始まりましたね‼️
もう3.4話配信になってますが、前作との差別化が図られているシーンが多い前後編になってますので良かったら見てください。
「ビーファイター」を後年見ると、シリーズが終わりに差し掛かっていたことを実感するのですが、奇しくも同年に一旦の最期を迎えた作品があります。
あらすじに沿って感想を書いていきたいと思います。
天然ウランが熱水に反応したことによる爆発で消滅したバース島。
そこに暮らしていたゴジラとリトルも姿を消し、調査に出た未希はリトルの安否を心配します。
その少し後、香港に出現したゴジラの身体は、マグマの如く真っ赤に燃えていました。
ウランを吸収したことにより、過大な放射能をその身体に宿したバーニングゴジラは香港の街を蹂躙していきます。
ゴジラ対策を講じるGサミットは、いつ核爆発を起こしてもおかしくないゴジラに対し、ゴジラの生態に関して論文を書いていた大学生・山根健吉の協力を仰ぎます。
その頃、ミクロオキシジェンの研究を行なっていた物理学者・伊集院に対して、ズバズバ系女子アナウンサーであり健吉の姉・ゆかりはその発明に対して疑問を持ちます。
東京湾海底トンネルで続発する事故の調査に向かった伊集院は、そこの土を持ち帰ったことでゆかりに問い詰められます。
しかし伊集院は自分の研究の先に、かつてゴジラを葬り去ったオキシジェン・デストロイヤーがあることは自覚しており、決してそこからは踏み出さないことを宣言します。
「ロマンチストかは知りませんが、少なくともマッドサイエンティストではありませんよ」
そういうセリフは、自分から言うものではないと思われます。
しながわ水族館で発生した、熱帯魚が骨になる事件を調査していた伊集院は、それが古代地層に眠っていた微小生命体がオキシジェン・デストロイヤーの影響で変化したものであると断定します。
同じ頃、ゴジラは沖縄に出現。
更に謎のクジラの死体が打ち上げられ、未希はそれがリトルによるものではないかと推測します。
「何も感じない…リトル、生きてるの?」
同時に未希は、自身の能力低下も実感します。
臨海副都心に謎の生物が出現し、特殊部隊が出動するのですがあえなく返り討ちに遭います。
この場面は海外のパニック映画を意識したようなアプローチで、見てて面白かったのですが、屋内から地上に現れたモンスターがチャチく見えてしまって惜しかったところ。
現場の取材に向かっていたゆかりは、モンスターから逃げるためにパトカーの中に避難するのですが、逆に目を付けられ捕食されそうになります。
口から更に牙の生えた舌を出すモロエイリアンなモンスターは残念ながら知能は低く、ゆかりを食べるのに手こずってる間に、伊集院に救出されてしまいます。
その頃、四国の原子力発電所に近付いたゴジラを止めるため、対ゴジラ兵器・スーパーXⅢが出動することになります。
そのパイロットなのですが
え、青木!!!???
ではなく「VSビオランテ」以来の黒木特佐でした。
ややこしい話ですが、本作では「VSビオランテ」で黒木特佐を演じた高嶋政伸氏に代わり実兄の高嶋政宏氏がキャスティングされており、その政宏氏は「VSメカゴジラ」でGフォース隊員・青木一馬を演じていたのです。
あのポンコツサイコ主人公が、腕を認められて再び対ゴジラ兵器に乗り込むというのは、それはそれで胸熱なのですが、そうじゃなくて良かった。
黒木特佐が乗り込んだスーパーXⅢは、ゴジラにカドミウム弾を当て冷凍させることで、核爆発の危険を防ぎます。
一方、御前崎方面にリトルが成長したと思しきミニゴジラが出現します。
「もはやリトルではない、立派なゴジラだ!!……いや、ゴジラジュニアと呼ぶべきか」
改名されたゴジラジュニアは、唯一の仲間であるゴジラを求めて故郷のアドノア島に向かいます。
リトルもといジュニアの生存を確認できて未希は一安心するのですが…。
謎のモンスターに対しては自衛隊が出動し、長い時間交戦していたのですが、モンスターは戦いの中で進化を遂げ、更に合体・巨大化して飛行能力を得ます。
伊集院はオキシジェン・デストロイヤーから生まれ、全ての生物を破壊する怪獣をデストロイアと名付けます。
メルトダウンが近いゴジラを止めるためにデストロイアを利用することを考えたGサミットは、ジュニアを念力で東京に誘い出すことで、ゴジラとデストロイアを戦わせるよう仕向ける作戦に出ます。
故郷に帰ろうとしているジュニアを利用することに反発する未希ですが、同じく超能力者の芽留はワールドワイドな考えるんだと未希を説得。
某コスモスの片方と同じ顔しているように見えるのですが、どうやら役者だけ続投の模様。
ゴジラの心臓部がメルトダウンする1200度に達したら、ありったけの冷凍弾をかますために再びスーパーXⅢが出動します。
「これで我々の来年度の予算はゼロだな…来年度があればだが」
ジュニアは東京に引きつけられ、なし崩し的にデストロイアと戦うことになり、傷つきながらもデストロイアを吹っ飛ばします。
中ぐらいのサイズの怪獣バトルというコンセプトは、その後のサイズ対比も明確になって面白かったです。
そしてジュニアの気配を感じ取り、東京にやってきたゴジラ。
そこに吹っ飛ばされたデストロイアが新たな進化を遂げ、翼の生えた破壊神のような姿へと変貌します。
"デストロイア"という名前には似合っている姿なのですが、何分誕生の経緯が曖昧かつ面白くないので、素直に盛り上がれないというのが正直なところ。
ゴジラハンターデストロイアは、ゴジラ粒子反応アリ!破壊!!とジュニアをあっさり倒します。
怒りのゴジラに対しても、飛行能力を活かしての引きずりや、角による斬撃攻撃、分離して複数の個体で攻撃するなどとても嫌らしい戦法が、平成ガメラシリーズの怪獣を彷彿とさせます(順番としては本作の方が先ですが)。
しかし搦手が得意なゴジラハンターデストロイアは真っ当な怪獣プロレスにはめっぽう弱く、近接戦でゴジラにフルボッコにされてしまいます。
ゴジラハンターがダウンしている間に、ジュニアのもとに向かうゴジラ。
ゴジラが何かをするなか、ジュニアはひっそりと目を閉じます…。
それがきっかけとなったのか、ゴジラの心臓部はメルトダウン寸前の温度に達し、身体を溶かしながらもデストロイアにダメージを与えます。
逃げようとしたゴジラハンターデストロイアですが、自衛隊のメーサー部隊とスーパーXⅢの冷凍弾コンボにより撃ち落とされ、なんとゴジラ以外に爆殺されます。
それ自体は別にいいのですが、スーパーXⅢの冷凍弾はゴジラがメルトダウンに達した時に使うために取っておくものだったと思うので、どうしてそうなった感が抜けません。
スーパーXⅢの冷凍弾も効果を発揮せず、ゴジラの身体は溶けていき、ついにゴジラ、死す。
「ゴジラが、東京を死の街に変えて、溶けていく…」
「あたしの役目は終わった…」
各々が物思いに耽り、放射能に汚染された東京を見つめる…
のですが、急に放射能が何かに吸収されるように無くなっていきます。
そして霧が立つなか、ゴジラが死んだ場所に立っていたのは後光を背負った新たなゴジラーーーーー
そして、初代と1984〜本作までのゴジラ襲撃シーンを集めた映像でエンドクレジット。
「ゴジラ(1984)」を始点として「VSビオランテ」から始まった平成の"VSシリーズ"
その完結作として製作された本作ですが、そのテーマは"原点回帰"でした。
初代をオマージュしたような場面も多いなかで、初代以来にゴジラの明確な死を描くという終末要素も盛られた作品です。
前作がシリーズの集大成的な作品になっていたことからか、本作は最終作としてこれまでのVSシリーズの要素を残しながら、独特な空気も感じられました。
反面、1984を見た時にも感じたことだったのですが初代を下敷きにしたような展開はどうもノレません。
突っ込むのは野暮だと理解しているのですが、1984で新たに誕生したゴジラを巡った物語がVSシリーズの見どころだと思っていたのに、結局初代の設定を引っ張り出してきてゴジラの存在を曖昧にしてしまいました。
また、オキシジェン・デストロイヤーの登場もすごく唐突です。
最強の敵みたいな扱いだったデストロイアが、初代ゴジラを葬ったオキシジェン・デストロイヤーによって生まれたというシチュエーションは面白いのですが、問題はそのデストロイアがその設定にふさわしい程の脅威に感じないことです。
映像的にはよく分からない進化を繰り返し、虫みたいな姿から怪獣然とした姿になるなど、セリフで説明してるほど設定を再現できてないという印象です。
おまけにゴジラを倒すために、結局人類に利用される道具でしかないという扱いを抜けられなかったのも"怪獣"というキャラクターとして、非常に哀れな怪獣でした。
これらのせいで物語に入り込むことはできず、率直に言って、とても残念でした。
キャラクター描写も、伊集院とゆかりの関係は「VSビオランテ」のようなほんのりアダルティな空気で留めており、前作ほど分かりやすい方向性にはならず。
問題はシリーズ通して参加した未希で、彼女がゴジラを通して何が変わったのかが物語で描かれず、ただの便利キャラ以上にならなかったのはすごく残念。
前作において、功二と心を通わせたことによって今まで使えなかった能力にも目覚めた未希の力が弱まっているという展開も、前作が好きな身としては残念この上無かったです。
最後、ジュニアが新たなゴジラになる展開は、結局はゴジラに限らず多くのものを利用しようとする人類の因果応報の象徴としては納得の終わり方でした。
核兵器を開発しなければ、アドノア島から卵を持ち出さなければ、ゴジラを倒すためにジュニアを利用しなければ、全て人類が自ら生み出した結果なのです。
全体的に編集や特撮もイマイチに感じました。
場面が切り替わるとジュニアの傷が治ってたり、デストロイア第二形態は虫タイプなのに飛行形態は怪獣顔になっていたりと、カットの繋ぎ方も何かとおかしいです。
コンセプト的には好みの要素が多く、期待大な本作でしたが、期待値の落差でいうと歴代ワーストかもしれません。
「VSメカゴジラ」はまだ笑える部分もあったのですが、なまじシリアスな分、本作はずっと冷めた目で見ることしかできませんでした。
シリーズ全体の感想に関しては、後日まとめてみたいと思います。
感想は以上になります。
見ていただいた方は、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。