「ゴジラ」平成VSシリーズまとめ
Amazonプライム・ビデオで鑑賞しました「ゴジラ」シリーズ。
シリーズの流れに沿って見て感じたことを、文章化できればと思います。
良ければお付き合いください。
※あくまで一部作品を見たうえでの感想です。
的外れなことを言うかもしれないので、そういった点をご了承ください。
前提としてゴジラシリーズは私にとっては身近なものではなく、ほとんど見たことが無いものでした。
というのも自分自身"ヒーロー"が好きで、怪獣した出てこない"怪獣映画"というものには昔から興味を持ちませんでした。
その価値観が揺らぎ始めたのは、レンタルDVDで平成ガメラシリーズを見た時でした。
言葉を発しない怪獣が確かに人間と通じ合い、守護神として悪の怪獣に立ち向かう。
そこに(当時としては)現代的なアプローチが加えられたストーリーに衝撃を受けました。
しかし平成ガメラは三部作で終わってしまい、これ以上楽しむことができないことを残念に思った私は、ゴジラシリーズに手を出しました。
もう6.7年前のことですが、その時はいくつかピックアップして見たものの、いつかはまとめてみたいものだと思っておりました。
時が経過して、ふとまた「平成ガメラを見よう」と思った私はまたDVDで三部作を鑑賞しました。
過去に受けた衝撃をまた違う形で感じられ、またも三部作で終わってしまうことに寂しさを感じてしまいます。
この寂しさを埋めるために、どうすればいいか…。
そうだ、「ゴジラ」見よう。
平成VSシリーズを制覇しようと思った瞬間です。
与太話はここまでにして、シリーズ全体の感想でも。
ゴジラ初心者の私ですが、ゴジラシリーズにおいて重要なのはやはりゴジラによる街破壊シーンなのかと感じられました。
平成VSシリーズは名前のとおり、ゴジラがあらゆる怪獣と戦う作品になるのですが、その中でも必ずゴジラが街を破壊しながら闊歩するシーンが存在しておりました。
シリーズとしては非常に振れ幅が広く、時にはゴジラが人類の味方のように見えることもあるのですが、街破壊だけは欠かさず描くことでゴジラが人間の脅威であることを、常に表現しておりました。
この辺りは「ゴジラ」の揺るがない一本の線なのかなぁと感じたところです。
VSシリーズというものの、起点となるのはゴジラの復活を描いた「ゴジラ(1984)」になります。
1984は新たに出現した怪獣を、速攻ゴジラだと断定する初代を下敷きにした作品でしたが、その続編となる「VSビオランテ」からは"平成"のゴジラとして活躍することになります。
新たに出現したゴジラを、作品ごとに入れ替わる登場人物たちが色々な視点で見つめていくというストーリーは面白かったです。
青木一馬みたいなサイコパスも登場することですし。
また、ゴジラと対峙する怪獣たちも非常に魅力的でした。
キングギドラやモスラといった過去怪獣から、ビオランテやスペースゴジラのような個性的な新怪獣の登場もすごくワクワクさせられました。
実のところ、映画の内容は知らないものの怪獣の存在は子どもの頃から知っていたため、思い出補正でより良く感じている節もあります。
そういった面でも、見ることが出来て良かった。
作品ごとの見どころ、5段階評価:
☆☆☆★★ 3/5
・スーパーX登場
VSシリーズの起点となった作品。
初代を前提としたストーリーに乗り切れなかったものの、ゴジラに対して自衛隊が動くなど、平成ガメラに通じる要素の出現が印象的な作品です。
対ゴジラ兵器(戦闘機)としてスーパーXの登場した作品にもなります。
②「ゴジラVSビオランテ」
☆☆☆★★ 3/5
・超能力少女、三枝未希
・外人マフィア、戦う
・スーパーXⅡ登場
平成に入り製作された第1作目。
G細胞を持つクローン怪獣・ビオランテとゴジラが大迫力の激突を見せます。
若かりし高嶋政伸氏の演じる黒木特佐も、キリッとしててイケメンです。
ビオランテがそこまで強くないので、脅威度が薄めだったのが残念。
③「ゴジラVSキングギドラ」
☆☆☆☆☆ 5/5
・アンドロイドM11、躍動
・過去怪獣リファイン路線スタート
「ターミネーター」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」といった海外SF映画の影響が強い、タイムパラドックスをテーマとした平成2作目。
未来人のトンデモ科学や、ゴジラを巡るあらゆるアクロバット展開が面白い作品です。
終盤、メカキングギドラが親指を立てながら海底に沈むシーンは涙無しには見られません(大嘘
④「ゴジラVSモスラ」
☆☆☆☆★ 4/5
・最強の黒幕コスモス登場
・家族の再生
人物描写に力を入れており、主人公が家族を取り戻していくハートフルな内容でもあります。
過去怪獣だけに留まらず、モスラハンターバトラが破壊!破壊!!破壊!!!と邪魔してくるのも本作の魅力です。
⑤「ゴジラVSメカゴジラ」
☆☆★★★ 2/5
・ベビーゴジラ登場
・男の子の夢、合体ロボ
キングギドラ、モスラときて、もちろんメカゴジラもリファイン。
更にガルーダと合体してスーパーメカゴジラになるなど、男の子の夢が詰まってます。
話の内容としては、薄い人間関係が物語を絶妙に盛り下げており、サイコパスしかいないのではといういらぬ心配まで生まれる問題作。
⑥「ゴジラVSスペースゴジラ」
☆☆☆☆☆ 5/5
・三枝未希ついにヒロイン化
・ベビーがリトルに
・ゴジラと人類、共同戦線
宇宙に散ったG細胞から生まれたスペースゴジラに立ち向かう人類とゴジラ。
メカゴジラの発展メカ・MOGERAの大活躍と、キーパーソンでありながら話の中心に立つことの無かった未希のロマンスが展開される、盛り沢山な作品。
VSシリーズのあらゆる要素が詰まっている集大成のような面もあります。
☆★★★★ 1/5
・VSシリーズ完結
・スーパーXⅢ登場
・ゴジラ死す、そして…
初代以来にゴジラの死が描かれる、シリーズ最終作品。
かつてゴジラを葬った"オキシジェン・デストロイヤー"から生まれたデストロイアが最強の敵として立ちはだかるのですが、名前負け以外の何者でもない最強怪獣の末路はある意味必見です。
1984でも思ったことですが、初代を見ていないと色々辛いので、安易におすすめできない最終作になります。
好きな順番でいうと、
①「ゴジラVSスペースゴジラ」
②「ゴジラVSキングギドラ」
③「ゴジラVSモスラ」
①は前作の人間関係がめちゃくちゃだったこともあり、丁寧な人間描写をしてくれたことが好印象だったのが大きいです。
特に主人公の新城功二が、ゴジラを巡って煮え切らない態度を見せる未希に対して、初めてNOを叩きつける(一人の人間として意見をぶつける)姿を見せ、その後衝突を描き、障害を乗り越えることで二人の仲が深まっていく、という構図もすごく好きです。
②はトンデモ映画として、振り切った展開がツボにハマった作品です。
二大怪獣の激突をそう描くか、という驚きもあり、またアンドロイドM11の大活躍も見逃せないエンターテインメント作品なのが、大好きな部分です。
③も同じく人間描写が見どころでした。
家族を巡る物語において、ただ心温まるだけでなく少しシビアな要素も見え隠れするのが、真摯に"家族の再生"を描いた本作らしさを感じられて良い部分です。
好きな怪獣・ロボット:
①メカキングギドラ(「ゴジラVSキングギドラ」)
ゴジラに代わって生まれたキングギドラが、23世紀の技術によって魔改造され甦った姿…
と思いきや、ゴジラを封じるために力を合わせた現代人寺沢と未来人エミーの結束の象徴として劇的に登場した正義の怪獣。
そのコンピュータにはアンドロイドM11のAIが組み込まれており、あらゆる面において完璧な性能を発揮する姿には心を動かされました。
②MOGERA(「ゴジラVSスペースゴジラ」)
前作であえなく爆発炎上したメカゴジラを基に製作された対ゴジラ兵器。
ガルーダのシステムを踏襲したと思われる分離・変形機構が、スペースゴジラとの決戦において大きく役に立ち、最期はメカゴジラと同じく爆発炎上するものの、スペゴジの動きを完全に封じ華々しく散る姿を見せ、主人公の功二たちが乗るに相応しい最強メカと言える存在になっておりました。
まとめ:
VSシリーズを通しで見て、色々な発見がありました。
とりあえず一番に思ったことは
怪獣プロレスはなんと素晴らしいんだ。
迫力ある演出に大掛かりなセットは、やはり見応えがあります。
シリーズとしてはあまり特有のテーマに縛られず、自由度の高い作品が多かったという印象です。
トンデモ展開が見られるものから、ややヒーロー要素の強い作品もあったりと、あらゆる"好き"に対応し始めた平成の作品らしさも感じられて良かったです。
惜しむらくは起点となった1984を除き、最終作の「VSデストロイア」がその雰囲気から大きくかけ離れてしまったことでしょうか。
ゴジラ映画としては面白かったのかもしれませんが、初代「ゴジラ」の雰囲気に縛られないVSシリーズの強みが消えてしまったようで、そこだけは残念でした。
それでも、あの時代特有の終末的な要素は見どころでしたし、見ることが出来て本当に良かったとは思っています。
シリーズを見終えて、ガメラの時と同様の寂しさが襲ってきております笑
もちろん、その先の世紀末を超えた「ゴジラ」も見るモードに入っているのですが、その前にマグロを摘まむか考え中…笑
どっちから見た方が良いか、誰か意見ください。
大したことは書けていませんが、以上で「ゴジラ」平成VSシリーズ、まとめとさせていただきます。
お付き合いいただきありがとうございました。