ウルトラマンのオンラインショップでソフビを買ったのですが、アクリルキーホルダーが付いておらずショックを受けてしまいました。
本日は初代恐竜戦隊です。
※本文はあくまで劇中設定の羅列ではなく個人の感想を書いてるものであり、ネタバレや不快感を覚える内容もあるかもしれませんので、事前にご了承ください。
スーパー戦隊勝手にまとめ
第16作目
「恐竜戦隊ジュウレンジャー」(1992〜1993)
あらすじ:
惑星ネメシスに封じられていた魔女バンドーラ一味が地球を襲う。そこに一億数千年の眠りから目覚めた、5人の戦士たちが立ちはだかる。
登場人物:
ゲキ/ティラノレンジャー
ヤマト族プリンスでありジュウレンジャーのリーダー。
強いリーダーシップと心優しい性格でメンバーを引っ張る「正義の戦士」だが、ブライが絡むと情けない部分が露呈してしまう。
ゴウシ/マンモスレンジャー
シャーマ族ナイトでサブリーダー。
冷静で物知りな「知恵の戦士」。
後半は、乱れがちなゲキのサポートに徹する女房的な存在。
ダン/トリケラレンジャー
ややお調子者のエトフ族ナイト。
強大な敵にも勇敢に立ち向かう「勇気の戦士」。
眠りから目覚めたナイトであるにも関わらず、原宿に駆り出したりするなど現代への適応が早い。
ボーイ/タイガーレンジャー
忍者のような軽い身のこなしと、無尽蔵の胃袋を誇るダイム族ナイト。
どんな時でも希望を捨てない「希望の戦士」。
最年少でありながらジュウレンジャーの財布を握っているなど、一番のしっかり者。
メイ/プテラレンジャー
リシヤ族プリンセスであり紅一点。
どんな生命も慈しむ「愛の戦士」。
プリンセスながら負けん気が強く、男性陣に負けないガッツと使命感を持っている。
ブライ/ドラゴンレンジャー
ヤマト族プリンスでゲキの義兄。
ヤマト国王が自分の父を殺したことからその息子のゲキを恨んでいたが、それが間違いだと気付き、以降はジュウレンジャーに協力することになる「力の戦士」。
しかしその身体は既に死んでおり、残り30時間の命しかないことも知る。
不思議仙人バーザ
ジュウレンジャーを蘇らせたエルフの仙人。
マンションの管理人として現代に適応し、バンドーラの復活に備えていた。
恐らく患者の知恵で資産を増やし、ジュウレンジャーを養っている。
ジュウレンジャーを導く神のような存在。
上から目線で無茶苦茶なことを言い、バンドーラと戦うためなら死んだフリもいとわないサイコパス。
バンドーラ一味
魔女バンドーラ
人類を滅ぼして、地球を石ころだけの星に変えようとしている魔女。
子ども嫌いと言っているが、恐竜によって息子カイが死に追いやられたことから魔女になった経緯という経緯がある。
グリフォーザー
グリフォンの血を引く戦士。
最初は人間語が話せなかったが、後にバンドーラによって話せるようになる。
ラミイ/ラミイスコーピオン
中盤から登場する女戦士。
グリフォーザーの妻であり、度々イチャイチャしてる。
最後、グリフォーザーとの間に子どもが生まれる。
トットパット
コウモリ型のモンスターで、ブックバックとコンビを組んで登場する。
これといった功績はない。
ブックバック
ピクシーのようなモンスター。
トットパットに比べ自身の欲望に忠実で、恐竜の卵を勝手に食べようとしたこともある。
プリプリカン
老人のモンスターでドーラモンスターのもとになる粘土を製作している。
バンドーラからの無茶ぶりにプリプリしながらも仕事はこなすタイプ。
カイ
バンドーラの息子であり、恐竜の卵を破壊したことで恐竜の怒りを買い、崖に追い詰められ転落死したが、大サタンによって蘇る。
氷のように冷たい心身を持ち、ドーラタロスに乗りジュウレンジャーに挑む。
大サタン
バンドーラを魔女に変えた諸悪の根源であり、世界を滅ぼす力のある悪魔。
究極大獣神に敗れ逃亡していたが、バンドーラの儀式によって復活してしまう。
ポイント:
前作「鳥人戦隊ジェットマン」がシリーズに革命を起こした異色作である反動からか、本作は"子どもたちのヒーロー"という要素を強く押し出してるように感じます。
メンバーを「戦うために眠りから目覚めた戦士」とすることで王道の流れを汲み、かつ当時ブームになっていた「恐竜」「ファンタジー」などの要素が上手く噛み合い、世界観を演出できていました。
本作は「超電子バイオマン」などで目指したと思われる巨大ロボの物語への介入を前面に押し出しております。
恐竜型巨大メカを守護獣という形でジュウレンジャーの守護神のような存在とし、1号ロボの大獣神は戦士たちを守護する神のような存在となりました。
そのため大獣神は口を出せば無茶苦茶なことを言うし、自業自得とはいえ理不尽な天罰を与えるしで本当に伝説にありそうな厄介な神様です。
筆者としましてはこの大獣神には、ある思いがあるのですがそれは後述とします。
キャラクターとしては、子どもたちにとってジュウレンジャー5人は優しくて強いお兄さんお姉さんみたいな描写でした。
しかし一般的に見れば、定職にも就かず妙な格好で出歩いてるのはどう考えても職質案件。
また子どもやその家族を狙うことの多いバンドーラ一味は、その家宅にまで追ってくることも多く、それを知り駆けつけたジュウレンジャーが毎回不法侵入してそのまま戦闘するのも面白いところ。
そんなジュウレンジャーの私生活ですが、少ないお小遣いではやりくりが難しいことからバーザよりアルバイトの許可が出ますが、どう見てもそれだけで養えるようには見えないので、バーザが資産を隠し持ってることが考えられます。
マンションの管理人になってるという設定も、バーザの社会的地位の証明であり、ジュウレンジャーが現代に適応できてる(恐らく教育されてる)理由にもなっていて秀逸です。
本作で一番特徴的なのは、曽我町子氏演じる魔女バンドーラ。
どこか愉快なおばあちゃんといった見た目ですが、恐ろしい魔力を持っている魔女であり、シリアスとコミカル両方ができる敵のボスとして大変よく出来ていました。
終盤の展開を見ると、まるで主役のような扱いになっていて本作を代表するキャラクターともいえるでしょう。
もう一つ、本作を代表するキャラクターとしてブライ/ドラゴンレンジャーの存在も無視できません。
中盤に登場し、ジュウレンジャーと同じ姿でゲキや街を襲うというとんでもないデビューとなったのですが、守護獣ドラゴンシーザーや獣奏剣、ゲキとの兄弟ドラマが人気を博し、改心して仲間入りというこれまた異例な立ち位置となりました。
いわゆる「追加戦士」の原型となったキャラクターであります。
と、要素だけ並べるとシリーズに革命を起こした功労者なのですが、本編での扱いは迷走の極み。
まず仲間入りの経緯が唐突かつ、説得力の無いお涙頂戴劇になっていて目が点になります。
前半までの本作の流れだったらサッパリしてることは分からなくもないのですが、ブライ登場からは大獣神が死んだ(フリしてた)り、街に大被害が出たうえでゲキが兄弟の情を捨てるというシリアスな展開だったので、とても中途半端な逆転劇。
ついで大獣神はその後何事もなかったように復活するので色々台無し。
そして仲間入りしてからも残り少ない生命であるため自分の部屋に引き篭もったままのシーンが多く、ゲキが情けない声で「兄さーん!!」と呼ばないと出てこないという締まりの悪さ。
まあこの時点では、後に追加戦士と呼ばれるキャラクターの転がし方が分からなかったはずなので当然ですが、もう少しどうにかできなかったのか。
裏を返せば、物語にある程度の破綻を起こしてでも残すべき要素だったともいえ「追加戦士」の原型と呼ばれるキャラクターとして背負った宿命だったのかもしれません。
さて、前述した大獣神についてですが、先に言っておくと抱いた感情は「恐怖」です。
大獣神は名前の通り神様なわけですが、その設定のためか非情かつ横暴な面が強いイメージです。
それでいて目的のためなら自身がどうなろうと構わない……最も印象的なのは最終回です。
かつて恐竜の卵を割る悪戯をしたことで死に追いやられたバンドーラの息子カイが、暗黒大サタンによって復活させられます。
カイはジュウレンジャーに強敵として立ちはだかり追い詰めていきます。
実の息子が生き返ったと喜ぶバンドーラですが、カイには接触を避けられます。
結局は、蘇った死者であるカイにはバンドーラの持つ生命の暖かさが受け入れられなかったのです。
大サタンとカイの猛攻により、大獣神はまたもジュウレンジャーの前から姿を消し、世界は絶望に包まれます。
しかし大獣神は生きており、またも大サタンを返り討ちにして完全勝利を収めるのです。
大サタンが倒れたことにより、カイもまた二度目の死を迎えることになり、息子の死に魔女バンドーラは涙を流します。
そしてその涙がバンドーラの魔力を無くし(人間の心を取り戻したという解釈か)、その時を待っていたと言わんばかりに壺にバンドーラ一味を封印する大獣神。
そのまま宇宙に追放してしまいました。
壺の中では、グリフォーザーとラミイの間に生まれた赤ちゃんを抱っこして喜ぶバンドーラ、子ども想いの良いおばあちゃんになりましたとさ。
………これ全て計算してたな大獣神。
以前も、マグマに落ち死んだと思われたところを実は生きてたネタをやってジュウレンジャーの信仰を深めるという暴挙に出ました(序盤のゲキは割と神に意見するタイプでしたが、この件ですっかり狂信者に)が、今回はそれ以上です。
恐らく直接的ではないにしろ、恐竜がカイを死に追いやって魔女バンドーラを生み出してしまったことに責任を感じていたと考えられ、物語の着地としてバンドーラを"魔女"から"一人の人間"に戻すことで、大サタンからの呪縛から解放しようとしたのだと思われます。
問題なのは、その手段が周到かつスケールの大きいものである点です。
バンドーラを救うためなら、多少の地球人類(下手したらジュウレンジャーですら)どうなってもいいとか思ってそうですし、ブライの時も死のうが、仲間になろうが、どっちでも良さそうな対応してましたし。
地球そのものを守る使命を帯びてる神だと考えれば、多少のシビアさがあることには納得できるものの、ものすごく極端なキャラ付けで、底知れぬ恐怖を抱いたことをここに報告しておきます。
おすすめエピソード:
第4話「蘇れ伝説の武器」
(監督:小笠原猛 脚本:杉村升)
RPGのようなシチュエーションで伝説の武器を探し求めるジュウレンジャー。
ゲキが代表して伝説の武器に問いかける姿がとてもカッコよく、ヒーローとして100点の回。
「聞け!伝説の武器たちよ!!バンドーラと戦いし、我と戦うのだ!!!」
第26話「カキ氷にご用心」
前作で革命を起こした、監督脚本コンビによる渾身のギャグ回。
役者の好演が光る回でもあり、思わぬ状況で窮地に陥るジュウレンジャーなど見どころ沢山。
「冗談じゃねぇよ〜!!」
第43話「蘇れ!獣奏剣」
前話でブライという主人を喪い悲しみに暮れるドラゴンシーザー。
兄を喪ったことで同じ悲しみを抱えるゲキは、そんな彼に自らの想いをぶつけます。
兄の鎧を引き継いだ姿であるアームド・ティラノの二刀流と、ドンピシャで流れる「ドラゴンシーザーのうた」がカッコいい回です。
「お前の心の中に、そして俺の心の中に、兄さんは今でも生きている!そして悪を倒せと叫んでる!!
だから俺は戦う!全てを忘れて、平和な時が来る日まで戦うッ!!!」
5段階評価
☆☆☆★★ 3/5
後半はグダグダな展開で視聴モチベーションが下がりがちでしたが、前半での世界観の作り込みが秀逸でした。
「特警ウインスペクター」や「超力戦隊オーレンジャー」でも感じましたが、東條昭平×杉村升コンビはパイロットでの世界観作りが上手なのかもしれません。
ストレートに子どものヒーローとして描写される5人は親近感が湧き、とても見やすいです。
ゲキの嫌味のないヒーロー宣言も見どころなので、是非ご覧ください。
以上、ジュウレンジャー感想でした。
「現れよ、守護獣たちよ!!」