うらひろの日記

その場で思ったこと、好きなもの、書いてみます。

いつの間にかライバルみたい

ガールガンレディ

第3話「ヴァルキュリアの降臨」

(監督:瀧悠輔 脚本:吉﨑崇二)

 

ビアンカも次は頑張らないとね。ブラボーのプレーヤーが、あなたの采配を疑ってたみたいだから」

「…忠告ありがとう。そういうあなたも気をつけて」

「えっ?」

「そういえば、アリスのところにもいたね。"ラスイチ"の娘…」

前回水野さんを敗死させたブラボーの眼鏡コマンダービアンカは、コマンダー同士のやりとりでチクリと言われており、だんだん悪の組織の幹部めいて参りました。


「私には怯えてるヒマなんてない。全国大会行くまで、絶対生き抜いてみせる」

一方、バトルフィールドに召喚され残りライフが1でありながら最後まで戦う姿勢を見せる夏菜先輩カッケェー

「強いですね。それに比べて、私なんて…」

小春、再び逃走。

引きずっててでも連れていこうとする夏菜先輩と小春がバタバタしてる最中、そこをブラボータンゴの新プレーヤー・門脇松子が横切る。

「ここから逃げても、何も変わらない」


今回は4チーム参加の陣取り合戦。

30分以内に校内の陣地(教室)に多くフラッグを立てたチームの勝利となる他、今回はフィールド内に先着1名でゲットできる新作武器・ブラストガールガン(威力も射程距離もダンチ)が配置されており、それも獲得しつつのゲーム展開となりました。

ゲームのシチュエーションを一辺倒にせず、かつ販促と絡めて変化を付けてきたのは細かいながら目配りが利いてます。


「どうしてあなたが仕切るんです?」

「私は、あなたに比べてこのゲームの勝ち方を知ってる。悪いようにはしない…私にチームを任せて」

松子生徒会長の参戦によりチーム内では下克上ムードが発生し、幼なじみの小春が所属するアルファタンゴ内では小春以上のメカニックの素質を秘めた松子の介入に危機感が生じ、今後の戦況を左右するであろうブラストガールガンの入手も絡みながら夏菜先輩のことも考え、前回から引き続きファイトに緊張感を与える仕込みも上々。

………と思っていたのですが、その後松子が今回の肝であったブラストガールガンをあっさりゲットして松子無双を始めてしまい、色々と台無しに。

商品販促と尺の都合はあるのでしょうが、肝心のアイテムがゲットして速攻ブラボーカラーに染まるのを見て何だか裏切られた気分に(笑)

更に満を辞しての松子参戦ということで、演じる石井杏奈さんに活躍の機会を与えようという考えだったのでしょうが(恐らく小春のダンスパートに相当するもの)、松子無双を映像化するために銃を向けても全然発砲しない、敵がどこにいるか分からない校舎で話しながら歩いてるなど、周りの動きが不自然になってしまったのも残念でした。

狙撃で吹っ飛ばされたり、松子に首を折られたりするデルタ隊員の絵面は面白かったのですが。

「優勝、させてあげる」


松子の活躍により全ての拠点にフラッグを立てたブラボーの勝ちはほぼ確定し、アルファの3人もタイムリミットを待つだけとなった状況で、無能コマンダービアンカがアルファの熟練の先達こと夏菜先輩の討伐を松子以外のブラボー隊員2人に命じる。

追い詰められ死を覚悟した夏菜先輩に差し迫る発砲!

しかし倒れたのは彼女を庇い盾になった小春。

夏菜のラスイチは守れたものの、小春がライフを減らし今回の試合は終了となる。

翌朝、学校でいつものように挨拶する小春と夏菜

「身代わりで死なれちゃうと、却って気が重いですよね…」

朝からなんつー話をしてるんだ…というぶっ飛んだ内容がこの作品の世界観を出せていて嫌いではないところ。

「守り方は一つじゃないから。私、死んでみて分かったんです、やっぱり死ぬって怖いって…でも、人を撃つより、性に合ってるかなって」

「ありがとう。この命は小春からもらった命だから、絶対大事にする」

未だ人に銃を向けることが出来ない小春が何とか半歩踏み出し、それをイケメンムーヴで受け取る夏菜先輩が爽やかに締め…と思いきや、小春はブラボーチームの前で

「もう、殺し合いやめませんか?」

と切り出し次回、停戦協定?

 

 

第4話「殺さない殺し合い」

(監督:平井淳史 脚本:宮本武史)


美術室に他チームを集めた(つもりがチャーリーとデルタには無視されブラボーの3人のみとなった)小春は、彼女らに向けて不殺の誓いを立てようと説得フェーズに入り、意外や意外、チャーリーとデルタが頷くことを条件にブラボー(というか松子)の了承を得ることに成功。

「つまり、アリスと袂を分つってこと?」

意外と話の分かる松子に指摘されたコマンダーとの関係については今後無視することも視野に入れ、人徳というものの大切さをこういうところで思い知らされます。

「それにさ…面白くない?本気でウォー・イズ・オーバーだなんて言ってるの、ジョンとヨーコと小春だけだよ?」

そして夏菜先輩はよく分からないうえに、特に笑える要素の無いジョークをかましていた。


呼び出しをシカトしボウリングに興じていた関西弁のチャーリー3人からも「デルタは信用できないからあいつら説得しろ」と言われ、小春たちは喫茶店で優雅にティータイムをしていた眼鏡っ子デルタ3人衆と面会。

難航するかと思われた交渉でしたが、普段の冷酷な戦闘スタイルからは想像もつかない柔らかい物腰で、むしろ小春の提案を素晴らしいものと受け入れる姿勢を見せる。

「もうデイジーには負けない…協力させて」

普段の戦闘方針は全てコマンダーのデイジーの指示であり、小春の行動に勇気をもらったデルタ3人衆もデイジーと袂を分つと思いっきり怪しく宣言。

相談ベースにすら乗ってこないブラボーのヘタレメガネとチャーリーのシャーロットに比べると、話に出るだけアリスとデイジーはメンバーからの信頼度は高い方なのでは疑惑が出てきて、うん、アリスは多分頑張ってる方だ。


チャーリー、デルタ共に了承を得られた小春は松子の自宅を訪れ、ブラストガールガンの整備に集中している松子の部屋に黙って侵入。

小春の経過報告を受けブラボーも了承することになったものの、一人でも裏切り者が出たら不殺の誓いは破棄すると松子は牽制。更に

「小春は、ガールガンファイトを甘く見過ぎだ」

「なんか、松子、ベテランみたい…私より後でしょ?参加したの…」

小春にそれとなく注意を促した松子はそれ以上のことを口にすることはなくそのままプラモ改造に戻ってしまい、小春は松子自宅を去ろうとするが、その直前松子母(役名無し)に最近の松子の様子がおかしいことを聞かされ、少なくとも松子は高校入学までは小春と仲が良かったことが判明。

短い場面ながら松子母と仲良く会話する小春、プラモ改造に集中していたため後ろから肩を叩かれ驚く松子、といったキャラクターの幅を広めていこうとする見せ方は地味に手堅い本作の良い部分。


夜になりバトルフィールドに転送されてきた光弾女子高生たちに課された本日の課題は、タイミングを狙ったかの如く撃墜数を争う殲滅戦。

その場合は死人を出すことなく30分やり過ごすことを談合によって決めた小春たちにとって今回の戦いは今後へのターニングポイントとも言えるものとなっていながらも、未だそんな夢物語を信じられない夏秋コンビ。

「考えも変わるって。一回死んでんだから」

またも笑えない冗談を突きつける夏菜先輩は、手を洗った後もハンカチを使わずスカートで水を払うなどイケメン通り越してオッサン属性を高めていっているのですが、本当にそれでいいのか。


「いてまえ!戦の神に愛されし猛者どもよ!!」

試合が始まり早速発砲!し、チャーリーとドンパチを始めるデルタのリーダー格・北川は、その弾丸を誰にも当てることは無く、それに続き各チームのメンバーも誰にも被弾させず小春との約束を守る姿を見せる。

しかし被弾者ゼロという茶番めいた異常な光景に違和感を覚えたコマンダーたちは、発端である小春を抱えたアルファのアリスを糾弾。

「いい加減にして!生半可な気持ちで戦場に立つなんて…ガールガンファイトを甘く見ないで!!」

追い詰められたアリスはことの責任を転嫁すべく、小春たちを集め再度作戦会議を開こうとするも信頼度の不足から議会への出席を拒否され、そのまま小春たちはデルタ北川の誘いによって家庭科室でお菓子宴会をスタート(笑)


うるさいコマンダーたちをハブき、チームの垣根を越えて絆レベルを高めることに成功した小春を見たことで、和解にまだ疑いを持ちファイト自体にも諦めを持って参加していた秋帆も小春への信頼度を深めめでたしめでたし…と思った矢先に

「ねぇ知ってる?コレ貼ると、銃の性能がアップするんだよ」

「撃て」

デイジーの指示と同時に、北川が秋帆に不意打ちを仕掛け脳天を一発で撃ち抜き状況は一変。

「私たちがやってるのは、殺し合いだよ?こーはーるちゃーん?」

「ねぇ!どうするの?このままにらめっこでお終い?」

「そしたら、私たちの勝ちってことになりますけど…」

……まあ前回の終盤時点で誰もが予想できた展開となりましたが、眼鏡っ子デルタ3人衆の言い方が大変いやらしく、一気に空気を切り替えてくれたのは良かったです。


約束はものの見事に破られ、さっきまでお菓子を分け合っていた女子高生たちは命を取り合う関係に戻り、デルタ優位の戦況に変化…することはなく宴会参加を拒否っていた松子が飛び入り参加し、デルタ北川とチャーリーのリーダー格・一華、そしてアルファの2人を残しそれ以外のプレイヤーを改良を加えたブラストガールガンであっさり射殺(笑)

デルタはイキって戦争仕掛けた割に簡単にフルボッコにされてて、これで何食わぬ顔で次のファイトに参加してたらそれはサイコパス扱いされても仕方ない気もしてきました。

「言ったよね?ガールガンファイトを甘く見過ぎだ、って」

邪魔者を排除し最後は小春に銃を向ける松子ですが、ここでタイムアウト

試合は2人倒されながらもブラストガールガンによる火力の違いを見せつけたブラボー(というか松子)の勝利で幕を閉じることに。

そして秋帆の亡骸に駆けつけたアリスは、謝る小春のことも目に入らず涙に暮れ、小春はその姿に自身の過ちを更に実感することに。


翌日、現実の世界でもしつこく謝ってくる小春にじゃあ放課後付き合えと、ここにきてまさかの焼肉屋に誘う秋帆。

そしてやはり注目は、焼肉をおかずに白飯を頬張る夏菜先輩。

焼肉といったら白飯だろうが!!!

夏菜先輩の男前レベルが天井知らずとなってきた中、秋帆は他チームがメンバー同士で意外と楽しく集まっているところを目撃したことで、3人で食卓を囲むことにこっそり憧れを持っていたと吐露。

「秋帆もこういう青春したかったんだ」

割と唐突に差し込まれた焼肉イベントですが、小春の甘い考えによって生まれた過ちを清算しつつも、その過程における「他チームへの説得」という行為が秋帆と心を動かしており、それが「同じ食卓を囲む」というアルファ3人の関係性の変化にも繋がり、小春の行動は間違っていたものの彼女の考え自体を否定せず、前向きに捉え直して小春と秋帆の仲を深めるとしたのは綺麗な着地となりました。

一方、秋帆の死に涙を流していたアリスですが誰に対してもそういう対応らしく、どうやら初対面の人間とかでも信頼度70%くらいで接するようなコマンダーとの情報が入り、逆にこちらからの信頼度は下がるハズだと妙な納得感を覚えたのはここだけの話。


肉を食し、エネルギーと変えた筋肉のヴァルキュリアたちは、ニッパーを買いたいという小春の申し出で焼肉の臭いを染み込ませた制服で濱田店長が経営する模型屋に向かい、そこでプラモ先生こと守山と遭遇し、その守山は紙袋を持って怪しい素振りで退店。

どうやらアップを始めたようです。

守山が小春のクラス担任のノースリーブ先生を狙っているというものすごいどうでもいい情報を繰り出し先に入店した夏秋コンビは、そこで店長が作成したと思われるスクラップブックに載ったガールガンレディの武装・"ガールアーマー"の存在を知ることに。

続いて模型屋に入店しようとした小春ですが、その前にモデラー松子が現れ小春に対し

「焼肉くさ…」

じゃなかった

「邪魔」

と彼女を退けて更に

「そうだ小春、あんまりガールガンレディを信用しない方がいい」

と相変わらず曖昧なアドバイスでまたも小春を混乱させたところでつづく。

 

 

プラモに冷ややかな反応を示していた松子が遂にファイトに参戦し、少々やり過ぎな気もする松子無双を披露する前後編となりましたが、その脇で各チームの特色を見せつつ、小春を中心とするアルファ内の関係性も一段階進むという構成は丁寧でした。

若干松子のワンマンチームとなってしまっているブラボーが割りを食らっている印象なものの、デルタのサイコ眼鏡っ子っぷりや、チーム仲の良いチャーリーの見せ方は今後も継続していってほしいところ。

 

松子無双に関しては小春の指摘通り何かしらの意図がありそうで、特にチャーリーとデルタの隊員はあっさり射殺するもののラスイチの夏菜先輩は怪我をさせただけで済ませ、小春には銃を向けただけで撃つ気配が無い描写などが徹底されています。

3.4話の松子無双によってライフを削られたプレイヤーはかなりいそうですが、どうやら前回時点でラスイチだったのは水野さんと夏菜先輩だけみたいで、実はあまり死人が出てないのではとまた微妙な疑惑が。

逆に今回これだけライフが削られたことで、今後死人が少なくなることがあったら一気に緊張感を削がれてしまうので、若干の不安要素です。

 

今回やっと各チームのコマンダーとの関係性が触れられ、現時点で最も信頼度が高いのはデルタのデイジーということになりましたが、ビアンカとシャーロットに挽回の芽はあるのか。

また濱田店長から言及のあった"伝説のモデラー"に関しても今後のパワーアップ展開に繋がる要素であり、一つ解決したらまた別の謎が出てくる構成は初期平成ライダーを彷彿とさせます。

一方で毎話そのフォーマットで終わることが多いので、一話くらい爽やかに終わるエンドを見たいものですが果たして。

 

 

次回、焼肉の絆が試される。