うらひろの日記

その場で思ったこと、好きなもの、書いてみます。

ウルトラマントリガー「ラストゲーム」

ウルトラマントリガー』

第22話「ラストゲーム

(監督:辻本貴則 脚本:足木淳一郎)

 


\ピンポンパンポーン♪/

 

 

 

このブログをお読みの方にお知らせします。

 

ウルトラマントリガー』第22話の感想について、いつも以上に激しい内容になることが予想されます。

 


ご不快になられる方が多いと思われるので、それでも読んでみたいという方は引き続き、うらひろの『トリガー』感想をお楽しみくださいませ。

 


以上、お知らせでした。

 

 

 

\ポンパンポンピーン♪/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最ッッッッッッッッッ低。

 

 

 

 

 

 

 


本当に何でこのエピソードにOKが出たのかが全く理解できない。


つい最近トリガーダークとして大暴れしていたイグニスとGUTS-SELECTの関係(信頼と断絶、そこからの再生)をなぁなぁのまま進行させた弊害で両者のぶつかり合いに一切感情が乗らず、既成事実だけをポンポン並べてくる作劇は改善の余地なし。


それだけならまあいつもの『トリガー』なのですが、最も足を引っ張ったのは今回の怪獣枠であるラクリ武者メカムサシンの存在。

イグニスを追う途中で何の脈絡も無く現れたスイッチをケンゴが押す(これもどうかと思いますが)ことで現れたロボット怪獣ですが、見た目そのままに流暢な歌舞伎節を披露する姿が緊張感をブラックホールの彼方まで放り込んでしまいました。

結局イグニスの仕組んだものなのか突如発生した怪異なのかが作中では不明瞭であり、前者だとしたらグリッタートリガーとバトルナースを追い詰める程の実力を持つメカムサシンを何故ヒュドラムとの戦いに使わなかったのか(使うことを選択肢にすら入れてない)という点、後者だとしたら登場があまりにも唐突かつケンゴの足止めをする邪魔者として都合が良すぎるので、不条理な怪異としても成立していないという点が常に引っかかりとして存在しており、色々な意味で化け物みたいな存在。


最終的にメカムサシンの持っていた日本刀をトリガーがトリガーダークに届け、最後のヒュドラム戦を盛り上げようとしてくるのですが、前述の通りイグニスが仕込んだであろうメカムサシン(劇中でアキトが言及しているため、スタッフの中でもそういう認識かと思われます)の武器をトリガーが瀕死になって持ってきても、元はと言えば誰のせいよ?と突っ込まざるを得ない状況になってしまっており、3億5000歩譲ってイグニスは無関係だったと解釈しても、「全く無関係な怪異の所有物が、イグニスにとって最も重要な戦いの武器になる」ということになり、外的要因が物語を動かしがちな本作においてはもはやレベルの低いセルフパロディにしかなりえません。

また、終盤唐突に日本刀といえば『ブルースワット』なのですが、あちらは一応メンバー3人の中に日本刀所有者がいるうえに、ストーリー自体は大真面目に取り組んでいたように見えたので、比べ物にもなりませんね。

いつもだったら引き合いに出して楽しく触れることが出来たのですが……まさか令和の世において『ブルースワット』を超える妖刀使いが出てくるとは思いもよらず。

 

「お友達の声援で強くなるぅ!?ざけんじゃねぇよッ!!」

ヒュドラムもヒュドラムで、序盤こそ3巨人の中では特に魅力的な描かれ方をされてはいたのですが、中盤以降は大先輩の部下Bで留まってしまい、上記のセリフの通り結局その場のノリでヒーローショーのお約束をすごーく嫌な感じで弄ってしまうという最悪なキャラ付けをされることに。

ヒーローショーの重要性について、近年の円谷プロはコロナ禍に遭ったことで痛い程分かっているはずなのですが、そんなところに触れてまで何でこんなメタネタを放り込む必要があったのか。意味不明。

しかも脚本はそんなヒーローショーをよく担当していた足木さん、本当にどうしてしまったのか。

ヒュドラムの断末魔もギャグに寄せてしまったことで「あくまで本人たちは大真面目に戦っているんだ」という面も補強しきれず、ヒュドラムとの最終戦は茶番でしかなかったという結論に落ち着き、同時にイグニスの着地点としても大滑りしてしまう特大級の事故案件。


ちょくちょく良いシーンはあった今回ですが、そんなものを覆い隠すかのごとく内輪受け全開の悪ノリ、意味不明なロボット怪獣登場によって繰り出される支離滅裂な展開、積み重ねを放棄した上に目先のアイデアに飛びついた結果劇的さよりその場の勢いを重視した演出、全てがマイナス方向に作用し、全く楽しめないエピソードでした。

前作からやや感覚が合わないなと感じていた辻本監督…第9話のブチギレ会長は傑作回だったので本作では期待していたのですが、もし今回みたいな演出を続けるなら、作品を見つめる視線はこれまで以上に厳しいものになりそうです。