程ストレイジは体育会系集団と書きましたが、ハルキは正にそれを体現した存在であり、年齢に基づいた上下関係は重視するのが自然です。

反対にゼットは光の国のウルトラマンであり、年齢を基準とした倫理観を持っていないため、それに気持ち悪さを覚えてしまう、という細かいズレが2人の間にまだあるという描写です。

前回と今回前半でのキャラクター描写が活きており、やはり『ウルトラマンタイガ』で見たかったのはこれだという結論に落ち着きます。

 

「俺が相手してやろうか?」

道場に1人で稽古しているハルキのもとにヘビクラ隊長が胴着姿でやってきて稽古をつけることに。

ガムシャラに向かうハルキは隊長に手も足も出ないのですが、ここぞとばかりにハルキをフルボッコにする隊長。

痛めつけられ限界に達したかと思われたハルキですが、無意識に気配を感じ隊長に一撃を与えます。

「見えるものだけ信じるな」

顔を極端に近づけるという闇の仕草を披露する隊長がますます怪しいのですが、なにか一捻りあることを期待したいです(二度目)。

 

透明なネロンガに対抗するため、ユカの開発した電界放出弾を喰らわせる作戦を展開するストレイジ

弾が一発しかないのは『ウルトラマン』最終話のオマージュかと思われますが、時間ない中作ったという理由付けを行うのは本作らしい丁寧な展開。

 

ネロンガは半永久発電システムを狙ってくる可能性があるので、そこで電界放出作戦を開始する。

発信器は打ち込めたものの、サーモグラフィーにすら映り込まないネロンガに苦戦するヨウコセブンガー。

そこでハルキはあっさり師匠三倍盛りゼットに変身し、なんとセブンガーをお姫様だっこ。

セブンガーのヒロイン化が着々と進みます。

「宇宙拳法!秘伝の神業!!!」

玩具的な都合でバンクシーンを描く必要があったのかと思われますが…先程わざわざ「お互いの気持ちが出来上がってからじゃないと」とゼットに言わせてたにも関わらず、そのゼットの気持ちが一切描かれないままハルキが変身してしまうことで全て台無し。

ウルトラシリーズではちょくちょく、安易にウルトラマンに変身しようとしてなれないみたいな展開はありますが、本作は説明が丁寧だった反動でそれをなぞるには色々無理が発生しました。

ヨウコ先輩の危機が絡むことで気持ちが上がったということなんでしょうが、さっきのシーンでもハルキが二度目の死を迎える可能性もありましたし、線引きが曖昧。

ウルトラマンは生と死への倫理観が根本的に地球人と違うので、特に若いゼットは自分自身(そしてハルキ)の生命の危機というものに無頓着という可能性はありますが、そこを突き詰めていく方向になるのかどうか。

 

「見るんじゃない…感じるんだ」

「ウルトラヒット!」

透明なネロンガに対し、闇の稽古の成果たる心眼で打撃を与えるハルキ。

ゼットだけがひたすらハルキに与えるだけではなく、ハルキの成長がゼットのパワーアップにも繋がり、良い関係になってきました。

それでも少し苦戦気味のゼットに電界放出弾を当てるヨウコセブンガー。

しかしゼットは電気攻撃に苦戦していたワケでもないので、必要性があったかは微妙でした。

今回も必殺ゼスティウム光線でフィニッシュ。

振り向きざまに撃つ姿がカッコイイ。

ゼスティウムメーザーは今年のプラニウムバスター枠でしょうか?

 

「じゃネロンガの解剖に行ってきまーす!」

作戦終了した指令室でユカはしれっと怖いことを言って席を外します。

「あ、ハルキぃ」

「ハイ?」

「ねぇウルトラマンゼットって何歳くらいなのかな?」

「あ、5000歳っすよ」

「え、何で知ってんの?」

「あ、いや、なんかそんな感じの話誰かに聞いたんですよ。誰だったかな…」

「はぁ、5000歳かぁ…きっとあなたのものよね、大切にします」

前回拾ったウルトラマンメダルをゼットのものだと思い握り締め、今年のストーカー枠なのではという疑惑を感じさせるヨウコ先輩、でつづく。

 

オーソドックスな設定説明編で、特殊部隊が怪獣に立ち向かうという王道ウルトラの流れを見事に描き出してました。

ハルキ変身の件に不満はありますが、ゼロの存在により前番組から視聴してる前提に思えますが、丁寧な説明を繰り返す親切設計により初見に対して"ウルトラマンZ』はこういうストーリーだ"と分かりやすく見せていたのはとても良かったです。

今後のキャラの掘り下げも楽しみです。

ただヘビクラ隊長のように露骨な歴代要素も入ってくると思われるので、今後は丁寧さに一捻りを入れてくれることを強く期待しております(三度目)。

 

以上、第2話感想でした。