最近バタバタ気味でややあっさりめ。
続けて『ガールガンレディ』も投稿予定です。
大激闘マッドポリス'80
第14話「ハンター・キラー」
以前の記事で、東映特撮に絡んでいるスタッフはほとんどいないと言っていた本作でしたが、なんとここにきて『宇宙刑事ギャバン』に参加していた田中監督が参加。
そう思って見ると、今回のMPは確かに宇宙刑事成分が強いように感じた次第であります。
JMの今回の狙いは新宿区三園町に密集するビルを暴力と豊富な資金で買収し、JM本部ともいえる一大レジャー施設を作り出すことであり、それに対し西山商事の代表・西山兄弟は最後まで抵抗を見せていた。
「しかし次から次へと、よお仕事作ってくれるわあのマフィアは」
※警察官のセリフです。
西山兄弟が邪魔となっていることでMPはJMが必ず彼らを消しにかかると想定し、護衛するために行動開始。
…というのは建前であり、これまでJMの邪魔となる要人を数多く排除してきた暗殺グループ・ヒットチームが動くことも予想され、本当の目的はこのヒットチームの壊滅にあったというのが実にマッドポリス。
「私たちはハンター・キラーってことね」
そういう名前の元宇宙刑事がどっかにいましたね…。
西山兄弟を尾行していたMPの前で、突如差し込まれる発砲!
ヒットチームが兄弟抹殺に動き出したことを確信した新田と進司は、すぐさま2人の護衛に向かうも
「早く!降りてください!」
「何だ貴様ら!?」
すぐさま暗殺者と間違えられる(笑)
西山兄弟が命を狙われながらも、ややくどいギャグをかましながら相手の隙を窺う新田と進司はテンポが悪く見辛かった点。
兄弟を狙ったスナイパーはかつて暴力団の殺し屋として暗躍し、組が解散したあとも殺し屋として活動していた勝部という男で、松村がその情報収集に向かっていたその頃、ツートップ以外の4人は兄弟に護衛に就き、事務所のソファーで踏ん反り返っていた。
「だったら警察手帳を見せろ」
しかし頑固な西山兄は、どこの馬の骨とも分からないやつらから守ってもらう必要は無いと強情になっており、ここに来てなんとMPは警察手帳を持っていないことが判明。
確かに一度も提示したことはありませんでしたが、警察側の人間の超法規的な行いを黙認する代わりに警察手帳を持つことを許されていないといったところでしょうか。
そんな会話をしてるうちに、西山兄が事務所に設置された時限爆弾を発見し、残り1分と時間が迫ってる中新宿の街を爆走して人気の無いところで爆発させる新田。
未確認生命体の身体能力は天井知らずだ!
一方、勝部の行方を追っていた松村は、ある情報筋からおおよその検討を付けアジトを発見するも、それを氷室に伝える前に構成員に囲まれ捕まってしまいます。
ヒロインの危機に、目を光らせる氷室!!(笑)
「俺が引き出しを開けなければ、どうなっていた?」
西山兄から嫌味を飛ばされながら、あの手この手を使って兄弟を狙ってくるヒットチームのやり口に、西山商事のビルで立て篭もることに限界を感じたMPは2人をアジトに連れ込み護衛をしつつヒットチームを誘き出す作戦に出る。
ちょうどその頃、氷室が松村救出に動いていたことからアジトには誰もいない状態であり、到着したらやたら楽しそうな西山兄…はなんと初手でMPアジトの銃火器ノルマを達成!!
「なかなかいいアジトだ。ここを探していたんだ……我々がヒットチームだ」
何故ノルマを把握できていたのかは謎ですが、アジトに着いた途端メガネを外し踏み潰す西山弟の豹変ぶりと、直後の兄から繰り出される衝撃発言が重なり印象的なシーンとなりました。
兄弟改めヒットチームはツートップ以外の4人を縛り付け、重要書類が入っているとしてアジトに持ち込んでいたケースからニトログリセリンを取り出す。
こいつはちょっと衝撃を与えただけでドカンのジーマーでゴイスーなやべー代物だ。そそるぜ〜これは(『Dr.STONE』参照)。
一方、勝部に尋問されていた松村をあっさり救出した氷室は西山兄弟こそがヒットチームであることを知り、西山商事に向かうももぬけの殻であったことから仲間たちが罠に嵌ったことを確信。
しかしヒットチームはそこを逆に利用し、戻ってきた氷室たちがドアを開けた瞬間にニトログリセリンが落ちるような罠を仕掛け、自らの手でマッドポリスが全滅するよう仕向ける。
罠は100億パーセントマズイですって旦那!!
そんなことも知らずアジトに帰還したツートップは、相手が籠城していることも想定しゆっくりドアノブを回し、それに気付いた芹沢(口封じされ縛られてる)はドアが開かないよう足でドアノブを固定。
妙に察しの悪いツートップに対し、目を覚ました新田と進司は協力して口封じを解き、ニトロが仕掛けられていることをギリギリで伝達。
更に慎重に罠を動かして、ドアを開けてもニトロが落ちないような場所に運ぼうとするも、そこはさすがのヒットチームが発砲!してきてあわや大爆発の危機!!に何とか松村がニトロの入った小瓶をキャッチしてオールセーフ!!
狙撃ポイントを見抜いた氷室を先頭に、戦線に全員参加したMPの反撃開始!!
「ニトロには、ニトロで…追い込んでください」
※警察官のセリフです。
武器を現地調達したことが仇になってか、松村によって残弾数を把握されていたヒットチームは弾切れのタイミングを見極められ、誰も始末できないまま車で逃走を図る。
しかしそれこそが氷室の狙いであり、その車にはニトロの小瓶が仕掛けられていた。
氷室の発砲!により車は爆発炎上。
MPはアジトを特定こそされたものの、ヒットチームの壊滅に成功しました。
「ジャパンマフィア幹部会直属の暗殺グループ・ヒットチームを、氷室たちは倒した」
ナレーションさんあっさり気味ですね…。
前述の通り、田中監督登板によってアクションの随所に『ギャバン』的な要素が見られた回で、逃走する車の上に張り付くなどは大葉健二ならやりそうだなぁと思った今回。
MPがヒットチームを誘き出すための展開と思いきや、逆にJMが MP抹殺のためにヒットチーム=西山兄弟と接触させるよう仕向けるというどんでん返しが衝撃的なエピソードでしたが、やり口が回りくど過ぎて段々と某ジュ○ル星人みたいなことになっていました。
最終的に返り討ちエネルギーに逆らえず敗北したヒットチームこと西山兄弟ですが、双方良い味を出していて良いキャスティングでした。
反面、部外者をあっさりアジトに入れてしまうMPはどうにも単純で、迂闊エネルギーの高まりが限界突破してしまったのは残念ポイントでした(判断を下したのは芹沢でしたが)。
普通に考えれば、次回からアジトの場所が変更になっていそうですが、そこまで縦軸を意識してる作品とも思えないので何も無かった感じで済ませそうな気もしないでもない。
まあJMはあらゆる組織が存在してる分、横の繋がりが希薄な連中なのでそれでもおかしくは無いかなと。
余談ですが、現在ひっそり視聴してる『秘密戦隊ゴレンジャー』でも何度か秘密基地の居場所を探られているのですが、不思議とそれが活かされることはなく結局基地はそのままというケースが多いです。
撮影の都合というのが一番大きいのでしょうが、手柄や名誉を優先して仲間と情報共有せず、結果返り討ちに遭って全てが水の泡、という流れには悪の組織が悪ゆえに陥る破滅の構造が照らし合わされており、特撮に限らず東映に染み付いた"悪の組織"のあり方とテーゼというものを感じ取れる部分です(普通に考えればツッコミどころですが、フィクションとして踏み外さない程度に面白くなればいいという考え)。
次回「もう指名手配はこりごりだぜー」
by南光太郎