うらひろの日記

その場で思ったこと、好きなもの、書いてみます。

ウルトラマントリガー「光を繋ぐもの」

ウルトラマントリガー』

-NEW GENERATION TIGA-

第1話「光を繋ぐもの」

(監督:坂本浩一 脚本:ハヤシナオキ)

少々間が空いてしまいましたが、ウルトラマン新シリーズ『トリガー』の感想書いていきたいと思います。

先に断っておくとこの感想書いてる時点でもう第7話まで放送しているので、ある程度先の展開が頭に入ったうえで思ったことを書いていく形になると思います。

第1話はリアルタイムでの感想を書こうとした形跡があるので若干歪つですが、そのようなやり方で進めますので駄文ながらお付き合いいただけると幸いです。

 

 

まずは冒頭、思ったこととして


うーーーんOP無しかーーー

 


いや、まあOP無くても面白い第1話は今までも色々あるわけですが、肝心の中身が…まあとりあえず本編。

 


開拓された火星にて植物学者として働き、育てている花に「ルルイエ」とかいう不穏な名前を付ける青年・マナカケンゴ

「怪獣かぁ…地球は大変だなぁ」

地球平和同盟TPU主導のもと、怪獣被害に対処するエキスパートチーム・GUTS-SELECTが地球にて編成されることが決まり、主人公はそれを他人事のように見つめていたのですが、地球育ちじゃない地球人主人公はもしや初?

その火星には逆三角形に聳え立つ謎の遺跡が存在し、TPUを立ち上げたシズマ財団の会長・シズマミツクニ(演:宅麻伸)が調査していた。

 

「よくも…よくもこの私を…!トリガぁぁぁぁぁ!!!」

一方で、その遺跡との関連があると思われる謎の石像が宇宙を漂っていたところ隕石群と軽く衝突し、それが原因で3000万年の眠りから妖霊戦士カルミラが復活し火星に侵攻。

『ティガ』第1話に登場し作品を代表する怪獣でもあるゴルザとメルバが融合したような超古代闇怪獣ゴルバーを操り、カルミラは遺跡の破壊に勤しむがシズマはゴモラキーをブートアップ!ゴモラ振動銃でゴルバーを退け、更にいつの間にか遺跡に侵入していたケンゴが崩れてきた岩石に押し潰されそうになった際に、謎バリアが彼を守った場面を目撃することに。

ここまでが開始10分です。

 

「こんな時、僕には何が出来るんだ…?」

ゴルバーの進撃によって多くの人々が傷つき、笑顔が無くされている状況に居ても立っても居られないケンゴに、シズマは

「夢見る未来は、人それぞれにきっとあるはずだ。私にも、そして君にも」

ありがたいお言葉のついでガッツスパークレンスとブランクのガッツハイパーキーをシズマに託されたケンゴは、母親の応援も後押しとなり、銃火器を構えて再び遺跡に出陣。

ケンゴは導かれるように遺跡の最下層に到達し、そこで膝立ちで佇む巨人の石像を発見。

冒頭、自らの夢の中に出現した"闇の巨人"と似た姿をしている巨人像に怯むケンゴですが、そこに人間大でやってきたカルミラが一方的に巨人像とケンゴをムチではたく!

「3000万年分の想い、受け取ってくれるかい?トリガー!!」

 

ワケが分からないながらも巨人像を守り血を流すケンゴの前に、これまた夢の中に現れた謎の少女・ユザレが現れ御加護シールドを張るも、カルミラによってその場では消滅(今回出てきたのは残留思念のようなものかと)。

「僕は、僕は…皆を笑顔にしたいんだ!!」

人々の笑顔を守りたいという思いからカルミラの攻撃を跳ね除け、ついでに衝撃波で後方の壁に叩きつけたケンゴに呼応するかのように巨人から溢れた光がブランクキーに宿り、ケンゴは万能の光を得る!

 

……きっかけは顔パスによる遺跡侵入(母親が遺跡調査団関係者)、訳知りの長官ポジションからアイテムをあっさり譲渡されるという隠しきれない御膳立て感、バックボーンがまともに掘り下げられないまま「笑顔のために」を連呼してそこから力を得るなどの展開が全く劇的にならず。

何から何まで理由付けをしてガチガチに理論武装しろとは言いませんが、長官に優遇されてる上に心情が明後日の方向に飛びまくってる主人公にヒーロー性と親近感を見出すのは本当に難しいと思います。

加えて初変身でありながら、手数の多い変身プロセスを着々とこなす姿にも非常に違和感を覚え、『トリガー』という作品を語る上であまり他作品と比較はしたくはありませんが、変身方法とその引っかかりとツッコミどころを第1話で詰め込んだ『Z』の初変身は実に秀逸でした。

 

「未来を築く、希望の光!!

 ウルトラマントリガー!!!」

ブランクキーに宿った万能の光をブートアップ!したケンゴは、そのまま巨人と一体化し再び火星で暴れるゴルバーと激突!

いきなり360度カメラですっごい見辛いバトルを見せるトリガーですが、ただでさえ初戦闘で慣れてない上にカルミラも参戦し1対2となったことで早速窮地に立たされてしまいます。

雨が降りしきる中(一応冒頭に雨が散布されるという言及はあり)、泥だらけになって取っ組み合うカルミラとトリガーという画が非常にマニアックで、悪い意味で坂本監督が暴走しがち。

 

このままではハマっ…じゃなかった闇の力に負けてしまいそうになったトリガー=ケンゴは、脳内に流れ込んできた巨人の記憶から、遺跡に眠っていたもう一つの石像である神器・サークルアームズを手にする!

剣を手に取り、主題歌をバックに流し始めたトリガーは形勢逆転でゴルバーをマキシマムブートアップ!!で横一閃!

カルミラのムチ攻撃もいともせずにサークルアームズを振るうトリガーはトドメのゼペリオン光線をゴルバーに浴びせ、何と久々の人形バラバラ爆発。

最後に見たのが『メビウス&ウルトラ兄弟』の記憶なので、まさか令和の世に見られるとは思いもせず。

 

辛くも闇の巨人と怪獣の2体に勝利したケンゴはレンタルしたスパークレンスと万能キーをシズマに返却しようとするも、

「ケンゴ君、私と一緒に地球に来てほしい。

 GUTS-SERECTの一員として」

火星育ちの青年は母親に見送られ、怪獣が闊歩する混乱の星・地球へと旅立つことになり、その地球ではシズマの娘と仏頂面の青年が、光の巨人の出現にそれぞれ反応を示していた…でつづく。

 

 

平成に入って初めて制作されたTVシリーズウルトラマンティガ』25周年を記念し制作された本作、デザインから設定まであらゆるところに『ティガ』及び続編の『ダイナ』の要素が散りばめられているのですが、そんなことが気にならないレベルで話が崩壊。

『ギンガ』以降のいわゆる"ニュージェネレーションウルトラマン"は2クールの中である程度の販促ノルマをこなすことから、良くも悪くも定型が決まっていました。

まあ後の展開を見るに、本作の場合は制作の都合がかなり出てしまっているのですが、例年だったら1.2話で終わらせる内容を無理やり1話に押し込んだ都合で、玩具販促のために顔を出す要素に物語を全く乗せることが出来ず、せっかくのこだわりの映像にも何ら感情を乗せることが出来ませんでした。

 

近年のウルトラシリーズの勢いは凄まじく、玩具販促のペースも明らかに強気になっているのですが、その玩具販促の余波が本編に大きく影響を及ぼしている状況。

ある程度定型を決めていて物語と販促のバランスを取ってきたニュージェネシリーズの形を悪い意味で大きく崩し、更に設定の段階で『ティガ』との強い結びつきを強調していることからも一歩間違えれば一気に地盤崩壊と呼べる微妙なラインだったのですが、基礎もロクに固まってない土地に、いきなり組立済みの建物を上からボンッと置いて完成!みたいな作劇。

今回ウルトラ初参加の脚本ハヤシ氏の特色も見えず、前作でもレベルアップした演出を見せた坂本監督も特撮演出は良かったもののあまり良いところは見られず、残念な出来となりました。

足元から崩壊しないかがとても心配になります。

 

その一方でユザレのケンゴに向けた「あなたは光であり…」という不穏なセリフ、ゴルザやメルバ、ティガに言及し異世界を覗いてきた疑惑のあるシズマ、火星に眠っていたトリガー等々謎を数々散りばめ、今後の展開に対する引きを多くしたのは好材料で、『ティガ』とはまた一味違う展開を期待したいところです。

第1話の段階でマイナスイメージのスタートになってしまいましたが、楽しみなところもあるので出来るだけ良い部分を見つめられたらなぁと思います。

 

 

次回、早くも筋肉対決。