うらひろの日記

その場で思ったこと、好きなもの、書いてみます。

ウルトラマンZ「獅子の声」

ウルトラマンZ』

第16話「獅子の声」

(監督:越知靖 脚本:小林雄次

「持ってる!持ってる!持ってない!!」

前回ベリアルメダルを奪われたことにより、自身所持のメダルを数えるセレブロは絶賛癇癪中であり、あっさり渡していましたが、ベリアルメダルを取られたことは想定外だったようです。

色々追い詰められて余裕が無くなってきたのか、最近は感情的な面が目立つセレブロさんです。

 

「獅子ヶ丘伝説か?」

ストレイジの方では、太平風土記に記載されている伝説についての調査を進言するユカ。

記述によると、周期的に観測される太陽の黒点が広がる現象が関係していると考えられ、本日が333年に一回の日であるとし、ユカとハルキが調査に向かうことになります。

周期を予測できる範囲のものを、当日調査に出るとか遅すぎると思うんですけど…。

申請が通らなかったとも考えることはできますが、ユカが隊長に子どもみたいにお願いしてるだけだったので、そういう推測すら筋が通らないので頭が痛くなりそうです。

 

曽祖母が住んでいた獅子ヶ丘町にやってきたユカはハルキに、かつてここでホロボロスという怪獣に会ったことを告白し、自身が怪獣にこだわるバックボーンを解説。

その直後、調査をしたり化石を拾ったりする姿が珍妙なテンションで展開され、こちらの温度は氷点下に。

 

正午になり出現した豪烈暴獣ホロボロスに対し、風土記の記述「潮騒のざわめき」=波の音だと考えていたユカはそれを聞かせて落ち着かせようとするも通用せず、ホロボロスは暴れ出します。

「ハルキ、私甘かったみたい。自分ならホロボロスの復活を食い止められるって信じてた、でも…」

自分の考えが通用しなかったことで、被害が広まることに反省の色を見せるユカ(思い出の地であり、思い出の怪獣であったことも影響してると思います)は良かったと思います。

 

「まだあるハズです!ユカさんだからできること」

そして、そこから仲間を励ます主人公力の高さを見せつけたハルキは、筋肉三倍盛りに変身。

ユカが地上で考えを巡らせている間に、背景で戦うゼットとホロボロスという画は面白い試みではあるものの、率直に見辛かったので、情報の取捨選択は大事だなと。

 

平成三倍盛りにチェンジし『ドクターストレンジ』のような戦闘方法をゼットが見せている間に、先程拾ってた貝の化石が潮騒の楽器だと気付いたユカは、それを機械で増幅しホロボロスを大人しくさせます。

無駄な抵抗はダメ、絶対斬り!!に怯んだホロボロスは帰宅しようとするも、そこに現れる一つの影。

「素晴らしい……

じゃねぇんだよ!!この借りパク野郎がッ!!!」

怒りのセレブロはホロボロスにギルバリス、ギャラクトロンMk2メダルを投与し、寄生破滅獣メツボロスに進化させます。

 

メツボロスの荷電粒子砲の直撃を食らい、苦しむゼットのもとに駆けつけ、ゼットを庇って倒れた先輩ジョーは今日もヒロイン力猛チャージ!!

 

「ホロボロスを楽にしてあげて!!」

無理にパワーアップさせられ苦しむホロボロスを解放するために、ハルキとゼットは再び黄金の力を手に取ります。

「闇を飲み込め!黄金の嵐!!」

これ前回言って欲しかったな…(笑)

「返せ!ベリアルメダル!!」

借りパクされたベリアルメダルに固執するセレブロですが、元はと言えばリク君先輩から無理やり作り上げたものなので、前回のハルキの宣言などとも繋げて、セレブロの発言自体が巨大ブーメランになって返ってくるという点は、終盤に向けて拾ってくれる要素だと嬉しい。

 

「しょうがねぇな、俺様が終わらせてやる」

尺の都合か、デスシウムスラッシュでさっくりと倒されたメツボロスは、ホロボロスの姿になり昇天。

このまま良い話風に終わるのかと思いきや、上空には巨大な蝶のような羽が輝き…モ、モスラ!?(違う

でつづく。

 

 

助監督として近年の作品に参加し、昨年『ウルトラマンタイガ』で総集編に登板し監督デビューとなった越監督が、今回初めて本編監督。

ビルを壁にして対峙してるところだったり、背景で戦っているゼットとホロボロスだったりは面白い場面だったと思うのですが、全体的にテンポが悪く、途中からダラダラ戦っているように見えてしまったことがマイナスポイントでした。

 

それとホロボロスの出現した獅子ヶ丘町は、かつて大海で現在は開拓され町になったという設定でしたが、あまりにも映像と設定がかけ離れてしまっており説得力がありませんでした。

現在の情勢を考えると、撮影の都合もあるとは思われますが、若手の監督だけにシナリオとロケーションの擦り合わせというものが上手く出来てないのではと邪推。

とはいえ、光る部分も多かったので次回も含め今後に期待。

 

シナリオの方も第8話でイマイチだった小林雄次氏のユカメイン回という、最初から期待値ハードルの低いところでしたが、ある意味期待通り。

ユカのバックボーンを掘り下げ感情移入を促す内容だったと思うのですが、背景が語られたからこそユカの奇行に納得ができず、却ってユカの好感度を下げてしまったのは失策でした。

正直、自分の中ではもうユカはどう転がしても面白くならないと思います。

まあ前回に比べエピソード単位でのまとまりは良かったと思うので、その点を考えると小林氏がサブライターとして重宝されてることには納得はできますが。

 

キャラクター頼りの脚本、挑戦的な戦闘シーンを盛り込んだ演出など、全体的に昨年を彷彿とさせる微妙なエピソードでした。

 

 

次回、その魔剣は普通のホモ・サピエンスには抜けない。