うらひろの日記

その場で思ったこと、好きなもの、書いてみます。

清く正しくモスラック

先日、gyaoで無料配信されているという情報を聞き、こちらの作品を見ました。

 

モスラ」(1996)

ざっくりあらすじと感想でも。

 

北海道・紋別での工事現場でバッジのようなものが発見され、現場監督の後藤裕一はそれを持って帰ってしまいます。

その後藤家では長男・大樹(演じるは「ビーロボカブタック」の高円寺譲こと二見一樹氏)と妹・若葉とでケンカが絶えず、更に裕一も仕事が忙しいことから妻・真紀子も怒りっ放しでした。

裕一の態度は色々と問題なのですが、真紀子もかなり横暴な態度なので、一方的に印象が悪くならなかったのは良いバランスでした。

 

なんとか最終便で北海道から帰ってこれた裕一は、現場で拾ったバッジを若葉にプレゼントします。

しかしその夜、若葉に迫る謎の影…。

次の朝、若葉は超能力を発揮し、大樹をフルボッコにしていました笑

部屋の隅に叩きつけられたり、机の上を引きずられたり子役になかなかハードな撮影を課されています。

………「カブタック」では別ベクトルでハードルの高い演技をさせられてた記憶ですが。

 

急に覚醒した妹に敵わないと悟った大樹は、ランドセルを背負って敵前逃亡。

子どもの視点から見れば何も出来ずに逃走、というのは妙なリアリティを感じます。

しかし気になって家に戻った大樹は、真紀子をコードでグルグル巻きにしてお菓子を貪る若葉の姿でした。

母親が掃除機のコードで縛られ、妹が無言でお菓子を頬張る姿は、子ども心的にはかなりのトラウマ案件なのではと思います。

 

それは全て若葉の持っていたバッジ=エリアスの盾を狙った魔女・ベルベラの仕業でした。

ベルベラは若葉を洗脳し、エリアスの盾を手に入れ後藤家に立て籠ります。

手出しのできない大樹の前に、2人の小美人・エリアスがフェアリーと呼ばれるミニモスラに乗ってやってきます。

ベルベラの悪事を知った大樹とエリアスは、ここで手を組むことになるのですが、窓を割って侵入し、ビームを乱発して家具を破壊して回るフェアリーが実に凶悪。

ベルベラの駆るガルガルは、そんなにビーム撃ってなかったのに…。

 

リビングでの戦いの末に、真紀子と若葉を救出する大樹ですが、エリアスの盾はベルベラに奪われたまま逃げられてしまいます。

ベルベラが向かったと思われる先は北海道。

裕一が勤務する豊国商事が森林伐採をしていた現場には、かつて太陽系に襲来してきたデスギドラが封印されていました。

惑星の命を吸って生きるデスギドラは、まず火星を不毛の惑星に変えてから地球に襲来。

恐ろしい敵に対して、エリアスはモスラと共に立ち向かいデスギドラを岩に封印しました。

小美人の積極的に恩を売る姿勢は相変わらずで、更に人類の所業によって凶悪怪獣が復活するという点も実にゴジライズム(時代背景もあるでしょうが)。

地球の危機が迫っていることを知った後藤家は、飛行機で北海道に向かいます。

その際エリアスの2人は、人形に偽装され運ばれていました。

暗い箱に閉じ込められていたコスモスよりは、だいぶマシな扱いです。

 

森林伐採を積極的に行う豊国商事はマスコミの格好のターゲットのようで、それを批判するためにやたら自己主張の激しいキャスターもいるようです。

作業が進まないことに煮えを切らした現場スタッフは、現場にある巨大な岩をダイナマイトで爆破するよう迫ります。

そしてその方法は、ダイナマイトを積んだブルドーザーごと大岩に特攻という離れ技笑笑

マスコミはこの会社に対して、もっと違う方面から詳しく取材した方が良いのでは。

 

ベルベラの手が加わったこともあり、ダイナマイトの爆発で破壊され、封印から解かれるデスギドラ。

なかなかデスギドラが姿を見せず、尺稼ぎ感が出てしまうのは厳しかったところ。

復活したデスギドラは、地球の植物のエネルギーを吸収することで自身の強化を図ります。

このままいくとデスギドラは強化されるだけでなく、空まで飛べるようになってしまうと危機感を煽るエリアス2人(面倒なので2人の時はエリアス、黄色い方をA、青い方をBと呼びます)。

スペースゴジラデストロイアを見た後だと、空飛べる辺りはそんなに危機感を覚えませんね…。

 

エリアスAは最後に残った、たった1匹のモスラを戦いに呼ぶことにします。

その際、ベルベラから取り戻したエリアスの盾を大樹と若葉に託すのですが、明らかに危険を押しつけてるようにしか見えません。

遂に姿を現したデスギドラに立ち向かうモスラは、もちろんビームで先制攻撃。

しかしデスギドラの猛攻にモスラは苦戦します。

そこで助けに来ようと、モスラが産んでいた卵が反応し、まだ充分に成長しきってないまま幼虫モスラが生まれます。

普通に見る幼虫はそこまでではないのですが、卵の中で蠢く幼虫はすごい気持ち悪かったです。

その頃、現場から避難していた裕一と合流した真紀子ははぐれた大樹と若葉を探していましたが、真紀子が転んだ拍子に足首を捻挫。

すぐさま自分のネクタイで応急処置を施す裕一は、そういう現場だからこんなケガいくらでもある、という旨のことを言い出し、ほんと普段からどんな仕事してるんだこの会社…。

 

身体は不完全なものの、強い意志と勇気を持った子モスラは親のピンチに参戦。

デスギドラを怯ませることに成功させますが、あえなく返り討ちに遭い、噛まれて流血。

それを見たエリアスBの悲鳴が迫真笑

一方その頃、真紀子とはぐれ逃げ道を探していた大樹と若葉はエリアスの盾を持っていたことから、ベルベラに狙われてしまいます。

言わんこっちゃない。

しかし親モスラの助けによって2人はことなきを得ます。

 

擬態を使って逃げつつもデスギドラと懸命に戦っていた子モスラですが、ついにピンチかと思われた矢先、デスギドラが誤ってダムを破壊。

で、伝通院先生……!

デスギドラは水流に呑み込まれ、モスラ親子は一旦逃げることに成功します。

ですが、年老いたうえ戦いで傷ついた親モスラはもう限界であり、海上で命を落とします…。

 

親の死を悲しみながらも、子モスラは泳いで屋久島に辿り着き、そこで繭を張ります。

エリアスの歌と、大自然のエネルギーを取り込んだモスラ繭から飛び出してきたのは複数の小さいモスラ…?

Everybody,Jump!!

モスラはひとつにまとまり、新生クラスタモスラが誕生し、デスギドラに再戦を挑みます。

 

モスラ親子に退けられるも、力を高め飛行能力を手にしたデスギドラに立ち向かうクラスタモスラ

意外や意外、モスラがデスギドラを圧倒しており、手にした飛行能力が役に立たないデスギドラは、これまでに尺を取りすぎたのか、割とあっさり再封印笑笑

クラスタモスラは、大樹と若葉にお礼という形で共に空を飛び、デスギドラによって滅びた自然を修復していきます。

ここは少しやり過ぎたかなぁと感じましたが、対象年齢と作品コンセプトを考えるとまあ仕方ないところか。

 

そういえば親モスラは最後の一体で、卵があるのみと言及しておりましたが、今回生まれた子モスラ以降は絶対生まれないということなのでしょうか。

それとも単性生殖でもするのでしょうか。

……………ギャオス?

 

デスギドラ下僕化作戦に失敗したベルベラは、恨み節を残し撤退。

エリアスたちは、実の姉であるベルベラといつか和解できると信じておりました。

例え一度や二度失敗しても、必ずやり直すことはできるとメッセージを残し、エンドクレジット。

………裕一は責任問われてクビになりそうですが、まあ豊国商事は限りなく真っ黒なので、ある意味ハッピーエンドか。

 

"繭からの脱皮"という描写があることから「ゴジラVSモスラ」においても"家族"という要素と接続されがちなモスラ関連。

「VSモスラ」以上にファミリー向けに寄った本作は、特色がよく出ておりました。

特徴は、モスラにおいても親子関係が生まれ"継承"の物語としても製作された面です。

親を助けるために子が、子を助けるために親が体を張る、家族が力を合わせて危機を乗り越えるといったストレートなテーマを上手く表現できていたと思います。

 

この時代特有の環境問題も組み込まれておりますが、そんなに嫌味なくできていたかと思います。

一方的な自己主張でもはや狂人だったキャスターや、明らかに反社会的勢力に位置する豊国商事など色々ツッコミどころはありましたが。

 

モスラはほとんど操演であり怪獣プロレス要素は薄めだったのですが、デスギドラのデザインはカッコ良く、ダム破壊にも迫力があったため特撮面でもある程度満足感はあります。

 

また機会があれば2以降も見てみたいものです。

以上「モスラ」感想でした。

 

「カブトムシが喋った!?」ーーー甲斐拓也