うらひろの日記

その場で思ったこと、好きなもの、書いてみます。

愛のままに わがままに

大激闘 マッドポリス'80

第3話「狙撃者を撃て」

(監督:長谷部安春 脚本:峯尾基三

 

「ジャパンマフィア城西支部、高松総業幹部・神保雷蔵、本部への上納金6千万円余りを横領して逃走。全国のジャパンマフィア組織に直ちに回状が回され、この男の首に懸賞金が付いた。3ヶ月前のことである。

 その情報をいち早く掴んだ東京地検特捜部は、都内に潜伏中の神保と極秘裏に接触を持った。その結果、身辺警護と刑事訴追の免責を条件に、ある事件の証人に立たせることになった。

 その事件とは、ジャパンマフィアの政界工作の一環として多額の政治献金が発覚、贈賄容疑で高松総業社長・高松麻男が逮捕され、クロシロは法廷の場へと持ち込まれていた。その黒いカネの運搬役を務めたこの男・神保は、検察側にとって文字通り"切り札"となる人物である。

 氷室たちマッドポリスは、3日後に控えた裁判の日まで、この有力な証人を組織の手から守らなければならなかった

 

冒頭から長文のナレーションで説明が入り(実際、ナレーションじゃないと説明しきれない情報量)、検察庁でタバコをふかしながら警護の任に就くことになるMP。

裏切り者の始末に駆り出される構成員の対処や、検察庁とJM間の繋がりも否定できないことから、特捜部の指名があったとのことであり、前回のNo.1坂本の存在も活きて納得度の高い展開。

「まあ幸か不幸か、俺たちマッドポリスとしては、特捜部に見込まれたっちゅうわけだ」

 

3日後の裁判まで神保を護衛するため、神保を乗せたジープで隠れ家に向かうMP(運転席でタバコをふかす氷室が最高にクール)ですが、そのジープをつけ狙う存在を松村と氷室が察知。

「…尾けられてるな」

「尾けさせましょ…」

無言で笑い合う2人…

※警察官同士の会話です。

 

到着した潜伏先にて、神保から取り調べもとい事情を聞き出すMP。

組織の金を奪い逃走したことで、その隠れ家を知っていたと目された愛する女性を組織に殺されてしまい、怒りのまま神保は組織の情報を検察に売ろうとしていました。

その亡骸はなんと全裸で川に打ち捨てられており、物理的にだけでなく、女性としての尊厳も大きく傷つけられた状態で発見されたという形でJMの悪辣さを強調。

「あいつの落とし前は必ず付けてやる…裁判で何もかもぶちまける…!」

女性の写真を燃やしてカッコ良く宣言する神保ですが、元はと言えば、金に目が眩んで持ち逃げした自分が原因なんですが…。

 

夜になり、尾行していたJM構成員が神保隠れ家を奇襲し発砲!

しかしそれはMPの仕掛けていた待ち伏せの罠であり、氷室たちは今回の指示者を聞き出そうとするも、狙撃によって構成員は全員射殺されてしまいます。

物陰に入り暗視ゴーグルで狙撃者を見つけた氷室は新田を連れて追跡に。

軽々しくフェンスを越える2人がカッコいい。

「この距離から4人を狙い撃ちとは、痺れるような狙撃の腕ですね…」

追跡中にジョニー大倉氏演じるスナイパーと接触した新田はワンパンで気絶させられ、拉致されて拷問されることに。

 

神保に(死体の)写真を見せ、射殺された4人はJM連中であることを確認し、更に射撃の腕が立つ者の存在を聞き出そうとするも、

「俺だって、この世界で15年生きてきた男だ。ウチの連中のことは、一人残らず知ってる……そんなやつはいねぇ」

という発言に、本当にこいつ長い間組織にいたのか…?と微妙な空気が流れ始める隠れ家(笑)

勤続15年の割には6千万円程度の金で組織を敵に回し、自分の女を殺されたと逆恨みして証人になろうとするなど、神保が悪い意味で命知らずの無能にしか見えないのが今回困惑するところ。

「やつを罠に嵌めたはいいが、こっちも犠牲を出した…新田がやばい」

罠に嵌めようとしたら返り討ちに遭うのがこの世界のルールです。覚えておきましょう。

 

翌朝、氷室以下芹沢と進司のヤクザチーム2名は、社長不在の高松総業を指揮する幹部の中岡を尾行…かと思いきや拉致・暴行。

昨晩の構成員死体を見せつけ自白を迫るも、容疑を否認する中岡に対し、

「…顔洗ってやれ」水の溜まった洗面台に顔を押し付けるヤクザチーム。

割と長い時間水に顔を押し付けられたことで観念した中岡は、自分は指示で動いていたのみであり、その指示を出していたのは元レンジャー部隊出身の殺し屋・古賀礼二であることを白状。

古賀は拉致した新田を利用し動いてくることが予想されるため、対応が後手に回るMP。

 

当の古賀は富樫と接見しており、神保が証言することで複数の代議士の名前が流れ、これまでの政界工作が台無しになることを食い止めるよう毎回恒例の圧力をしっかりと掛けられていました。

「先生もお前の腕を頼りにしておられる…やれ、必ずだ」

 

その古賀からMPに新田と神保の交換の要求電話が掛けられ、その対応において「神保なんかくれてやりましょうよ!」と神保に対して割と優しい態度を見せていた進司も、このように声を上げるくらいに追い詰められていました。

「要求は飲めんが、一応相手の誘いには乗ろう」

今、新田のヒロイン力が試される。

 

またも古賀から掛かってきた電話に今度は氷室が応答。

毎回氷室を指名する古賀が何か面白い(笑)

新田の無事を確認した氷室は、神保を新田と交換することに承諾、したかと思いきや

「要求は無視」

逆探知で敵のアジトを特定し、今日も大量の銃火器ノルマを達成しMP出撃!

その頃、新田は謎の地下室に連れ込まれていました。

「考えても見ろ、神保は重要な証人…お前とじゃ比較にならん」

 

敵アジトの工場に到着した氷室以下ヤクザチームは奇襲を仕掛け、新田の救出に向かいます。

取り押さえた構成員の銃声で奇襲に気付かれてしまう進司という描写が細かい。

「おい!俺たちの仲間どこだ?」

死体を盾に敵を炙り出し返り討ちの発砲!を浴びせた氷室の発言が、先程の古賀のセリフと対比されておりカッコ良かった場面。

しかし、急所を撃ってから聞くな。

 

何とか地下室を探り当て新田を救出する氷室以下ですが、案の定それは罠であり毒ガス缶を放り投げられた部屋に閉じ込められることに。

氷室以下新田を加えた筋肉ヤクザチームが毒ガス吸って御陀仏になりかけながらも、こんなむさ苦しいやつらと心中してたまるかと頭をフル回転させた氷室は、マガジンから抜いた弾丸の薬莢から火薬を抜き集め、即席爆弾を作り部屋の扉を破壊する。

それと並行して、神保が運ばれてくるであろう地裁周辺のビルにて狙撃の準備を整える古賀は、予定通り神保を運ぶムーディー組の到着を待っていました。

 

地裁に到着し、神保をジープから降ろそうとする松村に、罠をすり抜け間一髪で届く氷室の連絡。

罠に嵌めようとしたら、返り討ちに遭うのがこの世界のルールです。

神保が狙われていることでムーディー組はその場から動けなくなるものの、公判の時間は迫っており、早く証言したい神保は降りたいと駄々を捏ね始め、それを殴って黙らせる松村。

氷室以下筋肉ヤクザチームも地裁に駆けつけ、そこで拷問され徹底的に身体を痛めつけられていたハズなのにピンピンして職場復帰する新田。

前回、四方八方囲まれて銃撃戦を展開していた中で一切被弾しなかったMPですが、被弾していなかったのではなく、並の銃弾が効かない程の強靭な肉体を持っている未確認生命体説が浮上してきました。

 

現場に到着しながらも、古賀の狙撃位置が掴めず迫る公判の時間。

氷室はこの状況において、一か八かの勝負に出る。

「証人を車から出してくれ!狙撃点を探ろう」

「…何だと?」

「古賀は神保を狙撃する、その前に俺たちが古賀を倒す。やってみよう」

※警察官のセリフです。

「…やばいな」

難色を示しながらも、他に手は無いと了解した松村は、警戒しながら神保をジープから降ろし、その後あっさり古賀を見つけ出す氷室。

スコープにめちゃくちゃハッキリ映る古賀の注意を新田が引き、一瞬のスキを突いて発砲!した氷室スナイパーライフルの弾丸が古賀の左胸に突き刺さる!

 

悪魔のスナイパー古賀は倒れ、神保は無事、検察に引き渡されることになり、今回も勝利したマッドポリスに目をやる三田村富樫…。

 

「神保の証言を得て、ジャパンマフィアと政界との黒い癒着にメスが入れられた。マスコミは東京地検特捜部の活躍を讃え、ジャパンマフィアへの不屈の戦いを持ち上げた。

 その陰に、氷室たちマッドポリスの活躍があったことは、誰にも知られていない

 

 

パイロット2話を終えた後の初回ということで、発砲と爆破が抑え気味のやや大人しかった回。

地味なりに即席爆弾作成の手順など凝った展開を見られましたが、速攻でピンピンしてる新田や、あっさり見つかってしまう古賀など、終盤の展開にやや無理があったように見えました。

 

また先述の通り、今回のキーマン神保のキャラ設定がめちゃくちゃな点。

JM勤続15年でありながら、本部への上納金たった6千万円を持ち逃げし、それが原因で自分の女を殺されたことを逆恨みして東京地検に重要な情報をチクろうとするなど、身の程知らずの小物感が激しく、おまけにスナイパー古賀のことも把握していないなど、その行動と持ち合わせてるデータに奥行きが無く、"特捜部における重要な証人"という存在として説得力が薄かったのも辛かったです。

全体的に間延びしている演出も見辛く、前回予告から結構期待して割にあまり伸びの無かったエピソード、という印象。

 

まあところどころ入るアクションや、今では絶対見られない全裸で打ち捨てられる女性の姿など、見どころも多く、最後のナレーションもマッドポリスそのものの生き様を見ているようで良かったです。

 

 

次回、女か、総監か