気付けば7月中旬。
毎日が流れていくのがとても早く感じます。
そんな今日は、刺激的な冒険に旅立つ者たちの感想です。
※本文はあくまで劇中設定の羅列ではなく個人の感想を書いてるものであり、ネタバレや不快感を覚える内容もあるかもしれませんので、事前にご了承ください。
スーパー戦隊勝手にまとめ
第30作目
「轟轟戦隊ボウケンジャー」(2006〜2007)
「命懸けの冒険に、今日も旅立つ者がいる。密かに眠る危険な秘宝を守り抜くため、あらゆる困難を乗り越え進むーーー冒険者たち」
あらすじ:
世界中に眠る、大いなる力を秘めた「プレシャス」を狙って暗躍するネガティブシンジケート。
サージェス財団は、ネガティブからプレシャスを守るために曲者揃いの冒険者たちを集め、ボウケンジャーを結成する。
登場人物:
明石暁/ボウケンレッド
ボウケンジャーのチーフにして、狙ったものは逃がさない伝説のトレジャーハンター"不滅の牙"。
冷静沈着でややドライな印象を受けるが、実は仲間想いで面倒見の良いリーダー。
しかし刺激的な冒険を前にすると、仲間たちを騙してでもそれに向かおうとするのが難点。
伊能真墨/ボウケンブラック
元トレジャーハンターで明石にライバル心を燃やしている。
子どもっぽく頭に血が昇りやすいが、キマりきってる年長者メンバーに比べ常識人的な思考が目立ち、割と気遣いも出来る性格。
闇のヤイバに内面の闇を見出されそうになっている。
最上蒼太/ボウケンブルー
ぱっと見女好きのチャラ男だが、実は元産業スパイというボウケンジャーで最もヤバい存在。
自分の本質は見せたがらないが、明石に対して意見することは多い。
風のシズカによく粉をかけている。
間宮菜月/ボウケンイエロー
子どものように明るい女の子。
トレジャーハンター時代の真墨によって遺跡から発見されており、過去の記憶が無い。
心優しく一本気な性格。
西堀さくら/ボウケンピンク
クールビューティーなサブチーフ。
西堀財閥という世界有数の資産家の令嬢であるが、その肩書きから逃れるために自衛隊に入隊、その後明石のスカウトでボウケンジャーに参加する。
明石に対して絶大な信頼を寄せており、次第に個人的な好意に変わっていく。
高丘映士/ボウケンシルバー
代々アシュを封印してきた高丘家の末裔。
明石のスカウトによりボウケンジャーに加わり、自らの使命と新たな夢に向き合うことになる。
野菜好きであり、よく生野菜を齧っている。
牧野森男
発言にトゲのあるミスターボイスにフォローを入れるなど、ボウケンジャーの保護者的な存在。
ミスターボイス
映像でしか出現しない正体不明の司令官。
命令無視や独断専行の多いボウケンジャーに辛辣な発言を繰り返す。
ネガティブシンジケート
ゴードム文明
大神官ガジャ
遺跡に封印されていたゴードム文明の神官。
ジャリュウ一族やダークシャドウ、クエスター誕生にも深く関わっており、ネガティブのメインともいいえる存在。
ジャリュウ一族
創造王リュウオーン
恐竜と人間の遺伝子を掛け合わせたジャリュウ一族の長。
明石に対して強いライバル心を抱いている。
実は元人間であり、かつての仲間に裏切られた経緯から人間を激しく恨んでいる。
幻のゲッコウ
プレシャスを金儲けに使う忍者集団ダークシャドウの党首。
フクロウのような姿でありながら、ツクモガミを作り出せたりと強力な忍術を使う。
闇のヤイバ
ダークシャドウの副頭であり、闇の戦士。
かつて真墨が身を置いていたトレジャーハンターチームを壊滅させ、同時に真墨の中の闇に目をつける。
ダークシャドウの営業担当であり、コスプレ枠。
子どものような軽い口調で会話するが、実力は確かでボウケンジャーや他のネガティブを翻弄する。
蒼太によく絡まれる。
クエスター/アシュ
ガイ(クエスター・ガイ)
ガジャによってゴードムエンジンを植え付けられた妖怪アシュが進化したクエスターのリーダー格。
軽い口調ではあるが、残忍な性格でプレシャスを手に入れるためならどんな手段もいとわない。
映士の父親漢人の仇でもある。
レイ(クエスター・レイ)
アシュのガイとヒョウガによって封印から解放された最強のアシュ。
クエスターになってからも冷酷な性格は変わらない。
ヒョウガ
ガイとレイがまだアシュだった時の仲間。
仲間意識が強く、ガイとレイを庇って魂滅させられる。
オウガ
西のアシュの長。
映士の母ケイと幼なじみであり、ケイを奪った高丘漢人とその息子の映士に憎しみを抱いている。
ポイント:
スーパー戦隊シリーズ第30作記念と大々的に打ち出された本作は、80年代を彷彿とさせるようなプロフェッショナル集団のヒーローとなりました。
しかしその中にも1990年代、2000年代のようなアプローチが散見され、30作品目にふさわしい集大成となりました。
記念作品としてはやや大人しい展開であり、歴代作品が絡むのも番組最後のミニコーナーやVシネマ程度となりました。
細かい点でいうと、敵幹部と怪人は全て歴代作品のロボットやメカがモチーフという点。
言われなければ分からないものから、モチーフそのものみたいなものまで多彩でした。
また見た目としては王道作品そのものなのですが、大元の目的が悪を倒すことではなく、プレシャスを回収することなのも本作の特徴。
あくまで大前提にプレシャスの存在があり、それをネガティブに奪われ悪用されることを防ぐために戦う、という流れです。
そのためプレシャス確保を最優先するサージェスと、現場班のボウケンジャーとで対立が描かれることもしばしば。
それが物語に奥行きを与え、腹に一物を抱えた者同士の適正な距離感といった描写にも繋がり、掘り返してみればかなりハードな展開です。
同時にそれは地味なものであり、子ども向けの番組としては分かりづらかった要素とも感じます。
キャラクターは比較的落ち着いた人物が多いのですが、地味に隠れた狂気が本作の持ち味。
明石暁は昭和作品のような冷静なリーダーのように振る舞うのですが、実は桁外れの冒険ジャンキーであり、刺激的な冒険のためなら死んだふりや仲間を騙すことなど平気でやってのけます。
しかしその包み隠すことのない冒険ジャンキーっぷりはキャラの愛嬌に繋がり、部下たちもなんだか嫌いになれないみたいな距離感になっていたのは興味深いところです。
逆にクールに振る舞ってる風の真墨や、一匹狼を気取る映士には割と社交的というか、人に対して気遣いを見せるような場面もあるので、キャラクターの深みが強い作品だと感じます。
同時期に放映された「仮面ライダーカブト」でも活き活きとしたキャラクターが物語を引っ張っており、当時のトレンドだったのかもしれません。
本作最大の特徴は複数の敵組織が「ネガティブシンジケート」として一括りにされ、同時に存在していること。
ひとつひとつの組織の規模はやや小さくなりましたが、各組織が独自に手を組んだり、物語に幅が広がって印象的でした。
ゴードム文明はガジャがネガティブの中心となって暗躍し、ジャリュウ一族は冒険者(明石暁)のアンチテーゼ、商売道具としてプレシャスを扱うダークシャドウ、映士の因縁の相手であるクエスター(アシュ)など個性豊かな面々も揃っていて、見ていて楽しいと思える敵組織たちでした。
また特徴的な面として、ゴーゴービークルの存在も挙げないといけません。
ボウケンジャーの搭乗メカであり、プレシャスの力を反映させられるパラレルエンジンを搭載した超科学の結晶でもあります。
こだわり抜いたミニチュアワークも見どころですが、10体合体のアルティメットダイボウケンは非常に完成度の高いロボットで、活躍も多いです。
玩具のプロポーションも良く、売上が良かったのも納得の作品でした。
おすすめエピソード:
Task.4「失われたビークル」
(監督:中澤祥次郎 脚本:會川昇)
新たに登場したゴーゴードリルを使いこなせない明石が、仲間を取り戻すために限界を超える。
その先に待っていたのは、自分が思うよりもずっと強い仲間たちの姿でした。
「………最後は"コルト45"だったな?」
Task.29「黄金の剣」
(監督:諸田敏 脚本:會川昇)
冒険者の心として必要なものは、黄金の剣を前に明石とリュウオーンが熱く激突する回。
挿入歌「ボウケンジャー GO ON FIGHTING!」も良曲です。
「欲しいのは、あなたを守る力…仲間を救える力…それが俺の探す、プレシャスだ!!」
Task.40「西のアシュ」
Task.41「メルクリウスの器」
Task.42「クエスターの時代」
(監督:諸田敏 脚本:大和屋暁)
変態ストーカー西のアシュの長オウガ参戦。
孤独な使命を背負っていた映士が仲間との絆によって得た力で宿敵クエスターとの最終決戦に挑みます。
「俺は逃げるんじゃねぇ!いるべき場所へ戻るだけだ!!」
5段階評価:
☆☆☆★★ 3/5
モチーフとしては王道で、奇抜な要素が目立った2000年代においては地味な面が目立った本作ではありますが、物語の奥行きとキャラの完成度が非常に良い味を出しております。
それでいて刺激的な冒険、仲間といった子どもたちへのストレートなメッセージも見えるのが、とても良い部分です。
キマりきった不滅の牙の名言もたくさん飛び出す本作に興味をお持ちになったら、是非ご覧ください。
以上、ボウケンジャー感想でした。
「ボウケンブルー!ボウケンピンク!俺は既に命令した、このボウケンレッドがっ!!!」