うらひろの日記

その場で思ったこと、好きなもの、書いてみます。

飛び込め星の海へ

大激闘マッドポリス'80

第12話「潜行大作戦」

(監督:長谷部安春 脚本:峯尾基三


見所は、ヤク中の禁断症状が顕れた哀れな男に向けられる悠子の冷ややかな目


開幕から何度目かというビルの屋上から侵入の場面で始まり氷室、新田、進司が夜中のビルを駆け巡る。

新田が得意の鍵開けスキルを発揮し侵入した場所は東和探偵社、そこの金庫にある資料が隠されており、新田はガスバーナーで金庫をこじ開ける資料回収…ってあれ?そこは鍵開けスキルじゃないの?

まあ機材があるので、それを使う方が早いという判断でしょうが。

「連中は収容所に監禁され、無理やりヤクを作らされている。要するに、ジャパンマフィアの奴隷というわけだ」

隠されていた資料には人身売買された人物のプロフィールリストが隠されており、東和探偵社は誘拐した人物をJMのヘロイン密造工場に引き渡していたことを突き止め、更にヘロイン(俗に"雪ネタ"と呼称される)が国内で生成され市場に出回っていることから氷室以下MPはその生成工場の在処を探り壊滅させるために行動開始。


翌朝、金庫を破られ狼狽する東和探偵社の唐沢社長(演:黒部進)のもとにやってきた氷室以下は任意同行とは名ばかりの強制連行で唐沢を拉致し、リストの人物がどこに送り出されているのかを取り調べしようとするも、すぐには口を割らず。

「喋る気は無くても、ヤクが切れたらどうなるかな…」

※警察官のセリフです。

極度のヤク中である唐沢社長は数日拉致監禁されたことで禁断症状を起こし、あっさり観念。

唐沢はJMきっての情報収集係であり、ヘロイン生成工場の人材提供にも一役買っていたことを自白し、粉の入った袋と注射器を前にしてモノローグで自白させるMPの場面が非常に凶悪(笑)

しかし唐沢は人材提供こそ行っていたものの工場の全容については知らされておらず、工場の在処に関しての糸口は唐沢と接点があった密造組織の男・大塚角次(39)をマークすることに。

ちょうど作業員の増員の話があり、適当な人物が唐沢にリストアップされていたことから氷室は

「進司、新田、2人の身代わりになれ」

と無茶振りを仕掛け、新田と進司を箱詰めにし工場に運ばせ在処を探るための潜入作戦が展開されることに。


唐沢の情報をもとに港で引き渡された新田と進司は工場内でこっそり行動開始。

ヘロインの生成室を確認した新田進司コンビはトイレにて構成員を捕らえ、工場の場所が南雲産業の横浜工場であることを突き止めるが、通信ができないうえに屋外は猟犬が警備をしてるため抜け出すことはできず、そうこうしてる内に潜入に気付かれてしまい、電話で氷室に居場所を伝えることはできたものの2人は気絶させられ捕まってしまう。

進司、3話連続で囚われの身に。

「この計画は失敗だったんじゃないでしょうか?」

そして2人の身に危険が迫っていることを知った氷室以下はノルマ達成で出撃!


車の後部に縛り付け排気ガスに当てるという地味な拷問を受ける新田進司コンビを見つめるのはJM最高幹部の一人であり、ヘロイン密造の元締めである南雲利三郎(57)

「ぶっ倒れたやつはクスリを打っておけ。生産を上げるんだ」

その南雲が代表を務める南雲産業の工場は人の出入りが厳しくチェックされており、かつ新田と進司以外にも製造人という大量の人質がいることから氷室以下は正面突破ではなく海上からの奇襲攻撃を仕掛けることに。

松村が仕入れてきた情報を聞き、無言で南雲の写真を破る氷室が大変良い味。


「助けてやるとも、あの男を殺せばな」

なかなか口を割らないことに業を煮やした南雲は新田だけを解放し、進司を撃てば自由にしてやると脅す。

しかしそれは新田の本性を暴くための罠であり、翻って発砲!しようとした新田に渡された拳銃に弾はこもっておらず、2人揃って始末されそうになってしまいます。

新田たちに殉職の危機が迫る中ダイビングスーツを纏った氷室以下が海上から現れ、警備員を銃声の発生しないボウガンで射殺し工場に潜入し間一髪、2人の処刑前に南雲のもとに見参!!


罠の匂いを嗅ぎつけ構成員を盾にして銃撃戦を始めたMPは、例の如くいつものように、あっさり戦況をひっくり返し発砲!爆破!!によって構成員たちを蹴散らしていき南雲の身柄を確保する。

しかし生成工場内はMPの侵入に気付いた構成員によってもぬけの殻になっており、氷室の懸念通り大量の製造人が人質になってしまい、やむなく確保した南雲を引き渡すことに。

新田と進司の潜入に疑念を持ったり、工場の場所が判明してからもセキュリティを無視して突入しようと言い出すなど、今回メンバーが氷室キャップに意見することが目立ちましたが、確かに「待ち」の姿勢は目立つものの氷室の懸念が実際に形となってしまうことで、ここまで考えて行動しているというキャップとしての格が描かれたのはホッとしました。


製造人を盾に逃走しようとする南雲ですが、逃走用フェリーのエンジンがかからず。

こんなことも考え、松村が事前にフェリーに細工を施しており、その隙を突いて氷室以下は発砲!

構成員たちはあっさり射殺され、撃たれた南雲は動くことのないフェリーの甲板に大の字になって倒れ込み、MPはJMのヘロイン密造工場を叩き潰すことに成功。

「氷室たちマッドポリスの手によって、ヘロイン密造団は壊滅した。

 決算50kg末端価格150億円。

 膨大な利益をもたらしてきた密造工場を破壊されたジャパンマフィアは、重要な資金源の一つを失ったのである」

締めは工場を発砲!によって破壊していくMPからパッとEDに切り替わるという珍しい終わり方でした。

 

2話連続で海が絡む展開となり、海上から敵陣に突入するというプロット自体は面白かったのですが「麻薬密造」という要素に絡む南雲の存在感が第2話におけるNo.1坂本に比べどうも押し出しは弱く、印象薄めのエピソードとなりました。

工場を暴かれたあとも人質を盾に逃走しようとするガッツを見せるのは、最高幹部として一筋ではいかない存在感を感じられて良かったのですが。

ダイビングスーツを纏った氷室と松村の絵面は面白かったものの、映像的にも特に面白みは見出せず。

 

 

次回、24時間戦えますか?