うらひろの日記

その場で思ったこと、好きなもの、書いてみます。

ウルトラマンZ「メダルいただきます!」

ウルトラマンZ

第13話「メダルいただきます!」

(監督:内田直之 脚本:池田遼)

「あの時、急にハルキと気持ちが合わなくなった…これまでいい感じでやれてたのに……」

前回のライデンとの戦いでの、ハルキの不調を思い返すゼットさんは、そんなハルキを心配していたという珍しいスタート。

「ハルキ…大丈夫かな?」

 

そんなハルキは指令室で当直に勤めていたのですが、モヤモヤを払拭するために腕立て伏せ。

「当直前にそんなやったら、お腹空くよ?」

準待機ということで、黒の革ジャンを羽織り、グラサンを掛けて出て行くヨウコさん。

ハルキはデートだな、と断言しておりましたが、一体誰と会うのでしょうか。

 

そんな中、謎の気配を感じたハルキが整備室に向かうと、そこにはコイン怪獣カネゴンがいました。

お金を食べる怪獣であり、不法侵入の疑いがあるカネゴン容疑者は、腹が減っていたと供述し、ハルキの持っているメダルをお金と間違えて食べてしまいます。

 

しかしカネゴンは飲み込む瞬間、ハルキとゼットさんのビジョンを見ます。

食べろって言われた気がしたんです、と夢を追う男のような体験をしたカネゴンに対し、ウルトラマンZの活躍を話すハルキ、というテイで毎年恒例の折り返しでの総集編。

 

ハルキとカネゴンがバタバタしていく中で、ストレイジとの関係性や、ゼットの心情を掘り下げしたり、また今後への布石のようなものも散りばめられた回になります。

カネゴンが腹を空かした際に、自分の貯金?をすぐに差し出したハルキや、ライデンの解剖結果を楽しげに話しながらもハルキの不調に気付いてるユカなど、キャラ描写も良かったです。

特にユカは、これまで好印象なシーンがほとんど無かったので、ここは本当に良かったです。

 

「ようやっと、怪獣を倒せるところまできたか」

ドックではヘビクラ隊長が特空機を見つめ、機能を振り返りながら不穏な一言を発しておりました。

「この調子で開発が進めば、そのうちウルトラマンを超える力も…」

 

「僕もウルトラマンになって、怪獣をどんどんやっつけたい!すごく面白そう」

「待って、そんな単純なことじゃないよ!!俺たちが怪獣と戦うのは、被害に遭って悲しむ人たちを守りたいから、平和を守りたいからなんだ。

 ……でも、怪獣たちにも暴れてしまう理由がある。

 むやみに倒したいワケじゃない…」

ゼットの活躍を聞いたカネゴンは、子どものようにウルトラマンの真似事を始め、ハルキのトラウマを刺激してしまいます。

前回二話の流れで、ハルキの"守りたい"という想いのオリジンを掘り下げたことにより、会話に唐突さが生まれず、こういった面は本作の長所として特筆したい部分です。

そして、今までハルキの心情については、ほとんど耳を傾けることの無かったゼットもそれを聞くことになります。

 

再びモヤモヤ解消のために腕立て伏せを始めるハルキですが、考えても答えは出ません。

そんなハルキにカネゴン

「お金、食べる?」

と、なかなかハードルの高い要求を繰り出し、少しハルキの気を紛らわせます。

「あのね、メダルは、ハルキのことを信頼してるみたいだよ。

 お腹の中から伝わってくるんだ…メダルが戻りたがってるって。こんな僕のことも心配してくれた、優しいハルキのところに」

「ウルトラメダルが…俺を?」

 

目上の者には尊敬の目を向け、困ってる者がいたら例え怪獣でも救いの手を差し伸べるハルキに対し、メダルを飲み込んだことでそのメダルの意思を汲み取ることのできた(メダルに宿った先人たちの想いを代弁した)カネゴンが、優しく声を掛けるという展開が実に丁度いい。

ポッと出のカネゴンが分かったような口ぶりになる理由付けにもなりますし、ハルキが今まで"守ってきた"ものがそのハルキを支えてくれるというのは美しくハマりました。

まあ単純にメダルが出たがっていたので、カネゴンを上手くコントロールしただけの可能性も否定できませんが。

 

しかし平成ゼットの話が終わった辺りで、カネゴンがいきなり身体の不調を訴え、そのままトイレに直行。

全部、台無し(笑)

 

「お前たちの平成って、醜くないか?」

 

 

手段を選ばない平成メダルが、カネゴンから脱出したことによりメダルを全て回収し終えたハルキは、インナースペースでゼットと肩を並べます。

「おかげさまで分かったよ、ハルキの悩み」

「…押忍」

「ひとつになってるのに、分からないこともあるもんです……難しい問題です、だから俺も考えるよ、一緒に。ウルトラマンにとっても、大事なことだと思うんです。」

ハルキの日常に、あまり出現しなかったゼットさんが自らの態度を改め、それにハルキは頷きクロスタッチを交わそうとした2人ですが、ハルキの腹鳴りで微妙な空気になり、本当のタッチはもう少し後という判断でしょうか。

 

最後、指令室に戻ったハルキは、ヨウコ先輩が置いていたメッセージ付きのカップ焼きそばを美味しくいただきます。

そういう態度が年下を勘違いさせてるんです。

 

さらに、今回はEDを前半の振り返り映像だけに留めず、新規映像で改めてストレイジの結束を見せてきており、平成ウルトラシリーズを彷彿とさせる粋な演出でした。

 

前述のとおり総集編でありながら、数々の布石を散りばめており、中には不穏な要素も見られるのですが、本作らしく明るく締め、後味の良いエピソードとなりました。

 

ハルキが中心ながらも、周りの人たちが彼をどう思っているか、といった部分も感じられ、キャラ強度の高さを実感できるのも良かった点です。

ハルキとゼットが以前より近づきつつも、未だ完全に一つになりきれていないようにも見えるので、後半戦はやはり2人の関係性が肝になるかと考えられます。

 

ウルトラメダルの扱いに関しても、ハルキがゼロと会っている際にメダルに対しての敬意を見せていたので、メダルがただの力ではなく、ある程度意思を持った存在としてハルキを助けているという点も納得度は高く、やはり全体的にレベルが高い。

 

後半戦は飛び道具というか、色々刺激的な展開が待っていると思うので、今後も楽しみにしたいと思います。

 

あっさり風味ですが、今回はここまで。

 

 

次回、ここからが、真のゼットファイッ!!