うらひろの日記

その場で思ったこと、好きなもの、書いてみます。

あなたはそこにいますか?

ガールガンレディ

第1話「真夜中の光弾女子高生」

(監督:瀧悠輔 脚本:宮本武史)


「私、ちゃんといるよね…?」

教室の中で孤立し、自身の存在意義に迷いを抱えている女子高生・立花小春は教室に鎮座していた座り主不明の机を運んでる途中で転んで怪我したことで仮の保健室(多目的室を仮使用)に向かい、勤務中に保健室でプラモを作る保険の先生と遭遇。


「なんか神様と同じだと思うんだよね…」

実はプラモ好きだった小春がプラモに目を輝かせているのをいいことに、自らのプラモ愛を女子高生に語り出す先生が限りなくアウトなのですが、そこに生徒会長であり小春の幼なじみである門脇松子が出現。

職務中にプラモを作ってる先生の勤務態度に対し生徒会に苦情が来てるらしく、それを注意するために定期的に見回りをしているみたいなのですが、松子は過度にプラモデルに拒絶反応を見せます。

「プラモデルなんて…くだらない」

ただこの場面、先生はどちらかというと保健室でプリンアラモード食ってる方が危ういように見えるのが困惑します。


ガールガンレディ…特別なプラモデルさ。今手に入れなければ、もう二度と手に入らないだろうね」

放課後、プラモ熱を刺激された小春は、濱田岳が店主として勤める模型店ヲタク心をくすぐられていた。

「このプラモデルたちは、持ち主の人生を変えると言われてるんだ。かくいう私も、変えられてしまった一人だけどね」

「人生を変える、か…」

ちょうど現在土曜日の朝に『ティガ・ダイナ・ガイア』が放送されてるのも働いて何だか色々気になってしまうシーン(笑)

美少女キャラのプラモである"ガールガンレディ"と対を成す銃型のプラモ"アタックガールガン"に不思議な魅力を感じた小春は2つとも我が家にお迎えし、その晩早速ニッパーを使ってプラモを組み上げる小春、と同時に流れ出す謎の歌とダンスムービー。

歌詞をよーく聴いてみると…先生のプリンアラモードは伏線だったのか!?


プラモを組み上げた達成感からか(のめり込むと時間を忘れると保険の先生から言及はあった)そのまま眠りについた小春は直後、なぜか無人の教室に立っており、そこで自分が作ったプラモの少女ガールガンレディ・アリスと遭遇。

状況がよく飲み込めないままの小春であったが、そこに突如発砲!が差し込まれ、更に自分のチームメイトを名乗る夏菜秋帆(机を運んでいた際に激突した2人組)が出現。

頭を整理できてない中でアリスから拳銃を渡され「ようこそ、ガールガンファイトへ!」と言われたことで小春は遂にパニック状態に。

何も出来ず逃げ回る小春をよそに、チーム戦で敵プレーヤーを倒したら勝ちルールになるゲームが展開される中、銃を横に倒し構える夏菜先輩がオシャレ。

「もうやるしか無いんだよ、私たちは」

ここで敵チームのプレーヤーである水野さん(小春のクラスメート)が弾丸を切らしており、バトルフィールド内にプラモのランナーとして置かれている弾丸をその場でニッパーして補充する姿も描かれ、本来プラモデルの宣伝番組であるため当然の描写と言えますが、独特な味を出していて悪くないシーンです。


「ハル先輩撃ってください!ほら今なら簡単ですよ、パカーンと」

「小春、撃って」

「…無理だよ」

立て続けに起こる理解不能な出来事に付いていけないながらも、敵プレーヤーを倒す機会を得た小春は命乞いするプレーヤーに銃を向けるも、引き金を引くことができずまたも逃走。

バトルフィールドの校舎内でうずくまる小春の前に現れたアリスは

「好きなものに対しては決して妥協はしない。のめり込んだ時の集中力なら、誰にも負けない。それが、小春の最大の武器になる」

「小春、力を貸してほしい。私たちにはあなたが必要なの」

などと小春を歯の浮くような甘い言葉で褒め殺し…ではなく鼓舞し、小春は渋々ながらもチームのメンバーと共に戦うことを選ぶ。


体育館に陣取っていた敵チームの前に現れた小春は銃を足元に置き投降する姿を見せ、水野さんはすかさず彼女に歩み寄り、

「立花さん、ありがとう…バカ過ぎて○×△なる!!※何言ってるか聞き取れませんでした。

間抜けな逃走姿を見せる小春(役者さんは素で運動が苦手だったりするのでしょうか…)はもちろん誘き出し要員であり、仕掛けた罠がしっかりと作用する世界線でもあったことから隠れていた夏菜先輩と秋帆の発砲!により水野さんをデリート。

夏菜先輩マジカッケェー

勝利を収めたアリス率いるアルファタンゴでしたが、小春はそのまま気を失ってしまい、直後寝落ちから覚めたように自分の部屋に戻っていました。


翌朝、教室にやってきた小春はいつも通り友人と談笑する水野さんを目撃し、昨晩の出来事が夢であったと安心したのも束の間…

「夢じゃないですよ?」

現実ではまともに話したことの無かった夏菜先輩と秋帆が彼女の前に現れ衝撃の事実を口にし、水野さんは生徒会長・松子に冷酷に声を掛けられていた。

「次は、あなたが消える番かもね…」

 


ガールガンレディ!!!

 


最後で全部持ってくな!!

※BGMの最後になぜかセリフが入っており、タイトルを読み上げ終わりというよく分からない現象が起きました。

 

 


第2話「無邪気な殺戮者たち」

(監督:瀧悠輔 脚本:宮本武史)

 

冒頭、小春は夏秋コンビによるガールガンファイトの世界はいわゆるパラレルワールドで、現実世界には影響しないという説明があり、何故か丸底フラスコやビーカーでタピオカミルクを飲んでいる小春たちが所属するチームがアルファ・タンゴ(イメージカラー:青)であり、前回対戦相手でもあった水野さんが所属するブラボー(ピンク)の他にチャーリー(黄色)、デルタ(黒)の4チームが存在し、毎週火曜日に行われる試合の年間勝利ポイントを競い合う競技であると聞かされる。


「そういう摩訶不思議系は、考えても全て無駄案件です」

「だから、私たちは優勝目指して集中すればいい」

質問を一切受け入れてもらえず、なし崩し的に他チームを撃ち抜く弾丸になれと言われ最初は戸惑うも、プラモの出来が銃のスペックに直結するというこれまた謎なルールが適用され、技術屋としての側面を発揮した小春は夏秋コンビにプラモのことを教えてほしいと笑顔で言い寄られ、友だち付き合いの不足からか結局嬉しそうに入会してしまい、今回のダンスパートはまさかの3人グループに変わり、早速定型を崩してまいりました!

…まあ女子高生がひたすらプラモを組む作業が面白くなるとは思えないので、ダンスと歌で一応盛り上がりを作ろうという意図は分かりますが。

しかし秋帆のメガネを外して踊らせてしまったのは、映像的に分かりづらくなったのでそこは惜しいところです(何が


「いつまでバレずにやれますかね…これ」

小春が夏秋コンビと分かれた直後、秋帆は不穏な一言をポツリと呟いていた…。

てかダンスパートOPより先に流れた?


放課後、前回と打って変わって好意的に話しかけてきた水野さんの誘いを蹴り、保健室で先生とプラモ談義をする小春。

そういうところだぞ!

先生も先生で、可愛い女子高生が毎度目をキラキラさせてやって来たらそりゃ勤務中のプラモ作りもやめられないワケで、そこにまたも見回りにやってきた松子が、定期的に見回りしてるというのに妙な説得力が生まれるのはもはや事故と呼べるでしょうか(笑)

「ねぇ松子は?プラモデル…」

「言ったよね?もうやらないって」

松子の頑な態度はは子どもの遊びを嫌っているそれなのか、または…。


前回プラモを買った店の店長に現状報告をし、自己肯定力を高めた小春はプラモに人生を変える力があることを実感。

そして今晩も夜中の12時の定刻となりトロンの如く転送されてきた女子高生たちは、今回総当たり戦で30分間で多くの敵を倒したチームが勝利するというルールのもとガールガンファイッ!

同じ頃、1話の終盤でも見せていた訳知りな態度の松子が模型店を訪れ、美少女プラモを見てニヤけている濱田店長に何やら突っかかろうとするも「今いいところなんだよ」と追い出されていました。

松子の、そして濱田店長の目的とはいかに。


小春たちが補充用の弾を回収してるうちにチャーリー、デルタ、ブラボーと立て続けに女子高生たちがバトルフィールドの体育館に集っていき、各チームの特色を見せるのと、高低差を活かし学校の備品を挟んで銃を向け合うというシチュエーション自体は良かったのですが、全員が全員背中がガラ空きなのでどうも緊張感に欠けるのは残念なところ。

おまけに銃を向けられてるのに考えなしで動き回る水野さん他の行動もどうしても間抜けになってしまい、制限時間が迫ってるという言及はあるもののもう少しキャラの考えを巡らせてほしかったです。


「水野さんを倒せば…勝てる」

冒頭の説明にてファイトがゲームであることを理解した小春はブラボー最後の一人であり脚を負傷した水野さんをロックオン。

「やめて…助けてお願い!死にたくないッ!!」

「ズルいよ!そういうの…また次頑張ればいいじゃん」

「何言ってんの…私"ラスイチ"だよ!?」

「ラスイチ…?」

不可解な言葉に動揺したスキを突き、銃を拾った水野さんは小春を射殺しようとするも、ひっそりと距離を詰めていた夏菜先輩が至近距離にて発砲!し水野さん撃破。

夏菜先輩マジカッケェェェェェ!!!!!


「プレーヤーを全滅させるなんて、コマンダー失格…」

チーム全滅したブラボーのメガネ司令官(プレーヤーに問い詰められるほど気の弱い性格)はその場で消滅しプラモに戻っていたのと同じ頃、小春たちアルファチームは勝利を分かち合いここでログアウト。

 

翌日、いつも通りHRが始まった小春のクラスでは席の主が判明しない机が教室に鎮座しており、

「水野…なんていないでしょ?」

担任の先生すら水野さんの存在を認知しておらず、水野さんを覚えていたことで教室にて電波人間扱いされた小春は秋帆にその疑念をぶつけることに。

バレるの早いな!

 

「あぁ学校からじゃなくて、世界から消えたんです」

「…何言ってるの?」

ガールガンファイトでプレーヤーに与えられたライフは3つまでであり、水野さんは昨晩の試合にて残り1つのライフを無くしたことで世界からその存在を抹消されたのだと秋帆は語り、ただしそれは現役のプレーヤーを除く世界中の人間が対象であり、1話冒頭時点でプレーヤーでは無かった小春は不在だった机の主を思い出すことができないという事実がそれを裏付けするというエグい展開。

「悪趣味ですよね、机だけ残すなんて」

もう隠す必要は無いと開き直った秋帆は続けて、小春が加入する前に参加していたプレーヤーたちが迷ってる間に何人も射殺され世界から抹消されていたこと、ファイトに優勝することでこの戦いから抜け出せることを小春に説明。

「優勝するしか無いんです。クラスメートを、殺してでも」

秋帆の発言からは一種の諦めと割り切りがある中、ファイトを主催してる誰かしらの意思に嫌悪感を抱いてるようにも見えるのが面白いところ。

そして小春を騙してチームに参加させていたのは、小春を励まし鼓舞していたコマンダーのアリスであった。


水野さんの家を訪問した小春は、改めて彼女が世界から存在を消されたという事実を再確認するのと同時に、夏菜先輩が彼女のラスイチを奪った罪悪感から水野家を訪問していたと知る。

「でもアリスを恨まないでほしい。実はさ、私もラスイチなんだよ

放課後の部活中、小春に衝撃の事実を告げアリスが小春を騙していたのは残機1の歴戦の猛者・夏菜を失わないためのコマンダーとしての冷徹な判断であったと先輩によるフォローが入り、このタイミングで前回から校舎に高く掲げられていた、夏菜陸上競技全国大会出場を祝う横断幕に目線が向けられ、人間の記憶だけでなく、その人が積み上げてきた努力や功績すら世界から抹消されるという残酷な事実に向き合うことを強いられ、非常に容赦の無い展開。

「ねぇ…あの水野って娘にも、夢ってあったかな?私…消えたくない……!

戦いの大地に片足を突っ込んだ女子高生たちの未来は、一体どこに向かうのだろうか。

そして抹消された水野さんの補充要員として新たにブラボーに加入するべく校舎を歩く人物がいた。

その姿は、ピンクの制服に身を包んだ…門脇松子であった

 

 

 

バンダイスピリッツ主導のプラモデル販促番組として制作された本作。

当初は見るつもりはありませんでしたが、何となくネットの評判なども見るに沸々と興味が出てきたので、配信も充実していたことから視聴。

拳銃の弾丸がプラモのパーツであり都度組み立てる必要がある、プラモの完成度が拳銃のスペックに直結する、アタッチメントで戦闘スタイルを変えられるなど上手く物語を組み立てられており、設定自体はありふれたバトルロワイヤルものでありながら、プラモデルを中心に据えたストーリーは特徴的で割と面白いです。


前述の通り、緊張感の欠けたミリタリー描写や妙にメイクが凝ってる傷の描写が一周回ってチープに見えてしまったりなど、B級映画をバラして地上波放送してるというイメージがどうも抜けず、まあ確かに好評にならないワケだと思うところです。

演じている役者陣も演技経験の浅い方が多いらしく、ところどころでキツい描写(チャーリーが見せたトリッキー戦法はもうちょっと頑張ってほしかった)が見られたり、目のやり場に困るダンスパートなど、役者の押し出しはやや方向性の修正を願いたいところ。

 

反面、シナリオ面は非常に手堅く作っており、立ち上がり2話で各チームの陣容や特徴、世界観の説明、キャラクターの人間性と関係を持て余すことなく描写できており、自分自身30分という尺に慣れてるという面もありますが、ドラマとしては完成度の高いパイロット版。

他にも小春を交えたプラモのブラッシュアップのシーンを挟むことで、各チームがガンにアタッチメントを装着し戦闘スタイルを変えてくることの描写に説得力を持たせたり、1話冒頭から何度も見せていた夏菜の横断幕が2話終盤において大きく意味の変わるものになるなど、一つひとつの要素の見せ方にも丁寧な積み重ねがあることで、盛り上がりが生まれるようになる瀧監督の見せ方も非常に好印象。

その上で謎を謎として用意しつつ、判明した事実は引っ張り過ぎないように目配りが効いてるのも長所として挙げられます。

小春を騙していた夏菜と秋帆も対戦相手への弔い、主催者への嫌悪感などを見せることで嫌な感じにし過ぎなかったのも良いバランスでした。

そのうえでまだアリスが怪しかったりするのですが、どうなることやら。

 

思ったより面白くてやや困惑しているのですが、とりあえず今後期待したいのは黒幕として君臨する保健の先生でしょうか。

順当に行けば濱田店長が黒幕でしょうが、「ぼくのかんがえたさいきょうプラモ」を引っ提げて小春に決闘を申し込む先生が来たら間違いなく燃えると思うんですよね(おい

冗談はさておき…現状好きなキャラは夏菜先輩一択なので、次回の展開によってはこの評価が大きく変わるかもと若干の不安を抱えていますが、今後も楽しみにしたいと思います。

 

 

次回、その銃で一番撃ちたいのは、あのプリンアラモード男。