テレワークによって、宅配の荷物を受け取りやすくなったのは助かりますね。
しかし、どうしても集中力が削がれてしまうので、気をつけたいところです。
久しぶりの感想となる本日は、瞑想による新境地を開くこの作品です。
※本文はあくまで劇中設定の羅列ではなく個人の感想を書いてるものであり、ネタバレや不快感を覚える内容もあるかもしれませんので、事前にご了承ください。
スーパー戦隊勝手にまとめ
第11作目
「光戦隊マスクマン」(1987〜1988)
「人の身体には未知の力が秘められている。
鍛えれば鍛えるほど、それは無限の力を発揮する」
あらすじ:
姿レーシングクラブのレーサー・タケルの恋人である美緒が地底帝国チューブの地上侵攻を告げる。
美緒の正体は地底王女イアル姫であり、チューブの裏切者となったことで氷漬けにされてしまう。
地上の平和と、美緒を取り戻すためにタケルたちマスクマンが立ち上がる。
登場人物:
マスクマン
タケル/レッドマスク
姿レーシングクラブのレーサーであり、空手の達人。
心優しく頼れるリーダーであるが、美緒のことが絡むと冷静でいられなくなる。
回想を見るに血塗られた過去を持っているようであり、生身で石を砕くほどの戦闘力を有している。
ケンタ/ブラックマスク
姿レーシングクラブのメカニックであり、カンフーで戦うサブリーダー。
お人好しで女性に弱い面もあるが仲間想いであり、美緒のことで冷静さを無くしているタケルへも精一杯のフォローを見せる。
女性とのエピソードがやたら多い。
アキラ/ブルーマスク
剣の達人で、生身でもキロスを撃退できるほどの腕前だが、人前で剣を振る危なっかしい面も。
中学卒業と同時に親元を離れ山籠り生活をしていた。
皆からは弟のような扱いを受けている。
ハルカ/イエローマスク
ニンジャの末裔であり、牽制として手裏剣を投げる場面が多い。
ニンジャとして育てられた過去からストイックな性格であり、その厳しさを他人に向けてしまうことも。
モモコ/ピンクマスク
花を愛する女性戦士。
太極拳が得意であり、子どもたちに教えたりもしている。
どぎついピンク色のタイツを履いている。
姿レーシングクラブ
姿長官
レーシングクラブの代表であり、光戦隊の司令塔。
殺人術の達人であり、オーラパワーの神秘体験を与えることで信者を増やす色々危ない人。
あしながおじさんのような活動もしており、あらゆる業界から信者候補をマークしている模様。
地底帝国チューブ
地帝王ゼーバ
ずっと以前から計画していた地上侵攻に出たチューブの王。
身内に厳しい性格で、よくイガムやバラバにお仕置きを与えている。
最強のリサールドグラーの封印が解けた際に焦りを見せるなど、正体は謎に包まれている。
地底王子イガム
美緒=イアルの兄であり、没落した地底の貴族であるイガム家を再興しようと地上を襲う。
チューブを裏切ったイアルとその恋人であるタケルに対して強い憎悪を見せる。
男でありながらイアルと瓜二つの外見をしている。
バラバ
チューブの幹部であり、汚い手を使ってでも作戦を全うしようとする極悪な性格。
中盤、立て続けに作戦失敗したことで処刑されそうになるが、地底勇者の剣を手に入れたことでパワーアップする。
地底忍フーミン
代々イガム家に仕える地底忍の末裔。
イガムに対して強い忠誠心を見せ、同時にイガムも強い信頼を寄せる。
本作のコスプレ要員。
地底忍オヨブー
バラバに仕える真っ赤なニンジャ。
走って車に追いつくなどスピードはピカイチ。
岡本美登。
アナグマス
地底で300年生きてるというチューブの古株。
ゼーバの正体に興味を持ち、古い文献を漁ったりなどの動きを見せている。
オケラッパ
巨大化要員のオケラ怪人。
巨大化が終わったら「やれやれ…」と言って撤収する。
盗賊騎士キロス
欲しいと思ったものは何でも手に入れる、と豪語し騎士を名乗る盗賊。
イアルらしき女性の水浴びを覗いたことでイアルが欲しくなったという最低な男。
やることがイチイチこすいため、だんだんと株を落としていくことになる。
ポイント:
前作「超新星フラッシュマン」において「生き別れた親を探す」という、主人公たちのパーソナルな部分が戦いの動機として設定されたのですが、本作はそういった要素をより色濃くしようという試みが見られます。
物語の導入から主人公の恋人が登場し、実は地底人の恋人は地上の危機を知らせるという展開で、これまで通りならそのままメンバーが戦士に選ばれ戦うことになるみたいな展開になると思うのですが、なんと主人公と恋人が逃避行を始めます。
この流れはだいぶ強引だったのですが、セオリーに一石投じようとしたのが分かります。
本作の特徴といえば、拳法とオーラパワー。
一歩間違えれば危ない感じになりそうなオーラパワーですが、普通に危ないやつでした。
本作はメディテーション(瞑想)することで精神を研ぎ澄まし、死中に活を見出すといったような展開が何度かあり、日々の鍛錬と戦いにおいての心の持ちようを説いているわけです。
大きな縦軸の中心はタケルと美緒の関係になるのですが、そこに密接に絡んでくるキャラ描写も魅力の一つです。
タケルは恋人絡みでよく冷静さを失うことがあるのですが、仲間たち(特にケンタ)はその心情を理解し、責めたりもせずタケルのフォローをしっかりとできるチーム力を持っています。
ほのぼのとした面も見せており、ストレスの溜まらない人間関係はすごく好きな部分です。
またチューブの方もチーム分けのようなものが存在し、主に現場に向かうイガムとバラバにはそれぞれニンジャの付き人がおり、キャラによって対応の違いなども見えて面白かったです。
イガムに従うフーミンは忠義心に厚く、イガムも彼女をとても信頼しています。
逆に、バラバの部下であるオヨブーは武人としての側面が強く、終盤において驚きの展開が見られます。
キャラクターでいうと、盗賊騎士キロスは迷走の連続でした。
美緒ことイアル姫の水浴びを覗いたことから、厄介なストーカーと化し、イアル姫を手に入れるためにタケルと戦うというライバルキャラとして登場するのですが、物語が進むにつれ小物化が進んでいき、なんと生身のアキラに完全敗北までしてしまいます。
シリーズに本格的に取り込んだ"恋愛もの"の要素を引き立てる存在として登場させたと思うのですが、肝心のタケルが中盤からいつもの「リーダーレッド」に戻ってしまったので、そこを上手く活かしきれなかったのかと思われます。
そんなキロスの最期も唖然とする展開で、色々と損な役回りでした。
前作から引き続き、中盤から新ロボが参戦するロボ2台体制となった本作ですが、前作の反省点を全く活かしきれず笑
1号ロボ・グレートファイブはシリーズ初5台のメカによる合体ロボであり、2号ロボ・ギャラクシーロボはトレーラーから変形する徒手空拳主体の座禅ロボという特徴分けはできていたのですが、2台のロボをどう使い分けるかまでは手が回っていませんでした。
ロボの使い分けという点では「星獣戦隊ギンガマン」のギガバイタスが良くも悪くも特徴的でしたが、そこまでしろとは言わないものの、もう少し対策を練ってほしかったところです。
物語に関しては、正直特筆する点は無いです笑
恋愛要素もいきなり始まって、勝手に終わったみたいな印象がどうにも強いですし、キャラ単体の奥行きを伸ばそうという試みも見えたものの、成功したとは言い難いです。
諸々の要素を考えると、やはり挑戦の時代だった側面が強く、これらの失敗と成功が後のシリーズ展開に繋がっていったと思われます。
正直、本当に正直に言ってしまうと、個人的にキャスティングが微妙だったのも辛かったです…。
おすすめエピソード:
第6話「夢のゴッドハンド!」
(監督:長石多可男 脚本:曽田博久)
タケルの最強技とも言える"ゴッドハンド"登場回。
変身ヒーローとして、その発言はどうなのかと思うようなセリフも見どころです。
「秘められた力は、生身の身体だからこそ発揮できるのだ!!」
第22話「風雲オーラの嵐!」
(監督:長石多可男 脚本:曽田博久)
グレートファイブを失ったマスクマンは、みなしロボットと化していたギャラクシーロボを手に入れるもその力を発揮できず。
心を持ったギャラクシーロボの力を引き出すために、マスクマンが辿り着いた結論とは…。
「ギャラクシーロボには、オーラパワーが秘められているのかもしれない!!」
第39話「復活!謎のX1マスク」
マスクマンの前に現れた飛鳥リョオは、プロトスーツであるX1マスクに変身する。
しかし彼は、戦いに参加することを拒むことに。
彼の過去に隠された秘密とは…?
追加戦士の先駆けと言われるX1マスク登場回。
タケルとリョオの距離感が、後の天童竜と結城凱の関係に見えてくる井上脚本回です。
「降りかかる火の粉を払っただけさ」
5段階評価:
☆☆★★★ 2/5
正直言って、長所が少ないというのが本音。
ドラマ面では初メインを務めた長石監督が特徴的でしたし、アクションは東條監督が気合を入れた演出も見せてはくれたのですが、それでも特徴は薄めに感じてしまいました。
演出に一貫性はあり、というのも演出陣は長石監督と東條監督が、第38話で山田監督が登板してくるまで2人体制で回しており、驚異のローテーションとなっておりました。
キャラクター描写に関しては、特にストレスのある展開は無いので見やすいと思います。
暖かいようでどこか狂ってる。
そんな世界観を楽しみたければ、この作品はおすすめです。
是非一度ご覧ください。
以上、マスクマン感想でした。
「クロスターゲット!発射ァァ!!!」