うらひろの日記

その場で思ったこと、好きなもの、書いてみます。

男の子は負けず嫌い

今日は「キラメイジャー」が面白かったです。

はい、以上です。

 

……なんてことは無く、本日はゴジラVSスペースゴジラを見ました。

ビオランテ以来の平成オリジナル敵怪獣スペースゴジラの襲来、地球はどうなってしまうのか。

 

以下、あらすじを交えて感想を。

 

国連G対策センターはゴジラへの対策手段として、超能力でゴジラを操る"Tプロジェクト"を計画。

生物工学教授の権藤女史は、その操作担当としてサイキックセンター主任を務める三枝未希を選びます。

「VSビオランテ」から唯一全作登場している未希ではありましたが、ついに物語の中心に躍り出ることになりました(今までは視聴者への情報提供役というか、ただの便利キャラでしかなかった印象)。

どうでもいい話ですが、サイキックセンターでは某オーラパワーのような研究が行われており、少々不穏。

 

その頃、バース島の調査に向かったGフォース隊員新城功二(演じるは"バコさん"こと橋爪淳氏)と佐藤清志(通称キヨ)は、無人島に一人で暮らす元自衛官の結城(まさかの柄本明氏)、更に大きくなったリトルゴジラと遭遇します。

バース島には宇宙から飛来した謎の結晶体が埋め込まれており、それに釣られるような形である宇宙生物が接近しておりました。

 

未希も、宇宙から戻ってきたコスモスから宇宙生物のことを聞いており、一度は拒否していたTプロジェクトに参加することになります。

同じ頃、前作で大破したメカゴジラを改良した新たな対ゴジラ兵器・MOGERAが建造されていました。

スーパーメカゴジラの発想に準じてか変形・合体機能が組み込まれており、更に口にドリルが付いている男の子の憧れ仕様に製作者の趣味が見て取れます。

 

結城にこき使われ催涙爆弾を埋めさせられる功二キヨコンビは、Tプロジェクトを進めるためにバース島に上陸した未希たちと合流。

初対面の未希に功二は、どうしてゴジラをそこまで好きになれるのかと嫌味を飛ばし、戦いしか考えてない人には分からないと未希は怒りを見せます。

超能力少女として登場した未希のスタンスは常にゴジラ寄りだったわけですが、やはりそのスタンスに疑問を持つ隊員は少なくないようです。

青木はごく普通に同僚していましたが、やはり彼のような存在はレアケースな模様。

 

バース島ではチビゴジが催涙爆弾を踏んでしまうなど、和やかなムードが流れるなかゴジラが出現。

同じ頃、G対策センター戦闘指令室では件の宇宙生物をキャッチ。

MOGERAを宇宙に出動させ撃退を図るも、手に負えず撤退。

"結晶体を纏ったゴジラ"といった容姿の宇宙怪獣はバース島に上陸し、ゴジラとリトルゴジラに襲いかかります。

ここではリトルが目を赤くして恐怖を表しており、細かくて良かった点です。

リトルを守りながら戦うゴジラですが、島に飛来した結晶体の影響もあってか宇宙怪獣には敵わず、リトルゴジラも奪われて完全敗北してしまいます。

 

G対策センターは新たな怪獣が、宇宙に散ったゴジラ細胞がブラックホールに飲み込まれ生成されたスペースゴジラと呼べる存在であると断定。

その可能性として宇宙に昇天した沢口靖子もといビオランテ、宇宙に飛翔したモスラに付着していた細胞の2つを挙げておりました。

本作でどちらかと断定されることは無かったのですが、コスモスが出しゃばっていることからモスラ説が濃厚ですね。

未希に脅威を伝えて対処させることで、自分たちのミスを帳消しにしようとしているようにも見えなくもありません。

 

結城たちはGフォースに戻ることになるですが、ゴジラのことを心配しバース島に一人残ることを決めた未希に、功二はキヨを連れて同行することに。

夕焼けの砂浜にて、まるで中学生のような会話をする功二と未希。

あれ、未希がヒロインみたいだぞ?

元々ポテンシャルはあったものの、話の中心には立たせてもらえず不遇な印象でしたが、今回は見た目や服装も演じる小高恵美氏の雰囲気にとても合っており、本作では正にヒロインといった扱いで嬉しかったです。

 

高まったヒロイン力が暴走した結果、未希はTプロジェクトを悪用しようとするマフィアに拉致されてしまいます。

日本に拠点を持っていたマフィアですが、バリアーが張られている施設に、マンホールから地下を通って潜入する結城と功二キヨ。

バリアーのセキュリティ力を信頼し過ぎて、肝心なところを放棄しております。

 

スニーキングミッションを順調にこなす功二は、未希が捕まっている場所に辿り着くのですが、マフィアはベッドに縛り付けられる未希を盾にして功二の動きを封じます。

そこで未希は高まったヒロイン力によって初めてテレキネシスを起こしベッドを浮遊させ、その隙に功二はマフィアを撃退。

ヒーローはヒロインを無事救出します。

 

その頃、スペースゴジラが北海道を飛来し、電波障害を発生させながら日本を南下していきます。

福岡に降り立ったスペゴジはバース島と同じように、福岡タワー周辺において自分の周りを結晶体で囲みます。

あいつには借りがあるとゴジラも鹿児島に出現し、街を壊しながら福岡方面に向かいます。

スペゴジを止めるために出撃することになるMOGERAに結城・功二キヨコンビが乗り込み出動するのですが、ゴジラへの対決に拘る結城が針路変更しゴジラに向かいます。

逸る結城を首チョップ一撃で気絶させた功二は、改めてMOGERAをスペゴジに向かわせます。

結城のゴジラに対する執着を見せるシーンではあったのですが、結局後でゴジラとは合流するので少しテンポ悪く感じてしまいました。

 

福岡を自分のテリトリーに変えたスペゴジの前に降り立つMOGERA。

スパイラルグレネードミサイルなどを駆使してダメージを与えるものの、フィールドパワーソースを得たスペゴジには敵いません。

気絶していた結城も目覚め、体勢を立て直している間にゴジラがやっと到着し、スペゴジと激突。

スペゴジの結晶体の力が福岡タワーに集められていることを知り、MOGERAチームはスカイファルコンとランドモゲラに分離し、上空と地下からタワーの破壊に臨みます。

更にゴジラもタワー破壊を始め「敵の敵は味方」現象により、人類とゴジラが共通の目的を持って、協力する展開に繋がります。

 

昨日まで殴り合いの喧嘩をしていた男の子たちが、隣町の悪ガキ出現により手を組んだといった、協力プレーでタワーを破壊したゴジMOGEは、スペゴジと最後の決戦(ゴジラの破壊活動に協力する人類という描写もなかなか刺激的)。

MOGERAは破損しながらも、スペゴジの結晶体を破壊し大ダメージを与えます。

その頃福岡に到着していた未希と権藤女史のヒロインズ(権藤女史は結城に死亡フラグを立てさせた隠れヒロインでした)は、MOGERAから脱出した功二キヨと合流。

結城がゴジラに一方的なライバル心を燃やしスペゴジ打倒に挑むのですが、ハッチに足を挟まれ宙吊り状態になってしまいます。

 

キヨの制止を振り切り、助けにきた功二は拳銃でハッチを開けようとするのですが、狙いが定まりません。

そこに未希がテレパシーで功二と視線を共有。

功二は銃を下ろし、未希はテレキネシスによってハッチを開け結城を救出します。

戦うことばかり考えていた功二が、戦いを否定する未希と繋がることによって結城を助け出すという構図が映像的にもしっかりと押し出されており、大変秀逸なシーンでした。

 

直後、ゴジラがとどめの放射熱線を大破したMOGERAもろともスペゴジにお見舞いし、大爆発。

爆煙のなか、2人を探す未希の前に姿を現す功二と結城。

MOGERAは破壊されてしまったものの、人類とゴジラの共同戦線により宇宙からの脅威に打ち勝つことができました。

 

戦い終わり砂浜で帰っていくゴジラを見送るメンバーたち。

キヨ、ここで自分にはヒロインがいないことに気付く笑

結城はゴジラへの執着を捨て、権藤女史とともに歩いていくことを決めます。

そして功二は未希に目を瞑るよう言われ、ドギマギしておりました笑

もちろん視線の共有のためだったわけですが、そこに映されるのは安否不明だったリトルゴジラの元気な姿でした。

 

ゴジラを少し見直した功二、殴り合うことでしか分かり合えない男の子たちに疑問を抱きつつも少しだけ理解を示した未希、スタンスの違った2人が大きく歩み寄ったところで、エンドクレジット。

 

ほぼ完璧なハッピーエンドでした。

 

 

前作において、人間ドラマはゴミ箱に捨てられたような扱いでしたが、本作ではむしろこれまで以上にキャラの動向が掘り下げられており、これまで重要キャラでありながら物語にほとんど絡まなかった三枝未希が遂にヒロインとして大活躍します。

その未希とロマンスが生まれるのもスタンスの異なるGフォース隊員の功二であり、2人の衝突・接近・和解が丁寧に描写されていたのも良かったです。

 

またメインメンバーの絡みもしっかりとしており、功二の相棒キヨは出番は少ないものの信頼関係はしっかりと伝わってくるうえ、コメディリリーフとして良い仕事をしておりました。

更に本作の隠れ主人公・ヒロインである結城と権藤女史の関係性もストレスが少なく、良い形で終わるのでとても安心感を覚えました。

 

本作最大の特徴として、これまでのシリーズ(平成VS作品)との結びつきが特に強いという面があります。

「VSビオランテ

・権藤一佐の妹登場、G細胞への言及

「VSモスラ

・コスモス登場

「VSメカゴジラ

Gフォースの続投

・MOGERAはメカゴジラを改修した機体

といった過去作を見ていることで、より楽しめる作品となっております。

逆に言えばこれらを見てないとあまり楽しめない可能性もあるのですが、それはゴジラシリーズ全体における問題ともいえるかと思われるので、細かく考えない方が良いのかもしれません。

個人的にはコスモスに対する不信感がより積もった形となりましたが。

 

人類とゴジラの共同戦線ということで美しい部分のみ強調された結末でしたが、ゴジラが街を破壊しながら進行するシーンはしっかりと存在しており、やはり人類の脅威として忘れてはならないという面も感じられます。

仮に本作で一旦ゴジラシリーズが終わっていたとしたら、そういう面で不満が溜まってた可能性もあったかなと思います。

 

怪獣プロレスのシーンもしっかりとタスクが与えられ、それをこなすキャラの動きも描写されることでただの取っ組み合いにしない工夫も見事でした。

前作のスーパーメカゴジラは最終的に、スーパーゴジラの的になり爆発炎上という酷い最期を迎えていましたが、MOGERAはスペゴジに大ダメージを与え、特攻をかまし最期はスペゴジとともに散っていくという華々しい活躍で、功二たちが乗るに相応しい機体でした。

逆に前作はドラマを充実させなかったことで、メカゴジラに感情を乗せられなかったことが失敗だったのかもしれません。

 

宇宙からの新怪獣、主人公とヒロインのロマンス、人類とゴジラの協力といった個人的に好きな要素が多かった本作。

どれも欠けることなく一つにまとめたエンディングは、率直に感動しました。

以前も見たことある本作ですが、改めて前作から追うことで色々発見があり、見直して本当に良かったと思います。

 

次回ーーーゴジラ、死す

こちらも以前見たことがあるのですが、平成VSシリーズ最後の作品を改めて、じっくりと見つめていきたいと思います。