うらひろの日記

その場で思ったこと、好きなもの、書いてみます。

いとも容易く行われる数の暴力

ウルトラマンZ

第21話「D4」

(監督:武居正能 脚本:鈴木智

 

前々回ゼットが倒したバラバの角(剣)を防衛軍が回収し、そのデータで作り上げた異次元壊滅兵器D4。

防衛軍は中ノ鳥島においてその爆破実験を行い、島が壊滅するレベルの破壊力をモニター越しにストレイジに見せつけていました。

 

「この兵器を、防衛軍はどうしようと?」

「この技術を応用した兵器"D4レイ"を、キングジョーに搭載することが決定した」

島を壊滅させるような兵器の導入に反対するストレイジですが、現状の怪獣退治はウルトラマン頼りのものになっており、不確定要素であるウルトラマンがいなくなった際に抑止力となる力を防衛軍は求めているという正論をぶつけられることに。

超兵器の導入には真面目な顔して反対するユカにもすごい違和感ですが、久々登場のクリヤマ長官に「私も君たちと同じ気持ちだ」とか言わせても何ら感情移入できないのは本作では珍しく掘り下げが足りなかったところ。

ちょうど筆者は「仮面ライダーウィザード」も同時視聴しており、クリヤマ長官演じる小倉久寛氏のおやっさん演技を違和感なく見ることはできているのですが、逆に言えば役者の力に少し頼りすぎてしまったかなとも感じられます。

「この兵器の破壊力は、アンダーコントロールだというのが防衛軍の見解だ」

 

「地球人が自力で怪獣を倒せるのは、いいと思うぜ」

「え、でもゼットさん…あんな恐ろしい力を、持つべきなのか…」

「それはこの星の人類が決めることだ。ハルキ、お前はどうしたいんだ?」

答えの出ないハルキは恐らく初めて自分からゼットさんにアクセス。

意外にもD4レイ導入には冷淡な反応を示し、これまでギリギリにならないとハルキに介入しようとしなかったのはこの一歩退いたスタンスが基にあったからだと思われます。

同時に地球人類が自ら立ち上がろうとする考え自体は認めており、力をただ単に否定するのではなく、そこに宿る魂が重要であるという本作のテーゼが語られたように感じます。

今回を見てやっと気づいたのですが、ベリアロクが持ち手に対して行う面倒くさい問いかけは、何をもって力は力となり得るかを問いかけていたのだと。

 

地球人が次元を破壊しかねない兵器を作り出したことを察知してか、実験に引き寄せられるように宇宙凶剣怪獣ケルビムが地球に降り立ちます。

テスト射撃をする間もなく、D4レイを搭載したキングジョーをいきなり実戦に向かわせるよう命令するクリヤマ長官の様子は、さっきとは違いかなり好戦的。

「ハルキ、私に任せて!」

地球に落下してきた多数の隕石がケルビムとなり基地を狙う中、1人立ち向かう先輩ジョーは案の定劣勢になってしまいます。

 

「本作戦の指揮官は私です。D4レイの使用は私が判断します」

キングジョーのみの出撃命令に対し、現場指揮の権限は私にあると見かねた隊長はウインダムも出撃させ、長官を牽制します。

明らかに様子のおかしい長官に対しての隊長の行動はヘビクラとしてのものか、それともジャグラーとしてのものか。

 

主役登場したハルンダムと先輩ジョーはケルビムファミリーに立ち向かうも多勢に無勢。

キリがないとハルキは、ライザーを起動し師匠三倍盛りに変身。

ユカの分析で大気圏外から誘導電波が発生させられていることを突き止め、それを聞いたゼットは主役三倍盛りにチェンジし宇宙に向かいます。

そこにいたのは、ゼットの何倍も大きいマザーケルビム!

この場面では、またも拾われた血走りゼットとまさかの巨大ケルビムという画がとても面白かったです。

またここにきてもベリアロクにちゃんとセリフがあるのも嬉しかった点です(先程気付いたことも含めて、目配りがしっかりしてます)。

 

ウルトラマンは戻ってこない…

 撃つんだぁ……

 D4レイで殲滅しろ…!!!」

デスシウムスラッシュでマザーを切り刻んだゼットですが、大気圏外に出てしまったことにより再び1人になってしまった先輩ジョーが絶体絶命の危機に陥ってしまいます。

大勢のケルビムに追い詰められたヨウコ先輩は、ついにD4レイの引き鉄を引いてしまい、強力な光線に包まれ消滅するケルビム。

更にD4の威力は異次元崩壊まで引き起こし、なんだかよく分からないのですがウルトラやばみを感じます!

 

「崩壊を、食い止めるぜ!!」

何とか地球に戻ってきた主役ゼットが、ゼスティウム光線をぶつけ異次元崩壊を相殺しようとするも、崩壊の中心にいた先輩ジョーに迫る爆散の危機!!

しかしそこはさすがのヒロイン力、ギリギリ駆けつけたゼットにお姫様だっこされることで無事で済みました!!

 

「確かに、D4レイはアンダーコントロールだ」

皮肉をたっぷり込めて言い放つ隊長ですが、防衛軍は自分たちの作り出した兵器が次元すら破壊しようとしてたことに悪びれもせず、その場を立ち去ってしまいます。

ウルトラマンのあの力があれば…」

制御できない力に対し、また新たな力を求める人間たちはどこに向かい誰と戦うのか…。

 

後日、特空機ドックに集められるストレイジ

「本日現時刻をもって、ストレイジは解散とする!!」

命令に刃向かい、結果として街に甚大な被害を及ぼしたストレイジに対して長官から言い渡される衝撃の事実!

全員、無職!!!

でつづく笑

 

更にED終了後のウルトラナビが、よりによってこのタイミングでゼロ師匠の紹介であり、ハルキゼット共に何だか妙にテンションが高かったのがすごくおかしく、最後のこの流れだけですごく面白かったです(おい

 

 

さて、話を戻すと前々から顔を見せていた防衛軍が本格的に動き出す回。

密かにウルトラメダルを回収・研究し、グルジオライデンを捕らえ特空機のシステムに利用するなど色々ときな臭い行動を見せていた防衛軍でしたが、今回はついに次元すら破壊する兵器を作成。

中盤の描写を見るにセレブロが大きく噛んでいそうですが、クリヤマ長官に何があったかは明確にされず次回以降の引きの要素となりました。

 

超兵器を制御下にあると言いながら、結局はゼットが止めなければ次元崩壊を起こしていた防衛軍。

逆に言うと、"ウルトラマンの力さえあれば、どんな危機も超えられる"という結論に結びついてしまい、たびたび布石のあった「ウルトラマンを手に入れること」に導かれてしまったと見ることもできます。

果たしてそれも全てセレブロの企みなのか、そしてそれを見越した上でヘビクラ隊長は何を思い命令違反を犯したのか。

終盤に向けて多くの謎が提示され、ここにきても手を緩めない作劇はお見事。

 

前回キレキレだった武居監督の最終登板となりましたが、話の縦軸が大きく動いたエピソードとなったため、前回のような映像で見せる部分においてはあまり面白くならず、淡々と進めていた印象。

脚本の方もクセは少なかったものの、D4レイに対してのヘビクラ隊長の皮肉が大変良い味を出しており、好きな場面でした。

 

 

次回、いきなり無職。

バコさんは殺し屋に専念だ!!(違う