うらひろの日記

その場で思ったこと、好きなもの、書いてみます。

ウルトラマンZ「帰ってきた男!」

ウルトラマンZ』

第6話「帰ってきた男!」

(監督:坂本浩一 脚本:林壮太郎

いきなり睨み合うウインダムとセブンガーからスタート。

特空機による模擬戦が始まるとのことです。

そんな時でも何やら懸賞問題について考えているユカ。

これが解ければストレイジの予算に回せるのにとボヤいておりますが、仮に当たったとしても個人の資産を組織の運営に回すのはコンプライアンス的にどうなのでしょーか。

「じゃあ行くよ!よ〜いスタート!!」

真面目な注意から可愛げのある号令に繋げるのは本作初登板、坂本監督の領分だと思われます(笑)

 

ぶつかり合う先輩ンダムとハルンガー。

「ヨウコ先輩!先手必勝っすよ!!」

「もう頭来た!やぁー!!」

すっかり模擬戦のことを忘れて戦いを楽しむ筋肉の使徒たちですが、その頃ストレイジ基地では未確認機械生命体が地球に近づいていることを察知。

その姿を見たヘビクラ隊長は、それがラストジャッジメンター・ギルバリスであることを知ります。

前回で思いっきり正体を現した隊長ですが、そこで『劇場版ジード』にも繋げてきました。

隊長がギルバリスの存在と脅威を知ってることで余計な説明をその場でせずとも、物語に怪獣を自然に突っ込むことができたのも今回良かった点です。

また、その脅威を知ってるがために、現場の隊員たちに即座退避を命じる隊長の顔にもなり、ただ面白い玩具を弄ってるだけの道化ではないことが描かれました。

ところでこの場面でのギルバリスの説明は『劇場版ジード』の回想シーンで行っていましたが、その回想に映るジャグラー隊長の若気の至り感がすごくて、これは確かに焦るものだなと妙な納得感があったり。

 

突然出現した脅威に立ち向かおうとする筋肉の使徒ですが、ギルバリスにコントロールを奪われ硬芯鉄拳弾が暴発してしまいます。

これまでの特別チームと違ってロボットという、一つ間違えれば脅威の対象にもなる戦力を保有しているストレイジならではの描写です。

特空機は第1話から少しふらついただけでも街に被害を及ぼす存在として描かれており、予算アップ回では陽性的に描かれたものの、今後はこれも一つのポイントとなるのでしょうか。

ちなみにこの際、セブンガーが目を見開いており、本作は怪獣(ロボット)の表情にもこだわりがあって面白い点です。

 

そこに更なる未確認生命体が接近。

それはゼットと同じヒューマノイドタイプのエイリアンであり、大きく吊り上がった碧眼を持つウルトラマンジーであった。

鎧のような姿の新ジード・ギャラクシーライジンはいきなり主題歌でスピード感満載の戦闘を見せつけ、技モリモリの攻撃でギルバリスを圧倒します。

必殺技のレッキングフェニックスは後に判明する、フュージョン元のウルトラマンの技を組み合わせた動きをしており、とても細かいです。

ジードに爆砕されたギルバリスですが、原典同様球体になって逃走。ジードが後を追います。

 

一方その頃、カブラギが謎空間の機械でベリアルメダルを生成しようとするも、すぐに消滅。

「やはりデビルスプリンターのみではダメか…」

 

ギルバリスを見失ったジード=朝倉リクはペガと通信を試みるも繋がらず、そこにジャグラー=ヘビクラが闇の仕草で登場します。

「ったく…優秀な人工頭脳のクセに学習能力がねぇな…」

リクによるとギルバリスの復活はデビルスプリンターによるものであり、復活したことでまたも知的生命体を排除するために行動を開始したとのことです。

「デビルスプリンターによる暴走は…僕が止めないと」

後の展開への布石になるシーンで『劇場版ジード』と同様自分の行動に使命感を覚えているような言い方ですが、一人で突っ走っている様子もなく、ヘビクラも微妙な表情を見せるも納得したような態度だったので、なんとなくリクの成長が感じられる場面です。

今回リクがゼットライザーを使ってる理由については、復活したギルバリスとの戦闘中、ジードライザーが破壊されてしまったことによる応急処置といった形でした。

ヒカリ宅急便の3年後にまさかペガ宅急便が見られるとは思いもよらず(笑)

そのペガとは途中ではぐれてしまったとのことです。

さらにここで、ヘビクラがリクにストレイジの隊長をやってることを示すのですが、同時に本作のジャグラーはこれまでのジャグラーと同一人物であるということも補強したといった形に。

「正義に目覚めたって言ったら、信じるか?」

 

その頃ギルバリスが散った現場で、カブラギはまたもデビルスプリンターを回収する…。

カブラギ(に取り憑いている何か)は普段仕事してることが分かり少しホッとしました。

このシーンでは無言で左目だけ赤く光らせている場面があり、カブラギの得体の知れなさはよく描写できています。

 

場面変わってストレイジ基地では、ケイ素の単結晶が消失した報告が上がり、それがギルバリス球体によるものだと断定。

ギルバリスはロボットというより集積回路に近く、ケイ素を集めていたのです。

さらにギルバリスはネットの情報をもとにケイ素を探しており、ユカは嘘の情報を流すことによっておびき出す作戦を提案。

この辺りのやりとりは若干唐突で、そんな突飛なアイデアでも無かったので、天才と自称するユカの描写が中途半端に感じました。

ここ以降ユカは丸眼鏡をずっとしているのですが、これは坂本監督の趣味でしょうか(適当)。

この場面では科学的な話にそれなりに付いていけてるヨウコ先輩と顔をしかめるだけのハルキの対比も描かれ、以前に先輩から新聞くらい読めと言われてたハルキですが、早速前回言ってたプロ意識が欠如してる主人公が描かれてしまいます。

さらにヨウコ先輩はギルバリスを退治することでストレイジの株が上がり、予算倍増も夢じゃないと盛り上がり経済的な面でも意識が高いです。

プロになるということは、新聞を読むことから始まる!!

 

かくしてスタートした「AI騙して一気に破壊だ大作戦」ですが、ユカの天才的な発想というよりも、あっさり誘導されるギルバリス球体の無能AIっぷりがある意味リアル(笑)

しかし待機していたハルキの前に、鉄パイプで球体バリスに挑む筋肉の使徒リクが現れハルキは銃火器で応戦。

逃げようとした球体バリスは、こちらも待機してた先輩ンダムがホールド。

しかし球体からまたも怪獣体に変わったギルバリス(不完全体)に先輩ンダムは苦戦。

ハルキとリクは少し揉めながらも、お互いゼットライザーを持ってたことで同じような立場であると即座に理解します。

ライザーを手に、光の扉に飛び込むリク。

「ライブ!ユナイト!アップ!」

「集うぜ!キラ星!!」

ギンガ、エックス、オーブメダルを使うことでジードギャラクシーライジングに変身!

負けじとハルキも師匠三倍盛りに変身します。

 

変身後、ジードに駆け寄るゼット。

ジード先輩!」

「え、なんでゼットがここに?」

「え、知り合いなんですか?」

「このお方はなぁ、ゼロ師匠の弟子でウルトラすごい俺の兄弟子!」

「え、僕別にゼロの弟子じゃ…」

「兄弟子はなぁ、あのベリアルをぶっ倒してM78星雲にその名を轟かせた超有名な…」

「もういいから!行くよ!!」

ハルキ(視聴者)にジードがどのようなヒーローで、ゼットとの関係性もどうなっているのかを説明しつつ、短いやりとりでそれぞれのキャラの個性も見えて秀逸なシーンでした。

 

ギルバリスに追い詰められるウインダムをシールドで守る2大ウルトラマン

2つの筋肉の壁に守られたヨウコ先輩のヒロイン力がまたも上がっております。

ここで挿入歌『フュージョンライズ!』をバックに武器を手に戦う2大ウルトラマンのスピーディなバトルが見どころ満載です。

倒れたゼットに駆け寄るジードの先輩っぷりも、見てて嬉しくなる要素です。

 

その頃ユカがギルバリスに、冒頭の懸賞問題を直接与えることで攻撃力と防御力を下げることを提案、先輩ンダムがそれを打ち込むことに成功します。

2大ウルトラマンが出たことによってそれだけを頼りにするのではなく、ストレイジ側でも最善を尽くして勝利に貢献するという展開もバランスをキープしてくれてとても良かったです。

その後のヘルメットを脱いで髪を下ろしたヨウコ先輩も坂本監督の(以下略)。

 

「ウルトラ燃えてきたぜ〜!行きましょうジード先輩!!」

主役は俺だと言わんばかりに主題歌が流れ始めテンションの上がるゼット。

しかし遅れてやってきた僕が主役だと言わんばかりに、リクはライザーを起動して必殺技ギャラクシーバーストを発動!!

玩具販促をしっかりこなすやつこそが主役なんだ!!!

しっかりとどめはゼットランスファイヤーに譲るジードの先輩っぷりに涙が止まりません。

 

戦い終わり、心を通わせ合った筋肉の使徒たちはお互いの名を名乗る。

僕の名前は朝倉リク、よろしくお願いします」

ジード』12話が大好きな身としては震える一言です。

「リクくん先輩もデビルスプリンターを追って?」

見た目自分より若いように見えるからって先輩にくん付けするハルキもなかなか肝が据わってます。

直後リクが微妙な反応を見せるのですが、それはデビルスプリンターのことなのか、それともこのくん先輩呼びのことなのか。

「そもそもデビルスプリンターって何すか?」

「あれ?ゼットから聞いてない?」

やはりポンコツか…!

ビルスプリンターとは光の国の反逆者、ウルトラマンベリアルが宇宙で大暴れした時(映画『大怪獣バトルウルトラ銀河伝説』)にウルトラマンタロウとの戦いにおいて散らばった細胞のことであり、カブラギが持っていた破片がそれであったことがここで分かります。

 

ウルトラマンベリアル?」

「うん…僕が、決着をつけなきゃいけない相手」

「リクくん先輩、カッコいいっす!俺も力を貸します!!」

ハルキはやはり年下属性というか、カッコいい先輩の良い部分を真似したい素直な子なんだと思われます。

変身前はごちゃごちゃしてましたが、いざこざを引っ張ることもなくすんなり和解できたのはストレスが無くて良かったです。

 

「あ、そういえばゼロは?ゼットと一緒にいるって聞いたけど…」

「ゼロって…ゼットさんの師匠の?」

その頃ゼロは四次元空間で、カラータイマーも赤くなりそれなりにピンチを迎えていました。

「くっ…ブラックホールより…吹き荒れてやがるぜ…!!」

さらにカブラギは謎空間で戦闘員を調達し、モニターでリクを監視することで変態ストーカーとして行動を開始するのであった…でつづく。

 

 

前回同様、過去作のキャラクターが登場するイベント回のようなエピソードになりましたが、旧作で登場したボス怪獣を設定そのままに再登場させ、さらにそれに大きく関わったジード=リクとジャグラー=ヘビクラにリアクションさせることで、脅威として演出できたのも良かったです。

ゼットに関しては戦闘以外でハルキと会話をしないのが普通みたいになっていましたが、リク基準で考えるとちゃんと情報共有を行なってないような描写にも見え、そういった部分でも3分の一人前の戦士と言えるのかもしれません。

またストレイジにもしっかり出番があり、とうとう大きく動き出したカブラギなどキャラクターも活きいきとし始めたので、これからの展開も楽しみです。

 

今回初登板の坂本浩一監督ですが、ジードのスピーディなアクションにベータスマッシュのヘビーなアクションと緩急を分けており、見るたびに引き出しが増えていくのは本当にすごい。

毎度見られる煩悩についても、ストレイジは露出低めの格好なので今回はかなり抑えめ。

あと2話は撮るとのことなので、それらは今後のお楽しみといったところでしょうか。

また同じく初参加の脚本家、林壮太郎氏は前作「タイガ」でシリーズ構成を務めており、短い会話でキャラの個性と設定を飲み込めるようになってて鮮やかな手並みでした。

前回は妙なテーマ性を持ち込もうとしてバケツから溢れてしまっていたので、今回みたいな詰めすぎず見どころもそれなりにあるレベルが続いてくれればありがたいです。

 

 

次回、ペガがいない今、ヒロインは僕しかいない!!決めるぜ!覚悟!!