うらひろの日記

その場で思ったこと、好きなもの、書いてみます。

燃えろ!×4 モスラック

先週の「クウガ」を見逃してしまったので、これからTTFCで見て感想書きます…。

その繋ぎといってはなんですが、ちょっと前に鑑賞した以下の作品をどうぞ。

 

 

モスラ3 キングギドラ来襲」

以下、あらすじを交え感想を。

 

 

「生命ある限り 望み捨てず」

意味深な言葉から始まる本編、インファント島の遺跡にて謎の箱を開けるベルベラ。

そこにエリアスの2人が現れ、三姉妹が集結します。

今回は3人とも衣装がドレス風になっており、上品さが出ててなかなか良いデザイン。

箱にしまわれていた3つのチップのうち1つを回収したベルベラは、エリアスのトライアングルのことを仄かし退散。

 

残された勇気と知恵のチップを手に取り、なにやら普通のホモ・サピエンスには扱えなさそうな剣にセットしたエリアスA(大人しくモルと呼ぶことにします)は、妖精剣"知恵"をゲット。

自分だけ聖剣を手に入れたモルは、新たなる地球の危機を予感します。

「空から、恐怖の大魔王が降りてくる」

 

ところ変わって今回の舞台は山梨県富士吉田市、そう富士山にやって参りました。

富士山の麓に生活する園田家は家族仲が良く、平和に暮らしていたのですが、長男の翔太だけが何故か不登校自宅警備員になっていることが悩みでした。

そんな園田家、お母さんがツインテールで可愛げアピールをしており、子どもを連れてやってきたお父さん層にも気を遣った部分が見られます(違う

 

流星群が降り注いだ夜の翌朝、翔太を家に残し学校と仕事に向かう園田家。

翔太が警備員をやめられないことを心配する一同ですが、末っ子のたま子はその気持ちが分かると言います。

「嫌いなもの食べたら丈夫になるの?」

給食の時間に友達が、泣きながら嫌いな食べ物を食べてることを引き合いに出し、我慢して残さず食べることが必ずしも正解なのか、そしてそれは相手にも自分にもウソをつくことになるのではという小学生らしい視点で、教育に対して問題を提起してきました。

 

そんな中、福井県勝山市に隕石が落下し、その調査に向かうエリアス。

「また来たのよ…1億3000年前に、恐竜を殺したやつが」

石油に似た何かのエキスが充満した場所で、かつて恐竜を滅ぼした存在の再来を確信するモル。

そしてその予感通りに謎の怪獣が出現し、日本中の子どもたちが次々と連れ去られていってしまいます。

 

「2億年も生きてると、こういう能力も身につくのか」

今回も怪獣チェックを欠かさないベルベラさんと、その怪獣を調査するエリアス。

最大の脅威を前にモルは、

モスラを呼びましょう」

早いな。

とうとう山梨県に到着した大怪獣・キングギドラを迎え撃つため、モスラが出撃します。

今回のキングギドラはあちこちが角張ってて、造形がカッコいい。

 

その頃、普段から仕事をサボって自転車で富士山麓の風穴を調査していた自宅警備員翔太は、麓に出現して卵のようなドームを目撃。

そしてその中には、日本中からキングギドラによって捕まえられた子供たちが閉じ込められていました。

得体の知れない空間で泣きじゃくる子どももいれば、小さい子を心配してるしっかりした高学年の子もいるなど、細かい部分も描けてるのは良かった点。

 

恐らく養分とするために子どもたちを捕らえたのだと考えられるキングギドラに対し、早々に出撃したモスラが背中から奇襲!!

全身から羽ビームを照射するなど、相変わらず容赦の無い殺意を向けるモスラの不意打ちにも怯まず、空中戦を展開するキングギドラ

背中を取られたモスラは、そのままキングギドラプレスで地面に墜落!!

踏み付けられ、噛まれ、なす術なしのモスラに追い討ちをかけるように、エリアスB(大人しくロラと呼びます)が洗脳され、エリアスが万全で無くなったことでモスラは100%の力を発揮できずに敗北。

 

モスラを退けたキングギドラは、更なる養分を求めてまたも日本中を駆け巡り、ついには翔太の弟と妹までドームに転送してしまいます。

このシーンに限らず、本作登場するモブの量が半端なく、そのため連れ去られる子どもたちの姿が非常にショッキングに描かれているのが印象的です。

 

今回は下僕にしなくていいかなーとドーム周辺を飛んでいたベルベラですが、ドームから生えてきたキモ触手に捕まり監獄入りさせられていた頃、同じくドーム周辺にいた翔太にモルが接触

キングギドラに操られたらしいロラもドームの中に囚われているらしく、中にいる子どもたちを助けるため、2人(と1匹)は手を組みます。

前作のダガーラ同様、今回のキングギドラも性格が悪く搦手を使ってきております。

 

自宅警備の傍ら、富士山の風穴調査に余念の無かった翔太と共に進むモル。

「さっき三姉妹だって言ってたろ?」

「姉が…」

何気ない質問に口籠るモルの反応を見て、同じ長子である翔太は色々勘付きます(細かいことに気付くタイプなのでこの流れは自然)。

「長男とか長女って、辛いんだよな」

自身の境遇に重ね、ベルベラが悪に染まってしまったことに何か理由があったのではと考える翔太。

まあ不在の場所で勝手に「拗らせたやつ」扱いされてるベルベラさんは確かに可哀想。

「大丈夫、モスラは良い人と悪い人を見分けられる」

そんなベルベラさんはドーム内で操られたロラと対決。

「ロラ…モスラはどうなるんだ?」

思わず剣を抜いてしまうベルベラですが、妹相手に本気を出せず敗北。

機能停止したガルガルの両足に挟まれ行動不能に。

 

不意打ちこそ成功したものの全く歯が立たなかったキングギドラに対し、過去に行ってまだ強くなる前のやつを倒せばいいのでは?という発想に至ったモスラ

それは悪役がすることです。

一応、これまで宇宙で頻繁に発生した生物の大量絶滅の半分がギドラ族のせいだと理由を付け、自身の行動を正当化するモスラとモル。

何でそんなこと知ってるのかということと、もしかして残り半分は…ゲフンゲフン

まあ一作目のデスギドラも同族だと思われるのでなんらおかしくはないのですが、エリアス自体がどうも信用ならないので…。

 

「どんなに辛く苦しくても、しなければならないことはあると…」

過去に行けても戻ってこれない可能性が高い中、モスラの強い決意を代弁するモル。

そんなモスラの想いを汲み取り、信じて待つことになる翔太。

「心は届く…?」

モスラダガーラを倒したスーパーXモスラにゼロツーライズし、白亜紀にタイムトラベル。

話の流れ的にここでモードチェンジする必要は無かったのですが、前回大活躍したSXモスラをまた見ることができて、最終作として良いサービスシーンだったと思います。

 

過去に向かったモスラですが、いくら過去のキングギドラでも今の傷ついたモスラでは苦戦は必至。

キングギドラとの戦いで息絶え絶えのモルは、ドームに囚われているロラの救出が必要だと翔太に呼びかけます。

モスラキングギドラに勝つには、ロラの力が必要です…将太さん」

「…俺!?」

相変わらずハードルが高い。

しかも「あとは…分かるな?」みたいな言い方するのがキングギドラに負けない性格の悪さを感じさせます。

 

「あなたは誰かが見逃してしまうことまで気付く人。だから、時々無神経な世界に耐えられなくなるんです」

しかしモルは不登校になっていた翔太の本質を見抜いており、何かに気付く=誰かを思いやれる心を持っている翔太に希望を託し、絶命。

翔太が細かいことに気付くという点は冒頭から見せてはいましたが、無神経な世界に耐えられないという要素は若干薄かったので、少し唐突に感じました。

強いていえば両親が子どもの感情に疎すぎるような場面は見られたのですが、翔太自身が感じてた葛藤は"学校"でこそ発生していたと思われる(だから不登校になってた)ので、少しピントがズレてしまったような印象。

冒頭での給食の好き嫌いの件もそうですが、この時期から「凝り固まった教育姿勢への疑問」というテーマは注目されてきていた時期だったのかが、少々気になります。

 

「ちょっと待って、今心の準備をしてるんだから」

モルに使命と妖精剣を託された翔太はフェアリーに急かされ、ドーム内に侵入。

「どんなに辛く苦しくても、しなければいけないこと…」

前作までエリアスのタクシーであり戦闘機でしかなかったフェアリーですが、本作では何故かすごく感情的。

一方、翔太を探し富士山を練り歩いていた園田家両親は、風穴でママが断崖から落ちかけ、急速にヒロイン力をチャージ!

メイン観客である子どもを映画館に連れてきたお父さんへの配慮も(ry

 

時は変わって恐竜時代。

非常に安っぽいミニチュア恐竜が闊歩する白亜紀にカチコミをかけたモスラは、数時間パタパタしたうえで過去のキングギドラとついに遭遇。

走りながら光弾を吐くという迫力いっぱいの過去ギドラと互角の戦いを演じるモスラは、過去ギドラの尻尾を切り落とすことに成功するも、またも噛みつき攻撃によってついに羽を食い破られてしまいます。

 

ドームに侵入成功した翔太は、ロラに遭遇。

「ロラ、モルの最期の頼みなんだぞ」

ベルベラに後押しされた翔太の呼びかけによりロラは正気に還り、そこに3つの剣とチップが集う。

「勇気と知恵と愛、その3つが合わさって初めて力になるんだ」

エリアスのトライアングルを手に入れたベルベラさんの担当は"愛"でした。

 

過去ギドラの追い討ち光弾で黒焦げになっていたモスラでしたが、ロラの祈りで何かを閃き鱗粉攻撃を展開。

更にお得意のサルベージ戦法で、自分もろとも過去ギドラを太古の火山にポーイッ!!!

過去ギドラが倒れたことにより、現代のキングギドラとドームが消え、子供たちと解放されます。

そこに駆けつけた園田パパママですが、この人数一体どうしよ…と思っていたに違いありません。

 

相打ちになったかと思いきやなんとか脱出してたモスラですが、現代から過去と戦ったことで傷は深く、その場で力尽きてしまいます。

しかしその朽ちたモスラのもとに、3体の原始モスラ(幼虫)が現れモスラを繭に包みます。

一作目において、過去にモスラは多く存在していたことから登場自体は自然ですし、3体ということでエリアス三姉妹とも重ねられており、3つの心が一つになればゲッターガッツ!!!

 

しかし現代では、切り落とされた尻尾が生きながらえていたため、まさかのキングギドラ復活。

園田三兄妹を除いた子どもたちは、またも捕らえられてしまいます。

そこに駆けつけたのは、フェアリーに跨るベルベラ!!

「エリアスのトライアングルは、私たち3人のことだったんだ」

「私たち3人の意見はバラバラだった。でもそれでいいんだ」

「行くよ!!」

ここにきてベルベラさんがめちゃくちゃカッコ良くて、すごく良い場面でした。

一作目の時点から単純な悪役には見えず、二作目では妹たちや地球を思うあまり環境テロリストと化したベルベラですが、最後まで立ち上がろうとする長子の姿をフェアリーに跨ることで見せたのはすごく良かったです。

「憎しみや怒りのワケを探すんだよ!優しさは何よりも強くなる!勇気や知恵よりもね!!」

 

決して絆を諦めない、それが家族!!と何かに気づいたロラと翔太たちの前に、土砂崩れの中から出てきた繭!

「どうやって戻ってきたんだ?」

「タイムカプセル…」

それは過去に飛びそのまま眠ったモスラのタイムカプセルであり、割れた繭から飛び出したのは、地獄から蘇り、また目つきの悪くなったヘルライジンモスラ!!!

「そうか!行きは特急で帰りは鈍行か!!」

 

ブルーとイエローが基調カラーとして配されどちらかというとシャイニングアサルト寄りのヘルライジンモスラは、キングギドラの攻撃をものともせず、さっくりと翼を切り落とします。

モスラ伝統のパワーアップしたら圧倒、を今回ももれなく発揮し、シャイニングストームアタックでキングギドラを空中爆殺。

宇宙の脅威に、太古から受け継がれた絆が勝利したのです。

 

「剣をモルに?」

戦い終わり、力尽きたモルに対し剣を掲げたところ剣は消失し、モルが蘇ってしまいます。

うーん…二作目の密猟者治療もそうでしたが、対象年齢層への意識があるとはいえ、あっさり蘇生させすぎてやはりモスラの存在を胡散臭く感じます。

「本当だったね。手は届かなかったけど、心は届いた」

 

キングギドラが完全に倒れ、今度こそ解放された子どもたちは富士山にて、自分たちの親と再会。

モブキャラの動員数が屈指の本作ですが、このために取っておいたというのならとても納得。

拐われた子どもたちを心配する親の様子が要所要所で挟まれていたことで、恥じらいもなく親子愛を描き通したうえでのこの場面は、間違いなく名シーンでした。

 

もちろんそこには園田家の姿があり、ついに三兄妹と両親は再会。

それを見つめるフェアリーに跨るエリアス姉妹。

ここでモルとロラの位置が普段と変わってるのが細かくて良い。

これかも地球は大きな愛と優しさで守られていくでしょうで、エンドクレジット。

 

 

平成モスラシリーズ三部作の完結編ということで、これまでの要素を入れつつ、多くのテーマを含有した作品となりました。

しかしそのテーマ自体が割と重く、例えば翔太が自宅警備員になった理由がセリフのみで説明され、実際にそういった描写が無かったりしたのは、扱ったテーマが面白かっただけに少し残念でした。

 

平成ガメラシリーズでも同じなのですが、完結編の三作目となると一作目の要素が強く出てると感じます。

今回敵として立ちはだかるのは、一作目と同じギドラ族のキングギドラだったり、主人公トリオが兄妹に戻ったりなど色々…。

その中でも学校が襲われたり、スーパーXモスラが再登場したりと二作目の要素と拾ってくれたのは嬉しかったところです。

 

若干場面が飛び飛びになってたり、複数のテーマが上手く噛み合っていなかったりと物足りない面はありましたが、楽しく見ることができました。

またシリーズまとめで色々書けたらと思いますが、少し時間を置きすぎたので書けるかどうか…。

もし書けたらまたお付き合いください。

 

以上、長くなりましたが「モスラ3 」感想でした。

お付き合いいただきありがとうございます。