「リュウソウジャー」について思うことを書き出してみたものの、一回目でそれなりに書いてしまった感が否めないそんな今日この頃。
色々挟んでじっくりと書いていきたいものです。
さて、本日はこの作品です。
※本文はあくまで劇中設定の羅列ではなく個人の感想を書いてるものであり、ネタバレや不快感を覚える内容もあるかもしれませんので、事前にご了承ください。
スーパー戦隊勝手にまとめ
第10作目
「超新星フラッシュマン」(1986〜1987)
「ある日、地球から5人の子どもが宇宙の果てに拐われた。そして20年後…」
あらすじ:
20年前地球から宇宙の果てに誘拐された5人の子どもたちが、改造実験帝国メスが迫る地球に戦士となって帰ってくる。
登場人物:
ジン/レッドフラッシュ
フラッシュ星で育った最年長でフラッシュマンのリーダー。
3歳頃に誘拐されたため、他のメンバーと違って少しだけ地球にいた記憶がある。
戦闘力は抜群に高く、冷静な判断もできる典型的な昭和レッド。若干老け顔。
ダイ/グリーンフラッシュ
岩石の星グリーンスターで育ったサブリーダー。
怪力を誇り、夏には鍛え上げられた二の腕を視聴者に披露する。
美声の持ち主で、見栄切りがすごく決まる。
ブン/ブルーフラッシュ
砂漠の星ブルースターで育ち、サバイバル能力と俊敏さを持っている。
男性陣の中では最も幼い印象で、戦士としてはやや甘い面も持っている。
サラ/イエローフラッシュ
氷の星イエロースターで育った。ショッキングビーズという手裏剣みたいなものをよく投げる。
女の子が戦士になったら、というようなイメージを反映させたようなキャラ。
ルー/ピンクフラッシュ
超重力の星ピンクスターで育ったため地球ではフワフワ浮いており、ジャンプ力に優れた戦士。
食いしん坊で肝っ玉の太いお母さん体質。
サラに比べ少し不遇。
マグ
フラッシュマンをサポートするロボット。
序盤はよくダイに殴られる。
マスコットキャラのような見た目をしているが一人称が「俺」であり、度重なる鬼畜行為を5人に課すこともある。
時村博士
20年前に子どもを宇宙人に誘拐されたと主張し、タイムマシンを制作して真実を探ろうとする変人。
タイムワープできたと思ったら、衝撃の行動をして帰ってきてしまう。
フラッシュマンの誰かの親なのではないかという存在であり、数少ない協力者。
レー・バラキ
かつてフラッシュ星の英雄タイタンと共にメスと戦った宇宙人。
フラッシュタイタンをフラッシュマンに託し、意味深な遺言を呟き息を引き取る。
改造実験帝国メス
大帝ラー・デウス
謎多きメスの支配者。
全ての生命体の頂点に君臨する存在と豪語する。
度重なる改造によって現在の姿になったとのことだが、ケフレンが秘密を握っているようである。
大博士リー・ケフレン
遺伝子シンセサイザーで生命改造を行うメスの大博士。うるさい上司と使えない部下の間に立ち組織を動かしている。
中盤自らの出自に疑問を持ち始める。
レー・ワンダ
5つの生物の遺伝子を掛け合わせて作られた白塗りのメス幹部。レッドフラッシュをライバル視してる。
50年に一度スーパーワンダになれるというとんでもない博打体質。
中盤、妖獣士ワンダーラに強化され「タイムストップ3秒殺し」という色々な意味でヤバい技を使う。
レー・ネフェル
豹とアルマジロを掛け合わせたようなメスの女性幹部。よくコスプレして現れる。
ケフレンに対して父親に向けるような感情を見せる。
中盤、妖獣士ネフェルーラに強化され魔空空間を操ることができるようになった。
レー・ガルス
怪力に特化した着ぐるみ幹部。
空気と呼ぶには空気に失礼なレベルで存在感が無い。
ウルク・キルト
ネフェルの下で働くワンニャンコンビ。
顔出しもしてるため、生身アクション担当。
サー・カウラー
凄腕の誘拐犯であり、フラッシュマンを拐ったエイリアンハンターの親玉。中田譲治。
ケフレンと牽制し合っており、彼の秘密について知ってる模様。
ボー・ガルダン
カウラーの右腕で岡本美登。
出番は少ないものの初登場演出などインパクトは強い。回転は正義。
ポイント:
前作「電撃戦隊チェンジマン」が職業軍人であり、地球(宇宙)のために戦う戦士たちを描いていたのですが、本作は"地球を守る"という以外に、"誘拐されたことによって生き別れた親との再会"が戦士たちの動機になっております。
80年代後半に差し掛かり、シリーズのマンネリ化を避けようと考えた結果、地球を守るという「公」よりも戦士たちの「私」を取り戻すことを重点的に描こうと立ち上げたように見えます。
また、新たに2号ロボの登場が初めて採用された作品でもあり、ロボ複数体制の初代となりました。
肝心の中身は、新しい要素を上手く捌ききれず、色々と中途半端に終わってしまった印象でしたが…。
20年前に地球から誘拐された子どもたちがフラッシュ星人によって鍛えられ、地球に戻ってきて戦うという設定において、地球の文化を理解しきれていないという描写は面白く出来上がってました。
例えば地球の食事に感動を覚えたり、風船を知らなかったり、電車に乗ろうとして新幹線に乗ったところ途中で降りられず戦いの場に急行できないなど様々です。
中盤以降はあまり見られない展開でしたが、掴みとしては分かりやすくて良かったと思います。
メンバーの中ではサラが一番目立っており、最終的なキーパーソンは彼女になってました。
最年長のジンは1人だけ老け顔だったり、ゴルフウェアみたいな夏服を着ていたりと妙なところで年長アピールをしてました笑
しかしスタッフに一番気に入られていたのは、間違いなくレー・ネフェル(萩原佐代子氏)。
「科学戦隊ダイナマン」でレギュラーを務めていた経験もあって色々コスプレをさせられていますのでこれは必見です。
メスに関しては正直没個性。
カウラーが出てくるまではこれといった面白さはありませんでした。
特にレー・ガルスの扱いは酷い。
当時彼の名前と顔が一致する子どもはどれくらいいたのか気になるレベル。
知能が低いから喋らないので、どうしてもワンダとネフェルの陰に隠れがちでした。
メス以外にもエイリアンハンターなる誘拐犯が序盤から登場し、その親玉としてカウラーが中盤から登場しました。
エイリアンハンターはよくUFOごと墜落するようで、5人を誘拐したハンターもフラッシュ星に墜落したから助かったという経緯があります。
終盤、このエイリアンハンターに対するメンバーの心が描かれるのですが、これは後述します。
ロボは初めて2号ロボが登場し、スピーディなタイタンボーイと一撃必殺のグレートタイタンの二重体制となっておりました。
1号ロボのフラッシュキングもレッドがタンク担当だったり、合体機構が面白かったりと趣向が凝らしてあって全く見劣りしません。
惜しむらくはグレートタイタンが無敵過ぎるため2台を使い分ける必要性が薄く、なぜここでフラッシュキングを使うのかというような疑問が終始消えなかったことでしょうか。
終盤、衝撃の展開として5人の身体が反フラッシュ現象を起こします。
長い間フラッシュ星で育った5人の身体は地球に適応できず、これ以上地球にいれば死んでしまうというものです。
中盤バラキが英雄タイタンの死因について、そしてフラッシュマンの今後を語ろうとすることで伏線を敷いてたと思われるのですが、その間に星の並びがフラッシュマンを苦しめるというややこしい展開を配置します。
それによってここでタイタンの死因を引っ張られても「え、その話まだ続いてたの?」と思ってしまいました。
反フラッシュ現象の描写自体は、やっと帰ってきた地球の大地に立つことすら困難になる5人の悲壮感が役者の熱演もあってすごく好きなシーンではあるのですが。
本作の最大の特徴として前述の"親探し"があり、強いヒーローでありながら父を、母を、妹を求める姿はまるで子どものようでした。
そこでキーパーソンは20年前に赤ん坊を誘拐されたと主張する(家族からは記憶の混濁ではと言われている)時村博士の存在です。
過去の真相を確かめるためにタイムマシンまで作り上げてしまった方なのですが、20年前にワープしてやったことが東京オリンピックを見て歓声を上げるという開いた口が塞がらない展開。
まだ1クール目で真相公開には早い時期だったことは分かりますが、もう少し良い落としどころは考えられなかったのか…。
その後もちょくちょく登場し、家族ぐるみでフラッシュマンを本当の子どものようにサポートします。
色々困った人ですが、優しい妻と娘2人含めてフラッシュマン5人の擬似的な家族になっているような描写はすごく良かったです。
実際、5人の中に本当の子どもはいたのですが…。
おすすめエピソード:
第38話「ジンが死ぬ日?!」
誕生日に仲間たちに追い詰められるも決して諦めないジンのタフネス、ノリノリで楽しそうな悪役演技を見せる4人、吊り橋で火花を散らしながら敵に向かう二刀流レッドフラッシュと、自称長石監督推しの自分としては見どころ満載の一本。
第43話「カウラーの反逆!」
(監督:長石多可男 脚本:曽田博久)
自分たちを誘拐したことからエイリアンハンターそのものを憎んでいたフラッシュマンですが、宇宙人を助けようとする純粋な子どもたちに触れ、ブンの心が大きく動かされます。そしてカウラーの部下であるエイリアンハンターケラオの心にも変化が…。
簡単には割り切れないものの、憎しみの連鎖を断ち切ろうとするブンの姿が印象的なエピソードです。
「俺はな、殺してやりたいほどお前が憎かった…」
5段階評価:
☆☆☆★★ 3/5
デザインコンセプトや主題歌のセンスはすごく好きで、視聴したのは最近でしたが小さい時からとても興味のある作品でした。
ただ前作が自分の中で衝撃の作品だったこともあり、やや自分勝手ながら若干肩透かしを食らってしまいました。
視聴を続けていく中で、本作に期待してたのは「前半で両親を探すも叶わなかった5人が、後半自分たちの境遇に近い子どもたちにとって親のような存在になることを目指す」みたいな展開でしたが、まあそれは当時の水準でいえば難しいなと思うところです。
初の2号ロボ登場や、ヒーローの戦う動機に変化球が投げられ始めた作品でもあり今後のシリーズに新たなスタンダードを打ち出そうとした作品。
そして前作で戦隊デビューとなった長石多可男監督の印象的な演出をたくさん見られる作品ともなっております。
興味をお持ちになったら是非ご覧ください。
以上、「フラッシュマン」感想でした。
「イエローフラッシュ!サーチッ!!」
「オッケー!!」