なかなか梅雨が明けず、毎朝自転車のサドルが濡れていることにモヤモヤする毎日です。
こんな日には裸足になって砂浜を駆け抜けてみたいものです。
今回は気のせいかな、見たらそんな気分になる作品です。
※本文はあくまで劇中設定の羅列ではなく個人の感想を書いてるものであり、ネタバレや不快感を覚える内容もあるかもしれませんので、事前にご了承ください。
スーパー戦隊勝手にまとめ
第21作目
「電磁戦隊メガレンジャー」(1997〜1998)
あらすじ:
異次元から邪電王国ネジレジアが襲来。
I.N.E.Tはゲーム「メガレンジャー」を通して戦士を探すが、窮地に選ばれたのは5人の高校生だった。
登場人物:
メガレンジャー(デジタル研究会:通称デジ研)
伊達健太/メガレッド
諸星学園高校3年生で、成績はいつもビリ争いをしてる。
ゲームと焼肉好きのお調子者であるが、正規でメガレンジャーに選ばれた唯一のメンバー。
友情に篤く、隠れた責任感を持っているため、周りからの信頼は強い。
遠藤耕一郎/メガブラック
諸星学園の生徒会長を務めており、成績優秀でサッカーが得意な好青年。
メガレンジャーのリーダーでもあり、戦いに対する使命感も人一倍強い。
生真面目で堅物な面もあることから「朴念仁」と言われてしまうことも。
並樹瞬/メガブルー
天才的なCGデザイナーの腕を持ち、クールな二枚目であることから女子人気も高い。
健太とは正反対な性格ながら、篤い友情で結ばれている。
中盤からは髪型がオールバックになり、少々いかつくなる。
城ヶ崎千里/メガイエロー
諸星学園の成績優秀者であり、写真と歌が好きな耕一郎の相方的存在。
面倒見が良く、みくと健太に姉のように接している。
悲鳴のうるささは歴代随一。
今村みく/メガピンク
お菓子と可愛いものが好きなデジ研のアイドル。
健太と一緒のフォルダに入れられがちであるが、成績は中くらい。
瞬のことが気になっており、時に千里に対してコンプレックスを見せることも。
I.N.E.T
久保田衛吉
メガレンジャーの指揮官。
ヒネラーに対抗するためメガレンジャーを結成し、時に厳しい態度も見せるが、高校生を戦士にしてしまったことに罪の意識も持っている。
しかしその使命感と時折見せる優しさから、5人や部下からは絶大な信頼を寄せられてる。
趣味はトランペット。
早川裕作/メガシルバー
I.N.E.Tの科学者であるが、メガレンジャーのプロトスーツを勝手に改造して自ら前線に出る変わり者。
普段はひょうきんな性格であるが、時には力強く、時にはサポートに全力を注ぐ姿を見せており、5人からは兄のように慕われている。
川崎省吾
I.N.E.Tのエンジニア。
厳格な父に反発してI.N.E.Tに加わり、ギャラクシーメガのエンジニアを務めることになった。
5人と同い年であり、特に健太とは似た者同士からか喧嘩が多い。
邪電王国ネジレジア
Dr.ヒネラー
ネジレジアの司令官。
天才的な科学者であり、ネジレジアの技術開発はほぼヒネラーだけで行っている。
その正体はかつての久保田の友人・鮫島博士であり、終盤2人は熱く激突することになる。
ユガンデ
脳筋なネジレジアの武人。
頭は悪いが腕前は確かであり、色々チートなメガシルバーもの互角な性能を見せつける。
ヒネラーへの忠誠心と、シボレナに対する仲間意識も強い。
シボレナ
ネジレジアの女性幹部。
主に変装しての暗躍することが多いが、すぐ作戦がバレる「バイオマン」のファラタイプ。
鮫島博士が自分の娘を基に作り出しており、ヒネラーを司令官だけでなく父として慕っている。
ビビデビ
ネジレジアの巨大化担当。
格下認定されがちであり、ネジレ獣を使役したもの劇中1回のみ。
ネジレジア特有の仲間意識は確かに存在し、最終決戦のその後はVSシリーズにて描かれる。
ギレール
ジャビウス1世から増援として送られてきた幹部。
狡猾なやり口と、仲間すら利用する非情さを持つ悪辣な性格。
その性格がヒネラーの怒りを買ってしまうことになる。
ジャビウス1世
ネジレジアの支配者であるが、その正体は謎に包まれている。
邪電戦隊ネジレンジャー
ネジレッド/ネジファントム
ネジブラック/ネジヴァルガー
ネジブルー/ネジビザール
ネジイエロー/ネジソフィア
ネジピンク/ネジジェラス
終盤に登場するヒネラーが作り上げた悪の戦隊。
スーツの下には、変異体と呼ばれる怪物の姿が隠されている。
それぞれの色のメガレンジャーにライバル心を持っており、それが仇となってしまうことも。
ジャビウス1世の細胞から構築されており、戦うたびにその肉体が滅んでゆく。
ポイント:
「高速戦隊ターボレンジャー」にて採用された"高校生戦士"を突き詰めて描いた作品。
パイロットに長石多可男監督が久しぶりに起用された影響からか、物語の導入としては「侵略者と戦うために選ばれた戦士たち」というオーソドックスな設定となっているのですが、ほんのりと漂う甘酸っぱい雰囲気や受験勉強、若さ故の熱いぶつかり合いが、80年代後半にシリーズが志向した"青春"を真っ向から描こうとしてることが窺えます。
また90年代特有の「レッドが熱血漢のリーダーではない」も踏襲しており、健太のキャラ造形は2000年代の基本像となるいわゆる"バカレッド"の走りとなりました。
90年代も後半に差し掛かり、多くの要素が詰められております。
また高校生戦士としては前年に「ビーファイターカブト」の鳥羽甲平を通して描かれようとするのですが、初期設定の失敗から無理が生じてしまったことと、甲平を囲む人物の好感度ダウンに繋がってしまいました。
その失敗が活かされてか本作は初期メンバー全員を戦士とし、自分の境遇を共有できる存在がいることと、高校生を前線に送り出す大人たちの葛藤が同時に描かれます。
登場人物のほとんどに心理的背景が存在することで、戦士や司令官でありながら一人の人間として物事に向き合っている姿が印象的です。
本作の1号ロボであるギャラクシーメガは、普段メガシップとしてなんと100人以上のI.N.E.T職員が搭乗しており、正に一蓮托生。
時には職員だけでギャラクシーメガを動かす場面もあり、絶対に負けられない戦いに挑んでいることが伝わってきます。
ストーリー全体としては(特に重要な回で)粗が目立ち、シリーズ初登板でメインライターを務めた武上純希氏の苦労を見るところですが、熟練の荒川稔久氏とメタルヒーローシリーズで着実に実力を付けた小林靖子氏がサブに回り、非常に幅広い作劇が見られました。
荒川氏はギャグや恋愛などのバラエティエピソード、小林氏は高校生ならではのセンシティブな面を強調したエピソードが多かった印象です。
その結果キャラクターの掘り下げに繋がり、キャラ全体の好感度アップできたことは本作の良かった部分です。
追加戦士のメガシルバーは歴代でも最強の部類に入る実力を持っていながら、自らスーツの改良を行ったり、メガボイジャーの開発まで行ったりと何でもあり。
それでいて気さくな青年であり、何でもできる天才キャラが嫌味にならなかったのは良いバランスでした。
逆に言えば、この時点でも追加戦士の扱いというものは試行錯誤の途であり、かつてのリーダーレッドのように完璧超人にせざるを得なかったとも考えられます。
メガレンジャー自体がシンプルなデザインという都合もありますが、シルバーのシルエットは初期メンバーと全く同じであるため、この時点での追加戦士としては異質な存在でした。
追加戦士を定着させるか考えていた時期なのかと思われ、結局追加戦士がOPなどで初期メンバーと同じようにクレジットされるのは4年後の「百獣戦隊ガオレンジャー」まで待つことになります。
ネジレジア側も面白いキャラが揃っていました。
特に鈴置洋孝ボイスで「ぐぬぬ」を言うユガンデさんがツボです。
またギレールやネジレンジャーなどはデザインと性格がすごく分かりやすく「悪」になっているので特徴的です。
またネジレンジャーは一部のメンバーが人間態を見せる回もあり、その場面での何だかほのぼのとした空気がとても好きです。
おすすめエピソード:
第19話「打ちこめ!不屈の必殺パンチ」
ギレールの悪辣な計略により、自身を慕う少年タケシに重傷を負わせてしまう健太。
血を流すタケシに謝ることしかできないメガレッドの悲痛な姿が印象的な回。
「ようし、今度は俺の顔で試せ」
第27話「けちらせ!死を呼ぶ魔のサンゴ」
夏だ、海だ、長石多可男だ。
無人となった田舎の町で囚われ、サンゴと化していく瞬以外の4人。
ホラー回でありながら、最後は細かいことを放棄しがちな馬鹿馬鹿しさが楽しい回。
「アジトはどこだ!案内しろ!!」
第41話「キレてる!青の恐怖ネジブルー」
(監督:辻野正人 脚本:小林靖子)
メガブルーを倒すことに強い執着を見せるネジブルーの性格を活かして、瞬は奇策を思いつく。
色々な意味で"キレてる"クライマックスと、ネジレンジャーなりの敗北理由を見ることのできる回です。
「結構手が込んでるじゃないか…いいよ構わないさ、お前たちを全部倒せば、その中の一人が本物だ!!」
5段階評価:
☆☆☆☆★ 4/5
革新的な要素が多いながら、80年代への回帰のような展開も見られ色々と贅沢な作品です。
また本作もキャスティングが会心であり、本当にそこら辺にいそうな高校生を演じていた役者の腕前に唸りました。
VSシリーズや「ゴーカイジャー」での後日談でも存在感を発揮するキャラ造形は一級品です。
是非ともご覧ください。
以上、メガレンジャー感想でした。
「ドリルスナイパーカスタム!!」
「マルチアタックライフル!!」
「シュート!!!」「シュート!!!!」