episode.7「傷心」
(監督:石田秀範 脚本:荒川稔久)
「原点に立ち帰れば、何か分かると思って…」
遅々として進まない0号の捜査に進展を見出そうと、朝から0号襲撃の映像を見る一条さんのもとに長野県警からFAXで調査報告が届きます。
それを届けに駆け込んでくるうるさい婦警(演じるはメガイエローこと田中恵理氏)は一条さんに気がある模様ですが、現時点ではキャピキャピし過ぎてて、思った以上に第一印象が悪いです。
未確認生命体の脅威に対抗するために、対策本部に新たな拳銃が配備されることになり、射撃訓練に勤しむ一条杉田コンビ。
「これでも太刀打ちできるかどうか…」
「こんなもんもらったはいいが、あいつら人間に化けるんだろ?それでも俺たちは迷わず撃てるんかねぇ…こいつで」
「…やるしかありません」
前回から時系列が進んでおり、視聴者だけが分かる情報の一部が画面外で起こっていたと説明。
情報の錯綜を、複雑に描く作品では無いと記憶しているので、このやり方は正解だったと思います。
一条さんは0号が出現した九郎ヶ岳から、墓のようなもの=怪人が封印されていたと思われる遺跡がおよそ200発見されたことを報告書から知っており、0号事件の解決を急ぐのですが、そこに0号の犠牲となった夏目教授の妻と娘が訪問してきます。
一方、文明の利器であるラジオを仲良く聴いていた不審者チームのところに、バラ女が新メンバーを連れてきておりました。
早速旧メンバーを挑発してきた新メンバーに対し、俺たち先輩だぞもっと尊敬しろよと一触即発状態になる不審者チーム。
お互い怪人形態になったところでバラ女の制止が入り、更に今回出動する怪人としてバヂズ(演じるはニンジャイエロー・セイカイこと河合秀氏)を指名します。
「このままでは、主人もさぞ悔しかろうと思いまして…」
0号の捜査をしている一条のもとにやってきた夏目親娘は、何かのヒントにならないかと教授が発掘した出土品を持ってくるのですが、別の未確認による事件が発生したため、一条さんは城南大学研究室の場所だけ伝えその場を去ってしまいます。
一条さんが向かった東大井にて発生した事件は、人が頭から心臓を脳天から貫かれ、殺されている現場であり、弾丸なども見つかっていないその現場に残っていたのは、地面に空いていた一筋の穴のみでした。
本作最大の特徴として、場面が変わると場所と時間が表示されるのですが、一条さんと杉田刑事が映像を見ていた時からここまで1時間しか経過していないことが分かり、怒涛のスケジュールだなと改めてフィクション作品の忙しなさを感じます。
その頃、ポレポレの仕事を放棄していた五代は、桜子さんの解読した文字と、その内容を聞いてました。
「これを書いた民族の名前は、これ"リント"」
「リント…」
「で、そのリントに殺戮の牙を向けた種族はこれ"グロンギ"」
「グロンギって言うのか、やつら…」
ついに登場人物側も敵の名前を知ることになり、よしこれでやっとグロンギと書けると私もホッとしております。
そこに、一条さんにたらい回しされた夏目親子が訪問。
夏目教授の娘・ミカに笑顔を向ける五代ですが目を逸らされ、さすがにたじろぐ。
第2話での神父へのリアクションもそうですが、若干ネジの弛んだ善人でありながら、常識的な目線も少しは感じられ、人間味を与えられているというのが五代のキャラ造形の優れた部分です。
一条さんの時と同じように出土品を解析してもらおうとするミカは、五代に詰め寄ります。
「あの、これ、第0号の謎を解くのに使えますよね?使えますよね!?」
「…そうだね!」
適当に返事する五代ですが
「この人は、ここの人じゃないんですけど…」
「えぇ!?」
なんか、色々酷い。
私より最適な人がいるよと言った矢先、タイミング良くやってくるジャンでしたが、空気を読めず出土品の価値を語り出し、論文書いて一発当ててやるニキニキだー!とテンションアップ。
夢に向かって、飛び立て。
しかし、そんなジャンの態度にミカは
「触らないで!」と我慢の限界。
「どうして?どうしてそんな、何も無かったみたいな言い方するの?未確認生命体の、何かの手掛かりになるかもと思って持ってきたのに!皆そんなのどうでもいいみたいに!!」
「お父さんは死んだのに!!」
立て続けに発生する未確認生命体関連の事件によって、始まりの事件が忘れ去られてしまう=父の生命の尊厳が保たれなくなることを恐れていたミカは、その場を飛び出してしまいます。
その直後一条さんからの呼び出しで、科警研の榎田教授のもとにやってきた五代は、挨拶として例の名刺を渡しておりました。
「…何これ」
なんかやべーやつ来た…みたいなリアクションになる榎田教授は、東大井で発生した事件の手がかりを解析しており、被害者は毒の入った大きな針で貫かれており、アナフィラキシーショックで殺されていたと判明し、このことから今回現れた未確認生命体をハチ型の怪人と推測。
そしてその後、都内のあらゆる箇所で15分おきに螺旋状に事件が発生し、そのことを突き止めた五代と一条は次の被害が出るであろう葛飾区に向かいます。
前回の煙突と風の条件に比べて、随分と分かりやすくなりましたね…。
その頃、研究室を飛び出したミカは、公衆電話の110番で警察にメッセージを残してました。
「第0号の捜査を進めてくれないと…私、死ぬかも!!」
若干というかかなりめんどくさい感じになってきたミカは、電話ボックスを去り、どこかへと駆けていってしまいます。
葛飾区では、五代と一条の到着が間に合わず、新たな被害者が発生。
地上に降り立ち、何やら腕輪を操作しカウントするバヂズ。
そこにやってきた一条さんは拳銃で先制攻撃を与え、続いて五代もクウガに変身。
赤いマイティフォームで応戦するのですが、高所に逃げ込むグロンギ相手に、今日も階段を登るクウガ。
そしてそのままドラゴンフォームにチェンジし、スピード戦法にスイッチするも、今回の相手はスピードではなくステルス機能が高かったことに気付く前に、またも高所墜落の危機!
しかし、五代に宿ったベルトの本能が相手に反応したからか、何とか途中の手すりを掴んで踏ん張ったクウガの体色が緑色に。
…だが状況は好転するどころか、突然苦しみ出したクウガは、その感覚に耐えきれず結局高所墜落してつづく笑
正直、今回これまでの中で最も粗削りな展開でオチに困ったので、笑で締めさせていただきます。
演出的にもキャピキャピしてる婦警や、面倒くさい動きを見せるミカなどなかなかキツい要素も多いので、今までで一番見辛かったです。
次回、悪魔を射て。