うらひろの日記

その場で思ったこと、好きなもの、書いてみます。

ウルトラマンZ「遥かに輝く戦士たち」

遅くなりましたが『Z』最終回です。

さすがに年を越したくなかったので、今年最後の更新となりました。

 

どうぞ来年もよろしくお願い申し上げます。

それでは、感想です。

 

ウルトラマンZ』

第25話「遥かに輝く戦士たち」

(監督:田口清隆 脚本:吹原幸太)

前回結成された無職独立愚連隊もとい元ストレイジは、自らの基地を取り戻すため、そして世界を救うために防衛軍の前に立ちはだかります。

 

「ヘビクラァ!その男は敵性宇宙人、クリヤマ長官襲撃も、ナカシマ隊員によるウルトロイドゼロ強奪も、そいつが首謀者よ!!」

「俺たちに戦闘の意思はありません!このままでは敵の思うツボです!お願いします、中に入れてください!!」

ナツカワ容疑者(無職)の呼びかけも虚しく、ユウキ隊員は見た目丸腰のストレイジに発砲するも、ヘビクラ容疑者(無職)はついに部下たちの前でトゲトゲ星人に変身し、峰打ちで防衛軍を気絶させます。

「丸腰じゃなくて悪かったな」

う、うん…?ユウキ隊員これでおしまい?

終盤色々意味ありげに出てきた割に、ストレイジとの対立のためだけに用意されたキャラでしか無かったのは何というか、すごく、勿体ないという印象。

そしてこの状況においても、仮面の宇宙人の細胞を採取したがるオオタ容疑者(無職)はさすがの緊張感の無さ。

 

前回言及があった通り、全世界の主要都市を襲撃しているデストルドスにより防衛軍はほぼ壊滅状態。

「残ってるのは、俺たちだけか…」

世界を救うため、そしてナカシマ容疑者もといヨウコ先輩を助けるためにハルキはキングジョー、隊長はウインダムを駆りストレイジは最後の戦いに挑む!

「これが俺たちストレイジの最後の戦いだ!!全員生きて帰って…バコさんのマグロで打ち上げするぞッ!!」

「「「「「ゴーーー

  ストレイジ!!!」」」」」

 

 

出撃前、ハルキは自分の邪魔を何回かしてきた隊長にことの真意を尋ねます。

「隊長、やっぱり俺分かんないです。なんで今まであんなことしてきたんすか?」

「お前ら人類もセレブロも、調子に乗りすぎず、諦めもしないように調整してやってたんだ」

「なんすかそれ…」

「まあ、それも全部パァだ」

セレブロのゲームより、よっぽどタチが悪い気がしますね…。

それでもハルキは自分の知ってるもの、今まで見てきた隊長の姿を信じている。

「俺、信じます!隊長は隊長ですから」

「元隊長な。それにどちらにしろ、俺はライザーが壊れちまったからもう怪獣にはなれない」

「自力で巨大化とかできないんすか?」

最強の力を手に入れたものは、時にしれっと無茶なことを言うものです。

「前は出来たんだけどな。それにもう力がねぇんだ」

「俺も、次に変身したら身体が持たないって、ゼットさんが…」

「てことは、俺たちに残された武器はこいつらだけってことか…」

隊長とハルキは自分たちが乗り込む特空機を見つめ、戦いへの決意を固めます。

 

無職の集まりがたむろしてるぞ!と嗅ぎつけた無職ハンターセレブロは、デストルドスを駆り日本に帰省。

序盤の静かで強かな雰囲気はどこにいったのか、セレブロの知能の低下がとても激しいですね…。

「お前らで最後だ…楽しませてもらうぞぉぉぉ!!あっはっはっはっは!!!」

「先輩…絶対救出します!」

温度も波長もめちゃくちゃで解析が難しいデストルドスから囚われのヒロインを救出するため、2人の仮面の戦士は巨大ロボを駆り動きを封じることに。

「ペダニウム粒子砲…」

「レーザーショット、フル出力…」

「「発射!!」」

2人のシンクロが気持ち良く、カッコ良かった場面です。

加えて最終回にして初めてキングジョーに乗ったハルキがしっかりと乗りこなしており、こういった場面からも主人公の成長を感じ取れる辺りが手堅い作風です。

 

しかし二大ロボを以ってしてもデストルドスの動きは封じこめられず。

「ヨウコどこ…ヨウコどこなの!?」

エラーで分離できないハルキジョーにD4レイが放たれようとされる寸前、特空機1号・セブンガーの硬芯鉄拳弾がデストルドスに直撃!!

そのパイロットは…

「骨董品だってな、まだまだ役に立つんだよ!」

殺し屋・出陣

更に「ジャグパンマン!新しいバッテリーよ!!」とヒロイン力のチャージも忘れないバコさん、本当にスキが無い。

 

そうこうしてる内に、胸の主砲部にヨウコ先輩がいることをユカが突き止めます。

ユカの解析が最後までハルキたちの助けになる展開は、一貫性があって良かった点。

反面、今までは割と丁寧に扱われてきたストレイジ整備班の面々が、今回ほとんど活躍が描かれなくて惜しかったところ。

ストレイジが誇る三大特空機集結により奮起する無職愚連隊。

「ハルキ、俺たちでやつの動きを何としてでも止める!ぜってぇヨウコを救出しろッ!!」

「押忍ッ!!!」

「超硬芯回転鉄拳、装着!!」

いきなり手にドリルをセットするバコンガー。

システム音声が搭載されていたことから殺し屋の武装というより、開発者に作らせてたように見えるので、駐車場で開発者の男の子心をくすぐっていたのは、ハルキではなくバコさんだった…!!!(何を言っているのか分からないと思いますが、とりあえず前回感想と『ゴジラVSメカゴジラ』参照とだけ言っておきます)

 

田口監督特有の長回しで奮戦する特空機は非常にカッコ良く「防衛隊所有の巨大ロボが活躍を見せる」というコンセプトを、最初から最後まで守った本作の強みが見せ場としてしっかり機能。

骨董品と自嘲するセブンガーも第22話でちゃんと動くことを見せており、今回の登場に唐突さを感じさせない作劇も手堅く丁寧な部分でした。

ハルキジョーは久々のタンクモードでスピード戦法を見せ(特空機の性能を活かし、ただ突撃するだけじゃないハルキの成長ぶりが嬉しい)、デストルドスの主砲部を破壊し、そのまま突貫しデストルドスもろとも上空に飛び立つ!

 

上空に連れ出されたヨウコ先輩(inセレブロ)は不思議な精神世界でハルキと遭遇

「ヨウコ先輩!」

「…どなたですか」

セレブロに意識を乗っ取られてる影響か、目が死んでおりハルキのことすら認識できないヨウコ。

しかし、主人公はそんなピンチにも怯むことは無い。

「…そうだ、腕相撲でもしませんか?」

「腕相撲…」

「好きっすよね、腕相撲」

自身に相応しい男を見定めるため、そして父との約束を守るために始めた腕相撲、いつしかそれは後輩であるハルキにとっても越えなくてはならない壁となっていました。

「先輩、勝ち逃げは無しっすよ…俺、負けっぱなして悔しくて、ここんとこずっと特訓してたんっすから!!」

次第に2人の顔は涙ぐんでいき、そしてついにヨウコの腕がテーブルに着く。

これまでの戦いは、

全てヨウコ先輩に勝つための特訓に過ぎなかった!!(おい

 

「よっしゃ…!勝った………あれか、勝ったら俺、ヨウコ先輩と結婚しなくちゃいけないのか……マジか…」

何か、嫌そうです。

「あんたなんで泣いてんのよ…」

「…先輩こそ」

筋肉姉弟であり、主人公とヒロインであった2人の絆でヨウコ先輩は正気に戻り、コクピットの中で身体からセレブロを切り離すことに成功。

そのままデストルドスに融合したセレブロは、コクピットからヨウコ先輩を振り落とし、ヒロイン真っ逆さまのピンチに主人公が弾丸となって参上!!

 

「ゼットさん!もう一度一緒に戦おう!!俺の身体はどうなっても構わない、皆を!守りたいんだぁぁぁ!!!」

「ゼロ師匠!ジード先輩!ヨウコ先輩!そのメダルをここに!!」

ものすごくビックリしましたが、コクピットで頭から落ちてきた後、空気を読んでパワーアップしたベリアルメダルを先輩が持っていました。

「ハルキ!!頼んだぁぁぁ!!」

ヨウコの、そしてストレイジ全員の想いが込められた叫びを受け、ヒーローの名が地球に轟く!!

「ご唱和ください、我の名を!!

 ウルトラマンゼェェェトッ!!」

 

 

ウルトラマァァァン!!

ゼェェェェェトッ!!!

 

「行こうゼットさん、俺たちの覚悟見せてやろう!!」

「よっしゃぁ、ウルトラ暴れるぞぉハルキィ!!」

今ここに、文明の破壊を目論む悪魔との最終決戦が始まる!!

 

「また面白いやつと戦ってるな、俺にも斬らせろ!」

ED2番が流れ出し、ベリアロクも駆けつけテンションMAXめっちゃメラメラ状態になった主役ゼットは、素早い動きでデストルドスを翻弄。

「フンッ!お前らこんなもんか?」

「「なワケ、ないだろぉぉぉぉぉ!!!」」

しかしデストルドスを抑えることはできず、D4レイの直撃を受けることに。

「色々と面白いものを斬った、楽しかったぜ…」

D4レイの閃光からゼットを庇ったベリアロクさんが粉々に砕け散ってしまい、ゼットはメダルの力を使えないオリジナル形態に戻ってしまいダウン。

 

絶体絶命のピンチに陥ったゼット。

そこに響くのはストレイジの皆の声援。

「立ってぇ!!」

「「「ウルトラマンゼットォォォ!!!」」」

仲間たちの声に、不思議なパワーを感じ取るハルキとゼット。

立て!撃て!切れ!

Hurry up‼︎ 我の名を叫べ!!!

 

「まだまだいけますよぉ!ゼットさん!!」

「もちろんでございますよ!!」

今度は主題歌が流れ出し、主役ゼットとは対照的な重いアクションでデストルドスにラッシュを決めるオリジナルゼット。

カラータイマーがかなりのペースで点滅してるのが、アドレナリンが出てハイになってるような描写で地味に好きな場面。

「これが最後だハルキ…!ウルトラ気合い入れていくぞぉぉぉ!!!」

「押忍ッ!!!」

ゼスティウム光線とD4レイの撃ち合いになる両者。

しかし、ヒロインブーストを手に入れた主人公に砕けないものなどありはしない!!

「ゼット様!ハルキィ!!」

「チェストォォォ!!!」

光線を撃ち合ってる際の踏ん張りでゼスティウム光線をZ字に曲げたゼットは、そのまま押し込み、ついにデストルドスを撃破する!!!

 

悪魔が倒れたことにより、最高の勝利を得た無職愚連隊の面々。

そしてガッチリ組む隊長とバコさん。

仲間たちの声援を浴びながら飛び去ろうとするゼットさんですが、途中で呆気なく墜落。

「カッコよく決めるつもりだったのに、ちょっと無理した…」

作品の色が出てて、最後まで良い場面でした。

そんなハルキを心配して、思わず抱きついてしまうヨウコ先輩。

そういう態度が、男を勘違いさせてしまうのです。

 

場所は変わり、人気のない場所で蠢くセレブロ素体。

そしてそのセレブロ刃を突き付けるジャグラー

「ゲームオーバーだ、セレブロ。コンティニューは無しだ」

調子に乗りすぎたことに腹を立ててか、それとも大事な部下たちを傷つけたことに怒ってか、ジャグラスジャグラーの真意は未だ不明。

しかしジャグラーが刃を振るう前に、なんと最初のセレブロ被害者であるカブラギ容疑者がユカに連れられ、セレブロを巨大な網で捕獲。

前回登場は8話も前だった上に、先行きが色々と不安になる終わり方でしたが、忘れられず更に元気な姿まで見ることができて、こっそり安心笑

 

そしてその光景に、満足したような笑みを浮かべ去ろうとするジャグラーに声を掛けるユカ。

「隊長、また会えますよね?」

「…じゃあな」

ほのかに甘い空気を醸し出しながら去っていくヘビクラを見つめつつ、オオタ容疑者の興味はその網に掴まれた異生物に向けられていました。

「さあ…解剖の時間だよぉ!!」

「よっしゃ!姐さん手伝いますよ!!」

文字通り憑き物が落ちたように陽気になった助手を連れ、刺激を求めた地球人が退屈を持て余したエイリアンに制裁をもたらす。

 

 

時は経ち、肝心のハルキはどうなったかと言うと…

「宇宙では、まだまだ色んな人が困ったり、苦しんだりしてる。俺、ゼットさんと一緒にそういう人たちも救いたいんです!」

なんと!ハルキはゼットと一緒に、光の戦士として宇宙に旅立つことになった!!

グッバァイッ!!

ブルースワァァットッ!!!!!

ハルキは古より続く、光と闇の意志の闘いに身を投じることになり、M78星雲とゴールドプラチナム(「ブルースワット」という作品に出てくる"台無し"が鎧と最強武器を携えて通りすがったみたいな存在)の間に関連性を見出すことができそうですが、ハッ、「闇を飲み込め、黄金の嵐!」ってまさか…(話が逸れるので自主規制)

 

「盆と正月には、帰ってきますからね!」

人間の心を無くさないように、地球の習慣を守ろうとするハルキは、まずは友だちから始めようと握手を差し出してきたヨウコ先輩の手をガッチリと握り返し、オリジナルゼットに変身。

以前実家での風景も描写されていたことから、ちょっとした発言にも不自然さが生まれないのは改めて本作の手堅さを感じるところ。

 

敬礼を向ける愚連隊に対し、礼儀正しくお辞儀で返したゼットさんは宇宙へ。

そこに差し込んでくる黒い閃光!

「俺様は不死身だ。それにお前らといれば、まだまだ面白いものが斬れそうだからな!」

まあ退場自体が割と唐突だったので、驚きもしなければ嫌でも無く、微妙に反応に困る(笑)

 

「押忍ッ!この手が届く限り、皆の生命守るぜ!!」

「よーし…それじゃ行くぞ!ハルキィ!!」

 

「「シュワッチ!!」」

 

ハルキのゼットの物語は、まだ始まったばっかだ!!

ということで完。

 

 

近年においては、物語面と玩具面双方で大きな盛り上がりを見せた本作。

その最終回の印象としては、映像的にも非常に見応えがありエピソード単体としてはポイントが高いものの、縦軸の物語を締める話としてはやや不満。

防衛軍との一当たりにおいては冒頭数分であっさり終わってしまいましたし、前回引っ張ったハルキの身体の限界もただの物語の制約を設けたに過ぎずガッカリでしたし…。

 

まあ感想自体が長くなったこともあるので、良い部分も含めて総括記事で書かせていただきます。

とりあえず敬愛する『ブルースワット』エンドが見られたことが、個人的にはとてもテンションが上がったそんな最終回でした(おい

 

だいぶ時間が経ってしまいましたが、最終回感想となりました。

半年というスパンでしたが、大変カロリーの高い作品で、最初から最後まで感想が書くことができて楽しかったです。

 

ひとまず『ウルトラマンZ』感想はここまで。

お付き合いいただき、ありがとうございました。

 

良いお年を。