うらひろの日記

その場で思ったこと、好きなもの、書いてみます。

5カ月を越えて

色々とタイミングが重なり一週間ぶりの更新…!

ざっくりでも何か書いておけばと、今更後悔。

 

さて、昨日の話なのですが

「劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス」

(監督:市野龍一 脚本:林壮太郎 中野貴雄

を見てきました。

 

軽く感想でも書いていこうと思います。

以下、ネタバレ注意です。

 

 

 

 

 

TVシリーズ最終回で爆散したウルトラマントレギアは、自身の身体に封じ込めていた邪神魔獣グリムドも同時に解放。

それを「ギンガ」〜「R/B」までのギャラファイメンバーが、自らの変身能力と引き換えに封じたとのことです。

ここは口頭での説明と軽いイメージ映像のような見せ方であり、率直に時系列が不明です。

普通に考えれば最終回の後になるのですが、先輩たちが集結するというシチュエーションが多すぎて、さすがに便利キャラ扱いしすぎです。

 

そうとは知らず、今日も警備の仕事に就くイージスは、見事に展覧会の目玉展示品を宇宙人に奪われて信用を無くす直前でした。

ここでダダ率いる強盗チームにトライスクワッドの助言を受けたヒロユキが先行。

更にホマレを庇ってマグマ星人が負傷しつつも何とか展示品を取り返し、後の無くなったダダはレギオノイドダダカスタムを起動。

ヒロユキはタイガに変身し、夜の街で戦うトライスクワッドを見ることができたのはとても嬉しかったです。

タイガはTV本編では未使用だったタイガダイナマイトシュートでダダをオーバーキルし、不祥事の揉み消しを図ります。

(※追記:確認したらTV本編でトライストリウムが使ってました。失礼しました)

 

翌日のイージスでは、負傷し入院したマグマにマーキンド星人が付き添い休職扱いになっていました。

本編で作品テーマをこじ付けるために、強引に仲間入りさせた宇宙人2人(一応、犯罪者)を速攻退場させてて唖然とする展開。

自分たちの定めたテーマすら守れないのは、一体どういう判断だったのでしょうか。

自身の境遇からマグマのことを心配するホマレ先輩は良かったと思うのですが。

 

社長は険しい顔でヒロユキを呼びつけ、最近無茶な行動が多いと指摘します。

それに対してウルトラマンの助言を得られるようになったヒロユキは「誰かを守るためなら仕方ないっすよ〜それに全然余裕ですし」と原チャリに乗る事を覚えた高校生みたいなノリになり、物凄く心配になる展開。

まあ、この後は更に違う道へ進んでいくわけですが…。

 

ここでトライスクワッドの3人がヒロユキに何か隠し事してることも分かります。

そこにやって来る、見慣れたえんじ色のジャケットを着た商店の社長・湊カツミ

最近、ウルトラヤバいストーカーに付き纏われてる気がするので警備をお願いしたいという湊社長の依頼に対し、社長不在のイージスはピリカが副社長権限を発揮しそれを受理。

 

その不在の社長はというと、あえてイージスの制服に袖を通しヴィラン・ギルドのアジトに出向いていました。

ヒロユキが何者かに狙われているという情報を聞きつけ、その正体を探ろうとしていた社長ですが、逆に宇宙人たちに取り囲まれてしまいます。

そこに、女性を取り囲む行為を"野暮"だと指摘する一人の風来坊クレナイ・ガイが姿を現し、社長と共に宇宙人たちを蹴散らします。

ヴィラン・ギルドの目的はこの地球に魔獣が迫っていることを聞き、ヒロユキの持ってるウルトラマンのブレスレットを奪って転売することで一儲けしようというすごくどうしようも無い理由でした。

ウルトラマンの力を転売することに難色を示すガイさんに、製作側の切実なメッセージを感じ取ることができます。

 

魔獣の存在を知ったイージス。

ホマレとピリカは情報通のファントン星人を訪れ、魔獣を信仰するホームページに不法アクセス。

しかし魔獣の怒りに触れたのか、不法アクセスしたピリカの身体が勝手に動き出し、魔獣を信仰する踊りを見せます。

この場面でピリカが踊り出す場面が致命的に面白くなく、TV本編でアンドロイドだったことへの説明も一切無いので、シーンとしては意味不明。

魔獣信仰.ネットに接続されてしまったイージスギア・ピリカはオーバーヒート寸前になるも、突如現れた青年がタブレットを操作し、ハッキングを解除します。

その青年・大空大地はピリカに不法アクセスを注意。

大地がファントン星人にリアクションしてくれたのは良かった点です。

 

一方、湊社長の経営する商店・クワトロ銀河マーケットの警備に向かったヒロユキは、タイガがベリアルの遺伝子を感じ取った特撮オタク・朝倉リクと場所の取り合いをする店員である湊社長の弟・湊イサミと出会います。

そこにクワトロ銀河マーケットではなく、ヒロユキに襲いかかってくるヴィラン・ギルド。

その前に雄々しく立つ湊兄弟は、警備の依頼はヒロユキを引っ張り出して逆にこちらが守るための口実だったと説明。

かつて特訓に使用していた木の棒を持って宇宙人と戦う湊兄弟は、らしさが出てて良かったです。

 

更に自分たちが封印していたグリムドの結界がついに破れ、不完全ながら魔獣復活。

タイガだけでグリムドに立ち向かうことはできないと、湊兄弟はブレスレットを通し、自分たちの力の返還を要求。

「オーブ」以降のニュージェネ映画は直近の前作と共演することが恒例化していたため、この展開は湊兄弟に早めに見せ場を作ろうとしていたうえでのものと理解できますし、TV本編1話で託されたブレスレットの落とし所としては悪くないのですが「その都度タイガスパークを差し出し力を返還するヒロユキと、いちいち力の返還を求める先輩たち」の図がビックリするくらい間抜けであり、もう少しマシな解決法は無かったのか。

つくづくレジェンドヒーローの格を落とさずに、現役ヒーローも引き立てるという面では「海賊戦隊ゴーカイジャー」はよく出来ていました。

 

ブレスレットの力を受け取った兄弟とヒロユキは3人同時変身。

次の場面でタイガが速攻グリムドに飛びかかって返り討ちに遭っていることで、同時変身の意味も削がれてどうにも締まりません。

ここに限らず、本作は多数登場するキャラの居場所に困惑してる様子が画面から伝わってきて、色々辛い。

 

ピンチに陥る3大ウルトラマンですが、突如グリムドに突き刺さる一筋の光線!

そして空から舞い降りた巨人は、タイガの父・ウルトラマンタロウ

無言でタイガに手を差し伸べるタロウは、今後の展開へのブラフとしての側面があったのでしょうが、あまりにも不自然でした。

グリムドは私が倒す、とタロウはウルトラダイナマイトを使用しグリムドを爆殺。

爆煙の中から出てきたタロウに駆け寄るタイガですが、タロウにヤクザキックを喰らいます。

 

同じ頃イージス本部では、監視カメラに霧崎の姿を確認。

遠くから映してるカメラに対し、上半身を仰け反らせ視線を向ける霧崎が素晴らしかったです。

霧崎=トレギアはタロウにグリムドを倒させることでその身体にグリムドを寄生させ、自身の忠実な下僕に変えようとしていたのです。

霧崎に一発ぶち込もうとしたホマレは返り討ちに遭うのですが、そこに助けに入ったのはオレンジの隊服を着た2人組・礼堂ヒカルショウ。

闇に堕ちた父との戦いに躊躇いを見せるも、光線の撃ち合いにまで発展し街は壊滅状態になります。

空中で変身解除されたヒロユキは、まさかのショウのお姫様だっこで助けられます。

 

ヒロユキに弱い部分を見せまいと、敢えて軽く父の悪口を言うタイガ。

ここはタイガの若さといじらしさが出ていて、なかなか好きな場面です。

辛い時は辛いと言いなよと諭すヒロユキに対し、苛立ちからか珍しく突っかかるタイガですが、ヒロユキの更なる説得で抱え込むことをやめる決心をします。

同じ頃カツミもタロウクリスタルを見つめ、トレギアとの決着に臨む決意をします。

ここでイサミが「俺たちで」と言い直す場面があるのですが、それはイサミではなくカツミに言わせるべきセリフだったと思います。

本作全体的にイサミのキャラがどうも定まっておらず、本編で主人公の一人である湊イサミのキャラ付けを怠ってきたシワ寄せがここに来てダメージを与えるというよろしくない展開。

 

トレギア、そしてタロウとの戦いに向かうヒロユキの前に現れるトライスクワッドの意識体。

3人がヒロユキに隠していた秘密は、既に身体の回復が済んでおり、いつでもヒロユキの身体を離れられるということでした。

危険な戦いにヒロユキを巻き込むことはしたくないというタイガですが、今まで一緒に困難を乗り越えてきたじゃないかと叫ぶヒロユキ。

今まで散々迷惑かけられて、便利になった途端身体離れるとか、それは無いだろ!!

ヒロユキの覚悟を受け取ったタイガたちは、改めて4人で戦うことを誓います。

 

霧崎の前に立つヒロユキと湊兄弟。

霧崎はトレギアに変身し、タロウと指輪から召喚した5大怪獣を率いて街に降り立ちます。

最後の決戦の場に集う、8人の英雄。

それぞれの名を叫び、8大ウルトラマンが並び立つ!!

怪獣は先輩たちが引き受け、トレギアに挑みかかるタイガ。

その身体からタイタス・フーマが分かれ、遂に地球で肩を並べるトライスクワッド。

素直にカッコ良かったのですが、その間タロウがガン無視されていたのはどうかと思います。

 

トレギアを2人に任せタロウとの決着に挑むタイガ。

地球を守る戦士として、そして偉大なる父を超えるために、タイガはここにいる。

はずだったのですが、その後トレギアを引き受けた2人が速攻トライストリウムの素材にされており、本当に本作はキャラがよく迷子になってます。

トライストリウムとなったタイガは、タロウを取り戻すために見様見真似でウルトラダイナマイトを発現。

序盤にプラズマゼロレットを使いダイナマイトシュートを発動していたにも関わらず、ここの場面と全く関係が無いという展開に目が点。

更に先輩たちへの力返還の媒介として、物語のキーの一つであったブレスレットをこの局面で使えばより劇的にもなったと思うのですが、そういった努力すら放置しており、散りばめたピースが全く繋がらずあちこちに置かれたまま独り歩きを始める、というTV本編を凝縮したような恐ろしい展開。

追い討ちとしてぶっつけ本番のウルトラダイナマイトに対し、ヒロユキが困惑してる描写を入れてしまったことにより、先程の4人で戦うという決意も薄まってしまい、ヒロユキがトライスクワッドの3人を便利キャラとしか捉えてない疑惑がますます濃くなりました。

 

グリムドによって強化された怪獣たちに苦戦することになる先輩たちですが、劇場版最終フォーム祭りに突入することで、強化怪獣をさっくりアデュー。

先輩たちの圧倒的な本気を見ることができて良かったです。

直後、親子ダイナマイト対決でグリムドがタイガを乗っ取ろうとすることに感づき、止めに入ろうとします。

しかしこの場面はトレギアにあっさり足止めを喰らうのと、ちょっとしたセリフを分割して話すのが「ビーファイターカブト」のビークラッシャーを思い出させて物凄く間抜け。

他にも後ろで棒立ちになってるシーンがあるなど、キャラが間抜けに見えるシーンが多すぎます

 

ダイナマイトでぶつかり合うも、タイガの想いに正気を取り戻したタロウからグリムドが別離。

後の無くなったトレギアは自らの身体に封じていたグリムドの一部を解放し、グリムドを完全体にする最終手段を取ります。

同時にそれは、グリムドに自らの心と身体を差し出すことでもありました。

トレギアを取り込み完全体となったグリムドはダーク・フィールドを発動し、強化されたウルトラマンたちを蹂躙。

タロウとタイガの名前を呼びながら襲いかかってくる巨大グリムドは、気持ち悪くて面白かったです。

「俺たちは一歩も退かないッ!!!」

それでも立ち上がるタイガの叫びに応えるように、タロウがグリムドに隙を作り、ウルトラマンたちの力をタイガのウルトラホーンに集めるよう促します。

5人のウルトラマンは、かつてウルトラ6兄弟が一つになった時と同じように、タイガに力を集中。

シチュエーション自体は燃えるのですが、カメラワークと後ろで踏ん張ってるタロウの絵面がどうしても間抜けであり、素直に楽しめないというのが勿体なかったです。

 

タイガに集まった新世代ウルトラマンたちの力は、ニュージェネレーションアイとしてヒロユキの前に発現。

ヒロユキはアイを起動し、今ここに最強の戦士"ウルトラマンレイガ"が誕生。

謎空間で手足だけを巨大化して攻撃してくるグリムドの画が面白く、それを軽々と跳ね除けるレイガの強さもしっかりと描写できてました。

最後はさっくりアルティメットブラスターで締めたレイガはタイガの姿に戻り、タロウの祝福を受けます。

更に先輩たちもヒロユキにそれぞれ声を掛け、元の世界に帰っていきます。

この場面は主題歌をそれぞれもじるだけのメッセージで、新鮮味も中身も無し。

 

戦いが終わり、イージスに別れを告げるトライスクワッド。

会話の内容は、もう、そういうことでいいんだろうなと諦めがつきました。

しかし、タイガたちはヒロユキが自分たちの助力前提での無茶をするから、離れたら心配ということだったと思うのですが、トレギアとの最終決戦において危険な戦いとすり替えられてしまい、ヒロユキの危うさを引き出すつもりが、タイガの成長物語みたいにされてしまったことがすごく不満です。

自分の好みな展開が見られなかったことではなく、製作側から提示したテーマにしっかり向き合わず放置する展開に不誠実さを感じた、ということです。

現在放送中の「ウルトラマンZ」第5話でも似たような手法が見られ、どちらも脚本を務めた中野貴雄氏の悪い意味でのテクニカルさが出た作品になるかなと思います。

本作は林壮太郎氏との連名なので、一概には言えませんが。

 

エンドロールは恒例のTVシリーズダイジェスト映像なのですが、率直にウルトラマンたちの半透明な顔が邪魔であり、どこに目を向ければいいか分からないのが苦手な演出でした。

素直に黒バックで左に映像、が良かったです。

 

全体的に、並べた要素をとりあえず右から左に流すといった作業感が否めず、ウルトラシリーズの劇場版初演出とはいえ市野龍一監督はイマイチファン心理を掴めていないのでは?と感じてしまいました。

 

と覚えている限りこんな感じです。

あと細かい点では、大地に少しなびいた様子を見せるピリカも好きな場面です。

 

コロナ禍の影響により、5ヶ月の延長を乗り越えて公開された本作。

多くの方々の努力により公開まで至り、感謝の一言に尽きるというのが本音です。

 

軽くと言いましたが、結局長くなってしまいました。

ひとまずこれで、これからの更新に繋げていきたいと思います。

 

以上、劇場版タイガ感想でした。

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